ホテル・旅館 居抜き開業ガイド|用途地域6ルール×消防法(5)項イ×客室面積7/9/33㎡を実務解説

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3行サマリー

  • ホテル・旅館居抜きの核心は用途地域の適合、消防法(5)項イ設備の充足、客室の面積・採光・換気基準。2018年改正で旅館営業とホテル営業は「旅館・ホテル営業」に統合され、最低客室数と玄関帳場の要件も緩和された
  • 坪単価レンジは居抜きビジネスホテル50〜150万円・シティホテル150〜250万円・ゲストハウス30〜80万円。前テナントが元ホテル・旅館・簡易宿所であれば、設備流用で数千万円単位の節約余地が出る
  • 業態は旅館・ホテル営業/簡易宿所営業/住宅宿泊事業(民泊新法)/特区民泊の4区分で、営業可能な用途地域と設備要件が大きく異なる。物件選びは業態確定から始めるのが鉄則

本記事のご利用について

本記事は2026年4月時点の一般的な参考情報であり、特定の物件・事業に対する法的助言ではありません。各種法令(食品衛生法・旅館業法・消防法・風営法・建築基準法・都道府県条例等)は改正や解釈の変更があり、また自治体ごとに運用が異なる場合があります。実際の開業にあたっては、必ず弁護士・行政書士・建築士・消防設備士・所轄保健所/消防署/警察署等に個別にご相談のうえ、最終判断をお願いいたします。本記事の内容に基づく判断・行動の結果について、当サイトは責任を負いかねます。

ホテル・旅館居抜きで本当に価値があるのは「用途地域・消防設備・客室構造」

ホテル・旅館の居抜きで見るべきは、その敷地で旅館業が営める用途地域か、消防法令(5)項イの設備が整っているか、客室の床面積・採光・換気が旅館業法施行令の基準を満たしているかの3点です。宿泊業は飲食・物販よりも法規制が多層に及ぶため、内装デザインよりもまず法令適合性の確認から始まります。

ホテル・旅館は重装備業態で、居抜きビジネスホテルなら坪50〜150万円、シティホテルなら坪150〜250万円、ゲストハウス・簡易宿所なら坪30〜80万円と幅があります。居抜き取得費の相場は同業態で坪30〜100万円に収まることが多く、スケルトンや新築から造るより数千万円単位の節約余地があります。

覚えておきたいポイント

居抜きで最初に確認したいのは、旅館業法(e-Gov法令検索)上の業態区分と、旅館業法施行令第1条の構造設備基準への適合度です。前店の営業許可がそのまま引き継げるケースは限定的で、原則として新規許可の取得手続きが発生します。

旅館・ホテル営業/簡易宿所/民泊新法/特区民泊の4区分

宿泊事業は大きく4つの制度に分かれます。2018年6月の旅館業法改正で、従来の「ホテル営業」と「旅館営業」は「旅館・ホテル営業」に統合され、最低客室数と玄関帳場の設置要件が緩和されました。居抜き物件の業態選定では、この4区分のどれを狙うかで物件要件が大きく変わります。

旅館・ホテル営業

  • 通年営業可・日数制限なし
  • 1客室7㎡以上(寝台設置は9㎡以上)
  • 用途地域:住居地域・商業地域等6地域
  • 保健所の旅館業許可が要る
  • フロント相当の確認設備を用意

簡易宿所営業

  • 多人数共用の構造(ドミトリー型)
  • 客室延床33㎡以上(10人未満は3.3㎡×人数)
  • ゲストハウス・カプセルホテル・民宿
  • 通年営業可・旅館業許可が要る
  • 用途地域の制限は旅館・ホテル営業と同等

住宅宿泊事業(民泊新法)

  • 年間180日以内の営業上限
  • 都道府県・保健所への届出制
  • 住居専用地域でも原則営業可
  • 家主居住型・家主不在型で要件差
  • 自治体条例で日数追加制限の例あり

特区民泊

  • 国家戦略特区の認定地域のみ
  • 2泊3日以上の滞在が条件
  • 大田区・大阪市等の一部エリア
  • 日数制限なし・自治体認定制
  • 住居専用地域でも営業可の場合あり

覚えておきたいポイント

居抜きで元ホテル・旅館物件を取得する場合は、前店の許可区分と同じ業態で引き続き営業するのが最も改修負担が軽くなります。簡易宿所物件を旅館・ホテル営業へ切り替えると、客室面積要件が33㎡総量規制から7㎡個室規制へ変わり、間仕切り改修が生じます。

向く人・向かない人の判定

ホテル・旅館の居抜きは、業態と立地の適合が読めている経営者にとっては強力な選択肢ですが、用途地域や消防設備の理解が浅いと法令不適合物件を掴むリスクがあります。

向いている人

  • ホテル・旅館・民宿での運営経験または用地買収・宿泊業開発の経験がある
  • 狙う業態(旅館・ホテル営業/簡易宿所/民泊/特区民泊)が明確
  • 用途地域と消防法令の基礎を事前に学ぶ時間がある
  • 開業までの準備期間が6〜12カ月確保できる
  • 坪30〜150万円レンジの居抜き工事費を目安にできる資金余力がある

向いていない人

  • 宿泊業態の選択が迷っていて、物件を見てから決めたい
  • 住居専用地域の戸建てを旅館・ホテル営業で使いたい(立地要件で営業できない)
  • 前店の営業許可がそのまま使えると考えている
  • 旅館業許可と消防法令の協議に時間を割けない

ホテル・旅館居抜きは用途地域・消防設備・客室構造の三位一体整合が鍵です。宿泊業系施工の実績がある会社を含め、複数社の相見積もりで改修範囲と費用を具体化してください。

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前テナント業種別の流用率マトリクス

前テナントの業種によって、ホテル・旅館に必要な設備の流用率は大きく変わります。同じ宿泊業態からの居抜きは相性が良く、異業種(共同住宅・オフィス・商業施設)からの転用は用途変更・消防設備新設・客室改修の負担が大きくなります。

前テナント別のホテル・旅館向け流用率の目安

元ホテル・旅館(同区分)90〜95% 客室・水回り・自火報ほぼ流用可
元簡易宿所・ゲストハウス65〜75% 共用設備流用可/客室面積要件に注意
元民泊・元ウィークリー50〜60% 間取りは近いが消防設備は要増設
元共同住宅(マンション)30〜40% 用途変更・自火報・避難経路要改修
元オフィス・事務所15〜25% 水回り新設・間仕切り大改修
元倉庫・工場10%前後 実質スケルトン化が現実的

覚えておきたいポイント

同じ宿泊業態でも、前店が有効な旅館業許可を持っていたかどうかで改修負担は変わります。許可・届出が適正に整っていない状態の物件を引き継ぐと、既存不適格ではなく違反建築として是正を求められる可能性があります。旅館業法改正前の物件では玄関帳場要件や最低客室数で制限があったため、現行基準での再審査が必要になります。

用途地域と立地判定(6地域ルール)

旅館・ホテル営業は、都市計画法の用途地域のうち第一種住居地域(3000㎡以下)、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域の6地域でのみ建築できます。第一種・第二種低層住居専用地域、第一種・第二種中高層住居専用地域、工業地域、工業専用地域では、旅館・ホテル営業の建築ができません。

営業可能(6地域)

  • 第一種住居地域(3000㎡以下)
  • 第二種住居地域
  • 準住居地域
  • 近隣商業地域
  • 商業地域
  • 準工業地域

営業できない地域

  • 第一種低層住居専用地域
  • 第二種低層住居専用地域
  • 第一種中高層住居専用地域
  • 第二種中高層住居専用地域
  • 工業地域
  • 工業専用地域

住宅宿泊事業(民泊新法)は工業専用地域以外で営業可能ですが、自治体条例で住居専用地域の平日営業を制限している例があります。特区民泊は国家戦略特区の認定範囲のみで、住居専用地域でも営業可能な場合があります。

覚えておきたいポイント

第一種住居地域では建築面積3000㎡以下の旅館・ホテルに限って建築可能です。中規模ホテルの建替・新築では3000㎡超過で第一種住居地域での計画が止まることがあります。居抜きで元ホテル物件を取得する場合も、既存建物の延床面積がこの3000㎡ルールに適合しているかを確認してください。

注意したい点
居抜き物件の所在地が用途地域の境界線に近いケースでは、敷地の一部が営業可能地域に入っていても、建物主要部が営業できない地域に食い込んでいる場合があります。用途地域は市町村役場の都市計画課で正式確認してください。市街化調整区域は原則として旅館・ホテルの営業ができません。

客室面積7㎡/9㎡/33㎡ルールの実務

旅館業法施行令第1条は、業態ごとに客室の面積基準を定めています。旅館業法施行令(e-Gov法令検索)によれば、旅館・ホテル営業は1客室7㎡以上(寝台を置く客室は9㎡以上)、簡易宿所営業は客室延床33㎡以上(10人未満の場合は3.3㎡×宿泊者数以上)と定められています。

業態別の客室面積要件

旅館・ホテル営業(和室)1客室 7㎡以上
旅館・ホテル営業(洋室・ベッド)1客室 9㎡以上
簡易宿所(10人以上収容)客室延床 33㎡以上
簡易宿所(10人未満収容)3.3㎡×宿泊者数 以上

2016年4月の施行令改正で、簡易宿所の下限が「33㎡一律」から「宿泊者10人未満は3.3㎡×人数」へ緩和され、小規模ゲストハウスの参入余地が広がりました。自治体条例では面積要件に上乗せ規定を置く例があり、例えば新宿区は1人あたり有効面積3㎡の上乗せ規制を残しています。

覚えておきたいポイント

客室面積は「有効面積」ではなく「構造部分の合計床面積」で算出する運用に変わっています。かつての有効面積規制・窓面積の全国一律規制は旅館業法令上は廃止されましたが、自治体条例で上乗せ規制を残している例があるため、所在地の条例確認が欠かせません。

玄関帳場と代替設備(2018年改正の緩和)

2018年6月の旅館業法改正で、フロント(玄関帳場)の全面設置義務は緩和されました。現行では「宿泊者との面接に適する玄関帳場その他当該者の確認を適切に行うための設備として厚生労働省令で定める基準に適合するもの」を設置すれば足ります。

1ビデオカメラ+モニタ型宿泊者の顔を映像で確認できる機器を受付相当の位置に設置
2タブレット端末型ICT設備を用いたリモート本人確認でフロント不在運営
3コンシェルジュ配置型従来型のフロント職員対応・緊急時の駆け付け体制
4ハイブリッド型無人時間帯はICT、有人時間帯はフロント職員

覚えておきたいポイント

代替設備を選ぶ場合でも、緊急時の迅速な対応体制(10分以内の駆け付け等)と善良の風俗保持の措置が求められます。居抜きで前店がフロント型で運営していた物件を無人化する場合、保健所・消防署との事前協議で運営計画を具体的に示すことで協議が進みやすくなります。

消防法令別表第一(5)項イの設備要件

ホテル・旅館・宿泊所は、消防法令別表第一の(5)項イに該当する特定防火対象物です。延べ面積を問わず自動火災報知設備の設置が求められ、延床面積・階数によってスプリンクラー設備・誘導灯・消火器・防火管理者の選任などの義務が段階的に発生します。

(5)項イの主な消防用設備

  • 自動火災報知設備(延床面積を問わず必要)
  • 誘導灯・誘導標識(原則として各階の避難経路に設置)
  • 消火器(延床150㎡以上で義務)
  • スプリンクラー設備(延床6000㎡以上・11階以上の階など)
  • 屋内消火栓設備(延床700㎡以上等の規模で必要)
  • 防火管理者の選任(収容人員30人以上)
  • 消防機関への通報設備(延床500㎡以上)
  • 防火対象物定期点検(収容人員300人以上)

住宅宿泊事業(民泊新法)でも、家主不在型または宿泊室床面積合計が50㎡を超える届出住宅は(5)項イの扱いを受けます。家主居住型で一定要件を満たす場合のみ(5)項ロの扱いとなり、設備要件が一部緩和されます。

覚えておきたいポイント

自動火災報知設備の未設置や誘導灯・消火器の不備は、消防法第41〜45条の罰則対象になります。居抜きで引き継ぐ消防設備は受信機・感知器の製造年を必ず確認し、老朽化している場合は開業前に更新する計画を立ててください。特定小規模施設用自動火災報知設備(特小自火報)が認められる規模の物件では、設備コストを大幅に圧縮できる場合があります。

注意したい点
前店が消防設備点検を年1〜2回の頻度で実施していたか、点検記録(機器点検6カ月・総合点検1年)の直近3年分が揃っているかを契約前に確認してください。未点検・未整備の設備は、居抜きで引き継いだ新オーナーの責任で是正が求められます。

建築基準法の特殊建築物と用途変更確認申請

ホテル・旅館は建築基準法上の「特殊建築物」に該当し、一般建築物より厳しい構造・避難基準が適用されます。外壁・間仕切り・廊下幅・避難階段などに規定があり、定期的な建築設備調査と特定建築物の定期報告も求められます。

特殊建築物としての主な制約

  • 3階建て以上のホテルは耐火建築物の扱い
  • 主要構造部の耐火性能(一定時間延焼や倒壊を防ぐ構造)
  • 外壁開口部で延焼のおそれのある部分に防火設備
  • 廊下・階段の幅員規定
  • 避難階段の設置と2方向避難の確保
  • 内装制限(壁・天井の仕上げ材料)
  • 定期報告(年1回または3年に1回)

既存の建物をホテル・旅館に用途変更する場合、延べ面積200㎡を超える部分については建築基準法第87条の用途変更確認申請が発生します。居抜きで元ホテル・元旅館の物件を同業態で引き継ぐ場合は用途変更にあたらないため、この手続きは省けます。

覚えておきたいポイント

特殊建築物の定期報告制度では、特定建築物調査(おおむね3年に1回)、建築設備定期検査(年1回)、防火設備定期検査(年1回)の報告義務があります。居抜きで取得した物件でも、新オーナーの責任で定期報告を継続が求められる場合があります。前店の直近の定期報告書類の引き継ぎを造作譲渡契約で明記しておくと、新オーナーの運用が円滑になります。

共同住宅・オフィスから旅館への転用時の制約

マンションなどの共同住宅をホテル・旅館に転用する場合、容積率オーバー・避難経路・準耐火建築物の面積制限の3点で詰まることがあります。2018年以降に建てられた容積率いっぱいの共同住宅では、用途変更で緩和規定が外れて容積率オーバーになる例があります。

共同住宅→旅館の要確認ポイント

  • 容積率の用途別緩和の適用可否
  • メゾネット住戸の全階直通階段
  • 3階準耐火建築物は200㎡制限
  • 自火報の用途別感知器種別
  • 廊下幅員の特殊建築物基準

オフィス→旅館の要確認ポイント

  • 水回り(浴室・トイレ・給排水)新設
  • 客室間仕切りの遮音・防火性能
  • 窓面積・採光要件への適合
  • 避難経路の再設計
  • エレベーター改修の要否

異業種からホテル・旅館へ転用する物件は、建築基準法・消防法・旅館業法の三層協議が欠かせません。実績のある内装・施工会社に相見積もりを取って、改修範囲の精度を高めてください。

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200㎡ルールと建築確認の要否

建築基準法第87条により、特殊建築物への用途変更で延べ面積200㎡を超える部分がある場合、用途変更の建築確認申請が求められます。この手続きでは、現行の建築基準法に適合させるための工事設計が要求されます。

用途変更の申請要否判定

200㎡以下の特殊建築物転用確認申請 不要
200㎡超の特殊建築物転用確認申請 要(用途変更)
既存ホテル→同規模ホテル用途変更なし(一般改修)
新築・全面建て替え確認申請 要(新築扱い)

覚えておきたいポイント

200㎡以下でも用途変更そのものは法律上認められる行為で、建築基準法・消防法への適合は求められます。200㎡を超える用途変更を確認申請なしで行うと違反建築となり、営業停止や是正命令の対象になります。共同住宅・事務所・物販店舗から旅館・ホテルへの転用は、ほとんどのケースで200㎡を超えるため確認申請が発生します。

契約前チェックリスト20項目

ホテル・旅館の居抜き契約前に確認したい20項目を、立地・客室・法務の3カテゴリで整理しました。どれか1項目でも不明点が残る場合は、建築士・行政書士・内装会社の3者視点での相談をおすすめします。

立地・用途地域(7項目)

  • 用途地域の種別と旅館・ホテル営業可否
  • 市街化調整区域の該当有無
  • 敷地周囲100m以内の学校・児童福祉施設の位置
  • 自治体条例の上乗せ規制(住居専用地域の日数制限等)
  • 前面道路の幅員と接道要件
  • 駐車場台数の条例要件
  • 周辺住民への説明義務の有無

客室・建物(7項目)

  • 1客室の床面積(7㎡/9㎡/33㎡基準の適合)
  • 採光窓の面積と換気設備
  • 廊下幅員と避難経路の2方向確保
  • 耐火・準耐火構造の区分
  • 共用トイレ・浴室の設備と人数比
  • フロント相当設備の設置状況
  • 宿泊者名簿の記録・保存体制(3年保存)

法務・消防(6項目)

  • 前店の旅館業許可番号と廃業届の状況
  • 消防設備点検記録(直近3年分)
  • 自動火災報知設備・誘導灯・消火器の作動確認
  • 防火管理者選任の要否と引き継ぎ
  • 特定建築物定期報告の履歴
  • 造作譲渡契約の範囲と原状回復義務

契約前チェックリスト20項目の不明点は、複数社の見積と現地調査でクリアできます。ホテル・旅館の施工実績がある会社に物件の診断を依頼してください。

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坪単価と初期投資レンジ(3業態モデル)

ホテル・旅館は業態で坪単価が大きく変わります。同じ20室規模でもビジネスホテルとシティホテルでは内装費・客室設備費ともに数倍の差が出るため、業態を確定させてから予算を組むことが重要です。

坪単価の目安(業態別居抜き・スケルトン比較)

居抜き・ゲストハウス/簡易宿所30〜50万円/坪
居抜き・ビジネスホテル50〜100万円/坪
居抜き・シティホテル100〜180万円/坪
スケルトン・ビジネスホテル80〜150万円/坪
スケルトン・シティホテル150〜250万円/坪
新築・ホテル(2024年全国平均)約195万円/坪

業態モデル別の初期投資の目安は、10室規模のゲストハウスで800〜1500万円、20室規模のビジネスホテルで6000万〜1.5億円、50室規模のシティホテルで3億〜10億円の幅があります。客室設備(ベッド・リネン・アメニティ・テレビ・金庫)と共用設備(フロント・エレベーター・厨房)を分けて見積もりを取ると、コスト構造が把握しやすくなります。

参考情報
建築着工統計の2024年データでは、構造別のホテル建築費坪単価は鉄筋鉄骨コンクリート造で324万円、鉄筋コンクリート造で174万円、鉄骨造で165万円、木造で123万円となっています。建築費は2022年比で1.3倍前後に高騰しており、居抜き取得の節約効果はさらに大きくなっています。

造作譲渡と旧営業許可の引き継ぎ不可の原則

居抜きで元ホテル・旅館物件を引き継ぐ場合、造作(内装・設備)は譲渡契約で引き継げますが、旅館業許可そのものは引き継げません。新オーナーは所在地を管轄する保健所へ新たに旅館業許可の申請を行う対象となる場合があります。

覚えておきたいポイント

営業許可は営業者個人(または法人)に紐付くため、法人格の変更・個人事業主の交代のたびに再申請が発生します。前店の許可廃業届と新オーナーの新規許可取得には、標準的に1〜3カ月の手続き期間が見込まれます。許可取得までの空白期間を事業計画に織り込んでください。

造作譲渡契約では、譲渡対象物の範囲(客室什器・リネン・厨房機器・フロント什器・ITシステム)、譲渡価格の算定根拠(簿価・中古市場価格・残存価値)、瑕疵担保の範囲、関連法令に適合していない造作・増築が存在しないことの表明、を明記しておくことが望まれます。

居抜き取得時の造作譲渡金額は物件ごとに差が大きく、相場を把握したうえで交渉することが重要です。宿泊業の実績がある内装会社に査定・見積を依頼してください。

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よくある失敗7パターンと回避策

ホテル・旅館居抜き開業で実際に起きている失敗と、回避策を7つ挙げます。いずれも契約前の現地調査と書類確認で防げるものです。

  1. 用途地域を確認せずに契約してしまう
    第一種中高層住居専用地域の物件を旅館・ホテル営業で取得し、営業許可が下りずに白紙化。→ 契約前に市町村都市計画課で用途地域を確認。
  2. 前店の旅館業許可が使えると思い込む
    営業許可は個人・法人単位で、承継できない。→ 保健所へ新規許可申請の予定と所要期間を事前相談。
  3. 200㎡超の用途変更で確認申請を怠る
    元オフィスをホテル転用し、確認申請なしで営業開始→是正命令。→ 延面積200㎡超は建築士と用途変更確認を検討。
  4. 消防設備の老朽・未点検で是正工事が発生
    自動火災報知設備の受信機・感知器が旧型で、居抜き直後に総入れ替え。→ 消防点検記録の直近3年分を取り寄せて確認。
  5. 客室面積が条例の上乗せ規制に未適合
    自治体条例で1人あたり有効面積3㎡の上乗せがあり、収容人数を下方修正。→ 所在地の旅館業法施行条例を確認。
  6. フロント無人運営が保健所協議で不可となる
    代替設備の要件を満たさず、スタッフ常駐を求められ人件費計画が崩壊。→ 保健所と消防署の事前相談で運営計画を具体化。
  7. 共同住宅からの転用で容積率オーバー
    2018年以降建築の容積率いっぱいの共同住宅を用途変更→容積率オーバーで認可が下りない。→ 建築士による建築計画概要書の精査を依頼。

よくある質問

Qホテル・旅館の居抜きで最も価値の高い設備は何ですか?

A客室間仕切り・水回り(浴室・トイレ)・自動火災報知設備の3点です。これら3点が基準に適合していれば、間取り大改修と消防設備新設という2大コストを回避でき、同規模スケルトン新築と比較して数千万円単位の節約になります。

Q前のオーナーの旅館業許可を引き継げますか?

A旅館業許可は営業者個人または法人に紐付くため承継できません。新オーナーは保健所へ新規で旅館業許可を申請します。標準的な手続き期間は1〜3カ月で、この期間は営業できないため、事業計画に織り込んでください。

Q共同住宅(マンション)をホテルに転用できますか?

A用途地域が適合していれば可能ですが、容積率・避難階段・準耐火建築物の面積制限・自動火災報知設備の追加設置などで改修負担が大きくなります。特に2018年以降の容積率いっぱいの共同住宅は、用途変更で緩和規定が外れて容積率オーバーになる例があるので建築士の精査が欠かせません。

Q民泊新法と旅館業許可はどちらが有利ですか?

A収益最大化を狙うなら旅館業許可(通年営業可)、参入ハードルを下げたいなら民泊新法(年180日以内)が選択肢です。住居専用地域の物件は旅館・ホテル営業ができないため、民泊新法または特区民泊が現実解になります。収益モデルと立地の組み合わせで判断してください。

Q簡易宿所と旅館・ホテル営業の違いは何ですか?

A簡易宿所は多人数共用の構造(ドミトリー型)を主とする施設で、客室延床33㎡以上(10人未満は3.3㎡×人数)が要件です。旅館・ホテル営業は個室中心で、1客室7㎡(寝台設置時9㎡)以上が要件です。ゲストハウス・カプセルホテル・ペンション・民宿は簡易宿所区分での営業が一般的です。

Q玄関帳場(フロント)は設置しなくてよいのですか?

A2018年の旅館業法改正でフロントの全面設置義務は緩和され、宿泊者との面接に適する設備として厚生労働省令の基準に適合すれば足ります。ビデオカメラ+モニタ型、タブレット端末型などICT代替設備が認められています。ただし緊急時の迅速な駆け付け体制や善良の風俗保持措置が求められます。

Q消防法令の(5)項イとは何ですか?

A消防法施行令別表第一の区分で、ホテル・旅館・宿泊所その他これらに類するものが該当します。特定防火対象物で、延べ面積を問わず自動火災報知設備の設置が求められる厳しい区分です。民泊でも家主不在型・床面積50㎡超の届出住宅は(5)項イ扱いになります。

Q用途変更の確認申請はいつ発生しますか?

A特殊建築物への用途変更で延べ面積200㎡を超える部分がある場合、建築基準法第87条の確認申請が発生します。元ホテル・元旅館からの転用は用途変更に該当せず省略できますが、元オフィス・元共同住宅・元物販店舗からの転用はほとんどのケースで確認申請が生じます。

Q坪単価はどのくらいを見込めばよいですか?

A業態別の目安は居抜きゲストハウス30〜50万円、居抜きビジネスホテル50〜100万円、居抜きシティホテル100〜180万円です。建築資材の高騰で2022年比1.3倍前後に上がっており、居抜き取得の節約効果は拡大しています。業態・規模・改修範囲で上下するため、複数社の見積比較が重要です。

Q住居専用地域の戸建てを民泊にできますか?

A住宅宿泊事業(民泊新法)の届出であれば、第一種低層住居専用地域でも営業可能です。ただし年間180日以内の営業制限があり、自治体条例で平日営業を禁止している例もあります。年間フル稼働を狙う場合は、特区民泊認定地域の物件や旅館業許可可能な用途地域の物件を選ぶのが現実的です。

Q建築費高騰の影響はどう見れば良いですか?

A2024年の全国平均ホテル建築費は坪195万円で、2022年比で構造によっては1.5倍超の上昇となっています。新築コストが高騰する局面では、居抜き取得の相対的な優位性が増します。特に元ホテル・元旅館の同区分居抜きは、客室・水回り・自火報をそのまま活用できるため、スケルトンから造る場合と比較して数千万円〜数億円の節約余地があります。

ホテル・旅館居抜きは用途地域・消防設備・客室構造の三位一体整合が鍵です。宿泊業系の施工実績が豊富な会社を含め、複数社の相見積もりで改修範囲と費用を具体化してください。

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最終確認のお願い

上記は2026年4月時点の一般情報としてまとめたものです。法令・条例は随時改正され、解釈や運用も自治体ごとに差があります。物件固有の条件によって結論が変わるため、実際の契約・開業判断の前に、所轄自治体の窓口および弁護士・行政書士・建築士・消防設備士等の専門家にご相談いただき、書面で確認を取ることを強く推奨します。

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