用途変更・
物件の用途・広さ・工事の内容を伺い、事務局が対応できる内装会社を1社ずつ確認してご紹介します。紹介先と直接相談・見積もりをして、提案を比べて自由に選べます。
新規出店・居抜き入居・用途変更・店舗改装
その物件で開業できるかを、
図面・手続き・工事範囲から確認する。
店舗の内装工事では、建築の確認申請、消防の届出・設備、業態ごとの営業許可を分けて確認します。「200㎡以下」「前も店舗だった」「内装だけ」という条件だけで、すべての手続きが不要になるわけではありません。
候補物件が見つかったら、契約やレイアウト確定の前に、内装会社・建築士と所管窓口へ相談しましょう。このページでは、要否を確認する順序、持参する資料、施工会社への依頼範囲、費用・日程の確認方法を整理します。
一般的な準備のガイドです。個別の申請・届出・設備の要否は、所在地、建物全体の用途・規模、工事内容を示して建築士と所管窓口に確認してください。
物件を借りる前に、必要な内装工事を相談したい方へ
所在地、予定業態、面積、候補物件の状況をお知らせください。「用途変更を伴うか分からない」「消防設備をどこまで替えるか確認したい」など、相談したい点を添えて会社探しを進められます。
相談・会社紹介は無料です。紹介可否は地域・業態・工事内容・時期等によります。建築士との連携、行政相談、調査・申請支援の対応範囲と費用は、依頼前に各社へ確認してください。
最初に分ける3つの確認|建築・消防・営業許可
建築:予定する使い方・工事が可能か
現在と計画後の用途、面積、階数、構造、工事範囲を整理します。確認申請の要否に加え、用途地域、避難、内装制限、バリアフリー等の適用条件を、建築士と自治体の建築担当窓口・指定確認検査機関へ確認します。
消防:届出・設備・管理体制は何が必要か
建物全体とテナントの用途、入居する階、レイアウト、厨房機器、消防設備を示して、管轄消防署へ相談します。工事前、設備設置後、使用開始前で必要な手続きが異なります。
営業許可等:予定するサービスを始められるか
飲食店、美容所、診療所、古物営業などは、それぞれの制度を確認します。消防への届出を済ませても、営業許可等がそろうわけではありません。業態と営業内容を保健所・警察署などの所管窓口へ伝えます。
貸主や管理会社の工事承認も、これらとは別に確認します。「貸主が飲食可と言っている」ことと、具体的な計画が法令・設備・工事条件に合うことは、分けて確かめましょう。
開業全体の順序は店舗開業の流れ、飲食店の厨房と営業許可の準備は保健所への事前相談ガイドで詳しく説明しています。
店舗内装の確認申請は必要?用途変更と工事内容を分けて確認
「確認申請が必要か」は、一つの面積だけでは決まりません。既存建物の使い方を変えるのか、新築・増築等を行うのか、大規模の修繕・模様替に当たるのかを整理します。
用途変更の「200㎡」は、変更する用途・部分に着目する
既存建物を、建築基準法別表第一の対象となる特殊建築物の用途へ変更し、その部分の床面積が200㎡を超える場合は、原則として用途変更の確認申請が必要です。法令で定められた類似用途相互間の変更などには例外があります。
用途変更部分が200㎡以下の場合、用途変更に伴う確認申請の手続きは不要ですが、法令への適合確認は必要です。併せて行う増築や大規模の修繕等による確認申請の要否は、別に確認します。名古屋市の用途変更案内も、申請手続きが不要な場合に建築士等へ法適合の確認を依頼するよう説明しています。
売場・客席だけの面積で判断しない
厨房、倉庫、バックヤード、共用部をどの用途・面積として扱うかは、実際の使い方と図面で確認します。「客席を200㎡以下にする」「バックヤードという名前にする」だけで、申請が不要になるとは判断できません。
2025年4月改正後の大規模な修繕・模様替にも注意
2025年4月から、木造2階建てなどでも、大規模の修繕・大規模の模様替に当たる工事は確認手続きの対象となりました。階数2以上または延べ面積200㎡超という建物の規模の確認と、上の用途変更部分の面積の確認は、別の論点です。
大規模の修繕・模様替は、主要構造部の一種以上について行う過半の修繕・模様替を指します。構造上重要でない間仕切壁などは主要構造部から除かれるため、仕上材の張替えと、壁・床・階段等の構造に関わる改修を区別します。「全面リフォーム」という商品名や工事費だけで判定せず、触る部位と範囲を建築士へ示してください。
参考:国土交通省「建築確認・検査の対象となる建築物の規模等の見直し」、福島市「木造戸建住宅のリフォーム工事を行う際、建築確認申請の手続きは必要ですか」。店舗への転用では、建物の用途と改修内容を含めた個別確認が必要です。
| 検討中の計画 | 建築士へ伝えること | 早めに確認する点 |
|---|---|---|
| 事務所・住宅を飲食店へ | 現在の用途、変更範囲、厨房・客席・倉庫の配置 | 用途変更、避難・内装等の基準、既存建物の状態 |
| 飲食店の居抜きへ入居 | 前の営業内容と新しい内容、残す設備、変更する間仕切り | 同じ用途として扱えるか、設備・避難計画の変更 |
| 木造建物を大きく改修 | 階数・延べ面積、壁・床・屋根・階段等の改修範囲 | 大規模の修繕等への該当、構造、必要図書 |
| 増床・増築・新築も伴う | 既存と計画後の図面、敷地、増える部分 | 用途変更とは別の確認申請、敷地・建物全体の条件 |
表は相談の整理用で、申請の要否を確定するものではありません。美容室、整体、レンタルスペースなども、屋号だけではなく、実際に提供するサービス・利用方法を伝えましょう。
用途変更・
物件の用途・広さ・工事の内容を伺い、事務局が対応できる内装会社を1社ずつ確認してご紹介します。紹介先と直接相談・見積もりをして、提案を比べて自由に選べます。
特殊建築物とは|用途変更で確認申請の対象になる店舗の業態
用途変更の確認申請が必要になるのは、建物の用途を変えて、建築基準法第6条第1項第1号の特殊建築物(別表第一(い)欄の用途で、その用途に供する部分の床面積の合計が200㎡を超えるもの)にする場合です(法第87条第1項)。特殊建築物の定義(法第2条第2号)は幅広いのですが、用途変更で見るのは、別表第一と、そこでいう「政令で定めるもの」を挙げた施行令第115条の3の用途です。
飲食店・物販店・ホテル・公衆浴場などは表に挙がっていますが、事務所、美容室・理容室、患者の収容施設がない診療所は、表に名前がありません。
別表第一と施行令第115条の3に挙がっていない用途への変更は、条文上、用途変更の確認申請の対象には当たりません。それでも、用途地域の制限など用途を変える際に準用される規定があり(法第87条第2項・第3項)、法令への適合は確認が必要です。業態の当てはめは提供するサービスと計画で変わることがあるため、屋号ではなく営業内容と図面を示し、建築士、建築主事(自治体の建築担当)または指定確認検査機関に確認してください。
政令で定める類似の用途どうしの変更は、用途変更の確認申請の対象から外れる
法第87条第1項は、政令で指定する「類似の用途相互間」の変更を、用途変更の確認申請の対象から除いています。施行令第137条の18が定める組み合わせのうち、店舗に関係する主なものは次のとおりです(同じ号の中の用途どうしが類似の用途です)。
- ホテル、旅館(第4号)
- 百貨店、マーケット、その他の物品販売業を営む店舗(第8号)
- キャバレー、カフェー、ナイトクラブ、バー(第9号。準住居地域・近隣商業地域内の建築物は除く)
- 診療所(患者の収容施設があるものに限る)、児童福祉施設等(第3号。第一種・第二種低層住居専用地域、田園住居地域内の建築物は除く)
- 体育館、ボーリング場、スケート場、水泳場、スキー場、ゴルフ練習場、バッティング練習場(第7号。第一種・第二種中高層住居専用地域、工業専用地域内の建築物は除く)
同条のどの号にも「飲食店」は挙がっていません。たとえば物販店から飲食店へ、飲食店から物販店への変更は同条の組み合わせに当たらないため、変更する部分の面積などから確認申請の要否を確かめます。第9号の「カフェー」は法令上の表記で、一般的なカフェの計画がこれに当たるかは、営業内容を示して確認してください。
用途変更の確認申請をしたら、消防同意と工事後の届出も段取りに入れる
用途変更の確認申請の審査では、所在地を管轄する消防長または消防署長の同意(いわゆる消防同意)を得ることとされています(消防法第7条)。工事の後は、完了検査の申請ではなく建築主事等への届出に読み替えられ(法第87条第1項)、工事が完了した日から4日以内に到達するように届け出ると定められています(建築基準法施行規則第4条の2)。消防との事前相談や届出を誰が担うかを、設計者・施工会社と契約前に決めておきましょう。
条文:e-Gov法令検索 建築基準法(第2条・第6条・第87条・別表第一)/建築基準法施行令(第19条・第115条の3・第137条の18)/建築基準法施行規則(第4条の2)/消防法(第7条)。
物件契約前の相談に持参する資料と、聞きたい5つのこと
正式な設計図が完成していなくても、物件資料と営業内容から確認を始められます。分からない欄は「未確認」として、誰に確認するかを決めます。
- 建物:所在地、階数・構造、建物全体の用途、入居する階、テナント面積。
- 既存資料:確認済証・検査済証の有無、建築時や改修時の図面、既存消防設備の図面・点検資料。
- 営業計画:業態、提供内容、営業時間、客席・従業員数、厨房や大型機器の予定。
- 工事計画:現状と変更後の平面図・ラフ案、撤去・新設する壁や天井、仕上げ・設備の希望。
- 建物側の条件:貸主の承認条件、工事区分、指定業者、工事可能な時間帯、共用部の使用条件。
- 日程・予算:物件契約の予定、引渡し日、開業希望日、工事と別途費用に使える予算。
相談で確認したいこと
1.この営業内容・レイアウトで使用できるか。
2.どの申請・届出・検査が必要か。
3.建物・設備の追加調査や工事が必要か。
4.建物側とテナント側の担当・費用負担はどう分けるか。
5.契約、設計確定、着工、使用開始までに何を終える必要があるか。
検査済証や図面が見つからない場合
貸主・管理会社へ資料の所在を確認し、建築士と所管窓口に、確認できる記録と必要な調査を相談します。資料がないことだけで開業不可と決めつけることも、問題なしと扱うこともできません。調査範囲が決まる前に、費用・着工日を確定しないようにしましょう。
町田市の既存建築物の案内では、検査済証等がない場合は調査に時間・費用を要するため、事前協議と期間の確保を求めています。調査・既存部分の扱いは所在地と計画に応じて確認します。
検査済証のない建物については、国土交通省が、指定確認検査機関を活用して建築基準法への適合状況を調べる方法をガイドラインで示してきました。このガイドラインは2025年4月1日に「既存建築物の現況調査ガイドライン」へ統合され、用途変更を含む改修で、建築士が検査済証の交付の有無などを調べてから現地調査を行い、調査報告書を確認申請図書に活用する手順が示されています。調査で「不適合」「不明」とされた規定は、現行の規定に適合させる整理です。出典:国土交通省「既存建築物の活用の促進について」・「既存建築物の現況調査ガイドライン(概要)」(PDF)。
候補物件の資料をもとに、設計・工事の相談先を探す
「図面はあるが、何を確認するか分からない」という段階でもご相談ください。用途変更、消防設備、管理会社との調整など、必要な対応を依頼先と確認できるよう、相談したい内容をお知らせください。
相談・会社紹介は無料です。紹介可否は地域・業態・工事内容・時期等によります。建築士との連携、行政相談、調査・申請支援の対応範囲と費用は、依頼前に各社へ確認してください。
消防署への届出|工事前・設備工事・使用開始を分ける
消防への届出には、国の消防法令に基づくものと、自治体の火災予防条例等に基づくものがあります。名称・対象・期限・添付資料を全国一律に扱わず、所在地を管轄する消防署で確認します。
以下は、東京消防庁が案内する主な例です。すべての店舗が全項目の対象になるという意味ではありません。
| 届出 | 対象・時期の確認 | 担当を決めるポイント |
|---|---|---|
| 防火対象物工事等計画届出 | 指定防火対象物等の対象工事。確認申請等が不要な修繕・模様替・用途変更等は、工事等を始める7日前まで | 対象工事か、建築確認との関係、添付する図面を確認 |
| 工事整備対象設備等着工届出 | 対象となる消防用設備等の工事に着手する10日前まで。軽微な工事等の扱いは個別確認 | 対象工事を担当する甲種消防設備士が届出。別の設置計画届等が必要な場合も確認 |
| 消防用設備等設置届出 | 法令上の設置義務がある設備等の対象工事。設置後4日以内。用途・規模等で取扱いが異なる | 設備の関係者が届出者となる。試験・添付資料・検査対応を設備業者と確認 |
| 防火対象物使用開始届出 | 建物・その一部を新たに使う場合など、使用開始の7日前まで。テナント入替えや改装後も対象例 | 届出者は実際に使用する人。作成支援・提出・検査日程の調整を誰が行うか決める |
出典:東京消防庁工事等計画/着工届出/設備設置届出/使用開始届出。
どれが消防法の届出で、どれが火災予防条例の届出か
表の4つは根拠が異なります。着工届出(消防法第17条の14)と設置届出(消防法第17条の3の2・消防法施行規則第31条の3)は、10日前・4日以内という期限も含めて法令で定められた全国共通の制度です。工事等計画の届出(第56条)と使用開始の届出(第56条の2)は東京都の火災予防条例によるもので、ほかの地域では名称・条番号・対象が異なることがあります。
消防法による設置届出と検査の対象は、消防法施行令第35条で次のように定められています(簡易消火用具と非常警報器具は対象外)。
- 延べ面積にかかわらず:ホテル・旅館などと、それを含む複合用途の建物。飲食店・物販店などが避難階以外の階にあり、そこから避難階または地上に直通する階段が2(屋外階段などは1)以上ない建物。
- 延べ面積300㎡以上:飲食店、物販店、入院施設のない診療所など。これらを含む複合用途の建物((16)項イ)は、テナントの面積ではなく建物全体の延べ面積で見ます。
- 延べ面積300㎡以上で、消防長または消防署長が指定するもの:事務所・美容室など(15)項(美容室は東京消防庁の取扱いの例)ほか。
東京都の火災予防条例は、これらに当たらない消防用設備等についても、一定の防火対象物(指定防火対象物等)での設置計画・設置の届出と検査を定めています(第58条の2・第58条の3)。厨房設備(入力の合計が一定以上のもの)やサウナ設備などの火気使用設備等を設置する場合も、工事に着手する日の7日前までの届出が必要とされています(第57条。条例で定める根拠は消防法第9条)。
条文:e-Gov法令検索 消防法(第9条・第17条の3の2・第17条の14)/消防法施行令(第35条)/消防法施行規則(第31条の3)、東京都例規集「火災予防条例」(第56条〜第58条の3)。
「7日前」は、相談を始める目安ではない
届出までに図面・設備計画の確認や修正が必要になる場合があります。設計の初期に相談し、提出期限から資料作成を逆算してください。厨房の火気使用設備等は、種類・能力・設置内容に応じた届出や基準も確認します。
消防検査が必要か、誰が日程を調整するかを聞く
東京消防庁の使用開始届出の案内では、使用開始前の検査を案内し、届出内容によって省略する場合もあるとしています。「小さい店だから不要」「届出を出せばその日に営業できる」と判断せず、検査の有無・予約・指摘事項への対応を消防署に確認してください。
美容室・理容室の開業でも、消防検査の考え方は同じです。消防の届出・検査は、業態の呼び名ではなく、実際の使い方から決まる用途(令別表第一の項)と建物の規模、工事の内容、使用の開始、設置する消防用設備等にひもづいています。東京消防庁の用途の取扱いでは、理容室・美容室は消防法施行令別表第一の(15)項(その他の事業場)の例に挙げられています(ほかの用途と同じ建物なら複合用途の扱いもあります)。なお、自治体が行う美容所の構造設備の検査・確認(美容師法第12条)は、消防の検査とは別の手続きです。
出典:東京消防庁「政令別表第1に掲げる防火対象物の取扱い」(PDF)、e-Gov法令検索 美容師法。
消防設備と防火管理は、テナントの中だけで判断しない
必要な消防設備は、用途、規模、階、開口部、建物全体との関係等で変わります。消火器・感知器・誘導灯・スプリンクラー等が既にあっても、新しいレイアウトでそのまま使えるかを確認します。
- 間仕切り・天井を変える:感知器やスプリンクラーヘッド等の位置・対象範囲に影響しないか。
- 客席・棚を増やす:避難経路、出口、誘導灯の見え方を確保できるか。
- 厨房の機器・配置を変える:火気設備、排気、周囲との離隔等を確認する必要があるか。
- ビルの設備と接続する:受信機・配線・配管等の既存系統、管理会社の承認、指定業者の工事があるか。
居抜き物件でも、設備が「残っている」ことと「今回の営業・工事で使える」ことは別です。内装会社と消防設備の担当者に、残す・移設する・増設する・交換する範囲を示してもらいましょう。
消防法施行令の設置基準の目安|消火器・自動火災報知設備・誘導灯
消防用設備等の設置の基準は、消防法第17条にもとづき、消防法施行令が用途(令別表第一の項)と延べ面積・階などの条件ごとに定めています。店舗に多い用途の主な条件を条文から抜き出すと、次のとおりです。
※居室の各部分から主要な避難口を容易に見通せ、避難口までの歩行距離が短い階(地階・無窓階を除く)など、総務省令(消防法施行規則第28条の2)で定める部分は設置を要しません。(15)項の用途の例は東京消防庁の取扱いによります。
- 階の条件:上の条件に当たらなくても、地階・無窓階・3階以上の階は床面積50㎡以上で消火器具、300㎡以上で自動火災報知設備の対象です。11階以上の階も自動火災報知設備の対象です(令第10条第1項第5号、令第21条第1項第11号・第14号)。
- 階段が1つの建物:飲食店・物販店などの用途が避難階以外の階にあり、そこから避難階または地上に直通する階段が2(屋外階段などは1)以上ない建物は、延べ面積にかかわらず自動火災報知設備の対象です(令第21条第1項第7号)。
- 複合用途の建物:設置の基準では、テナント部分をその用途の一つの防火対象物とみなすのが原則ですが(令第9条)、自動火災報知設備の一部の基準(令第21条第1項第3号・第7号など)や誘導灯(令第26条)はこの扱いから除かれ、建物全体の用途・面積で対象かどうかが決まります。
表と箇条は主な条件の目安です。ほかの号やただし書、総務省令の細目、市町村の条例による付加(消防法第17条第2項)があり、スプリンクラー設備などほかの設備の基準もあります。必要な設備は建物全体の用途・規模・構造で決まるため、図面を示して管轄の消防署で確認してください。
条文:e-Gov法令検索 消防法(第17条)/消防法施行令(第9条・第10条・第21条・第26条・別表第一)/消防法施行規則(第5条の4・第28条の2)。
飲食店などに用途を変えると、消防用設備等は今の基準で見直す
消防法第17条の3第1項には、用途の変更によって消防用設備等が基準に合わなくなる場合に、変更前の用途の基準を適用する特例があります(消火器・避難器具などはもともと対象外)。ただし、変更後の用途が飲食店・物販店などの特定防火対象物の用途である場合や、用途の変更後に政令で定める増改築・大規模の修繕等に着手する場合などは、この特例が適用されません(同条第2項)。事務所から飲食店へといった変更では、今の基準が適用される前提で、消防設備の担当者と見直す範囲を確認しましょう。
カーテン・じゅうたんなどは防炎性能も確認する
飲食店・物販店・ホテル・診療所など消防法施行令第4条の3に挙がる防火対象物と、高さ31mを超える高層建築物・地下街(用途を問わない)で使うカーテン、布製のブラインド、じゅうたん等は、政令で定める基準以上の防炎性能を有するものとされています(消防法第8条の2・第8条の3)。壁・天井の仕上げ材の制限(内装制限)とあわせて、店舗・飲食店の内装制限ガイドで確認できます。
防火管理者は「自店の客席が30席未満」だけでは不要といえない
東京消防庁の防火管理制度の説明では、飲食店等の特定用途がある防火対象物は、原則として建物全体の収容人員30人以上を対象としています。避難が困難な人が入所する福祉施設等を含む場合などは別の条件があります。
収容人員は単純な客席数だけではなく、用途に応じた方法で算定します。必要な建物では小規模テナントにも選任義務が生じるため、管理会社と消防署に、自店の管理権原、資格区分、選任・消防計画の届出を確認してください。
業態別の主な手続き|建築・消防・営業許可を一覧で確認
業態ごとに、建築・消防・営業許可等の主な手続きを並べました。「建築」は別表第一の用途に挙がっているかで、挙がっていても確認申請が要るのは、変更部分が200㎡を超え、類似の用途どうしでない場合です。
風営法:風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律。あはき法:あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律。許可・届出の相手(都道府県知事など)を、保健所を設置する市・特別区では市長・区長とする法律もあります(例:食品衛生法第76条、美容師法第20条)。受付窓口(保健所・警察署など)と様式・時期は所在地で確認してください。
条文:e-Gov法令検索 食品衛生法・同施行令・風営法・同施行規則・古物営業法・同施行規則・美容師法・理容師法・医療法・旅館業法・公衆浴場法・あはき法・柔道整復師法・児童福祉法。消防の項の例:東京消防庁「政令別表第1に掲げる防火対象物の取扱い」(PDF)。
申請対応の費用は、調査・書類・設備工事を分けて見積もる
「確認申請一式」「消防対応一式」の金額だけでは、どこまで頼めるか分かりません。必要な資料がそろっているか、建物全体の調査が必要か、消防設備の変更を誰が施工するかで費用が変わります。
| 見積もりを分ける項目 | 確認する作業 | 別途になりやすい条件 |
|---|---|---|
| 既存建物の調査 | 資料確認、現地調査、法適合状況の確認 | 図面不足、追加調査、調査範囲の拡大 |
| 設計・申請支援 | 図面、事前相談、書類作成、補正対応 | 計画変更、追加図面、他の専門家への依頼 |
| 審査等の手数料 | 申請先へ支払う費用と、その支払者 | 申請種別・規模・機関による違い |
| 消防設備・関連工事 | 設備の移設・新設、既存系統との接続、復旧 | 建物指定工事、共用部工事、既存設備の不具合 |
| 検査・引渡し対応 | 試験、立会い、指摘事項への対応、完成資料 | 再検査、設計変更、追加工事の扱い |
会社を選ぶ際に確認したい5つのこと
- 近い用途・建物条件の経験:写真だけでなく、その案件で担当した設計・調査・手続きを聞く。
- 建築士・消防設備業者との体制:自社か外部連携か、誰が判断・説明・調整するかを確認する。
- 貸主・管理会社との調整:資料の依頼、工事承認、指定業者との日程調整を誰が担当するか。
- 業務範囲と費用:申請支援、手数料、設備工事、検査立会いの含有を分ける。
- 変更時の進め方:行政相談や現地調査で計画を直す場合、追加費用と工程をどう合意するか。
届出者の名義、書類を作る人、提出を支援する人、工事をする人は、同じとは限りません。施工会社に任せる範囲と、施主が行う選任・申請・資料準備を契約前に明らかにします。工事全体の比較は内装見積書の確認ガイドも参考にしてください。
開業日から逆算する、相談・申請・工事の進め方
- 候補物件の段階:営業内容と物件資料を整理し、建築士・内装会社・消防署等へ必要な確認を相談する。
- 契約の判断前:使用・工事の条件、追加調査、概算、資料不足を整理し、貸主側と費用負担を確認する。
- 設計・見積もりの段階:相談結果をレイアウト・設備へ反映し、担当者と各手続きの期限を決める。
- 着工前:必要な確認・届出・承認がそろっているかを確認し、着工条件と工程を関係者で共有する。
- 工事中:変更を図面・見積もりへ反映し、追加手続きの要否を確認。必要な検査の日程を調整する。
- 使用開始前:必要な検査・指摘事項への対応・営業許可等を確認し、図面、届出控え、設備資料を受け取る。
調査、審査、補正、設備の納期、検査の予約は案件ごとに異なります。「小規模なら何週間」と一律に決めず、工事開始の条件と営業開始の条件を分けた工程表を依頼しましょう。具体的な日程の組み方は内装工事の工期・スケジュールで説明しています。
店舗の確認申請・消防届出でよくある質問
200㎡以下の店舗なら確認申請は不要ですか?
用途変更に伴う確認申請の面積基準と、新築・増築・大規模の修繕等の確認は別です。用途変更部分が200㎡以下でも、併せて行う工事によって別に確認申請が必要な場合があります。法適合、消防、営業許可の確認も進めます。
事務所を飲食店にする場合、最初に何を確認しますか?
現在の用途、変更する部分の面積、建物の資料、予定レイアウトと厨房を建築士へ示します。用途変更の申請要否だけでなく、その場所で予定の営業が可能か、避難・設備等の追加工事が必要かを確認します。
2025年改正で、すべての内装工事に確認申請が必要になったのですか?
すべてではありません。木造2階建て等の大規模の修繕・模様替も確認対象となりましたが、仕上げの張替えなどと同じ扱いではありません。建物規模と、主要構造部に関わる改修の部位・範囲を確認します。
居抜きで内装工事をしない場合も、消防への届出が必要ですか?
テナントの入替えや新たな使用自体が届出対象になる場合があります。東京消防庁はテナント入替え後を使用開始届出の対象例としています。前の店の届出があるという理由だけで省略せず、所在地の消防署へ確認してください。
消防への届出は、全国どこでも7日前ですか?
全国一律には扱えません。東京消防庁の工事等計画・使用開始の案内では7日前ですが、消防設備の工事等には別の期限があります。必要な届出、対象、期限を管轄消防署で確認します。
小さな店舗なら消防検査は不要ですか?
面積だけで決めないでください。使用開始に伴う検査、消防設備設置に伴う検査などについて、届出内容と建物条件を示して消防署へ確認します。必要な場合は日程と立会い担当も決めます。
客席が30席未満でも防火管理者が必要になりますか?
必要になる場合があります。収容人員の算定と建物全体の用途・人数、管理権原の条件で確認します。小規模なテナントでも、入居する建物に防火管理義務があれば選任が必要になることがあります。
検査済証がない物件は借りない方がよいですか?
書類の有無だけで一律に決めず、利用できる記録、既存建物の調査、必要な改修と費用・期間を確認して判断します。調査しても不明な点は、契約前に建築士・貸主・所管窓口と整理してください。
既存不適格があれば、建物全体を直す必要がありますか?
一律に全体改修とは限りません。適用される規定、建物の状態、用途変更・工事の内容、緩和の適用等で扱いが変わります。違反状態と既存不適格を混同せず、建築士に調査と対応範囲の説明を依頼します。
内装会社に申請や消防対応もまとめて頼めますか?
会社ごとに異なります。建築士・消防設備業者との連携、図面作成、相談同行、提出支援、検査立会いの範囲を聞き、担当者・費用を見積もりに明記してもらいましょう。営業者本人が行う手続きも確認します。
美容室は特殊建築物ですか?
建築基準法別表第一と施行令第115条の3には、美容室・理容室は挙がっていません。条文上、美容室への変更は用途変更の確認申請の対象となる特殊建築物への変更には当たりませんが、建築基準法の規定への適合は必要です。物販などを併設する計画では、営業内容と図面を示して建築士・建築主事等に確認してください。
物販店を飲食店に変える場合も「類似の用途」ですか?
施行令第137条の18の類似の用途に「飲食店」は挙がっておらず、物販店と飲食店の組み合わせもありません。このため、飲食店にする部分の面積などから用途変更の確認申請の要否を確認します。消防用設備等は、変更後の用途の基準で見直す前提です(消防法第17条の3)。
飲食店には消火器が必要ですか?
消防法施行令第10条は、火を使用する設備・器具(調理油過熱防止装置などの措置を講じたものを除く)を設けた飲食店は延べ面積にかかわらず、それ以外の飲食店は延べ面積150㎡以上で、消火器具の設置対象としています。地階・無窓階・3階以上の階の条件や建物全体の用途もあるため、管轄の消防署で確認してください。
消防の届出は誰が出しますか?
届出ごとに異なります。東京消防庁の案内では、使用開始届出は実際に使用する人(テナントで営業する人など)、着工届出は工事を担当する甲種消防設備士、設置届出は消防用設備等を設置した関係者とされています。
内装会社へ送る相談メモ|未定の項目は未定のままで
相談内容のひな形
所在地・入居する階:
予定する業態・営業内容:
物件の面積・現在の用途:
物件の状況(検討中/申込中/契約済み):
図面・確認済証・検査済証の有無:
残す設備・変更したい間取りや厨房:
建物の工事ルール・指定業者の有無:
開業希望時期・工事予算:
確認申請・消防・営業許可について既に相談した内容:
この物件で必要な調査・設計・工事と、手続きへの対応範囲を相談したいです。建築士・消防設備業者との連携、別途費用、着工までに必要な準備を教えてください。
物件条件と開業計画に合う、内装会社探しを進める
物件資料がそろっていなくても、分かる条件からお知らせください。設計・施工に加え、確認したい手続きや設備の内容を伝えて、各社の対応範囲を確認できます。
相談・会社紹介は無料です。紹介可否は地域・業態・工事内容・時期等によります。建築士との連携、行政相談、調査・申請支援の対応範囲と費用は、依頼前に各社へ確認してください。
参照資料(2026年9月21日確認)
本文で参照した国土交通省、名古屋市、町田市、東京消防庁の公式案内に加え、既存建物の調査・活用は国土交通省「既存建築物の活用の促進について」、消防手続きの窓口は東京消防庁「建物・テナントの工事」を参照しています。自治体の例を全国共通の手続きとして扱わず、出店地の窓口で最新の条件をご確認ください。
追加の参照(2026年10月1日確認):本文中にリンクを示したe-Gov法令検索の各法令(同日時点で施行されている版)、東京都例規集「火災予防条例」、東京消防庁「政令別表第1に掲げる防火対象物の取扱い」、国土交通省「既存建築物の現況調査ガイドライン(概要)」。
店舗内装ドットコム編集部。この記事だけで個別物件の適法性や営業開始の可否を判定するものではありません。
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