鍼灸院の開業ガイド|はり師・きゅう師・施術管理者・保険実務

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📋 この記事でわかること

鍼灸院の開業は、はり師・きゅう師という2つの国家資格に加えて、施術管理者研修・保健所への施術所開設届・受領委任の申出・医師の同意書の運用といった、鍼灸ならではの手続きが必要です。本ガイドでは、資格要件・事業計画・開業資金の内訳・物件選び(出張施術専門を含む3つの開業スタイル)・施術所の構造設備基準・内装工事と消耗品費用・必要な届出・医師同意書の実務・あはき法の広告規制までを、店舗内装の費用相場データを下敷きに体系化しました。はり師・きゅう師として独立開業を検討する方、施術所を開設するにあたって保健所基準や保険適用の仕組みを整理したい方に向けた実務ガイドです。

1. 鍼灸院とは|整骨院・マッサージ院・整体院との違い

鍼灸院は、はり師・きゅう師の国家資格を持つ施術者が、経穴(ツボ)に鍼や灸を用いて刺激を与え、自然治癒力を高める施術を行う施術所です。根拠法は「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律」(通称:あはき法)。対象は慢性痛や体調不良が中心で、急性外傷を扱う整骨院・接骨院とは法的位置づけも施術範囲も異なります。

鍼灸院(本ガイド対象)
  • 根拠法:あはき法
  • 必須資格:はり師・きゅう師(いずれも国家資格)
  • 保健所への施術所開設届が必要
  • 保険適用:6疾患に限定+医師の同意書が必要
  • 広告規制が厳格(あはき法第7条)
整骨院・接骨院
  • 根拠法:柔道整復師法
  • 必須資格:柔道整復師(国家資格)
  • 保険適用:急性外傷(骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷)
  • 医師同意書は骨折・脱臼の応急手当以外で必要
  • 受領委任の申出で保険請求可
マッサージ院

あん摩マッサージ指圧師の国家資格が必要。医師の同意書で保険適用可。根拠法は鍼灸院と同じ「あはき法」。

整体院

民間資格のみで国家資格なし。保険適用は不可で、保健所への届出も不要。全額自費の施術所として運営。

リラクゼーションサロン

無資格で開業可能。医療類似行為は禁止で、もみほぐし・リフレ等の名称で運営。保険適用は不可。

「鍼灸師」という呼称はあるが国家資格名は別
「鍼灸師」は、はり師・きゅう師の2つの国家資格を持つ施術者の通称です。厳密には、はり師だけでは「はりの施術所」、きゅう師だけでは「きゅうの施術所」となり、両方の資格を持って初めて「鍼灸院」を名乗れます。多くの養成校は両方の受験資格が取れるカリキュラムを組んでおり、両資格を同時に取得するのが一般的です。

2. 開業に必要な資格と要件|はり師・きゅう師・施術管理者

鍼灸院の開業には、国家資格の取得に加えて、受領委任制度で保険請求を行う場合は施術管理者の要件を満たす必要があります。

1
はり師・きゅう師の国家資格

厚生労働大臣指定の養成校(専門学校3年制または4年制大学)で所定の単位を取得し、国家試験に合格することで得られる免許。カリキュラムは両資格の受験を前提とする学校が多く、両方取得するのが標準です。学費は3〜4年で250〜500万円程度。

2
施術管理者要件(受領委任で保険請求する場合)

鍼灸師として1年以上の実務経験があり、16時間(2日間)の「施術管理者研修」を修了していることが要件。地方厚生局への受領委任の申出に必要で、全額自費で運営するなら免除されますが、保険を扱うなら実務上ほぼ必須です。

3
施術所開設届(保健所)

施術所を開設した日から10日以内に、所轄の保健所へ「施術所開設届」を提出。必要書類は届出書・免許証の写し・平面図・構造設備の概要・事業概要など。立入検査で構造設備基準の適合が確認されます。

4
出張施術業務開始届(出張専門の場合)

店舗を持たず出張専門で開業する場合は、開始日から10日以内に「出張施術業務開始届」を保健所に提出。往療距離は原則片道16km以内で、16kmを超える場合は特別の理由が必要です。

片方の資格だけでも開業は可能
はり師のみ、またはきゅう師のみでも施術所の開設は可能ですが、その場合「鍼灸院」ではなく「はり治療院」「きゅう治療院」といった名称制限があります。両方の資格を取得する方が施術メニューの幅も広がり、患者ニーズに対応しやすくなります。

3. 事業計画と市場環境|約5万施設の現状と差別化戦略

治療院(鍼灸院・整骨院・整体院含む)の総数は厚生労働省の衛生行政報告例で全国13万5千施設を超えており、鍼灸院単独でも約4〜5万施設と推定されます。高齢化とセルフケア需要の拡大で市場は緩やかに成長していますが、競合過多で差別化戦略なしに開業するのはリスクが高い状況です。

保険中心型(医師同意書での6疾患施術)
客単価 3,000〜5,000円
保険+自費併用型(一般的な鍼灸院)
客単価 5,000〜8,000円
自費特化型(美容鍼灸・不妊治療・スポーツ鍼灸)
客単価 8,000〜15,000円
訪問・出張特化型(高齢者・在宅ケア中心)
客単価 5,000〜8,000円

鍼灸院の施術は1人40〜60分と丁寧型で、整骨院(1人10〜15分)より回転率が低い代わりに客単価が高い傾向です。1日の施術人数は10〜20人が目安で、保険中心なら単価は低く、自費特化で美容・不妊治療など専門性を持つと単価を3倍以上に引き上げられます。

自費特化の専門領域は「東洋医学×現代ニーズ」
近年伸びている自費鍼灸のジャンルは、美容鍼灸(小顔・リフトアップ・肌質改善)、不妊鍼灸、妊活ケア、スポーツ鍼灸(アスリート向けコンディショニング)、メンタルケア(自律神経調整)など。いずれも「慢性的な不調を東洋医学で改善する」という鍼灸の強みを、現代の明確なニーズに結びつけて差別化する戦略です。

4. 開業資金の目安と内訳|初期投資400万〜1,000万円の構造

鍼灸院の開業資金は、整骨院と比べて医療機器コストが低いぶん、総額を400万〜1,000万円程度に抑えやすいのが特徴です。12坪(施術室・待合室・受付)の標準的な開業を想定した内訳は次の通りです。

物件取得費(80〜250万円)

保証金(家賃6〜12か月分)・礼金・仲介手数料・前家賃。地方なら80万円以下、都市部なら250万円を超えることも。居抜き物件なら造作譲渡料が数十万〜数百万円追加。

内装工事費(200〜500万円)

施術室と待合室の分離、消毒設備、採光換気、防音・プライバシー確保のパーティション。12坪で坪単価15〜40万円が目安。居抜きなら10〜20万円/坪に圧縮可能。

施術設備・ベッド類(50〜150万円)

施術ベッド(2〜3台)・枕・シーツ類・棚・ワゴン・お灸台・温灸器・低周波治療器(補助機器として)。整骨院と違い高額な医療機器は必須ではありません。

消耗品初期在庫(10〜30万円)

ディスポーザブル鍼(1本数十円)・艾(もぐさ)・艾柱・消毒用アルコール・シーツカバー・タオル類・ディスポ手袋などの初期在庫。開業後も毎月5〜10万円の消耗品費が発生します。

什器・備品(20〜60万円)

待合室の椅子・受付カウンター・レセコン・PC・予約管理システム・ポスレジ・タブレット・プリンター・文房具類。

開業準備費+運転資金(200〜400万円)

看板・ホームページ制作・広告費・名刺・パンフレット・事業計画書作成支援・許認可申請の実費。加えて開業後3〜6か月分の固定費(家賃・人件費・水道光熱)を運転資金として確保。

出張専門なら200万〜400万円で開業可能
物件を構えずに訪問施術に特化する「出張施術専門」なら、物件取得費と内装工事費がほぼ不要で、開業資金を200万〜400万円まで圧縮できます。代わりに移動時間・交通費・訪問先での施術環境づくり(タオル・簡易ベッド・消毒)がコスト要因になります。高齢者の訪問需要が高いエリアでは、低リスクで始められる有力な選択肢です。

5. 資金調達の選択肢|公庫・制度融資・補助金

開業資金を自己資金だけで賄うのは現実的でないケースが多く、多くのはり師・きゅう師は自己資金と融資・補助金の組合せで調達します。主要な選択肢は次の通りです。

日本政策金融公庫の新創業融資制度

創業前または創業後7年以内の事業者を対象とした無担保・無保証人の融資制度。鍼灸院の開業資金調達で最もよく使われる制度です。詳細は日本政策金融公庫の新規開業資金を参照。

自治体の制度融資

都道府県・市区町村が金融機関・信用保証協会と連携して提供する低金利融資。創業支援枠や小規模事業者枠で、無利子や保証料補助のケースもあります。

小規模事業者持続化補助金

販路開拓に関わる経費を補助。看板工事・ホームページ制作・オープン広告などを申請に組み込める可能性があります。公募要領は年度ごとに変わるため最新版を確認してください。

自治体独自の創業補助金

商店街活性化・地域医療支援・空き店舗対策など、市区町村独自の補助金で対象となるケースも。地元に根ざした事業計画が評価されやすい傾向。

一般的な組合せは「自己資金150〜300万円+公庫融資300〜700万円」。自己資金比率は融資審査の重要ポイントで、総投資額の20〜30%以上が目安です。会計処理や減価償却については国税庁の情報と顧問税理士に相談するのが安全です。

6. 物件選びと出張専門の選択|3つの開業スタイル

鍼灸院の開業には大きく3つのスタイルがあり、初期投資・リスク・収益構造が異なります。

店舗型(固定施術所)

物件を借りて施術所を構える最も一般的なスタイル。10〜20坪程度で、施術室と待合室を分離した設計。初期投資は400万〜1,000万円規模だが、安定した地域密着の来院が見込めます。

出張施術専門

店舗を持たず、患者の自宅・施設などに出向いて施術するスタイル。初期投資200万〜400万円と低く、高齢者・通院困難な患者層に強い。往療距離片道16km以内が原則で、「出張施術業務開始届」を保健所に提出します。

ハイブリッド型(店舗+訪問)

店舗を構えつつ訪問施術も行うスタイル。店舗の固定収益と訪問の柔軟な収益を組み合わせられるが、一人で運営するとスケジュール管理が複雑になります。スタッフを雇用してからの拡大戦略として有効です。

店舗型で物件を選ぶ際のチェックポイント:

  • □ 徒歩圏内の人口密度と年齢構成(特に40代以上の比率)
  • □ 商圏内の競合鍼灸院・整骨院の密度と評価
  • □ 駅からの距離/駐車場の有無(訪問困難な高齢者ほど通いにくい)
  • □ 1階か2階以上か(段差・エレベーターの有無)
  • □ 施術室6.6㎡以上・待合室3.3㎡以上を確保できる間取り
  • □ 防音性(隣接店舗・住居への配慮)
  • □ 採光・換気の十分な確保
  • □ 消毒設備(手洗器・洗濯機)を設置できる水回り
  • □ 用途地域(第一種住居地域でも原則施術所は開設可)
  • □ 賃料と保証金のバランス(小規模開業では家賃15〜25万円が目安)

7. 施術所の構造設備基準|保健所が求める内装要件

鍼灸院はあはき法施行規則と地域の保健所ガイドラインで、施術所の構造設備基準が定められています。整骨院と似ていますが、微妙に異なるポイントがあるため、物件選定と内装設計の初期段階で所轄の保健所と相談することが必須です。

施術室の面積

専ら施術業務を行う施術室は6.6㎡以上の床面積が必要。ベッドを複数台置く場合は、それぞれに十分な作業スペースを確保します。鍼灸は1人あたり40〜60分かかるため、同時並行施術は2〜3台が現実的です。

待合室の面積と分離

3.3㎡以上の床面積で、施術室と明確に区画・分離されていること。カーテンやパーティションでは不十分で、固定壁または扉で仕切るのが原則。患者のプライバシー保護の観点からも重要です。

採光・照明・換気

自然採光または十分な照明、自然換気または機械換気の設備を備える必要があります。お灸を使用する場合、煙対策として機械換気の強化が推奨されます。

消毒設備

手指消毒用の手洗器、使用後の鍼・器具の廃棄・消毒のための設備、タオル類の洗濯設備を設置。ディスポーザブル鍼が主流の現在でも、使用後の鍼は医療廃棄物として適切な処理が必要です。

外部表示(掲示事項)

あはき法で規定された掲示事項(施術所の名称・施術管理者氏名・施術時間・休業日・施術料金など)を、利用者が見やすい場所に掲示する必要があります。

衛生・その他

便所の設置、床材の清掃のしやすさ、適切な温湿度管理、感染症対策(ディスポ用品の徹底)、バリアフリー(高齢患者の多さを考慮)など。消防基準については消防庁の指針と所轄消防署への確認が必要です。

事前相談は保健所・建築指導課・消防署の3拠点
施術所開設届の受理可否は保健所の判断、用途変更や床面積200㎡超の建築確認は建築指導課(国土交通省指針参照)、内装材や避難経路は消防署の領域です。3拠点それぞれに間取り図を持参して事前相談することで、着工後の基準不適合リスクを大幅に下げられます。

8. 内装工事の進め方と費用|鍼灸院特有のレイアウト

鍼灸院の内装は、整骨院と比べると医療機器の配線が少ないぶん、プライバシーと静寂性を重視した設計が求められます。1人あたり40〜60分の施術時間中、患者がリラックスできる空間づくりが重要です。

スケルトン物件(25〜50万円/坪)

ゼロから施術所を作るケース。12坪で300〜600万円が目安。施術室・待合室・受付・消毒スペースを理想通りに設計でき、鍼灸の世界観を反映した内装(和モダン・東洋医学の落ち着き)を表現できます。

居抜き物件(10〜25万円/坪)

前テナントが鍼灸院・整骨院・整体院・サロン系ならメリット大。12坪で120〜300万円に収まるケースも。ただし構造設備基準の適合チェックと、医療機器配線が現行仕様に合うかの点検は必須です。整骨院・接骨院の開業ガイドも物件選定の参考になります。

個室型レイアウト

施術ベッドごとに個室化する設計。プライバシーは最高水準だが、坪数あたりのベッド数が減り、スペース効率は低い。自費特化型や女性専門の鍼灸院で採用される設計です。

半個室型レイアウト

天井まで届かないパーティションや、カーテンで区切る設計。プライバシーと施術スペース効率のバランスが取れる。保健所の基準上、施術室全体が区画されていれば内部の仕切りはカーテン可。

工事別の内訳(12坪・中規模内装、居抜きを想定):

  • 解体・撤去・下地調整:20〜60万円
  • 間仕切り壁・扉・建具(施術室と待合室の分離):50〜120万円
  • 床・壁・天井仕上げ(和モダンの内装材選定含む):60〜150万円
  • 電気・照明・換気設備(お灸の煙対策含む):50〜130万円
  • 給排水・手洗器・消毒設備:30〜100万円
  • 受付カウンター・待合家具:20〜60万円
  • 看板・ファサード・サイン:30〜80万円
  • 設計・監理費/申請代行費:工事費の5〜10%
鍼灸院の内装は「信頼」と「リラックス」の両立
待合室は患者が緊張をほぐせる落ち着いた空間、施術室は清潔感と静寂性、受付は信頼感を伝える設計が理想です。色調は白・木目・アースカラーが主流で、アロマや間接照明も効果的。居抜き物件の活用や業態変更の場合は居抜き改装の完全ガイド業態変更の改装完全ガイドも参考にしてください。

9. 必要な届出と申請の流れ|施術所開設届から同意書運用

鍼灸院の開業では、保健所・地方厚生局・税務署・労働関係機関など複数の窓口への届出・申請が必要です。時系列で整理します。

1
保健所への事前相談(開業3〜6か月前)

物件の構造設備基準適合を事前確認。間取り図・設備図を持参し、必要な修正点を指摘してもらいます。自治体により運用が異なるため、早めの相談が推奨されます。

2
施術所開設届(開業後10日以内)

施術所を開設した日から10日以内に保健所に提出。届出書・はり師きゅう師免許証の写し・平面図・構造設備の概要・事業概要などが必要。提出後の立入検査で基準適合を確認。

3
受領委任の申出(地方厚生局)

保険請求を行うなら地方厚生局に申出。免許証・実務経験期間証明書・施術管理者研修修了証・施術所開設届の写しなどが必要書類です。

4
出張施術業務開始届(出張専門の場合)

店舗を持たず出張専門で始めるなら、開始後10日以内に保健所へ「出張施術業務開始届」を提出します。

5
税務署への開業届・青色申告の申請

個人事業主として開業するなら、所轄税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書」を開業後1か月以内に提出。青色申告承認申請書も同時提出が推奨されます。

6
医師同意書の運用開始

保険施術を開始するには、初診時に医師の同意書を取得する運用を整備。6疾患(腰痛症・神経痛・リウマチ・五十肩・頸腕症候群・頸椎捻挫後遺症)に該当するか医師が判断し、同意書を作成。概ね3か月ごとに再同意が必要です。

10. 保険適用の仕組みと医師同意書|6疾患の運用実務

鍼灸院の保険適用は、整骨院よりも厳しく制限されています。中心となるのが医師の同意書の仕組みで、これが鍼灸院経営の実務上の最大のポイントです。

保険適用の対象疾患(6疾患)

神経痛・リウマチ・頸腕症候群・五十肩・腰痛症・頸椎捻挫後遺症の6疾患のみが原則対象。これら以外の症状は自費施術となります。

医師の同意書の必要性

保険施術を行うには、患者が医師の診察を受け、「鍼灸施術が必要」と判断された同意書を取得する必要があります。この同意書がないと保険請求ができません。

再同意のタイミング

初同意は有効期間6か月、以降は3か月ごとに医師の再同意が必要(2025年時点)。継続的に保険施術を受ける患者は、定期的に医師診察を受けてもらう運用設計が必須です。

受領委任制度

地方厚生局への申出で受領委任契約を結ぶと、患者は窓口で自己負担分のみ支払い、鍼灸院が代理で保険者に療養費を請求できます。整骨院と同じ仕組みです。

入金のタイムラグ

受領委任で保険請求すると、施術月の翌月10日までに申請書提出し、審査を経て2〜3か月後に入金されます。開業直後は未入金の債権が積み上がるため、最低3か月分の運転資金確保が必須です。

同意書を書いてくれる医師との関係構築
実務上、鍼灸師が「同意書を発行してくれる医師」とのネットワークを持つことが、保険施術の集患に直結します。整形外科・内科・神経内科などで鍼灸に理解のある医師を探し、紹介ルートを作るのが一般的。倫理的には医師との間に金銭授受があってはならず、あくまで患者への医療提供の連携として関係を築きます。

11. あはき法の広告規制と集客戦略|看板・HP・SNSの注意点

鍼灸院の広告は「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律」第7条で厳格に規制されており、違反すると30万円以下の罰金対象となります。看板・チラシ・折込広告等が主な規制対象で、広告可能な事項は法律で限定列挙されています。

  • □ 施術所の名称・電話番号・所在地
  • □ 施術者の氏名
  • □ 施術者が施術者である旨(はり師・きゅう師等)
  • □ 施術日または施術時間
  • □ 施術料金(前払い制の場合その旨)
  • □ 予約に関する事項
  • □ 駐車設備に関する事項
  • □ 施術所の開設の届出をした旨

逆に、以下のような表現は広告規制違反に該当する可能性があります:

症状改善の具体的効果表現

「腰痛が治る」「不眠症に効く」など、効能効果を具体的に謳う表現はNG。一般的な東洋医学の概念としての記述にとどめる必要があります。

体験談・推薦の掲載

「患者さんの声:〇〇が治った」など体験談の掲載は、看板・チラシでは規制対象。誇大広告と判断されるリスクがあります。

他施術との比較

「〇〇より効果的」「最新技術」など、他の施術と比較する表現は避けます。客観的事実に基づかない誇大表現と判断されやすいため。

医療行為を連想させる表現

「診療」「診察」「治療」「病気を治す」などの医療用語は、鍼灸師の業務範囲を超える誤解を招くため使用不可。「施術」「調整」「ケア」等の表現を使います。

ホームページ・SNSは現状「広告規制対象外」
あはき法の広告規制はホームページには及ばない運用が一般的ですが、景品表示法の規制は受けます。また、厚生労働省によるガイドライン策定が進行中で、将来的にはホームページも規制対象になる可能性があります。厚生労働省の最新通知を定期的にチェックし、誇大広告に該当しない範囲で情報発信するのが安全です。

広告規制を守ったうえで、飽和市場の鍼灸院業界で集客するには、複数チャネルで認知と信頼を積み上げる工夫が欠かせません。開業直後は特に、オンライン動線と地域ネットワークの両方を並行して立ち上げる必要があります。

1
Googleビジネスプロフィール(MEO)の最適化

「駅名+鍼灸院」「地域名+鍼灸」での上位表示が来院数に直結。店舗名・住所・営業時間・メニュー・写真を登録し、口コミの獲得・返信を日常化します。

2
ホームページ・予約サイトの整備

施術メニュー・料金・施術者プロフィール・院内写真・アクセス・予約フォームを揃える。東洋医学の考え方や施術の流れを丁寧に説明することで、初診の不安を減らします。

3
専門性訴求(SNS・ブログ)

美容鍼灸・不妊治療・スポーツ鍼灸など、自費特化の専門領域をSNS・ブログで発信。広告規制にかからない範囲で、東洋医学の知識・セルフケア情報を提供して信頼を構築します。

4
医療機関・フィットネス連携

同意書を書いてくれる医師の紹介、整体院・整骨院との業態補完、フィットネスジムのアスリート紹介など、地域の医療・健康関連事業者とのネットワーク構築。

5
リピート施策の設計

回数券・サブスクリプションメニュー・LINE公式での次回予約促進。鍼灸の効果は継続的施術で出やすいため、月2〜4回のリピートが理想です。

広告規制下でも効果的な発信方法
ホームページやSNSでは、東洋医学の一般的知識・経穴の説明・セルフケアの提案など「教育コンテンツ」が有効です。「◯◯を治す」ではなく「◯◯が気になる方へ、東洋医学ではどう考えるか」という切り口なら、規制違反を避けつつ専門性を伝えられます。患者教育を通じた信頼構築は、長期的な来院率向上に直結します。

12. よくある質問(FAQ)

Q1. はり師だけ、きゅう師だけでも開業できますか?
片方の資格だけでも施術所の開設は可能ですが、その場合の施術所名称は「はり治療院」または「きゅう治療院」など資格に合わせた名称制限があり、「鍼灸院」と名乗ることはできません。また施術できる業務範囲もそれぞれの資格に限られます。実務的には両資格を取得してから開業するのが一般的です。
Q2. 鍼灸院の開業資金はいくら必要ですか?
店舗型で初期投資400万〜1,000万円、運転資金200万〜400万円が一般的な目安です。物件取得費・内装工事費・施術設備費・消耗品初期在庫・運転資金が主な内訳。整骨院と比べて医療機器費が低く抑えられるのが特徴です。出張施術専門なら200万〜400万円まで圧縮できます。
Q3. 保険診療と自費診療はどちらが儲かりますか?
単価は自費(5,000〜15,000円)の方が保険施術(3,000〜5,000円)より高い傾向ですが、集客難易度と専門性の両面で差があります。保険中心型は地域の高齢者層で安定した集患が見込める代わりに単価が低く、自費特化型は美容・不妊・スポーツなど専門領域で高単価を取れる代わりにマーケティング力が必要です。多くの鍼灸院は両者を併用して収益構造を安定化させています。
Q4. 医師の同意書はどうやって取得しますか?
患者本人が医師の診察を受けて同意書を発行してもらうのが基本ルールです。鍼灸院から医師に直接依頼するのではなく、患者に「鍼灸施術を受けたいので同意書を書いてほしい」と医師に相談してもらう流れ。鍼灸に理解のある整形外科・内科の医師とのネットワーク構築が、患者が同意書を取得しやすくなる実務的なポイントです。
Q5. 出張施術専門で開業するメリットとデメリットは?
メリットは物件取得費・内装費が不要で初期投資200万〜400万円に圧縮できること、在宅の高齢者・通院困難な患者層にリーチできること。デメリットは移動時間・交通費がかかり、1日の施術人数が店舗型より少なくなること、往療距離片道16km以内の制限があること、天候による予定変更リスク。ライフステージや資金状況に合わせて選択するのが賢明です。
Q6. あはき法の広告規制で気をつけることは?
看板・チラシ・折込広告では、施術所名・施術者氏名・資格・営業時間・料金など法定事項のみ広告可能。効能効果の具体的表現・体験談・他施術との比較は規制違反となります。ホームページ・SNSは現状規制対象外ですが景品表示法の縛りがあるため、誇大広告・虚偽表現は避けるべきです。厚生労働省のガイドライン変更にも注視しましょう。
Q7. 開業直後から保険請求できますか?
保険請求(受領委任)には「施術管理者研修修了」と「1年以上の実務経験」が必要で、その上で地方厚生局への申出が受理されて初めて請求可能になります。無資格実務期間や研修未修了で即時保険請求はできません。開業前に要件を整え、地方厚生局への申出準備も並行して進めてください。全額自費で運営するなら国家資格のみでも開業・施術は可能です。

鍼灸院の開業は、はり師・きゅう師の国家資格取得から施術所開設届・受領委任申出・医師同意書運用・あはき法広告規制対応まで、一般的な店舗開業より医療・法規面のステップが多いのが特徴です。内装工事会社の選定では、施術所の施工実績/構造設備基準への精通/消毒設備・換気計画の提案力/見積書の内訳の明確さ/アフターサポート体制の5点を比較軸にし、最低3社の相見積もりで検討するのが失敗しにくい進め方です。まずは事業計画と資金計画を作り、複数の施工会社から見積もりを取ることから始めましょう。

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