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内装業の利益率の目安【結論】
内装業(内装工事業)の粗利益率は20〜30%程度が一般的な目安です。最新の公的統計(日本政策金融公庫「小企業の経営指標調査」2024年度調査)では内装工事業の粗利率は平均43.0%とかなり高く出ますが、これは小企業統計特有の会計構造によるもので、見積もりの目標値には使えません(理由と実数はこの直後のデータ集で解説します)。材料費・外注費の比率が高い業態のため、製造業など他業種より粗利は薄めになりやすい構造です。販管費を差し引いた営業利益率は5%前後が一つの基準で、5%を下回ると原価・経費の見直しが必要、10%を超えれば優良水準とされます。ただし下請けと元請けでは粗利が2〜3倍変わり、従業員規模によっても利益構造は大きく異なるため、自社の立ち位置に合った目標設定が重要です(具体的な数字と改善策は本文で解説します)。
統計内装工事業の売上高総利益率・営業利益率|公的統計の最新データ(2024年度調査・隔年実施)
この章では、内装工事業の利益率に関する公的統計の最新公表値を、調査名・調査年度・対象数つきで整理します。数値の一次出典はいずれも日本政策金融公庫「小企業の経営指標調査」2024年度調査(建設業編・2025年8月公表)です。
| 業種区分(調査対象数) | 粗利率※ 平均 |
営業利益率 全企業平均 |
営業利益率 黒字企業平均 |
営業利益率 中央値 |
|---|---|---|---|---|
| 内装工事業(676社) | 43.0% | −1.9% | 4.3% | 0.5% |
| 床・内装工事業(682社) | 43.1% | −1.9% | 4.3% | 0.5% |
| 建築リフォーム工事業(499社) | 39.6% | −1.5% | 4.0% | 0.3% |
| 職別工事業(設備工事業を除く)(2,865社) | 40.4% | −2.5% | 4.4% | 0.1% |
| 建築工事業(木造建築工事業を除く)(237社) | 31.3% | −2.0% | 3.6% | 0.2% |
| 木造建築工事業(361社) | 27.2% | −1.8% | 4.0% | 0.4% |
| 建設業全体(6,838社) | 38.9% | −2.2% | 4.4% | 0.2% |
※粗利率=完成工事高総利益率。黒字企業平均=黒字かつ自己資本プラス企業の平均値。出典:日本政策金融公庫「小企業の経営指標調査」2024年度調査(建設業編)より、当編集部が粗利率・営業利益率の2指標を抜粋して整理。
コスト構造の内訳も見ておきましょう。同調査の内装工事業では、外注費対完成工事高比率が34.5%、材料費対完成工事高比率が12.5%、人件費対売上高比率が25.5%です。損益分岐点比率は全企業平均112.5%(黒字かつ自己資本プラス企業は92.3%)で、平均的な小企業の内装会社は売上が損益分岐点に届いていないことを示しています。案件ごとの予実管理の実務は原価管理ガイドで解説しています。
なお「内装工事業の営業利益率の2026年度の平均」を探している場合——本調査は隔年実施のため2026年度分の単独公表はなく、2026年度時点で参照すべき最新の平均値は上記2024年度調査の4.3%(黒字かつ自己資本プラス企業)です。リフォーム(建築リフォーム工事業)の利益率は売上高総利益率39.6%・営業利益率4.0%(同調査・499社)で、内装工事業とほぼ同水準です。次回調査の公表後、本欄を更新します。
統計の正しい読み方——3つの注意点
①全企業平均がマイナスの理由:−1.9%という数字は赤字企業を含む全企業の平均だからです。経営目標として使うべきは黒字かつ自己資本プラス企業の平均4.3%以上で、中央値0.5%が「真ん中の会社」の実態と考えてください。損益分岐点比率が100%を超えている(112.5%)ことと合わせて読むと、固定費を賄う売上を確保できていない会社が半数近くあるという業界構造が見えます。
②統計の粗利43%と実務目安25〜35%が乖離する理由:小企業では経営者や職人自身の人件費が工事原価ではなく販管費(役員報酬など)に計上されるケースが多く、統計上の粗利率は実務感覚より10ポイント以上高く出ます。人件費対売上高比率25.5%がその分に相当します。統計の43%をそのまま見積もりの粗利目標にすると、販管費を賄えず赤字になります。見積もりでは本記事で解説する「原価÷0.7」の公式(粗利30%確保)を使ってください。
③近接分類との使い分け:住宅リフォームが中心の会社は「建築リフォーム工事業」(粗利率39.6%・黒字企業の営業利益率4.0%)、新築の建築請負が中心なら「建築工事業」(同31.3%・3.6%)の値のほうが実態に近くなります。自社の売上構成に合った分類の数値を参照してください。
なお、建設業全体(全規模)の売上高営業利益率は、財務省「法人企業統計調査」ベースで2021年度3.9%、2022年度・2023年度は4.0%と、近年はおおむね4%前後で推移しています(一般社団法人日本建設業連合会「建設業ハンドブック」掲載の集計より)。小企業に限定した公庫調査の黒字企業平均4.3%とも整合的な水準です。
出典一覧:日本政策金融公庫「小企業の経営指標調査」(建設業・業種別経営指標PDF)/日本建設業連合会「建設業の現状(企業経営)」
販管費を月間固定費として把握し、「月に何件の工事を受注すれば固定費をカバーできるか」を常に意識しましょう。従業員5名の内装会社の場合、月間固定費は80〜150万円が一般的です。粗利益率30%で受注するなら、月間売上270〜500万円(年商3,200〜6,000万円)が損益分岐点の目安になります。墨出しから仕上げまでの各工程でどこに原価がかかっているかを可視化することが、利益改善の出発点です。
従業員規模別の利益構造の目安
内装会社の利益構造は従業員規模によって大きく異なります。従業員3名以下の会社は社長自らが現場に出て施工するため人件費が最小限で済みますが、受注できる工事数に限界があります。従業員5〜10名の会社は施工班を2〜3チーム持てるため売上は拡大しますが、間接人件費(事務スタッフ・現場監督)が増えて販管費率が上がります。従業員10名以上になると管理部門のコストが本格化し、営業利益率を維持するには年商1億円以上の規模感が必要になるケースが多くなります。自社の規模に合った利益率の目標を設定することが、現実的な経営判断の基礎です。内装会社の売上アップガイドも参照してください。
原因利益率が低くなる5つの原因と対策
内装工事の利益率が低い原因は、ほぼ以下の5つに集約されます。自社がどのパターンに当てはまるかを確認し、優先度の高いものから改善に着手してください。最も即効性があるのは①の見積もり改善で、最も効果が大きいのは⑤の元請け化です。
最も即効性があるのは①の見積もり改善です。見積もりの精度を上げるだけで、追加コストなしに利益率が5〜10%改善します。⑤の下請け比率改善は時間がかかりますが、効果が最も大きく、年間利益で数百万円の差が出ます。見積もり比較ガイドで詳しい見積もり手法を解説しています。⑤の下請け比率改善は下請け脱却ガイドで段階的な方法を紹介しています。BtoB案件(店舗・オフィス)は単価が高い分、①と②の改善効果が大きくなります。一方BtoC案件(住宅リフォーム)は外注なしで完結できるため②の影響は小さく、①と④が重要になります。
見積見積もりで利益率30%を確保する具体的方法——黄金公式
利益率30%を確保するための見積もりのポイントを、実際の内装工事の例で解説します。最も重要なのは「原価の算出精度」です。原価が正確でなければ、どんな利益率を設定しても実際の利益は計画通りになりません。
見積もり作成時は、原価の算出精度が命です。材料費は仕入先に都度見積もりを取り、人件費は工種ごとの標準工数を決めておきましょう。「この規模のクロス工事なら2人工」「LGS+ボードで3人工」のように、過去の実績から工数テーブルを作成すると見積もりの精度が格段に上がります。見積もり段階で原価を正確に把握できていれば、利益率30%を維持しながら競争力のある価格を提示できます。
よくある失敗は「値引き前提で最初から高めに見積もる」パターンです。この方法は発注者に不信感を与え、「この会社は最初から上乗せしているのでは」と疑われます。正しいアプローチは「適正価格を根拠付きで提示し、値引きしない」ことです。材料費・人件費・経費の内訳を透明に示し、「なぜこの金額になるか」を説明できれば、発注者は適正価格を理解してくれます。見積書に施工例の写真と品質保証の内容を添付すると、価格以外の付加価値で選ばれる確率が高まります。
3プラン提案(松竹梅)で受注率と利益率を両立する
「安くしないと取れない」という思い込みを打破する最も効果的な方法が、3プラン提案(松竹梅方式)です。松(高価格・高品質)、竹(標準)、梅(コスト重視)の3プランを提示すると、多くの発注者は竹プランを選ぶ傾向があります。竹プランを自社の目標利益率で設定し、松プランはさらに高い利益率、梅プランは最低限の利益率で設計します。この方法なら「値引き」という概念がなくなり、発注者が自分の予算に合わせて選べるため、価格交渉のストレスが大幅に減少します。3プラン提案を導入した内装会社の多くが「受注率はほぼ変わらず、利益率だけが改善した」と報告しています。さらに松プランを選ぶ発注者も一定数おり、想定以上の利益率を確保できるケースもあります。提案書には各プランの施工イメージ写真と使用素材のサンプルを添付すると、発注者の意思決定が早まり、成約までのリードタイムも短縮されます。コストダウンの方法も参考にしてください。
原価原価管理の基本——案件ごとの予実管理が利益を守る
原価管理で最も重要なのは「案件ごとの実績原価を記録すること」です。見積もり時の予定原価と、実際にかかった原価を比較し、差異を分析する。この「予実管理」を3ヶ月続ければ、見積もりの精度は飛躍的に向上します。多くの内装会社は「工事が終わったらそれで終わり」で、案件ごとの利益率を振り返っていません。この振り返りの有無が、利益率20%の会社と35%の会社の差を生みます。
原価管理を効率化するツールとして、クラウドの施工管理ソフト(月額5,000〜2万円)が有効です。案件ごとの原価管理、見積もりの自動作成、過去データの蓄積と分析が可能になります。Excelでの管理は工数がかかり、過去データの分析も困難です。年商が1,000万円を超えたら施工管理ソフトの導入を検討すべきです。
原価管理で見落としがちなのが「間接コスト」です。現場までの移動時間、打ち合わせの時間、見積もり作成の時間——これらは直接の原価としては計上されませんが、実質的には人件費として発生しています。例えば片道1時間の現場に毎日通う場合、往復2時間×日当2万円÷8時間=1日あたり5,000円の間接コストが発生しています。20日間の工事なら10万円。この間接コストを見積もりに反映しないと、計算上は利益が出ているのに実質赤字——という状況に陥ります。遠方の現場や長期工事では、移動時間を含めた「実質原価」を算出して見積もりに反映させましょう。
比較下請けと元請けの利益率比較——同じ技術でも利益は2〜3倍違う
内装会社の利益率を最も大きく左右するのが「元請けか下請けか」です。同じ技術、同じ品質の仕事をしていても、元請けと下請けでは利益率に2〜3倍の差が生まれます。年商3,000万円の場合、その差は年間で数百万円に達します。
この差が示すのは、利益率を上げる最短ルートの一つが「元請け化」だということです。とはいえ元請け案件は、営業・人脈・広告がなければ安定して取りにくいのも事実。その入口を営業コストゼロ・成果報酬で埋めるのが、受注企業向けの内装工事マッチングです。登録しておけば、合わない安い案件は断り、利益の出る案件を「選ぶ側」に回れます(元請け化の進め方はこちら)。
元請け化は利益率改善の最大の施策です。ただし「明日から元請けになる」のは現実的ではありません。段階的に元請け比率を上げていくのが正しいアプローチです。まずマッチングサイトに登録して元請け案件を月1〜2件獲得し、並行してHP・Instagram・MEOでの集客基盤を構築する。1〜2年かけて下請け比率を80%→30%に減らすのが現実的なロードマップです。
元請け化で最も難しいのは「最初の1件をどう獲得するか」です。下請け専門だった会社には元請けの実績がなく、実績がないと受注も難しいというジレンマがあります。このジレンマを打破する最も手軽な方法がマッチングサイトの活用です。マッチングサイトは登録料・月額費用ゼロで始められるものが多く、発注者が内装会社を探しているため営業活動なしで案件が届きます。最初の3〜5件の元請け実績を作れば、その施工例を武器にHP・Instagramでの集客も軌道に乗りやすくなります。元請け化の初期段階では利益率よりも「実績を作ること」を優先し、ポートフォリオを充実させることに注力してください。マッチングサイト比較で最適なサイトを選びましょう。営業方法ガイドやInstagram活用ガイド、HP集客ガイドも参照してください。
下請けの利益率は10〜15%が天井。元請け直案件なら、その壁を超えられます。
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一人親方として単価と案件ルートを設計する立場なら、内装の一人親方の案件獲得ガイド(日当の天井を破る3階段・仕事の取り方6ルート)も併せて参照してください。
改善利益率を上げる7つの具体策——優先度順
利益率を改善する施策を、即効性と効果の大きさで優先度順にまとめました。全てを一度に実行する必要はありません。まず①②③を実行し、効果を実感してから④以降に進みましょう。
①②③は明日から実行でき、追加コストもかかりません。特に①の「原価÷0.7」の公式は、全従業員に共有して会社のルールとして定着させてください。見積もりを作成する人が複数いる場合、人によって利益率が異なるケースが多発します。公式を統一するだけで利益率のバラつきがなくなり、会社全体の利益が安定します。
②の追加工事対応は「利益の漏れ」を防ぐ最も重要な施策です。内装工事では施工中に発注者から「ここも変えてほしい」「追加でこの工事もお願い」と言われることが日常的に発生します。この追加工事を無償で対応してしまうと、当初の見積もりで確保した利益が溶けていきます。変更指示書のテンプレートを事前に用意し、追加工事が発生した瞬間にその場で金額を伝えるルールを社内で徹底してください。「お客様との関係が悪くなるのでは」と心配する声もありますが、実際には「追加は別料金」と明確にした方が信頼関係は強くなります。曖昧な対応をする会社の方が、後のトラブルで関係が悪化するケースが圧倒的に多いのです。
⑦の元請け化は時間がかかりますが、年間利益で数百万円の差が出る最大の施策です。下請け比率を80%から30%に減らすだけで、年商3,000万円の場合、年間利益が300〜450万円から750〜1,200万円に増加するシミュレーションになります。元請け化の第一歩としてマッチングサイトへの登録を推奨します。登録料・月額費用ゼロで始められ、営業活動なしで元請け案件が届くため、施工に集中しながら元請け比率を段階的に上げられます。
改善策の総仕上げは元請け化。価格決定権を取り戻す最短ルートです。
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チェック赤字工事を防ぐ見積もり提出前チェックリスト
赤字工事の多くは「見積もり段階での見落とし」が原因です。以下のチェックリストを見積もり提出前に確認するだけで、赤字工事のリスクは大幅に低減できます。このチェックリストをプリントアウトして、見積もりデスクの横に貼っておくことをおすすめします。
- 材料費の実勢価格を確認しているか:仕入先に都度見積もりを取り、最新の単価で算出しているか。過去の単価をそのまま使っていないか
- 工数の見積もりが過去の実績に基づいているか:「この規模のクロス工事なら何人工」を実績ベースで算出しているか。楽観的な工数になっていないか
- 追加工事が発生した場合の対応ルールが決まっているか:変更指示書のテンプレートは用意してあるか。追加費用の伝え方のルールがあるか
- 外注費が見積もりに正確に反映されているか:外注先からの見積もりを取得済みか。「だいたいこのくらい」で計上していないか
- 諸経費(養生材、運搬費、廃棄物処理費等)が漏れなく計上されているか:特に廃棄物処理費は見落としやすい項目
- 黄金公式(原価÷0.7)で利益率30%以上が確保されているか:値引き前提で低めに見積もっていないか
- 工期に無理がないか:短すぎる工期は残業・手戻りの原因。残業代が利益を食いつぶす
- 過去の類似案件の実績原価と比較しているか:類似案件と大きな乖離がある場合は原因を確認
このチェックリストの8項目を見積もり提出前に確認するだけで、赤字工事のリスクは大幅に低減できます。特に「材料費の実勢価格確認」と「諸経費の漏れチェック」は見落としが多い項目です。見積もり担当者が複数いる場合は、チェックリストの運用をルール化し、ダブルチェック体制を構築しましょう。チェックリストは紙で印刷して見積もりデスクの横に貼り、提出前に必ず全項目を確認する——この「仕組み化」が赤字工事をゼロにする最も確実な方法です。赤字工事を1件防ぐだけで数十万円の利益が守られるため、チェックに要する5分間は最も投資効率の高い時間です。
施工例利益率改善の成功モデルケース3選
以下はいずれもモデルケース(想定シミュレーション)です。特定の企業名・個人名は使用していません。実際の改善効果は工事内容・エリア・会社規模により大きく変動します。
モデルケース①:見積もり改善で利益率18%→32%に(店舗内装・従業員5名規模の想定)
店舗内装を手がける従業員5名規模の会社を想定したモデルケースです。年商4,000万円でしたが利益率が18%と低く、社長の手取りは月30万円程度でした。原因を分析すると、見積もりで材料費を実際より低く見積もっていたこと、追加工事の費用を請求できていなかったことが判明。見積もりソフトを導入し、原価÷0.7の公式を徹底。追加工事は必ず変更指示書を発行するルールを導入したところ、利益率が32%に改善。年間利益は720万円から1,280万円に増加し、社長の手取りも月30万円から月65万円に倍増したと想定されます。特に効果が大きかったのは「追加工事の変更指示書」の導入で、それまで年間で約200万円分の追加工事を無償対応していたことが判明しました。変更指示書を導入した初月から追加工事の回収率が100%になり、それだけで利益率が5%改善したという想定です。
モデルケース②:下請け比率削減で年間利益600万円アップ(オフィス内装・従業員3名規模の想定)
下請け80%・元請け20%の比率で年商2,500万円の会社を想定したモデルケースです。下請け案件の利益率は11%、元請け案件は33%でした。マッチングサイト2社に登録し、1年かけて下請け比率を80%→35%に削減。年商は2,500万円→3,200万円に増加し、平均利益率は15%→27%に改善。年間利益は375万円から864万円に増加したと想定されます。元請け化の初期は「施工例のポートフォリオが少ない」という課題がありましたが、マッチングサイト経由で獲得した最初の5件の施工例をInstagramとHPに掲載したところ、直接問い合わせも増え始めたという想定です。「同じ技術で同じ品質の仕事をしているのに、元請けか下請けかだけで利益が全く違う。もっと早く気づくべきだった」というシミュレーションです。
モデルケース③:原価管理の徹底で粗利率22%→35%に(住宅リフォーム・従業員4名規模の想定)
住宅リフォームの内装工事を手がける従業員4名規模の会社を想定したモデルケースです。年商3,000万円で粗利率22%。案件ごとの原価管理をしておらず、「終わってみたら赤字だった」という工事が年に3〜4件発生していました。施工管理ソフト(月額1万円)を導入し、全案件で予実管理を開始。3ヶ月後に「クロス工事の工数見積もりが実際より20%少ない」「養生材の費用を計上していない案件がある」「現場までの移動時間を人件費に含めていない」という3つの問題が判明し、見積もりを修正。6ヶ月後には粗利率が35%に改善し、赤字工事はゼロになったと想定されます。年間利益は660万円から1,050万円に増加。施工管理ソフトへの投資(年間12万円)に対して、利益改善効果は約390万円——投資対効果は30倍以上です。予実管理で最も大きな「気づき」は「養生材と廃棄物処理費の見落とし」で、1案件あたり平均5〜8万円を計上し忘れていたことが判明しました。月に4件の工事を受注していたため、年間で240〜384万円の利益が漏れていた計算になります。
資金キャッシュフロー管理——利益率が高くても資金繰りで倒れる
利益率が高くても、キャッシュフロー(資金繰り)の管理ができていないと会社は倒れます。内装工事は「材料費・外注費の支払いが先、入金が後」という構造のため、売上が急増するほどキャッシュフローが悪化する「黒字倒産」のリスクがあります。特に下請けの場合、支払サイトが60〜90日と長く、材料費や外注費の支払いとの間にタイムラグが発生します。
元請けの最大のメリットの一つが「着手金を請求できること」です。工事代金の30〜50%を着手時に請求すれば、材料費と外注費の支払いに充てることができ、キャッシュフローが大幅に改善します。下請けの場合は着手金の請求が難しいため、運転資金として月商の2〜3ヶ月分を確保しておくことが不可欠です。
キャッシュフロー悪化の最も危険なパターンは「大型案件の受注直後」です。材料の大量発注と外注先への支払いが集中する一方、入金は工事完了後になるため、一時的に数百万円の資金不足に陥ります。年商3,000万円の会社が1,000万円の大型案件を受注した場合、材料費200万円+外注費200万円が先行して発生します。着手金なしで進めると、支払いと入金のタイムラグで400万円の一時的な資金不足が発生するリスクがあります。このリスクを回避するために、元請け案件では必ず着手金(30〜50%)を請求し、大型案件では中間金の設定も検討してください。日本政策金融公庫の運転資金融資(金利1〜3%程度)を活用する方法もあります。集客方法の全体ガイドも参照してください。
FAQよくある質問(FAQ)
次の一歩利益率改善は「見積もりの見直し」から始まる
内装工事の利益率は、見積もりの精度と元請け比率で決まります。まず明日からできることは「原価÷0.7の黄金公式」を全案件で徹底すること。追加工事は必ず変更指示書を取り交わすこと。この2つだけで利益率は5〜10%改善します。次のステップとして、案件ごとの予実管理を3ヶ月間実施してください。見積もり時の予定原価と実際の原価を比較するだけで、自社の見積もりのどこが甘かったかが明確になり、以降の見積もり精度が飛躍的に向上します。
中長期的には元請け比率を上げることが最大の利益改善策です。マッチングサイトへの登録は営業活動なしで元請け案件を獲得できるため、最も手軽な第一歩です。下請け比率を80%から30%に減らすだけで、年間利益は2〜3倍に増える計算になります。「同じ技術で同じ品質の仕事をしているのに、元請けか下請けかだけで利益が全く違う」——この事実に気づいた内装会社から利益率の改善が始まります。自社の利益率を正確に把握し、改善策を一つずつ実行していけば、同じ売上でも利益は確実に増やせます。利益率の改善は「売上を増やす」より「仕組みを変える」方が確実で早いのです。まずは今日、自社の直近3件の案件の利益率を計算するところから始めてください。数字を正確に把握することが全ての改善の出発点です。
- 内装会社の売上アップガイド(内装会社の年商・利益の全体像)
- 下請け脱却ガイド(元請け案件を増やす段階的な方法)
- マッチングサイト比較(元請け案件を獲得できるサイト一覧/内装会社向け)
- 単価アップ・高粗利戦略ガイド(価格競争から脱却して粗利率30%超を実現)
- 営業方法ガイド(紹介営業・DM営業の具体的手法)
- 集客方法の全体ガイド(Instagram・MEO・HP集客を網羅)
- Instagram活用ガイド(施工例で集客する方法)
- HP集客ガイド(自社HPからの問い合わせを増やす)
- MEO対策ガイド(Googleマップで地域の見込み客にリーチ)
- 見積もり比較ガイド(発注者向け:複数社比較の方法)
案件を「選ぶ側」になることが、最も確実な利益率改善策
ここまで見積もり・原価管理・元請け化と利益率改善の打ち手を見てきたが、突き詰めると粗利を守る最終手段は「粗利が薄い案件を受けない」ことに行き着く。たとえば粗利25%を割り込む案件は原則として受注しない、という判断基準を社内に持てれば、受注案件の平均利益率は構造的に安定する。だが、案件を断れるのは次の案件が安定して入ってくる会社だけだ。仕事が途切れる不安があると、つい粗利の薄い案件まで取ってしまい、平均利益率が下がっていく。
「手数料を払うと粗利が減るのでは?」——その逆になりうる
マッチング経由の案件には成果報酬がかかるため、「手数料の分だけ利益率が下がる」と考える経営者は多い。だが実際には、次の3点で手数料を払っても実質の利益率はむしろ上がりうる。
- 変動費で固定費を置き換える:成果報酬は受注したときだけ発生する変動費。営業マンを1人雇えば人件費だけで年500〜700万円の固定費がかかるが、成果報酬なら案件が取れたときだけのコストで済む。
- 元請けの高粗利が手数料を上回る:下請けの粗利率10〜15%に対し、元請けは25〜40%。手数料(発注金額の3〜10%程度)を差し引いても、元請け案件のほうが手元に残る利益は大きい。
- 見積もりに織り込めば実質中立:手数料分はあらかじめ見積もりの諸経費に織り込めば、自社の取り分は守られる。さらに「選ぶ側」になって粗利の薄い案件を弾けば、平均利益率はむしろ上がる。
つまり登録の目的は「手数料を払って仕事をもらう」ことではなく、営業コストを変動費化しながら元請け案件のフローを作り、粗利を守る選択権を手に入れることにある。単価そのものを引き上げる打ち手は単価アップ・高粗利戦略ガイドで詳しく解説している。
案件を「選ぶ側」になり、粗利を守る。それが最も確実な利益率改善です。
店舗内装ドットコムは完全成果報酬。発注金額に対し3〜10%程度のみ(案件内容により異なります)。受注したときだけの費用なので、営業マンの固定人件費を変動費に置き換えられます。
登録料・月額費用はゼロ。提案・見積り段階の費用もかかりません。
全国の店舗オーナーから直接、元請け案件が届きます。案件フローがあれば、粗利の薄い案件を無理に取る必要はありません。
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