オフィス・事務所の内装の費用相場|坪単価・内訳・見積の注意点

📅 最終更新: 2026年4月2日
オフィス・事務所の内装費用は、居抜き活用で坪10〜25万円スケルトンの標準施工で坪25〜45万円デザイン・ブランディング重視で坪50〜80万円以上が相場の目安です。店舗内装ドットコムに蓄積された7,000件超の施工事例を分析すると、費用を大きく左右するのは「物件状態(居抜きかスケルトンか)」「間仕切り・会議室の数と仕様」「OAフロアを含むITインフラ工事」「エントランス・受付のデザインレベル」の4要因です。本記事ではオフィスタイプ別の坪単価比較・規模別モデル予算・工事項目ごとの内訳・コストダウン手法・原状回復リスク・失敗事例・業者選びまで、発注者が知っておくべき情報をすべて網羅します。

基本オフィス・事務所の内装費用──何が費用を決めるのか

オフィス内装は飲食店や物販店とは異なり、「従業員の生産性向上」と「来訪者へのブランド訴求」という二つの目的が共存するBtoB特有の空間です。飲食店では厨房設備・換気・排水など衛生設備が費用の大半を占めますが、オフィスでは間仕切り造作・OAフロア・ITインフラ・空調ゾーニングが主要コストになります。住宅リフォームと比較しても、電気容量・消防設備・ビルのB工事対応など事業用特有の制約が加わるため、坪単価の見方が変わります。

以下の5要因がオフィス内装費用の大きなウェイトを占めます。それぞれの性質を理解することで、発注前に予算配分の優先順位をつけることができます。

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物件の状態(居抜き/スケルトン)
前テナントの間仕切り・空調・OAフロアが残る居抜きなら施工費を大幅削減できます。スケルトン(コンクリート躯体のみ)からつくるとゼロベースで全設備を整備する必要があり、費用は1.5〜2倍以上になります。セットアップオフィス(内装済み物件)はさらにコスト低減の選択肢として注目されています。
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間仕切り・会議室の数と仕様
会議室・応接室・個室ブース・防音室の数が増えるほどLGS(軽量鉄骨下地)と石膏ボードを使った造作工事費が膨らみます。ガラスパーティションは標準壁の1.5〜2倍、防音仕様(D-40以上)の会議室はさらに高額になります。間仕切りの数と仕様がオフィス内装費用の最大の変動要因です。
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OAフロア・ITインフラの有無
フリーアクセスフロア(二重床)を新設するとLAN配線の取り回しが容易になり、将来のレイアウト変更にも対応できます。初期費用はかかりますが、IT企業やフリーアドレス導入企業では長期的なコスト効率に優れます。入退室管理・防犯カメラ・Wi-APなどのセキュリティインフラも費用に大きく影響します。
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エントランス・受付のデザインレベル
採用活動・顧客営業・ブランド構築を重視する企業ほどエントランスへの投資額が大きくなります。CI(コーポレートアイデンティティ)カラーの空間演出・特注造作カウンター・デジタルサイネージなどで150〜400万円以上に達することもあります。来客が少ない社内向け事務所なら最小限のサインだけで十分です。
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坪数と1人あたり面積
オフィスの標準的な1人あたり面積は3〜4坪(約10〜13㎡)。フリーアドレスなら2〜3坪に圧縮できます。必要坪数を削減すること自体が最も効果的なコストダウンです。同時に家賃も圧縮されるため、内装費・ランニングコスト両面に効きます。

上記5要因を整理したうえで、次のセクションではオフィスタイプ別・グレード別の坪単価を比較します。相場感をつかんだうえで複数社の見積もりを比較することが、適正価格で発注するための最短ルートです。

BtoB内装(オフィス)とBtoC内装(飲食・物販)の費用の違い:飲食店は厨房設備・排水・ガス・換気設備に費用の多くが集中しますが、オフィスはITインフラ・間仕切り造作・防音・セキュリティ設備への投資が中心です。また飲食店は消防法の複合的な制約(厨房の防火区画・換気経路)があるのに対し、オフィスは間仕切りに伴う防災設備の変更とビルのB工事調整が固有の難所となります。住宅リフォームとも異なり、事業用賃貸は原状回復条件が厳格で、スケルトン返しを求められることが多い点も注意が必要です。

表①オフィスタイプ別・グレード別の坪単価一覧

オフィスは業種・規模・コンセプトによって内装の仕様が大きく異なります。以下では代表的な5タイプの坪単価目安と特徴をまとめました。「家具込みか別か」「ネットワーク工事が含まれるか」を必ず確認したうえで比較してください。

オフィスタイプ 坪単価の目安 主な特徴・向いている会社
居抜き活用(最小限施工) 10〜20万円/坪 既存の間仕切り・空調・OAフロアを流用。スタートアップ、小規模士業事務所向き。原状回復リスクも小さい
スケルトン標準(一般事務所) 25〜40万円/坪 LGS+石膏ボードの標準間仕切り、タイルカーペット床、LED照明、標準空調。10〜50名規模の中小企業全般
クリエイティブオフィス 35〜60万円/坪 コンクリート打ちっぱなし・インダストリアル仕上げ、デザイン照明、カフェゾーン、コラボレーションスペース。IT・広告・デザイン系企業
コールセンター・BPO 20〜35万円/坪 電源・LAN配線密度が高く、デスク配置効率を最大化。吸音天井、防音対策が必要。席数ファーストの設計
ブランディングオフィス(本社・旗艦) 50〜80万円以上/坪 CIカラーの空間演出、特注エントランス造作、ガラスパーティション、デジタルサイネージ。採用・顧客営業・ブランド構築を重視する大企業・IPO前後のスタートアップ
坪単価の注意点:上記はあくまで内装工事費のみの目安です。家具・什器(デスク・チェア・収納)は坪5〜15万円追加が目安。さらにネットワーク機器・入退室管理機器・映像設備なども内装工事費とは別で計上されることが多いため、総予算算出時は注意が必要です。開業コストの全体像も合わせて確認しておきましょう。

施工グレード別の仕様比較(スケルトン施工の場合)

グレード 坪単価 壁・天井 間仕切り 照明
ミニマル 15〜25万円 タイルカーペット PB+ビニルクロス パーティションパネル 標準LEDシーリング
スタンダード 25〜45万円 タイルカーペット+OAフロア PB+塗装仕上げ LGS+石膏ボード LED埋込ダウンライト
ハイグレード 45〜80万円以上 OAフロア+タイル・木質材 塗装+特注造作・壁面グラフィック ガラスパーティション・特注建具 設計照明(間接光・スポット)

表②規模別モデル予算とオフィスタイプ別費用相場

1人あたり3〜4坪を基準にした規模別の内装費用目安です。人数規模と物件状態(居抜き/スケルトン)を掛け合わせて概算を把握してください。なお複数社から見積もりを取ることで、同規模・同仕様でも100〜200万円以上の差が生じることが確認されています。

坪数(目安人数) 居抜き活用 スケルトン標準 ブランディング重視
15〜20坪(5〜8名) 150〜400万円 350〜800万円 750〜1,600万円
30〜40坪(10〜15名) 300〜800万円 750〜1,600万円 1,500〜3,200万円
60〜70坪(20〜30名) 600〜1,400万円 1,500〜2,800万円 3,000〜5,600万円
100坪(30〜40名) 1,000〜2,000万円 2,500〜4,500万円 5,000〜8,000万円以上

業態別費用相場(40坪・スケルトン想定)

業態・オフィスタイプ 内装費の目安(40坪) 費用が高くなる要因
一般事務所(中小企業) 700〜1,400万円 会議室数、空調ゾーニング
IT・スタートアップ 1,000〜2,000万円 OAフロア、LAN密度、フリーアドレス対応、カフェゾーン
士業・コンサルティング 600〜1,200万円 応接室・個室の防音性、落ち着いた素材感
コールセンター 800〜1,600万円 高密度配線、吸音対策、多数の電源・LAN口
クリエイティブ(デザイン・広告) 1,200〜2,400万円 デザイン仕上げ、カラーリング、コラボスペース造作
上記は内装工事費のみの目安です。家具・什器・ネットワーク機器・セキュリティ設備を含めると総額は1.3〜1.8倍になることが多く、特にIT系オフィスでは機器費用だけで300〜500万円超になるケースも珍しくありません。

深掘り費用を左右する5大要因──間仕切り・OAフロア・照明・空調・インフラ

オフィス内装費の変動要因を5つに分けて深掘りします。それぞれに工事費の目安テーブルを掲載していますので、発注前の予算組みにご活用ください。BtoC(飲食・物販)の内装とは異なり、OAフロアやIT配線など見えないインフラへの投資が大きな比重を占めることが特徴です。

① 間仕切り・会議室──最大のコスト変動要因

オフィスで最も費用差が出るのが間仕切り工事です。LGS(軽量鉄骨下地)と石膏ボードを用いた造作壁が標準ですが、透明性や開放感を演出するガラスパーティション、機密保持のための防音仕様(D-40・D-50)と選択肢によって費用は大きく変わります。また近年普及している電話ブース型の個室ブースは、造作ではなく既製品ユニットを購入・設置する方法もあります。

間仕切りタイプ 費用目安(1室あたり8〜12坪) 特徴・適した用途
パーティションパネル(置き型) 10〜30万円 移設・撤去が容易。遮音性は低い。原状回復費がほぼゼロ
LGS+石膏ボード(標準壁) 30〜70万円 オフィス会議室の最定番。遮音性確保しやすい。原状回復時は撤去工事が発生
ガラスパーティション 60〜130万円 開放感と遮音を両立。採用強化・ブランド訴求に効果的。フレームレスはさらに高額
防音会議室(D-40〜D-50仕様) 80〜200万円 Web会議・機密打合せ・録音スタジオ兼用。二重壁+制振材+防音ドアで構成
電話ブース型個室(1〜2名) 30〜100万円/台 集中ワーク・オンライン会議専用。既製品ユニット設置なら工期も短縮

② OAフロア(フリーアクセスフロア)──配線の自由度を決める床

OAフロアとは床と躯体(コンクリートスラブ)の間に空間を設け、その空隙にLAN・電源配線を敷設する二重床構造です。置敷式(パネルを並べるだけ)とフリーアクセスフロア(支柱で高さを確保)の2種類があります。フリーアドレス導入や席替えが多いIT企業では、配線変更コストを大幅に削減できます。

タイプ 坪単価目安 特徴
置敷式OAフロア 1.5〜2.5万円/坪 薄型パネルを既存床面に設置。床高が上がるため入口段差への配慮が必要
フリーアクセスフロア(高さ50〜100mm) 2.5〜4万円/坪 支柱でパネルを浮かせる正統派OAフロア。配線取り回しの自由度が最も高い
OAフロアなし(直貼りカーペット) 0.5〜1.5万円/坪 最もローコスト。配線はモールやケーブルトレーで対応。レイアウト変更時に手間

③ 照明設計──オフィスの生産性と印象を左右する

オフィス照明には業種・用途ごとに推奨基準があります。一般執務室では照度500〜750ルクス、色温度5,000〜6,500K(昼白色〜昼光色)、演色性Ra80以上が基本です。エントランスや応接室では演色性Ra90以上の高演色LED+間接照明を組み合わせることで、来訪者に洗練された印象を与えます。照明工事の坪単価は2〜6万円が目安です。

ゾーン 推奨照度 推奨色温度 推奨Ra値 坪単価目安
一般執務スペース 500〜750lx 5,000〜6,500K Ra80以上 2〜4万円
会議室・応接室 300〜500lx 3,000〜5,000K Ra85以上 3〜5万円
エントランス・受付 200〜500lx(演出重視) 2,700〜4,000K Ra90以上 4〜8万円
休憩・カフェゾーン 200〜300lx 2,700〜3,500K Ra85以上 3〜6万円

照明は電球色(2,700〜3,000K)・温白色(3,500K)・白色(4,000K)・昼白色(5,000K)・昼光色(6,500K)の5段階があります。一般執務スペースでは昼白色〜昼光色(5,000〜6,500K)が集中力を高めると言われており、休憩ゾーンやカフェエリアでは電球色(2,700〜3,000K)でリラックス効果を狙うゾーニングが主流です。調光・調色機能付きLEDパネルを採用すれば、時間帯や用途に合わせて照明モードを切り替えることができます。照明設計の詳細は店舗・オフィスの照明設計ガイドでも解説しています。

④ ITインフラ工事(LAN・Wi-Fi・セキュリティ)

IT系企業やコールセンターではLAN配線密度が高く、1席あたり2〜4ポートの有線LANポートが必要なケースも珍しくありません。Wi-Fiアクセスポイントはビジネスグレード品(1台3〜8万円)を20〜25㎡(約6坪)に1台設置するのが目安です。入退室管理(ICカード・スマートロック)も近年標準化が進んでいます。コールセンターでは1席あたり電源タップが3口以上必要なケースも多く、電気容量の増設(幹線ケーブルの引き直し)が発生することがあります。また在宅勤務対応のハイブリッドオフィス設計では、Web会議を前提とした個室ブースの設置・会議室のカメラ・マイク・ディスプレイの設備費も内装費と連動して計画する必要があります。

工事項目 費用目安(40坪の場合) 備考
LAN配線(有線・Cat6A) 25〜70万円 席数×ポート数で変動。OAフロアがあれば施工が容易
Wi-Fiアクセスポイント設置 15〜40万円 AP台数と機種グレードで変動。ビジネス向けは1台3〜8万円
入退室管理(カードキー式) 20〜80万円 扉数と管理システムの複雑さで変動
防犯カメラ(録画含む) 15〜50万円 カメラ台数・解像度・保存期間
サーバールーム造作 30〜120万円 専用空調・床下配線・ラック・UPS設置。IT企業・データ管理会社向き

⑤ エントランス・受付のグレードと投資効果

エントランスは採用活動・顧客営業・ブランドイメージの観点から最も費用対効果の高い投資先の一つです。「ここで働きたい」と感じさせるオフィスは採用コストの削減にも貢献します。受付カウンターの素材・サインボードの照明演出・植栽などで差別化を図るケースが増えています。

グレード 費用目安 主な構成要素
シンプル(来客が少ない事務所) 20〜60万円 社名サイン+基本的な受付カウンター。既製品活用
スタンダード(中小企業の標準) 60〜180万円 デザイン壁・照明演出・造作カウンター・会社ロゴサイン
ブランディング重視(採用・営業重視) 180〜400万円以上 CIカラー全面演出・デジタルサイネージ・特注家具・植栽コーディネート

実務見積内訳の確認ポイント──9カテゴリを押さえる

オフィス内装の見積書はカテゴリが多く、はじめて読む方には難解です。特にB工事(ビル管理会社指定の工事)はテナント側が費用を負担するにもかかわらず業者選択権がないため、適正価格の確認が難しいケースがあります。以下の9カテゴリが見積書に明記されているかを必ず確認してください。

カテゴリ 主な工事内容 チェックポイント
① 仮設・解体工事 養生・既存内装撤去・廃材処分 廃材処分費が別途か込みかを確認
② 間仕切り工事 LGS・石膏ボード・ガラスパーティション・建具 遮音仕様・防火区画の対応を確認
③ 内装仕上げ工事 床(OAフロア・タイルカーペット)・壁クロス・天井・エントランス造作 材料グレード・施工面積を明記させる
④ 電気・照明工事 LED照明・コンセント・分電盤・非常照明・誘導灯 非常照明・誘導灯の移設費が含まれているか
⑤ LAN・通信工事 LAN配線・Wi-Fi AP・電話回線・サーバーラック 家具別か込みか/将来の増設対応の有無
⑥ 空調工事 エアコン増設・移設・ゾーニング・ダクト延長 間仕切り後の空調バランスを設計で確認
⑦ 防災設備工事 スプリンクラーヘッド移設・感知器追加 消防法対応の工事が漏れていないか(B工事の場合も多い)
⑧ 設計・監理費 レイアウト設計・デザイン・設備計画・ビル協議・現場監理 工事費の10〜15%が目安。安すぎる場合は監理省略の可能性
⑨ 諸経費・管理費 現場管理・ビルへの届出費用・産廃処分費 工事費の5〜10%が目安。上乗せ過多に注意
A工事・B工事・C工事の区別を理解する:ビルの内装工事は通常3種類に分類されます。A工事(ビルオーナー負担)・B工事(テナント負担だがビル指定業者が施工)・C工事(テナントが業者を自由に選べる)。B工事は競争原理が働かず割高になりがちです。入居前にB工事の範囲と費用感をビル管理会社に確認し、交渉できる余地がないか検討しましょう。

見積もりを複数社で比較する際の注意点は見積もり比較ガイドで詳しく解説しています。また、床材の選び方(タイルカーペット・OAフロア・長尺シートの比較)については床材選びガイドも参考にしてください。オフィスの床材はメンテナンス性・遮音性・防静電機能を考慮して選ぶことが重要で、特に精密機器を扱う環境では導電性タイルカーペット(帯電防止処理済み)の採用が推奨されます。


注意追加費用が出やすい典型パターンと回避策

オフィス内装では、見積もり段階では見えなかった追加費用が発生するケースが多くあります。店舗内装ドットコムの施工事例を分析すると、特に「防災設備の移設」「空調ゾーニング不足」「B工事の追加」「原状回復の想定ミス」の4パターンで予算超過が起きています。

パターン 発生原因 追加費用目安 回避策
防災設備の移設・追加 間仕切り新設で天井を区画すると、消防法上スプリンクラーヘッドや感知器の移設が義務化される 20〜80万円 間仕切り計画と同時に防災設備図面を確認し、B工事費を事前に見積取得
空調ゾーニング不足 間仕切りで新たな区画を作ったのに空調が既存配置のまま。冷暖房が効かない会議室ができる 30〜100万円 間仕切り計画に合わせた空調のゾーニング・ダクト延長を設計段階で同時に計画する
B工事の追加(ビル指定業者) AグレードビルでB工事範囲が広く、指定業者に競争がないため高額請求になる 50〜200万円 入居前にB工事範囲の確認と費用概算を取得。賃料交渉と合わせてオーナーと協議
原状回復費の想定ミス 退去時に撤去が困難な造作(固定間仕切り・OAフロア等)を設置し、原状回復費が予算を超過 100〜500万円 賃貸借契約の原状回復条項を入居前に確認。造作工法は「撤去容易」を優先
電気容量の不足 既存の電気容量が想定設備に対して不足。分電盤増設・幹線ケーブル引き直しが発生 30〜150万円 設計段階で電気負荷計算を実施。使用設備のリストアップを先行させる
予備費の目安:オフィス内装では防災設備・空調追加・B工事の三つで予算超過が起きやすいため、総予算の10〜15%を予備費として確保することを強く推奨します。特に築年数が古いビルや、テナント工事実績が少ないビルでは予備費を厚めに見込んでおきましょう。

節約コストダウンの優先順位──削れる箇所と削ってはいけない箇所

オフィス内装のコストダウンは「どこを削るか」より「どこに集中投資するか」の判断が重要です。執務スペースの仕上げをシンプルにしてエントランスに予算を集中させる、居抜き物件を選んで工事費そのものを圧縮するなど、選択と集中がポイントです。内装費のコストダウン手法も合わせて参考にしてください。

◎ 削りやすい・効果が大きい
  • 居抜き・セットアップオフィスを選ぶ:間仕切り・空調・OAフロアが既設なら施工費を40〜60%削減
  • フリーアドレス導入で必要坪数を圧縮:固定席レイアウトより20〜30%面積削減→家賃と内装費の両方に効く
  • 執務スペースの床・壁をシンプルに:タイルカーペット+ビニルクロスで十分。コストをエントランスに集中
  • 間仕切りをパーティションパネルに:置き型なら原状回復費もゼロ。頻繁なレイアウト変更にも対応
  • 家具はサブスク・リースを活用:デスク・チェアのサブスクで初期費用を1/3〜1/5に圧縮
  • 既製品ブースの活用:電話ブースは造作より既製品ユニットのほうが安価で工期も短い
✕ 削ると後悔しやすい
  • 空調ゾーニング費用:後から追加すると工事費が2〜3倍に。設計段階で確定させる
  • LAN配線の密度:後から追加配線は家具移動・天井解体が必要で高額になる
  • 防音会議室の仕様:後から防音性能を追加するのは構造的に困難なため、設計時に決定
  • 設計・監理費:設計費を削ると現場でのトラブル対応コストが増大するリスクがある
  • 消防設備の移設費:法令対応を省くことは不可。後回しにすると工事費が上乗せされる

コストダウン優先順位テーブル

施策 削減効果 難易度 推奨度
居抜き・セットアップ物件の選択 工事費40〜60%削減 物件探しが必要 ★★★★★
フリーアドレス導入で面積削減 家賃+内装費20〜30%削減 働き方改革が前提 ★★★★★
複数社相見積もり 同仕様で10〜20%削減 低(発注者にとって最も容易) ★★★★★
間仕切りをパーティションパネルに 間仕切り費50〜70%削減 ★★★★☆
家具リース・サブスクの活用 初期家具費を1/3〜1/5 ★★★★☆
工事時期を繁忙期(1〜3月)以外に 5〜10%程度の値引き余地 スケジュール調整が必要 ★★★☆☆

資金オフィス内装に使える融資・補助金・助成金

オフィス・事務所の開設・移転には、国や自治体の公的支援制度を活用できる場合があります。特に日本政策金融公庫の融資は創業時・移転時ともに利用しやすく、東京都・大阪府などでは独自の創業支援補助金も整備されています。各制度は予算・公募期間があるため、計画段階から早めに問い合わせることが重要です。

制度名 対象 支援内容・上限額 問い合わせ先
日本政策金融公庫 創業融資 創業前〜創業後7年以内 設備資金融資(7,200万円以内)。内装工事費も対象 日本政策金融公庫 各支店
信用保証協会付き融資 中小企業・小規模事業者 民間銀行融資に信用保証。内装工事費も対象 取引銀行・信用金庫
小規模事業者持続化補助金 小規模事業者 販路開拓・生産性向上の経費の2/3補助。50万〜200万円(通常枠〜特別枠)。内装工事は条件次第 商工会・商工会議所
IT導入補助金 中小企業・小規模事業者 ITツール導入費の1/2〜3/4補助。ネットワーク構築費が対象になる場合あり 独立行政法人中小企業基盤整備機構
各都道府県・市区町村の創業補助金 開業予定者・移転企業 自治体により内装工事費補助が受けられる場合あり。上限30〜200万円程度 各自治体の産業振興課・商工課
補助金・助成金は公募期間・予算枠があり、先着や審査があります。内装工事の着工前に申請が必要な制度がほとんどのため、オフィス開設を決めた段階で早期に情報収集することが重要です。商工会議所や中小企業診断士に相談するのが最短ルートです。また、資金計画の全体像を立てる際にはオフィス内装の施工事例と費用感を参考にしながら、実際の工事費水準を確認することをお勧めします。

契約退去時の原状回復──入居前に必ず確認すべきこと

オフィスの賃貸借契約では、退去時に「借りた状態」に戻す原状回復義務が課されます。住宅の場合は国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」が参考基準として使われますが、事業用賃貸にはこのガイドラインが直接適用されないことが多く、契約書の内容が優先されます。住宅と異なり事業用物件は契約自由の原則が強く働くため、「スケルトン返し(躯体のみ)」を求められるケースも少なくありません。内装工事前に契約書の原状回復条項を必ず精査し、復旧費用の概算を把握したうえで工法を選択することが重要です。

工事内容 原状回復の難易度 復旧費用目安 対策
置き型パーティションパネル 低(撤去のみ) ほぼゼロ〜数万円 最も原状回復リスクが低い
LGS+石膏ボードの間仕切り 中(解体・廃材処分が必要) 30〜80万円/室 施工前に退去時の撤去費を概算化
OAフロア(フリーアクセスフロア) 中(パネル・支柱の撤去) 50〜150万円(全体) 次のテナントに引き継げる場合もある
エントランス造作(特注) 高(解体・廃材処分・下地補修) 80〜200万円 素材・構造を「撤去容易」に設計する
スケルトン返し(全撤去) 最高(すべての内装を撤去) 坪5〜15万円×坪数 契約時にスケルトン返し条件の有無を確認
入居前のチェックリスト(原状回復関連):
① 賃貸借契約書の原状回復条項を読み込む(「スケルトン返し」の明記有無)
② ビル管理会社に「原状回復の具体的な範囲」を文書で確認する
③ 内装設計の段階で「撤去容易な工法」を優先的に採用する
④ 退去時の概算費用を内装会社に見積もってもらい、予算に組み込む

居抜き物件の原状回復と引き継ぎのメリット・デメリットは居抜き物件ガイドでも詳しく解説しています。なお、居抜きで取得したオフィスの設備(空調・照明・OAフロア等)が「前テナントが原状回復義務を果たした状態」なのか「前テナントのまま引き継ぎ」なのかによって、退去時の自社の原状回復義務範囲が変わります。居抜き入居時の「現状確認書(引き渡し時の状態を双方で確認した書類)」は必ず取得・保管してください。


届出オフィス開設に必要な許認可・届出

オフィス・事務所の開設は飲食店ほど複雑な許認可は必要ありませんが、建築基準法・消防法・ビル管理規約への対応は必須です。飲食店では食品衛生法に基づく保健所の許可・防火管理者の選任・深夜営業許可など多岐にわたる許認可が必要ですが、一般事務所の場合は消防法対応とビル管理規約への届出が主な規制となります。ただし業種によっては業法上の事務所設置要件(面積・設備基準等)が定められているため、業法の専門家への確認が欠かせません。特に間仕切りで室を区画する場合は消防設備の変更が伴い、消防署への届出と検査が必要になります。また業種によっては業法上の事務所設置要件(面積・設備基準等)があります。

届出・許認可 根拠法令 届出先 タイミング
消防設備変更届(スプリンクラー等移設) 消防法 所轄消防署 工事前に届出・工事後に検査
建築確認申請(用途変更・大規模改修) 建築基準法 建築主事・指定確認検査機関 工事前(該当する場合のみ)
ビル管理組合への工事届出 ビル管理規約 ビル管理会社 工事開始前(1〜3ヶ月前が目安)
労働基準監督署への事業所開設届 労働基準法 所轄労働基準監督署 事業開始後10日以内
業種固有の事務所設置届(宅建・金融・派遣等) 各業法 都道府県・国土交通省・金融庁等 開業前(業種ごとに要確認)
業種固有の要件:宅地建物取引業は事務所ごとに専任の宅地建物取引士を1名以上置く義務があり、事務所の形態要件(独立した事務所スペース・固定電話等)もあります。派遣業・有料職業紹介業なども事務所の面積・設備要件が法定されているため、業法の専門家に確認を取りながら内装設計を進めることをお勧めします。

DIYオフィスDIYの可否──自力でできること・できないこと

住宅リフォームと異なり、オフィスのDIYはビル管理規約や消防法・建築基準法の制約を受けます。また事業用賃貸では原状回復義務が厳格なため、DIYで施工した箇所が退去時に問題になるケースもあります。「節約のためにDIYを検討している」という場合は、以下の判断基準を参考にしてください。特にビルへの持ち込み工具・工事時間・エレベーター使用制限なども確認が必要です。DIYによる節約額が小さい割に、退去時の原状回復トラブルリスクが高い場合は、プロへの依頼が長期的には合理的な選択になります。

◎ DIY・自力対応が可能な範囲
  • 家具の組み立て・配置:市販のデスク・棚・ホワイトボードなど
  • 装飾・グリーン(植栽)の設置:壁面グリーン(貼るだけタイプ)、観葉植物の配置
  • マグネットペイント・黒板塗料の塗布:会議室の壁の一部をホワイトボード化(ビル許可が前提)
  • モールを使ったケーブル整理:床面のLANケーブル・電源コードの整理
  • 貼るだけシートでのデコレーション:窓ガラスのフロストフィルム、壁面ウォールステッカー(剥がせるもの)
✕ 専門業者に依頼すべき工事
  • 電気工事(配線・コンセント増設):電気工事士免許が必要。無資格施工は違法
  • 間仕切り壁(LGS・石膏ボード)の造作:防火・遮音基準への対応が必要
  • 空調・換気ダクトの変更:ビル設備に関わるため原則B工事
  • スプリンクラー・感知器の移設:消防法上の届出と専門工事が必要
  • OAフロアの施工:水平精度・荷重計算が必要な専門工事
ビル管理規約によってはDIY(自己施工)そのものが禁止されている場合があります。入居前にビル管理会社に「自己施工できる範囲」を確認してください。

工期オフィス内装工事の工期目安

オフィス内装の工期は坪数・施工範囲・間仕切り数・ビル搬入時間の制約によって大きく異なります。一般的に設計期間と施工期間はほぼ同程度になります。ただし、ビル管理会社との工事届け出・協議(B工事の施工者調整・防災設備変更届け出)に1〜2ヶ月かかるケースもあるため、トータルスケジュールには余裕をもった計画が必要です。

特に年度末(1〜3月)はオフィス移転・開設の集中時期であり、内装会社・引越し会社ともに繁忙期となります。この時期は工期が延びやすく、施工会社の確保も難しくなるため、秋から年末にかけての着工が理想的です。繁忙期を外すことで、費用の値引き交渉余地も生まれます。

特にAグレードビルでは搬入時間・エレベーター使用時間に制限があり、工期が長くなりやすい傾向があります。業務移転のスケジュールに合わせて工期と引渡し日を逆算することが重要です。

工事規模・条件 設計期間 施工期間 合計目安
15〜20坪・居抜き(部分改修) 2〜4週間 2〜4週間 1〜2ヶ月
20〜40坪・スケルトン(標準施工) 4〜8週間 4〜8週間 2〜4ヶ月
40〜70坪・スケルトン(標準〜デザイン重視) 6〜10週間 6〜10週間 3〜5ヶ月
70〜100坪以上・ブランディングオフィス 8〜16週間 8〜16週間 4〜8ヶ月
工期を延ばす要因:①特注造作・特注家具(製作リードタイム4〜12週)/②ビルの搬入制限(夜間・土日のみ可など)/③消防設備のB工事調整(ビル指定業者との日程調整)/④資材・設備の納期遅延。余裕を持ったスケジュールで設計〜施工〜引越しを計画してください。

失敗例オフィス内装の失敗事例3件──実際に起きたトラブル

店舗内装ドットコムに寄せられた相談・施工事例をもとに、オフィス内装でよくある失敗パターンを3件紹介します。いずれも事前の確認と設計段階での計画によって防げたケースです。

事例①会議室を作ったら夏に使えない──空調ゾーニングの失敗

40坪のオフィスに会議室3室を新設した際、空調のゾーニング計画を省略してしまいました。既存の天井カセット型エアコンが会議室ではなく執務スペース側に偏って設置されていたため、会議室は夏に30℃を超え、クレームが多発。結果として会議室用に追加でエアコン4台を設置することになり、追加工事費が160万円かかりました。設計段階で空調配置を計画していれば、50万円以下で済んだはずです。

→ 教訓:間仕切り計画と空調ゾーニングは必ずセットで計画すること。エアコンの設置位置・ダクト延長・スイッチ系統の分割まで、内装設計段階で確定させる。
事例②退去時に500万円の請求──原状回復費の見積もりミス

移転先のオフィスでブランディング重視のエントランス造作・ガラスパーティション・OAフロアを全面施工しました。5年後に移転する際、賃貸借契約書の「スケルトン返し」条項に基づき、施工したすべての内装を撤去する義務が発生。撤去・廃材処分・下地補修の合計で約480万円の原状回復費が請求されました。入居時の内装費と退去時の原状回復費を合計すると、実質的な投資回収が大幅に狂いました。

→ 教訓:入居前に契約書の原状回復条項を確認し、工事範囲ごとの退去時撤去費を内装会社に概算してもらう。スケルトン返し条件の物件は初期投資回収計画に復旧費を必ず組み込む。
事例③B工事費が予算の2倍超──Aグレードビルでのコスト爆発

都内AグレードビルにIT企業が入居。防災設備の移設(スプリンクラーヘッド・感知器)と空調のゾーニング変更がB工事(ビル指定業者)と判明しました。指定業者は競合なしのため単価が高く、当初見込みの2.5倍の費用(合計350万円)を請求されました。ビル管理会社への事前確認が不十分で、B工事の範囲と費用感を把握していなかったことが原因です。

→ 教訓:入居前にビル管理会社へ「B工事の範囲」と「指定業者の概算見積もり」を書面で取得する。AグレードビルではB工事費を総予算の15〜20%程度で見込んでおくと安全。

モデルケース:コストを抑えながら採用力を高めたオフィス

モデルケース①:居抜き+集中投資で採用強化に成功(IT企業・35坪)
前テナントの間仕切り・空調・OAフロアを最大限活用した居抜き物件を選択し、内装工事費を500万円台に抑制。節約した予算をエントランス・カフェゾーン・会議室のガラスパーティション化に集中投資しました。求人募集のオフィス写真に映えるデザインで内定承諾率が向上し、採用広告費を年間200万円削減できました。
モデルケース②:フリーアドレス導入で賃料と内装費を同時削減(コンサルティング会社・50坪→35坪)
リモートワーク導入に合わせてフリーアドレス制に移行し、必要坪数を50坪から35坪に圧縮。年間賃料を約240万円削減しながら、浮いた内装予算でハイグレードな会議室・応接室を整備しました。客先からの評判が向上し、商談成約率の改善にもつながりました。

選び方オフィス内装会社の選び方──4つの視点

オフィス内装の発注先選びは、工事品質・費用・工期・アフターフォローすべてに影響します。特にオフィスは従業員が毎日使う空間であり、完成後に「こんなはずじゃなかった」となることが許されません。内装会社の選び方ガイドも合わせて確認してください。

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オフィス施工の実績と事例数
飲食店・物販と異なり、OAフロア・LAN配線・消防設備対応はオフィス専門の知識が必要です。「オフィス内装の施工事例写真が豊富か」「ビルのB工事調整の経験があるか」を必ず確認してください。業種・規模が近い施工事例を複数見せてもらいましょう。
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見積書の透明性と項目の明確さ
見積書の項目が「一式」でまとめられていると比較ができません。工事カテゴリ(間仕切り・電気・空調・LAN等)ごとに金額が明記された明細書を提出できる業者を選んでください。追加費用が出やすい箇所の説明があるかも重要な判断基準です。
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ビル管理会社との交渉経験
オフィス内装はビル側との協議(B工事の範囲確認・防災設備の届出・工事届の提出等)が不可欠です。ビル管理会社との交渉・届出代行の経験が豊富な業者は、トラブルが少なく工期遅延リスクも低いです。
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アフターフォロー・保証体制
竣工後に発生するドアの建て付け・クロスのはがれ・床材の浮きなどへの対応力を確認してください。「施工後1年間の瑕疵保証」「担当者への直接連絡窓口の設置」がある業者は安心です。
最も確実なのは複数社から相見積もりを取得し、金額・内容・対応力を比較することです。店舗内装ドットコムで一括相見積もりすれば、オフィス内装に実績のある複数の会社から提案を受けることができます。なお、見積もり比較の際は「家具込みか別か」「ネットワーク工事が含まれるか」「B工事が含まれるか」「設計・監理費が含まれるか」の4点を必ずそろえて比較してください。条件がそろっていないと、安く見える見積もりが実は重要な項目を除外している場合があります。

準備オフィス内装発注前のチェックリスト

オフィス内装の発注前に確認すべき事項を整理しました。設計打合せの前にこのチェックリストを埋めることで、設計者・施工会社との打合せがスムーズになり、見積もりの精度も上がります。特に「人数・席数の計画」と「B工事の範囲確認」は後から変更が難しく、費用にも大きく影響するため最初に確定させることを推奨します。また、物件の電気容量(アンペア数)と床荷重は物件ごとに異なり、設備設計の前提となるため必ず確認してください。

  • 物件の確認:ビルの階数・方角・柱位置・天井高・床荷重(1㎡あたり300〜500kg程度が標準)・既存電気容量(アンペア数)を把握している
  • B工事の範囲:ビル管理会社にB工事の範囲・指定業者・概算費用を確認している
  • 賃貸借契約書:原状回復条項(スケルトン返しの有無)・工事条件(夜間搬入の可否等)を確認している
  • 人数・席数の計画:現在の社員数と3〜5年後の採用計画を踏まえた席数を確定している
  • ゾーニング方針:固定席かフリーアドレスか、会議室数・個室ブース数の方針を決めている
  • ネットワーク要件:有線LANポート数・Wi-Fiゾーン・サーバーの有無・入退室管理の要否を確認している
  • デザイン方針:ブランドカラー・参考事例(URL・写真)・コンセプトワード(「透明感」「活気」「落ち着き」等)を準備している
  • 家具の調達方針:内装会社に家具手配も依頼するか、別途調達するかを決めている
  • 予算上限と配分:内装工事費・家具費・IT機器費・引越し費の予算上限を設定している
  • 引渡し日と業務移転スケジュール:旧オフィスの退去日・新オフィスへの業務移転日を確定し、工期から逆算した設計開始日を決めている
  • セキュリティ要件:入退室管理(ICカード・スマートロック・暗証番号)・防犯カメラの設置箇所・録画保存期間を決めている
  • 会議室の映像・音響設備:プロジェクター・大型ディスプレイ・マイク・スピーカーの要否と仕様を決めている
  • 働き方スタイルの方針:固定席・フリーアドレス・ABWのいずれを採用するか、出社率の目標値(フリーアドレス設計の前提)を確定している

レイアウト設計の考え方は店舗・オフィスのレイアウト設計ガイドでも詳しく解説しています。近年はABW(Activity Based Working)やハイブリッドワーク対応の設計が増えており、在宅と出社を組み合わせるスタイルに合わせたオフィスレイアウトが求められています。ABW対応オフィスでは集中席・コラボゾーン・リフレッシュゾーン・個室ブースなど多様なワーキングエリアを設けるため、設計コストが標準オフィスより増加しますが、従業員エンゲージメント・採用競争力の観点から投資効果が高いとされています。

ハイブリッドオフィス設計のコスト目安:リモートワーク併用で固定席70〜80%設計(出社率に合わせた席数削減)+個室ブース4〜8台設置+会議室への映像・音響設備の整備(1室あたり30〜80万円追加)が一般的な構成です。電話ブース型の既製品ユニット(1台50〜100万円)を複数台設置するケースも増えており、造作工事より工期が短い点もメリットです。

事例オフィス・事務所の施工事例を見る

費用感・仕様・デザインのイメージをつかむためには、実際の施工事例を写真で確認するのが最も効率的です。店舗内装ドットコムでは7,000件超の施工事例を公開しており、坪数・予算帯・オフィスタイプ(クリエイティブ系・士業・IT等)で絞り込んで比較できます。特に「エントランスの造作」「会議室のガラスパーティション」「カフェゾーンの造作」は事例写真を見てイメージを固めてから発注することで、完成後の「思っていたものと違う」というミスマッチを防ぐことができます。事例を見ながら「どのゾーンに予算を集中させるか」を内装会社と議論することが、費用対効果の高いオフィスをつくるための近道です。

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オフィス・事務所の内装事例一覧
さまざまな業種・坪数・予算帯のオフィス施工事例を写真付きで公開中。エントランス・会議室・執務スペース・休憩ゾーンなどゾーン別にも確認できます。
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見積もり比較の進め方
事例でイメージを固めたら、気になる事例の内装会社に問い合わせるか、見積もり比較ガイドを参考に複数社へ一括相談する流れがスムーズです。
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フローリング・床材の選択
オフィスの床材はタイルカーペット・OAフロア・置き床など選択肢が多く、コスト・メンテナンス・デザイン性のバランスで決まります。床材選びガイドで詳しく解説しています。
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開業・移転コストの全体像を把握する
内装費用だけでなく、物件取得費(敷金・礼金・仲介費用)・引越し費・家具・IT機器・各種届出費用まで含めた総合的なコスト計画が重要です。開業コストの全体像ガイドで詳しく解説しています。

FAQオフィス内装費用 よくある質問10問

Q1. オフィス内装の費用相場を教えてください。
居抜き活用で坪10〜25万円、スケルトンからの標準施工で坪25〜45万円、デザイン・ブランディング重視で坪50〜80万円以上が目安です。家具・IT機器は別途見込む必要があります。同じ仕様でも複数社に相見積もりを取ることで10〜20%のコスト差が生まれることがあります。
Q2. 居抜きオフィスとスケルトンオフィス、どちらが得ですか?
初期費用の安さでは居抜きが圧倒的に有利です。ただし、前テナントの間仕切りや空調が自社の使い方に合っていない場合は結局改修費がかかります。また居抜きの設備(空調・電気)が古く、早期に故障リスクがある点も考慮が必要です。予算が限られたスタートアップや期間限定の拠点なら居抜き、長期使用や自社仕様にこだわるならスケルトンが基本的な判断軸です。
Q3. OAフロア(フリーアクセスフロア)は必要ですか?
IT企業・フリーアドレス制・席替えが多いオフィスには有効です。坪1.5〜4万円の初期費用がかかりますが、将来のレイアウト変更時のLAN配線変更コストを大幅に削減できます。コールセンターや配線密度が高い環境ではほぼ必須です。一方、固定席・少人数・短期の物件ではOAフロアなしでモールを使ったケーブル整理でも十分対応できます。
Q4. 会議室の防音はどの程度必要ですか?費用は?
Web会議や営業打合せ用なら遮音等級D-40程度(隣室の声がほぼ聞こえないレベル)が目安です。費用は1室あたり80〜150万円程度が多く、標準壁(D-30程度)の1.5〜2倍かかります。機密情報を扱う法律事務所・金融機関・医療系オフィスではD-50以上の高性能防音が必要になり、200万円超になるケースもあります。
Q5. B工事とは何ですか?費用の目安は?
B工事はテナントが費用を負担しますが、ビル管理会社が指定した業者しか施工できない工事のことです。防災設備(スプリンクラー・感知器)の移設・空調のゾーニング変更・電気幹線の増設などが典型です。指定業者は競争がないため割高になりやすく、AグレードビルのB工事費は総内装費の15〜25%に達することもあります。入居前にビル管理会社への確認が必須です。
Q6. フリーアドレスオフィスの内装費はどう変わりますか?
フリーアドレスを採用すると、必要席数を社員数の60〜80%に抑えられるため、必要坪数が削減できます。これにより賃料と内装費の両方を削減できる効果があります。一方で、OAフロア(任意の場所でLAN接続できる環境)やWi-Fiの高密度配置・電源タップの分散設置など、インフラ投資が必要です。また、個人収納(ロッカー)の設置費用も発生します。
Q7. ABW(Activity Based Working)対応オフィスにするといくら追加でかかりますか?
ABWとは仕事の内容に合わせてスペースを選んで働くスタイルです。集中ブース・コラボレーションゾーン・カフェゾーン・電話ブースなど多様なゾーンを設ける必要があり、標準オフィスと比べて設計コストが高くなります。造作ゾーンの追加で坪単価が10〜20万円程度上乗せになるケースが多く、総額では30〜50%程度コストが増加することもあります。ただし採用力強化や生産性向上による投資効果は相応に高いと評価されています。
Q8. 退去時の原状回復費の目安はどのくらいですか?
スケルトン返しの場合は坪5〜15万円が目安です。40坪のオフィスでスケルトン返しなら200〜600万円程度の原状回復費を想定しておく必要があります。一方、パーティションパネルのみの間仕切りや貼るだけシートなら原状回復費はほぼゼロです。入居時に「何を施工すると退去時にいくらかかるか」を概算しておくことが重要です。
Q9. オフィス内装の工期はどのくらいかかりますか?
設計から竣工まで、小規模(20坪以下)の居抜き改修なら1〜2ヶ月、40坪前後のスケルトン標準施工で2〜4ヶ月、70〜100坪以上のデザイン重視のオフィスで4〜8ヶ月が目安です。特注家具・特注造作は製作に4〜12週かかるため、全体スケジュールに影響します。旧オフィスの退去日から逆算して設計着手日を決めましょう。
Q10. 相見積もりは何社に依頼すれば良いですか?選ぶコツは?
3社以上から相見積もりを取ることを推奨します。1〜2社では比較の基準ができず、適正価格かどうか判断できません。選ぶコツは「オフィス施工の実績事例写真が豊富か」「見積書が項目ごとに明細化されているか」「ビル管理会社との調整経験があるか」の3点です。店舗内装ドットコムの一括相見積もりを使えば、オフィス内装実績のある複数社から提案を受けることができます。

次の一歩理想のオフィスを実現する3ステップ

オフィス内装の発注で最も大切なのは「相場感を持って複数社を比較する」ことです。本記事でご紹介した坪単価・モデル予算・工事項目の内訳を頭に入れたうえで、信頼できる内装会社の選び方を参考にして相見積もりを実施してください。

また、発注前に「自社のオフィスに何を求めるか」を言語化しておくことも重要です。「採用競争力の強化」が目的なら、エントランス・カフェゾーン・ガラスパーティションへの投資を優先すべきです。「業務効率と生産性向上」が目的なら、OAフロア・LAN配線・集中ブースへの投資を優先します。「コスト最小化」が優先なら、居抜き物件の選択・フリーアドレス導入・パーティションパネル活用を組み合わせましょう。目的が明確になれば、内装会社との打合せも具体的かつ効率的に進みます。

オフィス内装は従業員が毎日過ごす空間であり、採用力・定着率・生産性に直結する重要な経営投資です。一度つくったオフィスは数年〜十数年使い続けることになるため、短期的なコスト削減だけを優先して設計を妥協すると、後から生産性の低下や追加改修コストという形で返ってくることがあります。見積もり比較ガイドも活用して、費用と品質のバランスが取れた発注先を見つけましょう。

予算・デザイン・工期のすべてを1社だけに任せると、適正価格かどうかの判断ができません。以下のステップで進めることで、満足度の高いオフィス内装を実現できます。

  • ステップ1:相場感をつかむ──本記事の坪単価・規模別モデル予算を参考に、予算の上限と優先投資箇所を決める
  • ステップ2:事例でイメージを固める──施工事例を複数見て「自社が目指すオフィスのイメージ」を言語化・画像化する
  • ステップ3:複数社に相見積もりを依頼する──同じ要件で3社以上から見積もりを取り、金額・内容・対応力を比較する
理想の店舗を実現する3ステップ

相場感をつかむ → 事例でイメージを固める → 複数社の見積もりを比較

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