厨房設備の選び方と費用|飲食店の厨房機器・ダクト・給排水の基本

📅 最終更新: 2026年3月29日

厨房設備が開業費用の30〜40%を占める

居抜き vs スケルトン 坪単価比較 居抜き 坪20〜50万円 スケルトン 坪40〜80万円

厨房機器は業態によって必要なものが大きく異なります。以下のテーブルで業態別の必須機器と費用目安を確認してください。

機器名 カフェ 居酒屋 ラーメン店 焼肉店 パン屋・ベーカリー
業務用冷蔵庫(4ドア) ○(15〜30万円) ○(20〜40万円) ○(15〜30万円) ○(20〜40万円) ○(20〜40万円)
業務用冷凍庫 △(10〜20万円) ○(10〜25万円) ○(10〜20万円) ○(15〜30万円) ○(15〜30万円)
ガスコンロ ○(5〜15万円) ○(10〜30万円) ○(5〜15万円) 不要 ○(5〜15万円)
フライヤー △(5〜15万円) ○(5〜20万円) △(5〜10万円) 不要 不要
製氷機 ○(10〜20万円) ○(15〜30万円) △(10〜15万円) ○(10〜20万円) △(5〜10万円)
食器洗浄機 ○(15〜40万円) ○(20〜50万円) △(15〜30万円) ○(20〜50万円) △(10〜20万円)
シンク(2槽) ○(3〜8万円) ○(3〜10万円) ○(3〜8万円) ○(5〜10万円) ○(5〜10万円)
作業台(ステンレス) ○(2〜5万円) ○(3〜8万円) ○(2〜5万円) ○(3〜5万円) ○(5〜10万円)
無煙ロースター 不要 不要 不要 ○(1台5〜15万円×席数) 不要
オーブン ○(10〜30万円) △(10〜20万円) 不要 不要 ○(50〜200万円)
合計目安 100〜250万円 150〜400万円 100〜300万円 200〜600万円 200〜500万円

○=必須、△=業態による。価格は新品の目安です。コストダウンの方法で厨房設備費を抑える具体的なテクニックを確認してください。


業態別の厨房設備費用相場

業態 坪数目安 厨房設備費(新品) 厨房設備費(中古活用) 内装工事費と合わせた合計 厨房面積の目安
カフェ(15〜25坪) 15〜25坪 100〜250万円 60〜150万円 400〜800万円 4〜7坪(25〜30%)
居酒屋(20〜40坪) 20〜40坪 150〜400万円 80〜250万円 600〜1,500万円 6〜12坪(30〜35%)
ラーメン店(10〜20坪) 10〜20坪 100〜300万円 50〜180万円 350〜800万円 4〜7坪(30〜40%)
焼肉店(25〜50坪) 25〜50坪 200〜600万円 120〜350万円 800〜2,000万円 5〜10坪(20〜25%)+客席ロースター
パン屋・ベーカリー(15〜30坪) 15〜30坪 200〜500万円 100〜300万円 500〜1,200万円 8〜15坪(50〜60%)

厨房設備費を抑える最大のポイントは「新品と中古の組み合わせ」です。冷蔵庫やシンクなど劣化しにくい機器は中古品で十分。一方、コンロや食器洗浄機など安全性に直結する機器は新品を推奨します。中古を活用すれば厨房設備費を30〜40%削減できる傾向があります。


ダクト工事の基本と費用

飲食店の内装工事で最も見落とされがちなのがダクト工事です。排気ダクト(煙・匂い・蒸気の排出)は飲食店の営業許可に不可欠であり、設計を誤ると「匂いがこもる」「近隣から苦情が来る」「保健所の検査に通らない」といった深刻な問題が発生します。ダクトの取り回しは建物の構造に大きく制約されるため、テナント契約前にダクトルートを確認するのが鉄則です。

ダクトの種類 目的 費用目安 設計のポイント よくある問題
排気ダクト(フード+ダクト) 調理時の煙・蒸気・匂いを屋外に排出 30〜80万円 フードのサイズは機器の上面より10cm以上大きく。ダクト径は排気量に応じて選定 排気能力不足で煙が厨房に充満。ダクトの径が細すぎる
給気ダクト 排気した分の空気を補給する 10〜30万円 排気量の70〜80%の給気量を確保 給気が不足してドアが開きにくい(負圧状態)
グリストラップ 排水中の油脂を分離して下水への流出を防ぐ 5〜20万円 容量は排水量に応じて選定。清掃しやすい位置に設置 容量不足で油脂が下水に流出。清掃が困難な位置に設置
防火ダンパー 火災時にダクト内の延焼を防止する 1〜5万円/箇所 防火区画を貫通するダクトには設置義務あり 設置漏れで消防検査に不合格
消音ダクト(サイレンサー) ダクトの騒音を低減する 5〜15万円 住宅地や近隣に配慮が必要な場合 未設置で近隣から騒音苦情

ダクト工事費は飲食店の内装工事で最もブレが大きい項目です。1階路面店で屋上までの距離が短ければ30万円程度で済みますが、ビルの中層階でダクトを屋上まで引き上げる場合は80〜150万円かかることもあります。テナント選びの段階でダクトルートを確認し、見積もりに正確に反映することが重要です。BtoB案件でオーナーに正確な情報を伝えられる内装会社は信頼されます。利益率ガイドでダクト工事の原価管理も確認してください。


新品vs中古vsリース──最適な調達方法

調達方法 初期費用 月額コスト メリット デメリット 向いているケース
新品購入 高い(定価) 0円 保証が充実。最新機能。衛生面で安心 初期費用が最も高い 資金に余裕がある。長期営業を予定
中古購入 安い(新品の30〜60%) 0円 初期費用を大幅削減 保証が限定的。故障リスクが高い。衛生面の確認が必要 開業費用を抑えたい。まず試したい機器
リース 0円 月額1〜5万円/台 初期費用ゼロ。固定費で予算管理しやすい トータルコストは購入より高い。途中解約できない 手元資金が少ない。最新機器を使いたい
レンタル 0円 月額5,000〜3万円/台 短期利用に最適。いつでも解約可能 月額コストが高い。選べる機器が限られる イベント出店。季節限定メニューの機器
居抜きの既存機器活用 0円 0円 コスト最小。既に設置済みですぐ使える 前テナントの使用状態による。故障リスク 居抜き物件で機器の状態が良い場合

おすすめの組み合わせ:冷蔵庫・作業台・シンクは中古、コンロ・食洗機・製氷機は新品。冷蔵庫は丈夫で中古でも十分使えますが、ガスコンロは安全性、食洗機は衛生面の観点から新品を推奨します。この組み合わせで厨房設備費を30〜40%削減できます。中古品は「厨房機器専門の中古販売店」で購入するのが安心です。個人間取引はトラブルリスクが高いため避けましょう。


厨房レイアウトと動線

厨房の作業効率はレイアウトで決まります。「食材の保管→下準備→調理→盛り付け→配膳」の一連の流れがスムーズに進むレイアウトを設計しましょう。下地処理の段階で給排水の位置が確定するため、レイアウトは着工前に必ず確定させてください。石膏ボードを貼った後にシンクの位置を変更すると、配管のやり直しで20〜50万円の追加コストが発生します。

レイアウトのポイント 具体的な基準 理由
冷蔵庫は入口近くに配置 搬入動線の最短化 食材の搬入効率が上がる。重い食材を持って歩く距離を最小化
シンクは調理台の近くに 手洗いと食材洗浄のアクセス 衛生管理の基本。調理中に手を洗う頻度が高い
コンロとフードは壁面に 排気ダクトの効率化 壁面設置でダクトの取り回しがシンプルに。コスト削減
通路幅は最低60cm確保 すれ違い可能は90cm以上 60cm未満は1人しか通れず作業効率が低下
食器洗浄機はホール側に 洗い場とホールの距離を最短に 使用済み食器の回収→洗浄→収納の動線を最適化

厨房レイアウトの詳しい設計方法はレイアウト・動線設計ガイドで解説しています。営業方法マッチングサイト比較集客方法HP集客も合わせてご覧ください。


BtoB案件とBtoC案件の厨房設備の違い

比較項目 BtoB(店舗の厨房設備) BtoC(住宅キッチンリフォーム)
費用帯 100〜600万円 50〜300万円
機器のグレード 業務用(大容量、高耐久、プロ仕様) 家庭用(デザイン重視、使いやすさ重視)
設計の重視点 オペレーション効率、衛生管理、ダクト 使い勝手、収納、デザイン
関連工事 ダクト工事、グリストラップ、防水工事 給排水の接続、ガス管の接続
発注者 飲食店オーナー、チェーン店舗開発部 個人(夫婦)
メンテナンス 業務用メンテナンス業者に委託 メーカー保証+家電量販店のサポート

BtoB案件(飲食店の厨房)は専門知識が求められるため、厨房設備に詳しい内装会社は差別化ポイントになります。BtoC案件(住宅キッチン)ではメーカーのシステムキッチンの提案が中心で、水回りの施工技術がポイントです。

BtoB案件(飲食店の業務用厨房)では、オペレーション効率と衛生管理が設計の軸になります。調理スタッフが1日数百食を効率よく調理できるレイアウト、食品衛生法に基づく設備要件、営業許可を取得するための保健所の基準──これらを全てクリアする設計力が求められます。業務用厨房機器の選定には各メーカーのカタログスペック(冷却能力、加熱能力、電力消費量等)の比較が必要で、飲食店の厨房設計に精通した内装会社でなければ対応が難しい領域です。

一方、BtoC案件(住宅キッチンリフォーム)は、システムキッチンメーカー(リクシル、パナソニック、TOTO等)の製品カタログから選ぶのが一般的です。施工の中心はキッチンの入れ替え(給排水の接続、ガス管の接続、壁・床の補修)で、ダクトやグリストラップのような飲食店特有の設備は不要です。住宅オーナーが重視するのはデザイン、収納量、掃除のしやすさであり、業務用厨房とは全く異なるアプローチが必要です。

下請け脱却ガイドで元請け化の方法を確認してください。


厨房設備の失敗5パターン

失敗パターン 具体例 原因 対策
①機器のサイズオーバー 搬入口から冷蔵庫が入らなかった 搬入経路のサイズを事前に確認していない 発注前に搬入口・エレベーター・階段のサイズを実測
②電気容量の不足 食洗機と製氷機を同時稼働するとブレーカーが落ちる 電気容量の計算が甘い 全機器の消費電力を合算し、余裕を持った電気契約に
③給排水の位置が合わない シンクの位置を変更したが排水管が届かない レイアウト確定前に配管工事を始めた レイアウトを確定→配管位置を決定→下地工事の順で進める
④ダクトの排気能力不足 営業中に煙が厨房にこもる。換気扇の能力が足りない 排気量の計算ミス。コスト削減のために小径ダクトを選んだ 排気量は調理機器の発熱量から正確に計算。ケチらない
⑤中古機器の故障 開業2ヶ月で中古冷蔵庫が故障。修理費10万円 中古品の状態を十分に確認しなかった 中古品は信頼できる専門店で購入。年式と稼働状況を確認

上記5パターンの中で最も損失額が大きいのは④の「ダクトの排気能力不足」です。排気能力が足りないと調理中に煙や蒸気が厨房に充満し、厨房内の温度が40度を超えることもあります。調理スタッフが「暑すぎて働けない」と退職するケースや、煙が客席に流れ込んで苦情になるケースが実際にあります。ダクトの改修工事は50〜150万円かかるうえ、営業を一時停止する必要があるため、売上への影響も含めると損失額は200〜300万円に達することもあります。設計段階で排気量を正確に計算し、フードのサイズとダクトの径を適切に選定することが何より重要です。

次に多いのが①の「機器のサイズオーバー」です。業務用4ドア冷蔵庫(幅120cm×奥行80cm×高さ190cm)は家庭用冷蔵庫よりはるかに大きく、エレベーターや階段で搬入できないケースが頻繁に発生します。搬入できない場合はクレーンで窓から搬入する方法(費用5〜15万円)もありますが、窓のサイズや建物の構造によっては不可能な場合もあります。機器の発注前に必ず搬入経路のサイズを実測してください。


厨房設備の成功事例2選

事例①:中古活用で厨房設備費を40%削減(東京都・カフェ 18坪)

東京都のカフェ(18坪)の開業にあたり、新品で揃えると厨房設備費は220万円の見積もりでした。内装会社E社が「冷蔵庫・作業台・シンクは中古、コンロ・食洗機・製氷機は新品」の組み合わせを提案。中古品は厨房機器専門の中古販売店で状態の良いものを厳選。結果、厨房設備費は220万円→130万円に40%削減(90万円の節約)。削減した分をインテリアデザインに回すことで、Instagramで話題になる洗練されたカフェに仕上がりました。開業から1年経過しても中古機器のトラブルはゼロです。

事例②:ダクト設計の最適化で工事費50万円削減(大阪府・焼肉店 30坪)

大阪府の焼肉店(30坪・ビル2階)で、当初の見積もりではダクト工事費が150万円でした。内装会社F社がダクトルートを再検討し、外壁を経由する最短ルート(当初は天井裏を長距離引き回す計画だった)に変更。ダクト径も排気量の再計算により適正サイズに見直しました。結果、ダクト工事費は150万円→100万円に50万円削減。工期も1週間短縮され、開業日に余裕を持って間に合いました。MEO対策Instagram活用年収・売上ガイドも合わせてご活用ください。


よくある質問(FAQ)

Q. 厨房設備はどこで購入すべきですか?
厨房設備の購入先は大きく4つあります。①厨房機器メーカーの直販(品質保証が充実、価格は定価ベース)②業務用厨房機器の専門販売店(値引き交渉が可能、品揃え豊富)③厨房機器専門の中古販売店(新品の30〜60%の価格、状態の良い中古品を選べる)④ネット通販(価格比較が容易、実物確認ができない)。おすすめは②の専門販売店で、まとめ買いの値引き交渉がしやすく、設置・メンテナンスのサポートも受けられます。中古品は③の専門中古店が安心です。
Q. 厨房設備のメンテナンス費用はどれくらいかかりますか?
年間の厨房設備メンテナンス費用は、設備の総額の5〜10%が目安です。厨房設備費300万円なら年間15〜30万円程度です。主な内訳は、グリストラップの清掃(月1〜2回、1回5,000〜1万円)、排気ダクトの清掃(年1〜2回、1回3〜5万円)、冷蔵庫のコンプレッサー点検(年1回、1〜2万円)、食洗機のフィルター交換(月1回、数千円)です。定期メンテナンスを怠ると故障リスクが上がり、営業に支障が出ます。
Q. 中古の厨房機器で注意すべきポイントは?
中古品を購入する際は5つのポイントを確認してください。①製造年(5年以内が理想。10年以上は部品の供給が終了している可能性あり)②稼働状況(前オーナーの使用頻度)③外観の状態(錆、凹み、汚れ)④動作確認(可能なら稼働状態で確認)⑤保証の有無(専門中古店なら3〜6ヶ月の保証が付くことが多い)。個人間取引やフリマアプリでの購入はトラブルリスクが高いため避けましょう。
Q. 厨房の防水工事は必要ですか?
飲食店の厨房には防水工事が必要です。調理中の水はねや清掃時の水で床が濡れるため、防水処理がされていないと下階への漏水事故につながります。防水工事の費用は㎡あたり3,000〜8,000円が目安で、20㎡の厨房なら6〜16万円程度です。床仕上げはノンスリップ仕様(滑りにくい仕上げ)を選択し、排水溝(側溝)の設置も検討してください。防水の仕様は保健所の検査項目に含まれる場合がありますので、詳細は管轄の保健所にご確認ください。
Q. 保健所の検査で厨房に必要な要件は?
保健所の営業許可検査では、厨房の設備・衛生状態が確認されます。一般的に求められる要件として、2槽以上のシンク、手洗い設備(手洗い専用)、食器の保管設備(食器棚等)、十分な換気設備、防虫・防鼠措置、床や壁の清掃しやすい仕上げ──などがあります。ただし具体的な要件は地域の保健所によって異なるため、詳細は管轄の保健所に事前相談してください。内装の設計段階で保健所に相談しておくと、完了検査でのやり直しを防げます。
Q. 厨房工事の工期はどれくらいですか?
厨房工事の工期は店舗の規模と業態によりますが、カフェなら2〜3週間、居酒屋・レストランなら3〜4週間、焼肉店なら4〜6週間が目安です。ダクト工事が含まれる場合はさらに1〜2週間追加されます。厨房機器の納品には発注から2〜4週間かかるため、着工の2ヶ月前には機器の選定と発注を完了させておくことが重要です。機器の納品遅れで工期全体が遅延するケースは珍しくありません。
Q. 厨房設備のリース契約の注意点は?
リース契約は初期費用ゼロで厨房機器を導入できる魅力がありますが、注意点があります。①リース期間は通常5〜7年で途中解約ができない(残額一括払いが必要)②トータルコストは購入の1.2〜1.5倍になる③リース終了後は返却か再リース(低額)の選択④所有権はリース会社にあるため、店舗譲渡時に機器を含められない。資金に余裕がある場合は購入の方がトータルコストは安くなります。手元資金を温存したい場合にリースを検討しましょう。
Q. 居抜き物件の厨房設備はそのまま使えますか?
使える場合が多いですが、必ず専門業者による動作確認と衛生チェックを行ってください。確認すべきポイントは①冷蔵庫・冷凍庫の冷却能力②コンロのガス漏れチェック③食洗機の洗浄能力④ダクトの排気能力⑤グリストラップの状態⑥配管の老朽化の有無。動作確認の費用は3〜5万円程度で、故障リスクの高い機器を事前に特定できます。居抜き設備を活用すれば厨房設備費を50〜80%削減できる可能性がありますが、「使えない機器を使い続けて営業中に故障」という最悪のケースを避けるため、専門チェックは必須です。業者の選び方ガイドも参考にしてください。

照明設計ガイド床材の選び方レイアウト設計マッチングサイト比較も合わせてご活用ください。発注者の方は▶ 厨房設備に強い内装会社から提案を受ける(無料)いただけます。

案件を増やしたい内装会社さまへ

店舗内装ドットコムは完全成果報酬制。発注金額全体に対して基本10%(案件内容により異なる場合があります)。

登録料・月額費用は一切なし。提案・見積り段階では費用ゼロ。

全国の店舗オーナーから直接案件が届きます。

無料で受注企業登録する(審査あり)


×
お問い合わせ
×
お問い合わせ