ダクト工事を
業態・調理機器・物件の状態を伺い、ダクトと内装の工事に対応できる会社を、事務局が1社ずつ確認してご紹介します。
飲食店のダクト工事費用は、1階で壁から外へ出す小さな店(10〜20坪)なら約70万〜100万円、ビルの屋上まで上げるなら約200万〜300万円を見込みます。施工会社・メーカーが公表している幅の中ほど〜上(足りなくならない側)です。
- 階数:屋上まで上げると、階が1つ上がるごとに約20万円が目安。1階の店から5階建ての屋上で約230万〜330万円という一例もあります(足場代が入るかは書かれていません)。
- 居抜き:今のダクトを点検・部分改修して使えれば約35万〜50万円。業態が変わると全面の引き直しになることも。
- 金額を決める3つ:①壁から出すか屋上まで上げるか ②居抜きのダクトを使えるか ③業態の油煙(焼肉・中華は上がりやすい)
- 別に見込む:給気・ファンの電源・防火ダンパー(火災の熱でダクトをふさぐ装置)・足場(20万円〜)。営業後は清掃が1回 約10万〜15万円。条件を選んで計算する
目次(全17章)を開く
- 飲食店のダクト工事費用の相場:壁出し・屋上・居抜き別の早見表
- 屋上排気と階数で費用が上がる理由(1階ごと約20万円の扱い)
- 換気設備(フード・ファン・給気・防火ダンパー)とダクトの費用の内訳
- 居抜きのダクトは使える?内見の確認点・費用と退去時の撤去
- 業態別の必要換気量と、焼肉・中華・ラーメンで費用が上がる理由
- ダクト工事費用を左右する5つの条件
- ダクトの種類とファン選定の確認点
- 費用を抑えるために確認したい5つのこと
- ダクト工事の法令・設備条件を確認する
- 排気の臭気・騒音と近隣への影響を確認する
- 防火と、ダクトの点検・清掃の頻度と費用
- 相談から施工・引き渡しまでの流れと工期
- ダクト工事の条件と見積を相談メモにまとめる
- 追加工事を避けるための確認例
- ダクト工事でよくある質問
- 発注前にオーナーが確認すること
- ダクトを含む店舗内装の見積を相談する
飲食店のダクト工事費用の相場:壁出し・屋上・居抜き別の早見表
飲食店のダクト工事費用は、1階で壁から外へ出す小さな店で約70万〜100万円、20〜30坪の店で約150万〜200万円、ビルの屋上まで上げると約200万〜300万円が目安です。公表されている幅は全体で約3万〜300万円以上と広く、排気の出し方・広さ・居抜きかどうかで変わります。
条件別の早見表(このページの目安=公表の幅の中ほど〜上)
早見表の出典(各社の公表)を見る
表のどの行に当たるかは、①壁から出せるか屋上まで上げるか(屋上と階数)②居抜きのダクトを使えるか(居抜きの確認点)③業態の油煙と機器の量(業態別の必要換気量)で決まります。給気・ファンの電源・防火ダンパーは別の費目になりやすいので、換気設備の内訳で見積もりの範囲をそろえてください。
費用を見るときは、新設・一式更新、点検や部分修理、臭気・騒音への追加対策を分けて比べます。フード・排気・給気・機器電源・仮設・復旧・試運転を含む工事範囲と、税・概算・別手配を確かめてください。
条件を選んで目安を計算する(ダクト工事費の計算機)
1階で壁から外へ出す(10〜20坪)70万〜100万円足場(入れる場合)+20万円〜インバーター(入れる場合)+5万円
計算に使った金額と出典を見る
屋上排気と階数で費用が上がる理由(1階ごと約20万円の扱い)
ビルの屋上まで上げる工事は、施工会社・メーカー3社が100万〜300万円程度と公表しています。階が1つ上がるごとに約20万円が目安とされますが、どの階から数えるかは会社で違い、実際の金額は立上げのダクト(屋上へ縦に伸ばすダクト)の長さ・足場・ファンの電源で決まります。
壁へ排気する案
フードから外壁への経路と使用承諾を確認。外壁の開口、防水・仕上げの復旧、周囲の窓・給気口や通行場所への影響を調べます。
屋上へ排気する案
立上げの距離、支持場所、区画の貫通(火が広がらないよう区切った壁や床をダクトが通る所)、ファン電源、搬入・高所作業の方法を確認。店舗の階と排気先の階を分けて伝えます。
屋上排気が貸主の条件となる場合は、その条件に沿う経路を先に検討します。ケンテックシステムズの公開されている施工例では、駅前の5階建てビルの2階に開業する飲食店で、ビルオーナーが厨房の排気ダクトを屋上へ立ち上げることを開業の条件にし、隣の駅との隙間が狭く足場を組めないため、仮設足場を使わない方法で施工しています(金額の記載はありません)。仮設や搬入の方法は現場で決まるため、階数だけでは費用は決まりません。
屋上で費用が積み上がる5つの理由
- 材料・足場・人の手間が積み上がる:1階の壁から出すより屋上まで伸ばす方が、材料費・足場代・人件費が積み上がります(広積空調工業)。足場は20万円〜で、組むスペースも要ります(フード・プラン事務所)。
- 長い経路に合うファンと電源:ダクトが長いほど空気の流れの抵抗が増え、圧力の取れるシロッコファンが使われます(三菱電機の解説)。3〜6階のビルから屋上へ出す例では、3相200Vのベルト式のファンを設置し、足場を組んでダクトを配管するとする施工会社もあります(フード・プラン事務所)。ファンの電源の工事は、ダクトとは別の見積もりになりやすい費目です。
- 中間ファン:経路が長くなる中規模の店では、途中に中間ファン(シロッコファン)を足すことが増えるとされます(広積空調工業)。
- 区画の貫通と鋼板の厚さ:厨房の排気ダクトは、厨房機器の入力の合計が大きいほど厚い鋼板が求められ、可燃物の近くでは保温材で覆うなどの決まりがあります(自治体の基準の例。法令の章)。
- 搬入と高所作業:足場や作業車を置けない現場では、別の施工方法になり、工程も変わります(上のケンテックシステムズの施工例)。
「1階上がるごとに約20万円」の扱い
岩元空調は、ダクト工事の現場が1階か2階かで費用が変わり「ひとつ階数が上がるごとに、約20万円ほど高額となるイメージ」と説明し、富士工業は「設置する階数が1階上がるごとに一般的に20万円程度の追加費用」と、排気口を設ける高さで説明しています。同じ約20万円でも数える階が違うため、見積もりでは次の数量で確かめます。このページの計算機は、富士工業の一例(1階の店から5階建ての屋上まで 約230万〜330万円。足場の設置費用もかかるとされ、この額に入るかは書かれていません)に、建物の階数が1つ違うごとに約20万円を足し引きしています(2〜10階建て)。
- 立上げのダクトの長さ(m)と、曲がりの数
- 足場の範囲・日数と、足場を組む場所(道路の使用を含む)
- ファンを置く場所と電源(3相200Vか・どこから引くか)
- 防火区画を通る所の数と、防火ダンパーの数
- 屋上の架台・雨仕舞い(雨水の入らない納まり)と、屋上を使う許可
- 作業できる時間帯と、機器・材料の搬入の方法
貸主・ビルの条件を契約の前に確かめる
ビルによっては、屋上までの縦のダクトを貸主が用意していたり、排気量に上限があったりします。仙台市が公開している店舗区画の工事区分表の例では、屋上から1階のパイプスペースまでの厨房の給気・排気ダクトを貸主側の工事(A工事)とし、「厨房排気量は2,000CMHを最大とする」(CMH=1時間あたりの立方メートル・m³/h)と書いています。借りる前に工事区分表で、誰の工事か・排気量の上限・指定業者を確かめます(A工事・B工事・C工事の違い)。
工事区分表の例の続きを見る(B工事・C工事・指定会社・消音)
同じ区分表では、排気ファンから先の接続をB工事、店内のフードの設置とダクトの接続をC工事、フードの自動消火設備を事業者が指定する会社の工事とし、屋上に置く給気・排気のファンには騒音の規制による消音の対策が要るとしています。どの区画の募集の資料かは書かれていないため、1つの物件の例として読みます。
短い壁排気(壁出し)が安くなりやすい理由
例えば船橋市の基準では、厨房から直接屋外へ出る水平部分が4m以下で室内に露出したダクトなら、厨房設備から5m以内のファン停止スイッチと表示を条件に、火炎伝送防止装置(防火ダンパーなど)を付けないことができるとされています。短い壁出しは、材料・足場・防火の装置が少なく済みやすい形です。扱いは所在地の消防署で確かめてください。
屋上と階数の出典を見る
ダクト工事を
業態・調理機器・物件の状態を伺い、ダクトと内装の工事に対応できる会社を、事務局が1社ずつ確認してご紹介します。
換気設備(フード・ファン・給気・防火ダンパー)とダクトの費用の内訳
ダクト工事と換気工事の見積もりは、フード・ファン(換気扇)・ダクト・諸経費に分かれます。内装会社の公表する20坪・スケルトンの重飲食店の試算は40万円程度(ダクト20mで10万円前後)で、屋上まで上げる工事・足場・給気・ファンの電源・防火ダンパーは、この試算に入っていない別の行になりやすい費目です。
フード、排気ダクト、ファン、給気、油分除去装置を基本に、取付・電源・貫通処理・復旧・清掃撤去・仮設・試運転まで含むかを確認します。厨房設備の費用や厨房レイアウト・設計の見積と、担当する設備・区間をそろえましょう。
費目ごとの単価(公表されている目安)
給気のしかた(第1種換気・第3種換気)で、入れる費用と運転の費用が変わる
飲食店の換気では、第1種換気か第3種換気が使われることが多いと厨房機器メーカーの富士工業は説明しています。違いは給気をファンで入れるかどうかです。
どちらの方式でも、排気に見合う給気が足りないと、煙突で排気する燃焼器具の排ガスが室内へ逆流するおそれがあり、換気扇メーカーは十分な大きさの給気口を設けるよう据付工事説明書で警告しています(三菱電機)。排気のファンだけを強くする計画は避け、給気(第1種は給気のファンとダクト、第3種は給気口の数と大きさ)が見積もりの別の行になっているかを確かめます。方式の選び方と設計は、給排気・換気設備の費用と設計のページで扱っています。給気の金額は公表が見つからない費目です(計画での確かめ方は追加工事を避けるための確認例)。
公表されている見積もり例(20坪・スケルトン・重飲食店の試算)
内装会社の株式会社TRUST(IDEAL)の試算です。行を足すと38万円で、公表元は「40万円程度」としています。屋上まで排気ダクトを上げる場合は数百万円を要するとしており、給気・ファンの電源・足場・防火ダンパーはこの表にありません。この試算は機器(レンジフード1台・換気扇3台)とダクト20mの目安です。上の早見表の「小さな店(10〜20坪)70万〜100万円」は小規模店のダクト工事全体(出し方を限らない)の公表から、「20〜30坪の店 150万〜200万円」は、施工会社が一般的な居酒屋を想定して機器代と工賃を含め、経路が長く中間ファンが要ることも見込んだ公表からの目安で、差は表に無い工事と、どこまで含めるかの違いです。同じ20坪でも、見積もりにどこまで入るかで、この試算と早見表のどちらに近いかが変わります。
職人の手間(人工)の物差し
見積もりの「人工(にんく)」は職人1人1日の手間です。国の公共工事設計労務単価(令和8年3月から)では、東京都のダクト工は1日(8時間)30,100円、法定福利費などの必要経費を足した参考値は44,500円です。この単価は、中央建設業審議会が勧告した「労務費に関する基準」で、公共工事・民間工事を問わず確保されるべき適正な労務費の計算の基礎となる水準とも位置づけられています。人工の単価が大きく低い見積もりは、内訳と工程を確かめます。
換気と空調(厨房用エアコン)は別の見積もり
「換気設備」で探す人が気にする厨房用エアコンは、ダクト工事とは別の見積もりになりやすい費目です。厨房機器メーカーの富士工業は、業務用・厨房用エアコンの本体を30万〜60万円が一般的、設置費用を10万〜20万円程度としています。店舗全体の空調は店舗の空調工事の費用で扱っています。
同じ完成範囲で見積内訳を比べる
想定されるケースで考えます。A社の見積もりが一式で「A円」、B社が本体「B円」と、別途の給気・ファンの電源・試運転「C円」に分かれているなら、比べるのは「A」と「B+C」です。B社の別途の行が「未定」なら、B円は完成までの金額ではありません。追加の範囲と金額を確かめ、一式に入っている工事へ同じ費用を足さないことも大切です。
工事の初期支払と、営業後の支出を分ける
見積の税区分と支払時期をそろえたうえで、フィルター交換、消臭剤、点検・清掃、電気代、リース月額などは営業後の計画へ分けて整理します。ダクト工事の小計は、物件取得費や運転資金を含む開業資金全額ではありません。
単価・換気方式・見積もり例の出典を見る
フード・給気・防火ダンパーまで含めた見積で、ダクト工事を無料で相談する →
居抜きのダクトは使える?内見の確認点・費用と退去時の撤去
前の店のダクトをそのまま流用できる居抜きなら、点検や部分改修で20万〜50万円程度とする施工会社の公表があり、このページでは35万〜50万円で見ています。業態が変わると容量不足で全面の引き直しになることもあり、退去するときの撤去費も入る前に確かめます。
内見で見る所(外・中・書類)
居抜きは設備・区間ごとに流用を判断
フード・ファン・ダクトについて、所有者と使用承諾、型番・図面、点検・清掃記録を集めます。予定する機器への適合、内部の汚れや劣化、経路、点検のしやすさを施工者に確認してもらい、「そのまま使用」「清掃・修理して使用」「一部更新」「新設」「調査待ち」に分けます。
流用案にも点検・清掃・接続・復旧の費用があるため、機器が残っているだけで工事費を0円にはしません。店舗全体の予算項目を整理するときは、内装費用の確認ツールも参考にしてください。
判定ごとの費用の目安
見た目がきれいでも、「前の店はカフェ、自分は焼き鳥屋」のように油の量が大きく増える業態に変わると、今の細いダクトでは煙を吸いきれず、後から全面工事になって結果的に高くつくことがあると施工会社は注意しています(広積空調工業)。契約の前に、ダクトの容量と内部の状態を専門の会社に見てもらいます(必要な換気量の出し方は業態別の章)。
居抜きで工事が増えやすい2つのケース(蛇腹のダクト・焼肉の上引きダクト)を見る
前の店のダクトが蛇腹(フレキシブル)なら、取り替えが要ることがあります。堺市と北九州市の消防局は、内面に凹凸が多く油がたまりやすいフレキシブルダクトは、内面を滑らかに仕上げることを定めた火災予防条例に合わないとして、厨房の排気ダクトにはスパイラルダクトや角ダクトなど内面が滑らかなダクトを求めています。所在地の扱いは消防署で確かめます。
焼肉店の居抜きでは、客席の上引きダクトの改修も見込みます。消防庁の運用通知(令和8年7月)は、既設の上引き排気ダクトは点検・清掃がしにくい構造の場合があるため、改修などの機会にグリス除去装置・火炎伝送防止装置・点検口を設けることが望ましいとしています。
退去するときの撤去と原状回復
多くのテナント契約は退去時に入居前の状態(スケルトン)に戻すことを求め、後付けの排気ダクト・フード・ファンは撤去の対象になりやすいとメーカーは説明しています。屋上まで伸ばしたダクトの撤去は100万〜200万円以上かかることもあり、高所作業やクレーンを使う場合は安全対策費や足場代が加わります(富士工業)。施工会社の解説では、空調ダクトの撤去は1mあたり3,000〜8,000円程度で、厨房の排気ダクトは油汚れで工程が増えるため単価が上がり、足場が要る現場では足場代が撤去費そのものより膨らむこともあるとしています(大功産業・2022年)。原状回復の工事会社には、飲食店の原状回復の費用は1坪あたり5万〜15万円程度がひとつの目安とする会社もあります(東管メンテナンス・目黒区の解説)。
入居の前に、退去時にダクトを撤去するか残せるか(原状回復の範囲)を契約書で確かめます。撤去と原状回復の考え方は原状回復のガイド、ビルが指定する業者の工事はA工事・B工事・C工事の違いで扱っています。
▶ 居抜きのダクトを使えるか、契約の前に相談する(無料) 押すと相談フォームが開きます。内見で分かったこと(排気口の向き・ダクトの汚れ・図面の有無)を、2つ目の画面の「依頼内容・希望詳細」に書き添えると話が早く進みます。
居抜きと撤去の出典を見る
業態別の必要換気量と、焼肉・中華・ラーメンで費用が上がる理由
必要な換気量は、国の告示の式(V=N×K×Q)で、機器のガスの消費量から計算できます。中華レンジ2口(46.5kW)にフード(イ)型なら約1,297m³/h、焼肉の上引きダクトは天井に伸びるダクト1本あたり約300〜500m³/hとされ、排気量が増えるほど太いダクトと強いファンが要り、費用が上がります。
必要な排気量は、法令の適用、調理機器・燃料、フードの形状、熱や油煙の発生、使用状況をもとに設計者が検討します。見積依頼では、機器の型番・定格入力・同時使用の想定と風量の算定根拠をセットで確認します。
告示の式で、機器から必要換気量を出す
建築基準法の告示(昭和45年建設省告示第1826号)は、火を使う設備の近くに排気フードつきの排気筒と換気扇を設ける場合の有効換気量を V=N×K×Q で計算すると定めています。N は排気フードの形で決まり、火元を覆う(イ)型は30、火元とその周りまで覆い、下に5cm以上の垂れ下がりと10度以上の傾きがある(ロ)型は20です(どちらも、火元からフードの下の端までの高さが1m以下。(ロ)型の方が式の数値が3分の2で済みます)。K は都市ガス・LPガスで0.93(m³/kWh)、Q は機器の燃料消費量(kW)です。フードなしで換気扇を付ける場合は V=40KQ です。厨房機器メーカーの株式会社マルゼンが公表する都市ガスの消費量で計算すると、次のとおりです。
施工会社は、油煙や熱気の多い焼肉・中華は強い排気ファンと太いダクトが要り、カフェより費用が上がるとしています(広積空調工業・大本工業)。
焼肉は客席の上引きダクトの風量が効く
東京消防庁の公開資料では、焼肉店の上引きダクトの排気風量は、太いもので約500m³/h、細いもので約300m³/hが一般的とされ、焼き面からの距離が長いとさらに多くの風量が要るとしています。熱源は炭で3〜5kW、ガスコンロで2〜3kW程度です。式で出す1卓の換気量(フード(イ)型で約56〜84m³/h)より、煙を吸うための風量の方がずっと大きく、煙の吸込み口ごとに天井へ伸びる枝のダクトが天井の主のダクトに集まる作りのため、卓の数だけ枝のダクトと点検・清掃が増えます。排気量の上限がある物件では(仙台市の工事区分表の例は2,000m³/h)、1本 300〜500m³/h なら4〜6本分ほどに当たる計算です。
焼肉屋のロースターの方式と排気の通り道は焼肉屋の内装ガイド、焼き鳥屋は焼き鳥屋の内装費用、ラーメン屋の厨房と内装はラーメン屋の内装デザインで詳しく扱っています。
業態別に伝える機器・調理条件
カフェ・軽食
温め中心か、本格的な加熱調理や焙煎を行うかを伝えます。電気式でも熱・蒸気・油煙への対応を確認します。
居酒屋・ラーメン・中華
コンロ、ゆで麺機、焼き台などの台数と同時使用、油煙・蒸気の発生箇所を整理します。
揚げ物・天ぷら
フライヤーの仕様と使い方、フードの配置、油分を捕集する設備や清掃方法を確認します。
焼肉・鉄板焼き
厨房と客席の機器配置、ロースター等の排気仕様、給気とダクト経路を合わせて確認します。
においの苦情が多い業態
環境省のマニュアルでは、悪臭苦情の件数(平成30年度・飲食店 n=364 及び食料品店 n=83 の内訳)は、焼肉・ホルモン店65件、ラーメン店61件、居酒屋54件、中華料理店32件の順です。においの多い業態ほど、排気口の向きと高さ、油煙の除去、脱臭の計画が費用に効きます(臭気の章)。
法令上の要件、フードでの捕集、ダクトの抵抗、給気とのバランスを合わせて検討します。単に風量を大きくするのではなく、騒音や給気不足、燃焼機器の排ガス逆流なども確認し、採用風量を図面・見積で共有してください。厨房設備の範囲は中華料理店の内装費用全体にも関わります。
必要換気量と業態の出典を見る
ダクト工事費用を左右する5つの条件
金額は、①調理機器と使い方 ②排気先と経路 ③既存設備の状態 ④搬入と作業条件 ⑤関連設備との分担の5つで決まります。なかでも排気先で差が大きく、壁出しは約70万〜100万円、屋上は約200万〜300万円が目安です。
1.調理機器と使い方
型番・台数・燃料・定格入力と、同時に使う機器を伝えます。メニューによる熱・蒸気・油煙、客席調理の有無も確認します。
2.排気先と経路
フードから排気口までの距離、曲がり、貫通部、屋外で支持する場所を確認。隣接する窓や給気口との位置関係、貸主の指定も整理します。
3.既存設備の状態
所有者と使用承諾、図面・型番・点検記録を確認し、流用・清掃修理・更新・調査待ちを区間ごとに分けます。
4.搬入と作業条件
足場や作業車の置き場所、機器の搬入経路、施工できる時間、養生・解体・復旧の範囲を確認します。
5.関連設備との分担
給気、ファンの電源、防火措置、消臭・騒音対策、試運転を誰が担当し、どの見積に含めるかを決めます。
厨房機器の変更でガス・電源工事も必要になる場合は、ガス工事費用・電気工事費用の確認項目も参考にします。ダクト工事や内装一式に既に含む接続工事は、別枠へ重ねて計上しません。
ダクトの種類とファン選定の確認点
厨房の排気は、空調・室内換気・火災時の排煙とは別の系統です。ファンは最大風量ではなく、ダクトをつないだ状態の風量と静圧(ファンが空気を押し出す力)で選びます。
ダクトの形は、丸いスパイラルダクトと四角い角ダクトが主に使われ、角ダクトは加工や取付に手間がかかるため、1mあたりの単価が高くなりやすいとされます(岩元空調)。蛇腹(フレキシブル)のダクトは内面に凹凸が多く油がたまりやすいため、厨房の排気には内面が滑らかなダクトを求める消防局があります(堺市・北九州市。居抜きの章)。
空調・室内換気
冷暖房の空気を届ける空調と、外気を取り入れて室内の空気を排出する換気を分けて確認します。
厨房・客席調理の排気
調理の熱・蒸気・油煙・臭気を排出する設備です。客席で調理する場合は、ロースター等の機種と局所排気・油分除去の組み合わせを確認します。
排煙設備は厨房排気と別の系統
火災時に煙を出す排煙設備は、通常営業の厨房排気とは目的が異なる別の設備です。必要かどうかは法令・設備条件の章で確かめます。
店舗全体の給排気・換気設備の費用と設計もあわせて確認してください。
最大風量だけでファンを選ばない
必要風量とダクトの圧力損失に合う機種か、メーカーの風量・静圧特性で照合します。油煙・温度への適合、電源・周波数、騒音、点検のしやすさも確認。方式名や業態だけで採否を決めず、配管を接続した条件で設計者に選定根拠を示してもらいます。
壁に付ける有圧換気扇(プロペラ)は風量を多く取りたい短い経路向きで、天井裏などで長いダクトにつなぐ排気には、小形で圧力の取れるシロッコファンが使われます(三菱電機の解説)。
業務用の換気扇の風量と、カタログの数字の見方を見る
油煙の多い焼肉・中華には遠心式の送風機が合うとする内装会社もあります(IDEAL)。業務用の厨房用有圧換気扇(フィルター付)のカタログでは、羽根径25cm・30cm・35cmで風量 940・1,540・2,250m³/h(50Hz・強)ですが、ダクトや給気口が抵抗になると風量は下がるため、つないだ状態の特性で照合します。
機種別の確認例:三菱電機・店舗用/厨房用 業務用有圧換気扇の据付工事説明書(PDF)、同機種の風量・静圧特性図(PDF)。当該機種の資料であり、採用機器ごとに照合します。羽根径ごとの風量は三菱電機の厨房用有圧換気扇(フィルター付)の機種一覧、ファンの種類と静圧は三菱電機「換気扇・送風機の基礎」、送風機と業態はIDEAL の記事、ダクトの形と単価は岩元空調の記事、蛇腹のダクトは堺市・北九州市消防局(PDF)より。
費用を抑えるために確認したい5つのこと
大きく効くのは、契約の前に排気の条件(壁から出せるか・屋上が条件か)を確かめることと、居抜きのダクトを使えるかを点検してもらうことです。壁出しは約70万〜100万円、屋上は約200万〜300万円、居抜きの流用は約35万〜50万円が目安です。
- 契約前に排気条件を確認する。貸主指定の排気先、経路の使用可否、共用設備への接続、工事業者の指定を確認します。
- 流用と更新を同じ使用条件で比べる。清掃修理、接続、復旧、点検を含む金額と、更新案の金額を並べます。
- 機器構成を早めに共有する。調理機器の変更によるフード・風量・電源・経路の手戻りを減らします。
- 仮設・搬入・営業への影響を整理する。定休日や作業時間を検討し、追加人件費と営業を止める影響を別々に確認します。
- 見積の範囲と未定事項をそろえる。一式表記でも、内訳資料や図面で仕様・数量・除外項目を確認します。契約後の変更は着工前に金額・工程への影響を共有します。
ダクト工事の法令・設備条件を確認する
こんろなど火を使う設備を置く調理室には、建築基準法で換気設備を設けることとされ、換気扇の有効換気量は告示の式で計算するとされています。ダクトの材料・清掃・防火の細かい決まりは市町村の火災予防条例で異なるため、適用や例外は設計者と所在地の窓口(建築の窓口・消防署)で確かめます。
設計者に機器一覧と給排気計画を渡し、建築・消防・衛生それぞれの適用条件を確認します。通常の厨房排気と、火災時に煙を排出する設備は分けて扱います。
厨房の換気
火気を使う調理室には建築基準法令に基づく換気の要件があり、換気扇の有効換気量は告示の式(業態別の章)で計算するとされています。フード・煙突・換気扇等の構成、機器の施工説明書、建物と室の条件に合わせて、給排気口の位置と採用風量を確認します。
火災時の排煙
建物の用途・規模・階、室の開口部や区画、工事内容から必要性を確認します。小さい店舗という理由だけでは不要と判断できません。既存の排煙窓・設備を間仕切りや天井、ダクトが妨げないかも確認します。
防火と衛生
区画を通る部分の防火措置と、厨房側で火炎の伝わりを抑える装置は、位置・役割を分けて図面に示します。換気・清掃計画は調理内容と施設に合わせ、排水側のグリストラップの設置基準も別に確認してください。
図面で照合する3つの組(6項目)
機器・捕集
機器の型番・使い方と、熱・油煙を捕集するフードの配置。
経路・給気
排気の経路と排出先、補う空気の取り入れ方、周囲の窓・給気口との関係。
防火・保守
区画や設備ごとの防火措置、点検口、清掃と部品交換ができる空間。
参考:厨房の換気の根拠は建築基準法 第28条と昭和45年建設省告示第1826号(PDF)です。計画への適用は設計者と確認し、建築の窓口・消防署・保健所にはそれぞれ該当する計画を相談します。
法令・基準の要点を見る(原文の要約)
・建築基準法施行令 第20条の3:排気口の位置、排気フードを有する排気筒に換気扇等を設ける場合の有効換気量(国土交通大臣が定める数値以上)、燃焼を妨げない給気口、不燃材料の排気フードなどが定められています。
・昭和45年建設省告示第1826号:換気扇等の有効換気量 V=40KQ(排気口・排気筒に換気扇等)、V=NKQ(排気フードつき。N=30・20)。K は都市ガス・LPガスで1キロワット時につき0.93立方メートルです。
・対象火気省令(総務省令)第11条・第16条:厨房設備の天蓋に火炎伝送防止装置(自動消火装置など)を設けることとし、排気ダクトを用いず天蓋から屋外へ直接排気する構造、ダクトの長さや入力から火災予防上支障がないもの、防火ダンパー等が適切に設けられたものは除くとされています。飲食店などの建物の地階や、高さ31mを超える建物で、同じ室の厨房設備の入力の合計が350kW以上なら自動消火装置を設けるとされ、天蓋と排気ダクト内の清掃と、油脂を含む蒸気が出る厨房のグリス除去装置も定められています。各市町村の火災予防条例で決まります。
・東京都の例(東京都火災予防条例 第3条の2):排気ダクトは可燃性の部分から10cm以上離す(不燃材料で覆う部分を除く)、直接屋外に通じ他の用途のダクトとつながない、曲がりと立下りを少なく内面を滑らかに、グリス除去装置等は清掃して維持管理する、などとされています。
・消防庁の運用通知(平成3年・消防予第206号):厨房設備の入力の合計が1万8千キロカロリー毎時を超えるかどうかで排気ダクトの板厚の表が変わり、ロックウールなどの保温材で厚さ50mm以上覆えば可燃物との距離を10cm未満にできるとされています。船橋市の基準では、入力が21kWを超える厨房設備の排気ダクトの板厚を、長辺450mm以下でステンレス鋼板0.5mm以上・亜鉛鉄板0.6mm以上などとし、防火ダンパーは厚さ1.5mm以上の鉄板などとしています。
・消防庁 令和8年7月3日(消防予第278号・第279号):焼肉店などの上引き排気ダクトの管理を火災予防条例(例)に加え(施行期日 令和9年4月1日)、点検・清掃の運用の目安を示しました(清掃の章)。
出典:e-Gov 建築基準法・e-Gov 建築基準法施行令・告示第1826号(PDF)・e-Gov 対象火気設備等の位置、構造及び管理…の基準を定める省令・東京消防庁「関係法令(抜粋)」(PDF)・消防庁 検討会の参考資料(平成3年の運用通知の抜粋・PDF)・船橋市消防局の基準(PDF)・消防庁「火災予防条例(例)の一部改正について」(PDF)・同「上引き排気ダクト等の適切な管理に関する運用について」(PDF)。適用・例外は、設計者と所在地の窓口(建築は特定行政庁、火災予防は消防署)で確かめてください。(2026年10月9日確認)
国土交通省「建築設備設計基準 令和6年版」(PDF)は、風量・静圧、ダクトの抵抗、空気のバランス等を確認する参考資料です。官庁施設向けの設計基準であり、民間飲食店すべての義務や費用単価を示すものではありません。
排気の臭気・騒音と近隣への影響を確認する
環境省のマニュアルでは、飲食店のにおいの発生源は厨房排気が60%(令和元年度に地方公共団体に聞いた結果・飲食店 n=357)。対策は、においを元から断つ(こまめな清掃・調理の工夫)、排気口の向きと高さで薄める、脱臭装置で取り除く、の順に考え、ファンやダクトの音がうるさいと言われないよう騒音も一緒に計画します。
排気先を決める前に、周囲の住宅の窓、他店舗の給気口、通路、営業時間を確認します。臭気は設備だけでなく、発生源の清掃、油分の捕集、排気方向、調理や清掃の運用も合わせて検討します。
所在地の規制を設計前に確認
悪臭防止法では、指定された規制地域の事業場に地域ごとの規制方式と基準が適用されます。基準への不適合に加え、住民の生活環境が損なわれていると認められる場合には改善勧告・改善命令の対象となります。苦情が出るまで対象外とは考えず、自治体の環境担当に所在地の規制を確認します。
制度の根拠:環境省「悪臭防止法の概要」。
- 排気先や方向を変える案と、周辺への影響を比較する。
- 油分を捕集する装置や脱臭装置は、臭気の性状、油煙、温度・湿度に合う方式を選ぶ。
- 活性炭等の可燃性の吸着材を使う方式もあるため、設置場所や防火措置をメーカー・管轄消防署と確認する。
- ファンやダクトの騒音、清掃・消耗品交換の費用、対応する担当者も計画に含める。
同じマニュアルは、飲食店のにおいの発生源の割合を厨房排気60%・排水関係20%・客席排気8%・ゴミ置場5%・不明4%・その他3%とし、油煙を多く含む場合は脱臭装置の効果が続かないので、油煙除去装置などの前処理の装置を付ける必要があるとしています。屋上にファンを置く物件では、騒音の規制で消音の対策を求められることもあります(仙台市の工事区分表の例)。
脱臭装置と油煙除去装置の選び方の目安を見る(環境省マニュアル)
対策の参考:環境省「飲食業の方のための『臭気対策マニュアル』~地域で愛されるための悪臭対策の事例集~」(PDF)・仙台市の工事区分表(PDF)。
排気の臭気・騒音の対策も含めて、ダクト工事を無料で相談する →
防火と、ダクトの点検・清掃の頻度と費用
東京消防庁は、外から見えるフードやグリス除去装置は日常的に、ダクトの内部は概ね1年ごとに点検することを目安としています。小さな店のダクト清掃は、清掃会社の公表料金から1回 約10万〜15万円、年1〜2回なら約10万〜30万円を見込みます。
厨房排気に油脂が堆積すると、火災や性能低下につながります。所在地の消防上の維持管理基準と機器説明書を確認し、使用状況・点検結果に応じて清掃を行います。
工事前に確保すること
点検口・清掃口、作業できる空間、フィルターや部品を取り出す経路を図面で確認します。
営業後に管理すること
設備ごとの点検・清掃担当、交換する消耗品、作業時の電源停止と営業への影響を決め、記録を残します。
点検・清掃の頻度の目安
東京消防庁のガイドラインは、天蓋(フード)やグリス除去装置など外から確認できる部分は日常的に、排気ダクトの内部など外から確認が難しい部分は概ね1年ごとに点検することを目安としています(店舗の規模や機器の使用状態に応じて)。京都市消防局も同じ目安を示しています。施工・清掃の会社は、半年に一度程度の定期点検とグリスフィルターの清掃(広積空調工業)、6か月〜1年に1回の清掃(アールクリーニング)を勧めています。
東京消防庁が小規模飲食店に聞いた調査(平成30年度・同庁のリーフレット)では、排気ダクトの清掃が「数年に1回」24%・「していない」35%で、合わせて約6割でした。理由の1位は「自分たちでは困難なため」です。外から見えないダクト内部は、専門的な知識と技術を持つ資格者などに頼む方法も有効とされています。
清掃の費用
小さな店のフード・立上りダクト・防火ダンパーまでを1回清掃する料金は、清掃会社4社の公表で税込 約4万〜15万円ほどです(範囲は会社で違います。ほかの2社は面積などの単価だけを公表)。このページは1回 約10万〜15万円(ダスキン備前の B〜A パック)で見ており、年1〜2回なら約10万〜30万円です。点検口が無いと開口の費用が加わります。
清掃会社6社の公表料金を見る
焼肉の上引きダクトは点検・清掃の目安が新しくなった
焼肉店などで客席の火気器具の上に付ける上引き排気ダクトについて、消防庁は令和8年7月に、市町村の火災予防条例のひな形(条例(例))に油脂が付かないよう管理することを加えました(施行期日 令和9年4月1日)。東京都内は東京消防庁の技術基準が令和7年10月1日から施行されています。実際の決まりは所在地の条例で異なるため、消防署で確かめます。
上引きダクトの点検・清掃の運用の目安を見る(消防庁の通知)
グリス除去装置と火炎伝送防止装置が付いた上引きダクトは、取入口からグリス除去装置までを営業日ごとに点検・清掃し、その先を6か月に1回程度点検して厚さ0.4mm程度の油脂の付着で清掃、それ以外の場合(どちらも無い・片方だけ・付いている位置が違う場合)は火源からおおむね1mまでを営業日ごと、その先を1か月に1回程度点検するとしています。東京消防庁の調査研究では、上引き排気ダクトの中にたまる油脂の厚み0.4mmで火災の危険が高まるとされています。
清掃料金を見る際は、フード・ダクト内部・ファンのどこまでを含むか、養生や復旧、作業後の確認もそろえます。固定回数だけで十分とせず、汚れや使用状況に応じて計画を更新してください。
参考:東京消防庁「飲食店の厨房設備等に係る火災予防対策ガイドライン」(PDF)。2017年更新の東京の資料です。所在地の基準とあわせて確認します。
点検・清掃の出典を見る
相談から施工・引き渡しまでの流れと工期
工事の期間は、ダクト工事会社の目安で小規模な施設なら3〜4日、大規模な施設では15日〜1か月かかることもあります(キングダクト)。その前に、貸主の承認・図面の確認・機器の納期で日数がかかります。
次は工程を整理する一般例です。貸主の承認、図面や設備の調査、必要な手続、機器納期に合わせて順序と期間を調整します。
- 相談・現地調査
機器と使い方、排気先、既存設備、図面、搬入・作業条件を確認します。
- 計画と見積の確認
仕様・数量・担当範囲・承認事項を整理し、未確認項目と追加費用の決め方を確認します。
- 設計・工程を確定
風量と設備、必要な手続、発注・搬入、営業を止める作業、復旧・試運転の時間をそろえます。
- 施工と途中確認
経路や貫通部など、仕上げ後に見えなくなる場所を確認。変更が出たら工事範囲・金額・工程を合意して進めます。
- 試運転・引き渡し
計画した運転条件で給排気のバランス、異音、接続、必要な測定を確認し、図面・説明書・点検方法を受け取ります。
工期の目安はキングダクトの「工事の流れ・工事費用」の公表(建物の構造や工事内容で大きく変わる、あくまで目安の日数とされています)。営業中の店なら、定休日や作業できる時間帯も工程に入れます。
ダクト工事の条件と見積を相談メモにまとめる
見積もりの前でも、メニューと調理機器・物件と排気経路を書き出しておくと、相談の最初の話が早く進みます。メモの2つの欄(各150字まで)と入れた金額は、下のボタンで相談フォームに写せます。
予定メニューと調理機器、店舗の階数、分かる範囲の排気先や既存設備を整理しましょう。金額が未定でもメモを作れます。見積がある場合は、同じ費用を重ねず、確認した税込支払額を入力してください。
排気工事の条件と見積を整理するメモ
分かっている条件だけで相談メモを作れます。金額が未定でも使えます。氏名や連絡先は、ここに入力する必要はありません。
分かっている見積金額を入力する(任意)
各欄は万円・税込の実支払額にそろえます。課税対象外は税を足さず実支払額を入力し、税区分が不明な額は空欄のまま確認してください。価格を自動で予測したり、税を自動換算したりする機能ではありません。
金額は万円で、小数1桁まで(例:85 や 120.5)。空欄は未確認、0は不要または他の入力額に含むと確認した場合だけ入力します。同じ工事を一式の契約額と別途欄へ重ねません。
今回の給排気工事の一式見積額。給気・電源・仮設・防火等も含む場合、その費用を下の別途欄へ再加算しません。
他の入力額に含まない別契約分だけ。給気や電源が未確認なら、不要と決めず空欄にします。
見積一式に含まない別手配分だけ。店舗の階数や排気先から自動加算はしません。
他の契約額に含まない対策費だけ。必要な設備や工事は、設計者・建物管理者・所管へ確認します。
他の4欄に含まない初回支払だけ。費目と対象を上の状況欄へ記録してください。
リース月額、契約期間分、定期清掃や保守の将来費用は、この初回支払へ足しません。開始時の別途支払がある場合は、その費目と対象を分けて確認します。物件取得費・運転資金を含む開業資金全体の計算ではありません。
入力した支払額の整理
全5欄を入力しても、見積に含まれない費用がなくなるわけではありません。工事範囲、税、支払時期、重複の有無を確認してください。風量・設備能力・法令適合・価格の妥当性は判定しません。
選択後、端末のコピー操作を使ってください。条件を変更すると、作り直すまで前のメモは使えません。再作成すると、ここへ手で追記した内容も置き換わります。
自動整理を使わず、手動で相談メモを用意する
自動整理が使えない場合も、この欄は編集できます。分からない項目は「未確認」のままにして、端末の選択・コピー操作を使ってください。
追加工事を避けるための確認例
計画のときに確かめたい想定例は、給気の不足・排気口の近くの窓・防火の工事の漏れの3つです。
次は実際の事故・施工実績ではなく、計画時に確認したい想定例です。
排気だけを強化してしまう
給気経路が不足すると、扉の開けにくさや騒音などに影響することがあります。新しいファンだけでなく、給気と既存設備の運転条件を合わせて確認します。
排気口の近くに窓がある
住宅の窓や別店舗の給気口との位置関係を調べ、発生源の清掃、排気方向、必要な脱臭方式を設計段階で比較します。
防火上の必要工事が漏れる
経路図に区画の貫通や設備ごとの措置を記し、誰の見積に含むかを確認します。後から分かった工事は、追加額と工程を共有して決めます。
追加工事になりやすい所を先に確かめて、ダクト工事を無料で相談する →
ダクト工事でよくある質問
ダクト工事だけで何円くらいですか?
1階で壁から外へ出す小さな店(10〜20坪)なら約70万〜100万円、20〜30坪の店で約150万〜200万円、ビルの屋上まで上げるなら約200万〜300万円を見込みます(施工会社・メーカーの公表の中ほど〜上)。広積空調工業は、坪数や居抜きかスケルトンかによって30万〜300万円以上の幅があり、10〜15坪の居酒屋の想定で機器代と工賃込み50万〜100万円としています(公表元に税込・税抜の記載なし)。給気・ファンの電源・防火ダンパー・足場は別の費目になりやすいので、新設・部分修理・追加対策を分け、給気や電源、復旧・試運転を含む工事範囲を確かめてください。
屋上排気はなぜ費用が変わるのですか?
屋上まで伸ばすと、ダクトの材料・足場・人の手間が積み上がり、長い経路に合うファンとその電源、区画の貫通、機器の搬入・高所作業も要るためです。施工会社・メーカー3社は屋上排気を100万〜300万円程度とし、1階の店から5階建ての屋上までで約230万〜330万円という一例もあります(足場の設置費用もかかるとされ、この額に入るかは書かれていません)。店舗の階と排気先を分けて伝え、仮設などの手配者と見積の含有範囲を確認します。階数だけで決まるわけではありません。
屋上まで上げると、1階上がるごとにいくら増えますか?
約20万円ずつ上がるのが目安とされています(岩元空調・富士工業)。ただし、岩元空調はダクト工事の現場が何階か、富士工業は排気口を設ける高さで説明しており、数える階が違います。実際は、立上げのダクトの長さ・曲がりの数・足場・ファンの電源・搬入で決まるため、見積もりではこれらの数量を確かめてください。
居抜き物件なら安くなりますか?
前の店のダクトをそのまま使えるなら、点検や部分改修で20万〜50万円程度とする施工会社の公表があります(このページでは35万〜50万円で見ています)。ただし、業態が変わると容量不足で全面の引き直しになることもあります。所有者と使用承諾、予定機器への適合、汚れや劣化、蛇腹のダクトでないか、経路、点検のしやすさを確認し、清掃・修理・接続・復旧を含む流用案と更新案を比べてください。
焼肉店のダクトでは何を確認しますか?
客席のロースター等の機種、局所排気(上引きダクト)の仕様、油分除去、給気、ダクト経路を合わせて確認します。東京消防庁の公開資料では、上引きダクトの排気風量は天井に伸びるダクト1本あたり約300〜500m³/hが一般的とされ、煙の吸込み口ごとに枝のダクトがつながるため、卓の数だけ枝のダクトと点検・清掃が増えます。消防庁は令和8年7月に上引きダクトの管理を火災予防条例(例)に加えたため(施行期日 令和9年4月1日)、点検・清掃の決まりも所在地の消防署で確かめます。厨房と客席の機器配置・台数・同時使用を伝え、機器の施工条件と現地調査をもとに見積もります。
小さな店でも排煙設備は必要ですか?
小さい店舗という理由だけでは判断できません。火災時の排煙設備は通常の厨房排気とは別に、建物の用途・規模・階、室の開口部や区画、工事内容を設計者と確認し、必要に応じて特定行政庁へ相談してください。
排気のニオイで近隣から苦情が来ないか心配です。
環境省のマニュアルでは、飲食店のにおいの発生源は厨房排気が60%で、悪臭苦情は焼肉・ホルモン店、ラーメン店、居酒屋、中華料理店の順に多いとされています。契約・設計前に所在地の臭気規制と、周囲の窓・給気口、排気方向を確認します。苦情が出るまでは規制の対象外とは判断できません。清掃、排気先、必要な脱臭方式を比較し、自治体の環境担当と設計施工者へ相談してください。
ダクトの清掃は必要ですか?
必要です。油脂の堆積は火災や性能低下につながります。東京消防庁は、フードやグリス除去装置など外から見える所は日常的に、ダクトの内部は概ね1年ごとに点検することを目安としています。小さな店の清掃は、清掃会社の公表料金から1回 約10万〜15万円(税込)、年1〜2回なら約10万〜30万円を見込みます。機器説明書と所在地の消防上の維持管理基準を確認し、清掃口、作業空間、電源停止、営業への影響を設計時に確認して、点検・清掃の記録を残してください。
退去するとき、ダクトの撤去はいくらかかりますか?
屋上まで伸ばしたダクトの撤去は100万〜200万円以上かかることもあるとメーカーは説明しています(富士工業)。屋上でないダクトは、施工会社の解説で空調ダクトの撤去が1mあたり3,000〜8,000円程度とされ、厨房の排気ダクトは油汚れで工程が増えるため単価が上がります(大功産業)。原状回復の範囲(ダクトを残せるか)を、入居の前に契約書で確かめてください。
ダクト工事の工期はどれくらいですか?
ダクト工事会社の目安では、小規模な施設で3〜4日、大規模な施設で15日〜1か月かかることもあるとされています(キングダクト)。実際は建物の構造と工事内容で変わり、その前に貸主の承認・図面の確認・機器の納期の日数が要ります。営業中の店なら、定休日や作業できる時間帯も工程に入れます。
換気設備(フード・換気扇)の費用の内訳は?
内装会社の公表する試算(20坪・スケルトンの重飲食店)では、諸経費3万円前後・レンジフード1台10万円前後・換気扇3台15万円前後・排気ダクト20mで10万円前後の、合わせて40万円程度です(株式会社TRUST「IDEAL」)。直管のダクトは1mあたり5,000〜10,000円(材料と工賃)が施工会社の公表する目安です。屋上まで上げる工事・足場・給気・ファンの電源・防火ダンパーは、この試算とは別に見込みます。機器(レンジフード1台・換気扇3台)とダクト20mだけの試算なので、工事全体の目安は1問目(20〜30坪の店で約150万〜200万円)のとおりです。
厨房に必要な換気量はどう決まりますか?
建築基準法の告示(昭和45年建設省告示第1826号)の式 V=N×K×Q で計算するとされています。N は排気フードの形で、火元を覆う(イ)型は30、火元の周りまで覆い垂れ下がりと傾きのある(ロ)型は20(フードなしで換気扇を付ける場合は V=40KQ)、K は都市ガス・LPガスで0.93、Q は機器の燃料消費量(kW)です。例えば中華レンジ2口(46.5kW)にフード(イ)型なら約1,297m³/hです。式で出るのは法令上の数値の目安で、適用や例外、実際の風量は、設計者と所在地の窓口で確かめます。
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発注前にオーナーが確認すること
発注の前に、次の8つがそろっているかを確かめます。
- 機器一覧、フード・経路図、風量とファン選定の根拠がそろっているか。
- 貸主・管理者の承認、指定工事、経路や設備の使用権限を確認したか。
- 給気・電源・防火措置・臭気騒音対策・復旧・試運転の担当と金額を確認したか。
- 流用設備の点検、清掃・修理、更新、調査待ちを分けたか。
- 税、支払時期、別手配、追加変更の条件、営業停止を含む工程を確認したか。
- 引き渡し時の確認項目と、点検・清掃・不具合時の連絡先を決めたか。
- ビルの工事区分表で、誰の工事か(A工事・B工事・C工事)・排気量の上限・指定業者を確かめたか。
- 退去時にダクトを撤去するか残せるか(原状回復の範囲)を、契約書で確かめたか。
内装一式と専門工事の見積に同じ項目があれば、担当範囲を整理して一度だけ計上します。
店舗全体の予算は飲食店の内装費用、依頼先の比較は飲食店内装業者の選び方も参考になります。
ダクトを含む店舗内装の見積を相談する
物件や排気ルートが未定なら、予定メニュー・使いたい機器・困っている症状を分かる範囲で伝えてください。図面や既存設備の写真、見積があれば、紹介先との相談のときに見せられるよう手元に用意し、確認済みの範囲と未定事項を共有します。
ダクト単独の更新か、厨房・内装工事と合わせた計画かも伝えると、工事の分担を整理しやすくなります。見積もり比較の進め方を参考に、同じ完成範囲・税区分で比較しましょう。
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