店舗の床材の選び方|素材別の特徴・費用・メンテナンス比較

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📅 最終更新: 2026年3月30日

床材選びが店舗の第一印象と運営コストを決める

費用内訳の目安 45% 床材・材料費 45% 44% 施工費 44% 11% 下地処理費 11%

店舗に入った瞬間、お客様の目に最初に飛び込むのは内装の「面積が最も大きい部分」──つまり床と壁です。中でも床材は視覚的な印象だけでなく、歩行感・清掃性・耐久性・メンテナンスコストに直結するため、店舗内装において最も慎重に選ぶべき素材の一つです。カフェであれば温かみのある無垢材やモルタル仕上げが雰囲気を演出し、クリニックであれば清潔感のある長尺シートが衛生管理を容易にします。

内装工事の中で床工事が占める割合は、一般的に工事費全体の8〜15%程度。坪単価でいうと2〜8万円が目安ですが、素材によって3倍以上の価格差があります。「見た目がいいから」という理由だけで高級素材を選ぶと予算オーバーになり、逆にコストだけで選ぶと数年後に張り替えが必要になるケースも珍しくありません。

BtoB案件(店舗・オフィス・商業施設)では床材がブランドイメージに直結するため、デザイン性と耐久性の両立が求められます。飲食店では耐水性・防滑性が必須、美容室ではカラー剤やパーマ液への耐薬品性が重要です。BtoC案件(住宅リフォーム)では居住者の好みと生活スタイルに合わせた選定が中心になり、無垢材やフロアタイルが人気です。本記事では、店舗内装で使われる主要8素材の特徴・費用・メンテナンス性を徹底比較し、業種別の最適な床材選びを解説します。見積もり比較ガイドも合わせてご確認ください。


店舗で使われる床材8種類の特徴比較

居抜き vs スケルトン 坪単価比較 居抜き 坪2〜9万円 スケルトン 坪6〜15万円

店舗内装で使われる床材は大きく8種類に分類できます。それぞれに得意・不得意があり、業種や用途によって最適な選択肢が異なります。以下のテーブルで主要な性能を横並び比較します。LGS間仕切りやボード貼りなどの壁・天井の工事と並行して、床の下地処理も進める必要があるため、素材の決定は設計段階の早い時期に行いましょう。

床材 耐久性 耐水性 メンテナンス性 デザイン性 材工単価(㎡) 施工期間(20坪)
フロアタイル(塩ビタイル) ★★★★ ★★★★★ ★★★★★ ★★★★ 3,000〜6,000円 2〜3日
長尺シート ★★★★ ★★★★★ ★★★★★ ★★★ 2,500〜5,500円 1〜2日
タイルカーペット ★★★ ★★ ★★★★ ★★★ 2,000〜5,000円 1〜2日
無垢材(フローリング) ★★★★ ★★ ★★★ ★★★★★ 8,000〜20,000円 3〜5日
磁器タイル(セラミック) ★★★★★ ★★★★★ ★★★★ ★★★★★ 6,000〜15,000円 3〜5日
コンクリート(打ちっぱなし) ★★★★★ ★★★★ ★★★ ★★★★ 3,000〜8,000円 3〜7日(養生含む)
エポキシ樹脂 ★★★★★ ★★★★★ ★★★★★ ★★★ 5,000〜12,000円 2〜4日(養生含む)
モルタル仕上げ ★★★★ ★★★★ ★★★ ★★★★★ 5,000〜10,000円 3〜5日(養生含む)

フロアタイル──店舗床材の王道

フロアタイル(塩ビタイル)は店舗内装で最も使用頻度の高い床材です。木目調・石目調・コンクリート調など、デザインバリエーションが非常に豊富で、本物の無垢材やタイルの質感をリアルに再現した製品も増えています。耐水性・耐久性に優れ、飲食店のキッチン周りにも使用可能。汚れても水拭きで簡単に清掃でき、部分的な張り替えも容易です。厚さは2〜3mmが一般的で、既存の床の上から施工(上張り)できるため、居抜き物件のリフォームにも最適です。サンゲツ、東リ、リリカラなどのメーカーが店舗向け製品を多数展開しています。

長尺シート──飲食店とクリニックの定番

長尺シートは幅1.8〜2mのロール状のシート材で、継ぎ目が少なく衛生的です。つなぎ目を溶接処理することで完全な防水性を実現でき、飲食店の厨房・クリニック・保育園など「水や汚れに強い床」が必要な場所に最適です。表面にエンボス加工を施した防滑タイプは、濡れた状態でも滑りにくく、従業員の安全確保に貢献します。デザイン面ではフロアタイルに劣りますが、機能性では最も優れた床材の一つです。

無垢材──カフェ・アパレルの高級感

無垢材(天然木フローリング)は温かみと高級感を兼ね備えた床材です。オーク、ウォールナット、チーク、メープルなどの樹種によって色味・木目・硬さが異なります。カフェやアパレルショップでは無垢材の床が空間の質を一段引き上げ、お客様に「ここは本物だ」という印象を与えます。ただし耐水性が低く、飲食店では水染みや油汚れのリスクがあります。ウレタン塗装やオイル塗装で表面を保護しますが、定期的なメンテナンス(年1〜2回のワックス掛け)が必要です。材料費が高い(㎡8,000〜20,000円)ため、客席のみ無垢材、バックヤードはフロアタイルと使い分ける方法がコスト効率的です。

磁器タイル──耐久性と高級感の両立

磁器タイル(セラミックタイル)は耐久性・耐水性・耐熱性に優れ、重歩行にも耐えます。高級レストラン、ホテルロビー、焼肉屋の客席など「高級感+耐久性」が求められる場所に最適です。大判タイル(600mm角以上)を使うとモダンで広がりのある印象になり、小判タイル(100mm角以下)はヨーロッパ調の温かい雰囲気を演出します。施工にはタイル職人の技術が必要で、下地のモルタル調整・目地の処理に手間がかかるため、施工費がフロアタイルの2〜3倍になります。

モルタル仕上げ──トレンドの無骨デザイン

モルタル仕上げ(左官仕上げ)はカフェやアパレルを中心に人気が高まっているトレンド素材です。コンクリートのような無骨な質感とハンドメイド感が特徴で、インダストリアルスタイルや北欧スタイルの空間に映えます。着色モルタル(カラーモルタル)を使えばグレー以外の色も表現可能。ただし左官職人の技術に仕上がりが大きく左右されるため、施工実績のある職人を選ぶことが重要です。乾燥後にクラック(ひび割れ)が入りやすいのがデメリットですが、これを「味」として楽しむオーナーも多いです。表面にクリア塗装を施すことで撥水性を付与し、メンテナンス性を向上させます。


業種別のおすすめ床材──最適な素材選定ガイド

業種 最適な床材 次点の選択肢 選定理由 坪単価の目安(床材のみ)
カフェ・喫茶店 フロアタイル(木目調)or 無垢材 モルタル仕上げ 温かみとデザイン性。コーヒーのこぼれに対応 2〜6万円/坪
レストラン・ダイニング 磁器タイル or フロアタイル(石目調) 無垢材 高級感と耐久性の両立。重歩行に耐える 3〜8万円/坪
居酒屋・バー フロアタイル(木目調) 長尺シート 耐水性と清掃性。アルコールのこぼれに強い 2〜4万円/坪
ラーメン屋・定食屋 長尺シート(防滑) フロアタイル 油汚れ・水への耐性。防滑性で安全確保 1.5〜3万円/坪
焼肉屋 磁器タイル or 長尺シート フロアタイル 油・熱・煙への耐性。清掃しやすい目地処理 3〜6万円/坪
美容室・ヘアサロン フロアタイル or 長尺シート モルタル仕上げ カラー剤・パーマ液への耐薬品性が最重要 2〜5万円/坪
アパレル・物販 無垢材 or モルタル仕上げ フロアタイル(木目調) デザイン性重視。ヒール歩行への耐久性 3〜7万円/坪
クリニック・歯科 長尺シート(抗菌タイプ) フロアタイル 衛生管理が最優先。消毒液への耐性 2〜4万円/坪
オフィス タイルカーペット フロアタイル OAフロア上への施工が容易。防音性 1.5〜4万円/坪

飲食店では「見た目」と「機能性」のバランスが最も難しい判断になります。客席は無垢材やフロアタイル(木目調)でデザイン性を重視し、厨房・洗い場は長尺シート(防滑タイプ)で機能性を確保する「エリア別の素材使い分け」が現実的な解決策です。見切り材(異なる床材の境目に入れる金属製の仕切り)の納まりも設計段階で確認しておく必要があります。巾木(壁と床の接合部に取り付ける帯状の部材)も床材との色合わせが重要で、内装全体の仕上がりに大きく影響します。業者の選び方ガイドで床工事に強い内装会社を探してください。


床材の施工方法と下地処理の重要性

床材の仕上がりを左右するのは、実は床材そのものよりも「下地処理」の品質です。どんなに高級な床材を使っても、下地が不均一(不陸がある)な状態で施工すると、仕上がりにガタつきが出たり、数ヶ月で浮きや剥がれが発生します。内装工事の現場では「床は下地が9割」と言われるほど、下地処理の重要性は高いです。

下地処理の種類 目的 対象 費用目安(㎡) 施工のポイント
不陸調整(セルフレベリング) 床面の高低差をなくし水平にする 全素材共通 1,500〜3,000円 2mm以上の不陸がある場合は必須。コンクリート床の常識
防湿処理 地下や1階の床で湿気が上がるのを防ぐ 無垢材・フロアタイル 500〜1,500円 防湿シートまたはエポキシ系プライマーを塗布
既存床の撤去 古い床材を剥がして下地を露出させる 居抜き物件の改装 1,000〜3,000円 接着剤の残りをケレン(削り取る)作業が必要
下地合板の設置 木造の場合に床の強度を上げる 無垢材・磁器タイル 2,000〜4,000円 12mm合板を2重張りするのが標準。根太のピッチも確認
防音処理 階下への騒音を軽減する 2階以上の店舗 1,500〜4,000円 遮音マットまたは浮き床工法。管理規約の遮音等級を確認

居抜き物件の場合、既存の床材を剥がさずに上から新しい床材を重ね張りする方法(オーバーレイ)もあります。費用は撤去+新規施工の60〜70%程度に抑えられますが、床面が5〜8mm高くなるため、ドア下の隙間や段差の処理が必要です。見切り材で段差を処理するか、入口のドアを削る加工が発生します。居抜き物件の活用については居抜きのメリット・デメリットガイドも参考にしてください。

巾木(はばき)の選び方──見落とされがちな重要ディテール

巾木は壁と床の接合部に取り付ける帯状の部材で、壁の下端の保護と美観の向上が目的です。素材は塩ビ巾木(高さ60〜100mm、@200〜500円/m)、木製巾木(@500〜2,000円/m)、アルミ巾木(@800〜3,000円/m)が一般的。店舗の雰囲気に合わせて選定します。カフェや高級レストランでは木製巾木やアルミ巾木が空間の質を高め、クリニックやラーメン屋では掃除しやすい塩ビ巾木が実用的です。巾木の色と床材の色を統一感のある組み合わせにすることで、空間全体のまとまりが生まれます。


床材の費用相場──素材別の材工価格とトータルコスト

床工事の費用は「材料費+施工費+下地処理費」の合計です。素材によって大幅に異なるため、見積もり比較の際は「材工単価」で統一して比較することが重要です。以下は20坪の店舗を想定した費用テーブルです。

床材 材工単価(㎡) 20坪(66㎡)の材工費 下地処理費(目安) 合計費用 耐用年数
フロアタイル 3,000〜6,000円 20〜40万円 5〜10万円 25〜50万円 10〜15年
長尺シート 2,500〜5,500円 17〜36万円 5〜10万円 22〜46万円 10〜15年
タイルカーペット 2,000〜5,000円 13〜33万円 3〜8万円 16〜41万円 5〜10年
無垢材 8,000〜20,000円 53〜132万円 10〜20万円 63〜152万円 20〜30年
磁器タイル 6,000〜15,000円 40〜99万円 8〜15万円 48〜114万円 30年以上
モルタル仕上げ 5,000〜10,000円 33〜66万円 5〜10万円 38〜76万円 15〜20年

コスト重視ならフロアタイルまたは長尺シート(合計25〜50万円)、デザイン重視なら無垢材やモルタル(合計40〜150万円)が目安です。フロアタイルは「コスパの王様」で、木目調・石目調のリアルな製品を選べば見た目は本物に遜色なく、費用は無垢材の1/3〜1/4で済みます。予算に限りがある場合は、客席のメインフロアはデザイン性の高い素材、バックヤード・トイレ・厨房はフロアタイルや長尺シートと使い分ける「ゾーニング」がおすすめです。コストダウンの方法も参考にしてください。


BtoB案件とBtoC案件で異なる床材選定のアプローチ

床材選びはBtoB案件(店舗・オフィス・商業施設)とBtoC案件(住宅リフォーム)で判断基準が異なります。内装会社として両方の案件を手がける場合、この違いを理解した提案ができると受注率が向上します。

比較項目 BtoB(店舗・オフィス) BtoC(住宅リフォーム)
最優先の判断基準 耐久性・ブランドイメージ・清掃性 デザインの好み・肌触り・価格
予算感 坪単価2〜8万円 部屋あたり5〜30万円
人気の床材 フロアタイル・長尺シート・磁器タイル 無垢材・フロアタイル・クッションフロア
求められる耐久性 重歩行対応(1日数百〜数千人が通行) 軽歩行(家族数名)
メンテナンス頻度 毎日〜毎週の清掃。年1回のワックス 月1〜2回の清掃
施工上の注意 営業開始日までの工期厳守が最優先 居住しながらの施工への配慮

BtoB案件では「見た目がいい」だけでなく「10年間メンテナンスしやすいか」という長期視点が重要です。飲食店であれば「今日こぼしたコーヒーを明日の朝にさっと拭けるか」、美容室であれば「カラー剤が染みにならないか」が日常の運営に直結します。提案時にメンテナンス方法まで含めて説明できると、オーナーの信頼を得やすくなります。営業方法ガイドで提案書の作り方も確認してください。


床材選びの失敗5パターンと対策

床材の選定ミスは開業後に毎日のストレスになります。壁や天井と違い、床は「毎日踏まれ、汚され、水をこぼされる」場所です。以下の5つの失敗は現場で実際に発生している事例に基づいています。

失敗パターン 原因 影響 対策
1年で表面が剥がれた 重歩行エリアに住宅用の薄い床材を使用 張り替え費用20〜50万円が発生 店舗用の重歩行対応製品(厚さ2.5mm以上)を選定
飲食店で床が滑る 防滑性の低い床材を厨房・客席に使用 従業員・お客様の転倒事故リスク 防滑係数(CSR)0.4以上の製品を選定。特に厨房は0.5以上
美容室で薬剤の染みが取れない 耐薬品性を確認せずに無垢材を施工 床が斑に変色。張り替え以外に修復不可 美容室はフロアタイルまたは長尺シートを基本に
下地の不陸で床材が浮いた 下地処理(セルフレベリング)を省いた 歩行時のガタつき。接着剤の剥離 2mm以上の不陸がある場合は必ずセルフレベリング実施
開業後にすぐ色褪せた 直射日光が当たる場所に紫外線に弱い素材を使用 窓際だけ色が変わり見苦しい 窓際は耐UV性の高い製品を選定。UVカットフィルムの併用

特に飲食店で多いのが「滑りやすい床」の問題です。オープン直後は問題なくても、油汚れが蓄積すると滑りやすくなります。厨房は長尺シート(防滑タイプ)、客席は防滑係数CSR0.4以上のフロアタイルを選び、日々の清掃で油分を除去することが安全管理の基本です。万が一の転倒事故は訴訟リスクにもつながるため、床材の防滑性は「デザイン」ではなく「安全管理」の問題として真剣に取り組むべきです。


床材選びの成功事例2選

※以下は一般的な業界事例をもとにした想定ケースです。
事例①:フロアタイルのゾーニングで費用を40%削減(東京都・イタリアンレストランあるイタリアンレストラン 25坪)

あるイタリアンレストランはオーナーの希望で「全面を天然石の磁器タイルにしたい」という当初プランでしたが、見積もりが床だけで約120万円に。内装会社の提案で、客席のメインフロア(15坪)のみ磁器タイル(イタリア製600mm角、@12,000円/㎡)、通路・トイレ・レジ周り(10坪)はフロアタイル(石目調、@4,500円/㎡)に変更。見た目は統一感を保ちつつ、費用は約72万円と当初の40%削減に成功しました。お客様の動線上で最も目につくメインフロアは本物の磁器タイル、それ以外はフロアタイルという「素材のゾーニング」は、費用と品質のバランスを取る最も現実的な手法です。

事例②:モルタル仕上げでSNS映え・客数1.5倍に(大阪府・カフェあるカフェ 12坪)

あるカフェは路地裏の小さなカフェ。リニューアル前はクッションフロアの床で「チェーン店みたい」という口コミが課題でした。リニューアルでグレーのカラーモルタル仕上げに変更。費用は下地処理+モルタル施工+クリア塗装で約40万円。施工は定休日を含む4日間。リニューアル後、「おしゃれなカフェ」としてInstagramでの投稿が急増し、月間来客数は約1.5倍に増加。特に20〜30代女性の来店が顕著に増え、客単価も50円ほど上昇しました。モルタル床は経年で味が出るため、長く使うほど愛着が湧くのも魅力です。


よくある質問(FAQ)

Q. 飲食店の床材で最もおすすめは何ですか?
総合的に最もおすすめなのはフロアタイル(塩ビタイル)です。耐水性・耐久性・清掃性に優れ、木目調や石目調などデザインバリエーションも豊富。材工単価も㎡3,000〜6,000円と比較的手頃です。ただし厨房は防滑性の高い長尺シートを使い分けてください。高級店であれば客席に磁器タイルや無垢材を使い、バックヤードはフロアタイルにするゾーニングが効果的です。
Q. 居抜き物件の床はそのまま使えますか?
状態によります。既存の床材が比較的新しく、傷や汚れが軽微であればそのまま使うか、クリーニングだけで対応できます。ただし前のテナントが飲食店だった場合、油汚れが染み込んでいる可能性があり、上から新しい床材を重ね張りした方が衛生的です。重ね張りの場合、床面が5〜8mm高くなるため、ドアの干渉や段差の処理が必要になります。居抜き物件の活用については別記事でも解説しています。
Q. 床暖房を入れる場合、床材の制約はありますか?
あります。床暖房に対応している床材と非対応の床材があります。フロアタイルは大半が床暖房対応、無垢材は「床暖房対応」と明記された製品のみ使用可能(非対応品は反りや隙間の原因に)、磁器タイルは熱伝導率が高く床暖房との相性が良好です。タイルカーペットは断熱性が高すぎて床暖房の効果が出にくいため不向きです。床暖房の施工費は電気式で㎡15,000〜25,000円、温水式で㎡20,000〜35,000円が目安です。
Q. 床材のサンプルはどうやって入手できますか?
主要メーカー(サンゲツ、東リ、リリカラ、TOLI等)は無料でカットサンプルを送付してくれます。各メーカーの公式サイトから申し込むか、内装会社に依頼すればまとめて取り寄せてもらえます。サンプルは必ず実際の施工場所に置いて、照明の下で色味を確認してください。蛍光灯の下と自然光の下では見え方が全く異なります。大きめのサンプル(A4サイズ以上)を取り寄せると、仕上がりのイメージがつかみやすいです。
Q. オフィスの床材はタイルカーペット一択ですか?
タイルカーペットが最も一般的ですが、一択ではありません。近年はフロアタイル(木目調)を採用するオフィスが増えています。特にIT企業やスタートアップは、カジュアルでクリエイティブな雰囲気を出すためにフロアタイルやコンクリート打ちっぱなし風の床を選ぶ傾向があります。ただしOAフロア(二重床)の上に施工する場合は、タイルカーペットが施工性・コスト・配線アクセスの面で最も合理的です。
Q. 床材の張り替え頻度はどれくらいですか?
素材と使用環境によりますが、フロアタイル・長尺シートは10〜15年、タイルカーペットは5〜10年、無垢材はメンテナンス次第で20〜30年以上、磁器タイルは30年以上が目安です。飲食店は重歩行で汚れも激しいため、上記より2〜3割短くなる傾向があります。フロアタイルやタイルカーペットは部分的な張り替えが容易なので、汚れや傷みが激しい箇所だけ交換すればトータルコストを抑えられます。
Q. 施工中の臭いは大丈夫ですか?営業しながら張り替えできますか?
フロアタイルや長尺シートの接着剤は近年低VOC(揮発性有機化合物が少ない)製品が主流で、施工中の臭いは大幅に軽減されています。ただしエポキシ樹脂やウレタン塗装は臭いが強く、換気が必須です。営業しながらの張り替えは、フロアタイルであれば閉店後の夜間施工で対応可能なケースもあります。大規模な張り替えは定休日に集中して行うのが現実的です。
Q. 床材の費用を抑える方法はありますか?
3つの方法があります。①素材のゾーニング(メインフロアは高級素材、バックヤードは経済的な素材に使い分け)で全体費用を30〜40%削減。②メーカーの在庫品やロット落ち品を活用する(同じ品質で20〜30%安くなる場合がある)。③居抜き物件の既存床材を活かし、重ね張りで対応する(撤去費を節約)。内装会社に「予算は○万円以内で、この雰囲気にしたい」と具体的に伝えると、最適な素材とゾーニングを提案してもらえます。

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