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「自分のホテル・旅館、内装にいくらかかる?」を最初につかみましょう。施設タイプ・客室数・大浴場の有無・新築か改装か・グレードを選ぶと、客室=1室単価×室数の積み上げで総額の目安が、47都道府県の地域係数つきで出ます。宿泊施設は店舗と違い、客室という収益ユニットの掛け算で費用が決まるのが特徴です。
金額はあくまで概算ですが、施設タイプや客室数、大浴場の有無で総額が大きく開くことが分かります。とくに客室は「1室いくら × 何室」で積み上がり、旅館やリゾートは大浴場・露天で共用部が大きくなります。まずは自分の構想に近い条件で動かし、客室と共用部のどちらが重いのかを確かめてください。
ホテル・旅館の内装費用シミュレーター
30秒・無料施設タイプ・客室数・大浴場・新築/改装から、客室=1室単価×室数の積み上げで開業・改装の総額目安がわかります。
この条件での総額の目安
―〜―万円
客室・共用部・工事・運転資金の合計概算
客室数別の早見表(現在の条件・―)
この試算の前提と注意事項
※金額は概算です。新築は別途、躯体・基礎の建築費がかかります。実額は建物の状態・設備・法規対応で変わるため、最終的には複数社の見積もりで確定してください。
費用を決める「2つの軸」(施設タイプ×新築/改装)
ホテル・旅館の内装は「デザインをどうするか」から考え始めがちですが、費用を本当に動かしているのはデザインの前段です。「施設タイプ」と「新築か改装か」の2軸で、費用と設計の大枠はほぼ決まります。シミュレーターも、この2軸を入力させて金額の段差を見せる仕組みです。
軸1:施設タイプ(客室単価・共用部の規模)
ビジネスホテルかシティホテルか旅館かラグジュアリーかで、1室あたりの内装・設備グレードと共用部(ロビー・レストラン・大浴場)の規模が変わります。ラグジュアリーは内装工事の比率が高く、照明・空調の制御やセキュリティで設備費の比率も高くなります。民泊・ゲストハウスは小規模で客室中心、旅館・リゾートは大浴場や露天で共用部が大きくなります。同じ20室でも、客室中心のビジネスホテルと、大浴場・露天を備えた旅館では、共用部の費用がまったく違います。
軸2:新築か改装か(工事範囲)
新築・改装(リニューアル)・コンバージョン(用途変更)で、工事範囲と費用がまったく変わります。新築は躯体から作るため費用が最も大きく、改装は既存を活かせる分抑えられます。オフィスや住宅から宿泊施設へ転用するコンバージョンは、用途変更(建築確認)が費用とスケジュールのボトルネックになりがちです(後述)。新築は立地・規模・客室構成を理想に近づけられる反面、初期投資が最も大きくなります。
客室の「掛け算」+共用部という二層構造
店舗は「1つの空間」を作りますが、宿泊施設は「客室という収益ユニットの掛け算 + 共用部という顔」の二層構造です。費用は坪単価より「1室いくら × 何室」で積み上がり、そこに共用部(ロビー・大浴場)と、水回り・法規(旅館業法・消防)の重さが乗ります。だから「施設タイプ × 規模(室数)× 新築か改装か」で費用が決まります。
まずは2軸を入れて、複数社の見積もりで費用配分を見比べてみましょう。
費用相場・坪単価・1室単価の目安
ホテル・旅館の費用は「客室・共用部・付帯工事・運転資金」の合計です。まずは費目の全体像と、施設タイプ別の坪単価・1室単価の目安をつかみましょう。
客室は1室単価×室数で積み上がる最大の費目、共用部はロビー・レストラン・大浴場など施設の顔、付帯・工事は改装の解体補修や用途変更・新築の設備、運転資金は開業後しばらくの家賃・人件費の余力です。坪単価だけで資金計画を立てると不足しがちなので、合計で見るのが基本です。とくに客室は室数分まとめて発生するため、1室の単価を少し上げるだけで総額が大きく動きます。
施設タイプ別の坪単価の目安
施設タイプによって坪単価は大きく変わります。内装工事(仕上工事)の坪単価が他の建物より高い傾向があるのが宿泊施設の特徴です。
ビジネスホテル
- 特徴客室中心・共用部は小さめ
シティ・リゾート
- 特徴共用部が充実・設備も多い
ラグジュアリー
- 特徴内装・設備の比率が高い
※旅館の改装は和の造作や大浴場で幅が大きく、規模により坪30〜60万円程度から。一般的な目安は坪100〜150万円。費用の全体像は店舗内装の費用相場ガイドもあわせてどうぞ。
坪単価より「1室いくら × 何室」
🏨 規模(客室数)が費用の最大ドライバー
宿泊施設の費用は、店舗のような坪単価より「1室あたりの内装・設備費 × 客室数」で積み上がります。客室設備費(ベッド・家具・家電・アメニティ等)は1室あたり数十万円から数百万円で、ホテルのランクやターゲットで大きく変わります。だから客室数が費用の最大のドライバー。上のシミュレーターは、この「1室×室数」で総額を出します。
宿泊施設は「客室+共用部」の二層
- 客室:1室単価×室数で積み上がる、標準化された収益ユニット
- 共用部:ロビー・レストラン・大浴場・露天など、施設の顔と体験
- 旅館・リゾートは大浴場・露天で共用部が大きくなり、客室の比率が下がる
まずは複数社の見積もりを取って、相場と費用配分を見比べてみましょう。
施設タイプ別の違い(ビジネス・シティ・旅館・民泊ほか)
宿泊施設は施設タイプで客室単価・共用部の規模・必要な設備がまったく違います。シミュレーターと同じ3グループで、タイプごとの要点を見ていきましょう。
宿泊特化(客室が主役)
共用部を絞り、客室で稼ぐタイプ。費用は客室の積み上げが中心になります。
ビジネスホテル
駅近・都市部に多く、清潔で快適な客室が主役。各室にシャワールームを備え、共用部はロビーと朝食会場程度。客室の標準化と数で稼ぐため、1室の内装精度が全体に効きます。出張需要が中心なので、Wi-Fiやデスク、遮音など仕事のしやすさも評価に直結します。
カプセルホテル
カプセルユニットの導入費が中心で、坪単価は高めでもオペレーションが少なく坪あたりの収益性は高い傾向。共用ラウンジ・大浴場・パウダールームの作り込みが体験を左右します。
民泊・ゲストハウス
小〜中規模で、住宅を活かした転用が多いタイプ。フロント設置義務がなく、こじんまりした作りでも可能ですが、用途変更や消防の確認が必要です。ドミトリーや個室で工事費を抑えられます。小規模ゆえに少人数で運営でき、立ち上げのハードルが比較的低いのも特徴です。
シティ・旅館(共用部が充実)
客室に加え、レストラン・宴会場・大浴場など共用部が大きくなるタイプ。費用は客室と共用部の両方で積み上がります。
シティホテル
観光からビジネスまで幅広く、広く使いやすい客室とレストラン・宴会場・大浴場など充実した共用部が求められます。共用部の演出が施設の格を決めます。
旅館・温泉宿
和室・畳・障子・ふすまなど和の造作と、露天風呂を備えた温泉施設が特徴。郊外に立地して敷地に余裕があり、外構(庭・アプローチ)も建物と調和させる必要があります。大浴場・露天で共用部が大きくなります。畳・建具・浴室など和の造作は専門の職人と工程が必要で、洋室中心のホテルとは段取りが変わります。
ハイグレード(内装・設備の比率が高い)
体験と特別感で高単価を狙うタイプ。内装グレード・設備への投資が最も大きくなります。
リゾートホテル
敷地が広く、プール・スパ・ゴルフ場などを備えることも。客室も広く、自然素材を取り入れたリラックス感重視の設計。共用部と外構の規模が大きくなります。広大な敷地の造園・屋外設備も含めると、内装以外の比重が高まる点に注意します。
ラグジュアリーホテル
客室単価が最も高く、内装の細部までこだわるため内装工事の比率が高くなります。照明・空調の制御システムやセキュリティなど設備費の比率も高い、最も投資が大きいタイプです。
どのタイプでも共通するのは、客室を標準化して数をそろえること、共用部で施設の体験・格を作ること、そして水回りと法規(後述)を早期に固めることです。これらは完成後の修正が難しく、初期設計の精度がそのまま収益と採算に直結します。迷ったら、想定する客室単価と稼働率から逆算し、その価格に見合う客室・共用部の水準を決めるのが、施設タイプ選びの確実な順番です。
施設タイプに合った設計は、宿泊施設の実績がある会社に相談するのが近道です。
客室の内装と採算(1室単価×室数・RevPAR)
客室は宿泊施設の収益ユニットです。1室あたりの内装・設備費が客室数分積み上がるため、1室の作り込みと標準化が全体のコストと品質を左右します。そして、その投資を回収できるかは客室の収益指標で測ります。客室は数をそろえる前提なので、1室の仕様ミスやコスト超過がそのまま室数倍に膨らむ点にも注意します。
1室単価 × 室数で積み上がる
客室設備費は1室あたり数十万円から数百万円。標準化して同じ仕様の客室を数そろえるため、1室の設計・仕様の精度が全体に効きます。客室は毎日使われ清掃されるため、内装材は耐久性・防汚性・メンテのしやすさが重要で、数年ごとのリニューアルも前提に考えます。ベッド・寝具・空調・遮音など滞在の質を直接左右する部分は、妥協すると稼働や評価に響くため優先的に投資します。
📏 客室の最低面積と室数の規定
旅館業法では、ホテル営業は15室以上が必要とされ、主要な客室は洋式でシングルルームの床面積が9㎡以上などの基準があります。一方、簡易宿所(ゲストハウス等)や民泊はフロントの設置義務がなく、1人あたり3.3㎡以上とこじんまりした作りでも可能です。施設タイプによって作れる規模・間取りが変わります。
採算は3つの指標で測る
客室が収益ユニットなので、採算は1室の収益力で見ます。内装投資はこの収益から無理なく回収できる範囲に収めるのが基本です。
ホテルの三大指標
- OCC(客室稼働率):販売可能な客室のうち実際に利用された割合
- ADR(平均客室単価):売れた客室1室あたりの平均単価(売上÷販売客室数)
- RevPAR(販売可能客室1室あたり収益)=ADR×OCC。空室分も含めた実質の収益力で、規模に関係なく比較できるゴールデン指標
- ADRとOCCはトレードオフ。値下げで稼働は上がるが単価は下がる
シミュレーターで出た総額を、想定のADR・稼働率から見込めるRevPARと照らし、無理のない投資額かを確かめましょう。RevPARは規模に関係なく比較できるため、近隣の同タイプ施設の水準を参考に、現実的な目標から逆算します。
客室の仕様と1室単価は、複数社に図面・見積もりを出してもらうと最適化できます。
共用部(ロビー・レストラン・大浴場・露天)
共用部は施設の「顔」であり、体験そのものです。客室が収益ユニットなら、共用部は施設の格・滞在価値を決める場所。施設タイプによって規模も投資も大きく変わります。
共用部に求められるもの
共用部には、演出効果の高い内装・照明・音響・映像などが必要になります。ロビーは第一印象を、レストラン・宴会場は滞在価値を、大浴場・露天・スパ・サウナは旅館やリゾートの主役を担います。プールや大浴場に水槽・ろ過装置・サウナ・ジャグジーなどを設ける場合、設備の規模・内容が費用を大きく変動させます。宴会場やレストランで料理を提供する場合は、厨房・排煙・給排水など飲食店に近い設備工事も加わります。
共用部で押さえる点
- ロビー:第一印象と動線の起点。施設の世界観をここで伝える
- レストラン・宴会場:飲食提供は厨房・排煙・給排水も伴う(飲食店に近い工事)
- 大浴場・露天:旅館・リゾートの主役。水回り(後述)が重く費用が大きい
- 共用部の規模は客室数に対して逓増する(大型ほど1室あたりは効率化)
シティ・旅館・リゾートは共用部が大きく、客室と並ぶ費用になります。とくに旅館・リゾートで大浴場・露天を備えると、共用部が客室を上回ることもあります。上のシミュレーターでも、大浴場・露天をオンにすると共用部が大きくなり、客室の比率が下がるのが分かります。共用部は施設の格を一目で伝える場所なので、限られた予算でもロビーや大浴場など「効く場所」に集中させると、満足度と写真映えを両立できます。
共用部の演出と設備は、宿泊・商業施設に強い会社の事例を見比べると判断できます。
水回り(客室バス・大浴場のろ過/防水/ボイラー)
宿泊施設で費用も技術も重いのが水回りです。各客室のユニットバス・トイレに加え、旅館・リゾートの大浴場・露天は、飲食店の厨房に相当する重い設備が共用部に集まります。
大浴場・露天で必要になる設備
大浴場は、大量のお湯を清潔に保つために循環ろ過装置がほぼ必須です。かけ流しは限定的で、レジオネラ菌・大腸菌対策として循環型が広く普及しています。温泉水・井戸水は成分でろ過ユニットが腐食するため、腐食に対応した専用設計のろ過システムが必要になります。さらにボイラー・加温・循環ポンプで大量の湯を温め回すため、光熱費が運営コストの大半を占めます。
大浴場・露天で必要になる主な設備
- 循環ろ過装置:レジオネラ菌・大腸菌対策で循環型が主流(かけ流しは限定的)
- 温泉水・井戸水:成分でろ過ユニットが腐食するため腐食対応の専用設計が必要
- ボイラー・加温・循環ポンプ:大量の湯を温め回す。光熱費が運営コストの大半
- 防水工事:目地・壁・天井を多段階で。漏水は漏電・火災・カビの原因に
💧 水質管理は安全と信用に直結
大浴場の湯は、ろ過と塩素管理で水道水と同程度の清澄さを保ちます。レジオネラ症などの事故は施設の信用を大きく損なうため、ろ過・配管・清掃のしやすさを設計段階から考えることが重要です。防水は目地・壁・天井を多段階で処理し、ろ過装置は適切に使えば10〜15年が更新の目安です。
客室側も、ユニットバスにするか造作の浴室にするか、給排水・換気をどう通すかで費用と工期が変わります。水回りは後からの変更が難しく、配管計画を含めて設計初期に固めるのが鉄則です。客室のユニットバスは交換・清掃がしやすく、造作の浴室はデザイン性が高い一方でコストとメンテの手間が増えます。
大浴場・水回りは専門性が高い領域。実績のある会社に相談しましょう。
旅館業法・建築基準法・消防法(3つの法律)
宿泊施設の開業・改装は、店舗より法規が重いのが大きな特徴です。関係する法律は主に「建築基準法」「旅館業法」「消防法」の3つ。どれを怠っても後工程で設計変更・追加工事になるため、設計の初期から3窓口を並行して確認します。
3つの法律と窓口
建築基準法は役所(建築指導課)で用途変更の手続き、旅館業法は保健所で営業許可、消防法は消防署で法適合性の手続きが必要です。判断基準が自治体で変わることがあるため、平面図・立地図を持って各窓口に早めに相談します。この3カ所を怠ると、後工程で設計変更・追加工事が発生します。とくに既存建物の転用では、現行の建築・消防基準に適合させる工事が後から判明しやすいので、早期の相談が効きます。
⚠️ 用途変更は最大のボトルネック
「ホテル・旅館」以外の用途の建物(オフィス・住宅・店舗など)で延床面積200㎡を超える場合、用途変更に伴う建築確認申請が必要です(建築基準法第87条)。これがスケジュールの最大のボトルネックであり、構造補強・避難経路・耐火などで費用が膨らむ最多の原因になります。コンバージョンを検討するなら、まずここを確認します。
旅館業法と簡易宿所・民泊
旅館業法では、旅館・ホテル営業(旅館とホテルは法律上一緒)と簡易宿所営業を区別し、それぞれ構造設備の基準が異なります。住宅を短期間貸し出す民泊は、住宅宿泊事業法に基づき届出するパターンもあります(自治体の条例が厳しいことも)。なお、建築基準法と消防法では旅館・ホテル・簡易宿所は同じ扱いですが、簡易宿所には窓先空地が必要など、建築の面ではむしろ簡易宿所の方が条件が厳しい面もあります。民泊・簡易宿所・旅館・ホテルのどれで開業するかは、想定規模・運営体制・建物条件から決めます。
消防で押さえる主な項目
- スプリンクラー設備:要否は延床面積・用途で判断
- 自動火災報知設備・誘導灯・非常警報・避難器具
- 防炎物品(カーテン・じゅうたん等が防炎認定品か)
- 防火管理者(収容30人以上は選任)・消防計画・消防法令適合通知書
消防設備の基準は都道府県で細かく変わることがあります。保健所・消防署・建築指導課の3カ所を並行で確認し、設計に反映するのが、後戻りを防ぐ最大のコツです。許可・確認は取得まで時間がかかるため、工事スケジュールに余裕を持って臨みます。行政書士や設計事務所など許認可の実務に慣れた専門家と進めると、手続きの抜けを防げます。
法規対応は専門性が高い領域。宿泊施設に強い会社に相談しましょう。
新築 vs 改装・コンバージョン・事業承継
宿泊施設は、ゼロから建てる新築より、既存建物を活かす改装・コンバージョン・事業承継が多い分野です。どの進め方かで費用と論点が大きく変わります。
改装
- 費用抑えやすい
- 内容客室リフォーム50〜100万/室〜
- 向き既存施設の刷新
コンバージョン
- 費用用途変更で膨らみやすい
- 内容住宅/オフィス→宿泊
- 向き遊休不動産の活用
新築
- 費用最も大きい(躯体別)
- 内容客室・共用部をゼロから
- 向き立地・規模を最適化
改装(リニューアル)
既存の客室・共用部を刷新する改装は、設備や間取りを活かせる分、新築より初期費用を抑えられます。客室の内装リフォームは1室50〜100万円程度から。古さの目立つ客室・大浴場・ロビーから優先的に更新し、稼働・単価への効果が高い場所に投資を集中させるのが定石です。全館を一度に改装せず、稼働を止めずに区画ごとに進める段階的なリニューアルも、資金繰りの面で有効です。
コンバージョン(用途変更)
オフィス・住宅・店舗などを宿泊施設に転用するコンバージョンは、遊休不動産を活かせる一方、用途変更が壁になります。延床200㎡超では建築確認申請が必要で、構造・避難・窓先空地などで費用が膨らみやすいため、物件選びの段階で用途変更の可否と概算を押さえることが不可欠です。
事業承継リノベ
後継者不足を背景に、旅館・ホテルを引き継いでリノベーションする事業承継も増えています。既存の建物・大浴場・温泉を活かせる反面、老朽化した設備・配管・耐震の更新が必要になることが多く、現況調査をしっかり行ってから計画を立てます。図面どおりに配管や構造が残っているとは限らないため、解体前の調査と予備費で想定外に備えます。
新築・改装・転用のどれが有利かは、複数社の見積もり比較で見えてきます。
デザイン・ブランディングとインバウンド
宿泊施設の内装は、ブランドの世界観であり滞在体験そのものです。とくにインバウンド(訪日客)需要では、その土地らしさや日本らしさが「選ばれる理由」になります。
コンセプトから逆算する
ターゲット(ビジネス・観光・インバウンド・家族)と客単価を決め、そこからデザイン・客室仕様・共用部を逆算します。流行を追うより、立地の需要とブランドが伝えたい価値に合わせて一貫させることが、価格に見合う満足とリピートにつながります。客室タイプ(シングル・ツイン・和洋室・スイート)の構成も、狙う客層と単価に合わせて設計します。
選ばれる宿のデザイン要素
- 地域性・日本らしさ:その土地の素材・文化を取り入れ差別化(インバウンドに有効)
- 体験:大浴場・テラス・ラウンジなど「泊まる以上」の価値
- 写真映え:客室・共用部の見栄えがOTA(予約サイト)・SNSでの集客に直結
- 快適性・清潔感:ベッド・照明・空調・遮音など滞在の質の土台
客室と共用部の写真は予約サイトやSNSでそのまま集客力になります。見栄えと快適性・清潔感を両立させ、ブランドの世界観を細部までそろえることが、結果として稼働率・客室単価を底上げします。客室と共用部の写真は予約サイトの一覧で比較されるため、第一印象で選ばれる見せ方を意識します。照明や色のトーンを客室・共用部で一貫させると、ブランドとしての統一感が伝わります。
世界観を形にできる会社かは、過去の宿泊施設の事例を見比べるのが一番です。
物件・立地の選び方
宿泊施設の売上は立地と需要で大きく決まり、初期費用は建物の状態(新築用地・既存施設・転用物件)で変わります。立地と物件は後から変えられないため、最初の見極めが重要です。
立地と需要を読む
ビジネスホテルは駅近・都市部、観光・旅館は観光地・温泉地、リゾートは自然環境が魅力の地が向きます。需要(出張・観光・インバウンド)と、その地域で見込める客室単価・稼働率を立地から読み、規模(客室数)を決めます。供給過多のエリアでは価格競争に陥りやすい点にも注意します。周辺の同タイプ施設の客室単価・稼働を調べ、自施設の規模と価格帯が成り立つかを見極めます。
物件・契約前に確認すること
- 用途地域でホテル・旅館・簡易宿所が建てられるか
- 延床200㎡超の用途変更なら建築確認申請が必要(費用・期間に影響)
- 既存施設なら客室・水回り・空調・消防設備の状態と更新の要否
- 立地の需要(出張・観光・インバウンド)と想定稼働率・客室単価
既存施設や転用物件は、用途変更・消防・構造が後から変えられないため、内見の段階で内装会社や専門家に同行してもらうのが安全です。図面と現況を照らし、想定外の追加工事が出ないかを早めに確認します。とくに温泉地の旅館は、源泉・引湯の権利や配管も価値と費用を左右するため、内装とあわせて確認します。
物件が宿泊施設に使えるかの見極めは、専門家の現地チェックが確実です。
内装業者の選び方
ホテル・旅館の内装は、宿泊施設の実績があり、水回り・法規・大規模工事に対応できる会社を選ぶのが近道です。住宅や小規模店舗が中心の会社だと、客室の標準化・大浴場・旅館業法/消防まわりで提案が弱いことがあります。
会社のタイプで選ぶ
設計事務所
- 強みデザイン・体験設計
- 向き世界観・差別化
施工会社
- 強み費用・工期・現場力
- 向きコスト・工程重視
ワンストップ/CM
- 強み設計〜施工〜管理
- 向き大規模・手間削減
いずれの場合も、宿泊施設・水回り・法規対応の実績があるかが第一条件です。宿泊施設は工種が多く工期も長いため、設計と施工の連携がスムーズな体制が、品質と費用の安定につながります。
見るべき3つのチェック
業者選びの3チェック
- ホテル・旅館・民泊など宿泊施設の施工実績があるか
- 大浴場・水回り、旅館業法・消防・用途変更に対応できるか
- 見積もりの内訳が明朗で、客室・共用部・付帯の区分が明確か
大規模・長期の工事になるため、提案力・進行管理・保証も重要です。1社で決めず、複数社から相見積もりを取り、実績・対応・金額を比べて選ぶと失敗が減ります。見積もりは金額だけでなく、客室・共用部・付帯にどこまで含むかも確認しましょう。宿泊施設は開業後も客室の更新や設備の保守で長く付き合うため、アフター対応の体制も見ておくと安心です。
宿泊施設に強い会社を複数社、無料で比べてみましょう。
開業・改装の流れと工期・よくある失敗
構想・物件から開業までは、設計・3窓口の確認・(用途変更の)許可や確認・工事・客室と水回り・検査の順で進みます。法規と水回りがある分、店舗より工程が長く、スケジュールに余裕が必要です。
物件を契約・取得したらコストが発生し始めるため、契約・許可・工事・開業の関係を最初に押さえます。工期は規模・新築/改装で大きく変わり、用途変更を伴う場合は建築確認で数か月以上前後します。設計と申請に時間をかけ、工事に入ってからの変更を避けるのが、工期と費用を守るコツです。客室・水回りは仕様の確定に日数がかかるため、早めに固めます。客室・大浴場の設備は発注から納品まで日数がかかるものもあり、機器の手配を含めて工程を逆算します。
よくある失敗
このパターンに注意
- 用途変更(延床200㎡超の建築確認)を見落とし、費用とスケジュールが膨らむ
- 大浴場の循環ろ過・防水を軽視し、漏水や水質トラブルにつながる
- 客室の仕様を後から変更し、室数分の追加で割高になる
- 消防設備(スプリンクラー要否等)の確認漏れで開業が遅れる
- 共用部に費用が偏り、客室数・稼働で採算が合わなくなる
- 既存施設の改装で、解体後に構造・配管の不具合が見つかる
いずれも、施設タイプと規模を設計初期に固めること、3窓口の早期確認、相見積もりによる費用の見える化で防げます。既存建物や旅館の改装では解体後に不具合が出ることもあるため、総予算の1割程度を予備費に見ておくと安心です。とくに大浴場や温泉設備は、配管・ボイラーの老朽化が解体後に判明することがあります。
工程とスケジュールも、複数社に出してもらうと現実的な計画が立ちます。
よくある質問とまとめ
ホテル・旅館の内装は1室いくらかかりますか?
客室設備費(内装・家具・家電・アメニティ等)は1室あたり数十万円から数百万円が目安で、ホテルのランクやターゲットで大きく変わります。費用は「1室単価×室数」で積み上がるため、客室数が最大のドライバーです。上のシミュレーターで施設タイプ・客室数を入れると総額の概算が出ます。
坪単価はどのくらいですか?
施設タイプで変わり、ビジネスホテルは坪50〜150万円、シティ・リゾートは坪150〜250万円、ラグジュアリーは坪250〜350万円が目安です。一般的な目安は坪100〜150万円、旅館の改装は規模により坪30〜60万円程度からです。
新築と改装でどのくらい違いますか?
新築は躯体から作るため最も費用が大きく、改装は既存を活かせる分抑えられます(客室の内装リフォームは1室50〜100万円程度から)。同じ規模なら、客室費は改装より新築が大きくなります。新築では別途、躯体・基礎の建築費がかかります。
オフィスや住宅を宿泊施設に転用できますか?
用途地域や建物の条件が合えば可能ですが、「ホテル・旅館」以外の用途で延床200㎡超の場合、用途変更に伴う建築確認申請が必要です(建築基準法第87条)。構造・避難・窓先空地などで費用が膨らみやすいため、物件選びの段階で用途変更の可否と概算を確認しましょう。
大浴場・露天をつけると費用はどうなりますか?
大浴場・露天は、循環ろ過装置(レジオネラ対策)・ボイラー・加温・循環ポンプ・多段階の防水工事が加わり、共用部が大きくなります。旅館・リゾートでは客室と並ぶ費用になることもあります。光熱費が運営コストの大半を占める点にも注意します。
民泊・ゲストハウスとホテルの違いは?
ホテル営業は15室以上が必要で主要客室は洋式・シングル9㎡以上など基準があり、簡易宿所(ゲストハウス等)や民泊はフロント設置義務がなく1人3.3㎡以上でこじんまりした作りも可能です。民泊は住宅宿泊事業法での届出というパターンもあります。規模・間取り・必要な手続きが変わります。
見積もりや相談は無料ですか?
店舗内装ドットコムでは、相談・見積もりは無料です。47都道府県・宿泊施設に対応する会社が見つかり、しつこい営業もありません。
30秒で結論
- 宿泊施設の費用は坪単価より「1室単価 × 室数」で積み上がる。1室は数十万〜数百万円、坪単価はビジネス坪50〜150万円・シティ/リゾート坪150〜250万円・ラグジュアリー坪250〜350万円が目安。上のシミュレーターで47都道府県×施設タイプの総額がすぐ出ます
- 費用は「施設タイプ × 規模(室数)× 新築か改装か」で決まり、客室+共用部の二層構造。旅館・リゾートは大浴場・露天で共用部が大きくなり客室比率が下がります
- 水回り(循環ろ過・防水・ボイラー)と法規(建築基準法の用途変更・旅館業法・消防)が重い。とくに延床200㎡超の用途変更(建築確認)はコンバージョンの最大のボトルネックです
- 費用も仕上がりも会社で大きく変わります。店舗内装ドットコムなら、宿泊施設に強い会社から無料で複数社の見積もりを取れます(しつこい営業なし)
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