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本記事の要点
- 東京の居酒屋内装は、坪単価40万〜90万円が中央帯。大衆居酒屋・立ち飲みは40万〜60万円、個性派・ネオ酒場・焼き鳥専門は55万〜80万円、海鮮・割烹寄りは70万〜100万円超で計画する。
- 居酒屋特有の8技術論点(焼き場大風量排気・グリストラップ・防音遮音・個室造作・喫煙対策・給排水給湯・空調換気・看板ファサード)が総工事費の40〜55%を占めるため、ここの設計と相見積もり粒度で総額が±15%動く。
- 居抜きvsスケルトンは「厨房レイアウトと排気経路の妥当性」「深夜酒類提供飲食店営業届出の動線」「譲渡対象機器の年式・耐用年数」「個室造作の流用可否」の4軸で判断する。
- 23区は繁華街型(新宿・渋谷・池袋・銀座)/下町型(北千住・錦糸町・赤羽)/オフィス街型(丸の内・新橋・神田)/郊外住宅型(自由が丘・荻窪)で内装トレンドと客単価帯が大きく異なるため、立地別の設計指針が不可欠。
- 本記事は実例の取材記事ではなく、公開情報・標準仕様・典型パターンから整理した費用と設計の判断ガイド。個別案件の正確な費用は、現地調査と相見積もりで確定する。
東京の居酒屋内装費用の相場感
東京の居酒屋内装は、坪単価40万〜90万円が中央帯で、大衆居酒屋・立ち飲み・小規模カウンター業態は40万〜60万円、個性派・ネオ酒場・焼き鳥専門・本格炭火系は55万〜80万円、海鮮割烹寄り・高単価業態は70万〜100万円超になる。坪単価のレンジが広いのは、厨房比率・排気設備規模・個室造作の有無・客単価帯と内装グレードの4要素が業態ごとに大きく異なるためで、同じ「居酒屋」でも実態は別業態である。
| 項目 | 大衆・立ち飲み | 個性派・焼き鳥 | 海鮮・割烹 |
|---|---|---|---|
| 坪単価レンジ | 40万〜60万円 | 55万〜80万円 | 70万〜100万円超 |
| 客席比率 | 70〜80% | 55〜65% | 50〜60% |
| 厨房比率 | 20〜30% | 30〜40% | 35〜45% |
| 客単価帯 | 2,500〜3,800円 | 4,000〜6,500円 | 6,500〜12,000円 |
| 個室・座敷 | 原則なし | 2〜4室+カウンター | 3〜6室+茶室風 |
| 排気規模目安 | 3,000〜5,000m³/h | 5,000〜8,000m³/h | 4,000〜6,000m³/h |
居酒屋の坪単価は厨房と排気で決まる
居酒屋は他の飲食業態(カフェ・パスタ専門店等)に比べて厨房比率が高く、特に炭火焼き場やフライヤーを持つ業態は排気ダクト・グリストラップ・給湯給水・電気容量の負荷が大きい。坪単価の差は内装デザインよりも、ほぼこの厨房・排気・電気のスペックで決まると考えてよい。
5業態別の坪単価と特徴(大衆・個性派・焼き鳥・海鮮・立ち飲み)
居酒屋を「大衆居酒屋」「個性派・ネオ酒場」「焼き鳥専門」「海鮮系」「立ち飲み」の5業態に分けて、それぞれの設計の重心と費用構造を整理する。同じ売上規模でも業態ごとに必要設備と内装の重心が異なるため、開業初期の業態決定がそのまま投資効率を左右する。
① 大衆居酒屋(坪単価40万〜60万円)
🍺 大衆居酒屋の特徴
② 個性派・ネオ酒場(坪単価55万〜80万円)
🍶 個性派・ネオ酒場の特徴
③ 焼き鳥専門店(坪単価60万〜85万円)
🍗 焼き鳥専門店の特徴
④ 海鮮系・割烹寄り居酒屋(坪単価70万〜100万円超)
🐟 海鮮・割烹寄り居酒屋の特徴
⑤ 立ち飲み・角打ち(坪単価35万〜55万円)
🥃 立ち飲み・角打ちの特徴
坪数別の費用モデル(10坪・15坪・25坪・40坪)
東京の居酒屋物件は10坪〜40坪のレンジに集中する。坪数によって最適業態と必要設備が大きく変わるため、物件選定時から坪数→業態→必要設備→総工事費の順で逆算する設計が定石である。下記は坪単価×坪数の単純計算ではなく、実際の物件で発生する坪数効果(厨房・トイレ・空調の固定費)を加味した目安である。
| 坪数 | 適合業態 | 客席数目安 | 標準坪単価 | 総工事費目安 |
|---|---|---|---|---|
| 10坪 | 立ち飲み・小規模カウンター・焼き鳥専門 | 10〜15席 | 50〜70万円 | 500〜700万円 |
| 15坪 | 個性派・ネオ酒場・焼き鳥+少人数席 | 16〜24席 | 55〜75万円 | 825〜1,125万円 |
| 25坪 | 大衆居酒屋・海鮮・個室付き業態 | 30〜45席 | 50〜70万円 | 1,250〜1,750万円 |
| 40坪 | 大型居酒屋・個室+座敷複合・宴会対応 | 50〜80席 | 45〜65万円 | 1,800〜2,600万円 |
10坪の坪単価が高いのはなぜか
10坪規模では厨房・トイレ・空調設備の坪単価が固定的に発生するため、客席1坪あたりの工事費が割高になる。逆に40坪を超えると客席部分の単純造作の比率が増えて坪単価は下がる傾向。ただし40坪以上は個室・座敷造作・宴会動線・大型空調・防音区画など固有コストが上乗せされるので、絶対額では大きくなる点に注意。
居酒屋内装の8技術論点と費用
居酒屋内装で総工事費の40〜55%を占めるのは、内装デザインよりも下記8技術論点である。設計打ち合わせの早い段階で各論点の仕様を確定しないと、相見積もり段階で各社の前提がバラついて比較不能になり、追加工事リスクも高まる。
① 焼き場・大風量排気ダクト
🔥 焼き場・大風量排気ダクトの設計指針
② グリストラップ
🧫 グリストラップの設計指針
③ 防音・遮音設計(深夜営業対策)
🔇 防音・遮音設計の指針
④ 個室・座敷造作
🏯 個室・座敷造作の設計指針
⑤ 喫煙対策(改正健康増進法)
🚭 喫煙対策の設計指針
⑥ 給排水・給湯
🚰 給排水・給湯の設計指針
⑦ 空調・換気
💨 空調・換気の設計指針
⑧ 看板・ファサード
🪧 看板・ファサードの設計指針
費用内訳5大項目(基本内装・厨房・排気/グリス・個室造作・空調電気)
居酒屋の総工事費を構成する主要5項目の標準比率は下記。同じ業態・同じ坪数でも各社の見積では「どの工事をどの項目に入れるか」がバラつくため、相見積もり比較時はこの5項目の総額で並べ直すと適正性を判断しやすい。
| 項目 | 大衆居酒屋 | 個性派・焼き鳥 | 海鮮・割烹 | 主な工事内容 |
|---|---|---|---|---|
| ① 基本内装 | 30〜40% | 32〜42% | 35〜45% | 解体・墨出し・床壁天井造作・建具・塗装 |
| ② 厨房 | 20〜25% | 18〜25% | 22〜28% | 厨房機器・板場・冷蔵冷凍・シンク・厨房床防水 |
| ③ 排気・グリス・喫煙対策 | 12〜18% | 15〜25% | 10〜15% | 排気ダクト・脱臭・グリストラップ・喫煙室 |
| ④ 個室・座敷造作 | 0〜5% | 5〜15% | 10〜20% | 個室区画・座敷床上げ・遮音・建具・畳 |
| ⑤ 空調・電気・給排水 | 15〜20% | 13〜18% | 13〜18% | 業務用エアコン・電気容量増設・給排水給湯 |
居酒屋3業態の費用構造を比較
| 項目 | 立ち飲み15坪 | 個性派20坪 | 海鮮割烹30坪 |
|---|---|---|---|
| 総工事費 | 700万円 | 1,200万円 | 2,400万円 |
| ① 基本内装 | 280万円 | 420万円 | 960万円 |
| ② 厨房 | 140万円 | 240万円 | 600万円 |
| ③ 排気・グリス・喫煙 | 105万円 | 240万円 | 320万円 |
| ④ 個室・座敷造作 | 0万円 | 120万円 | 360万円 |
| ⑤ 空調・電気・給排水 | 105万円 | 180万円 | 320万円 |
| 坪単価 | 47万円 | 60万円 | 80万円 |
客席レイアウトと個室・座敷の設計
居酒屋の客席設計は「カウンター席比率」「テーブル席のレイアウト」「個室・座敷の配置」の3軸で決まる。業態と立地によって最適な比率は異なるが、東京の居酒屋では下記の標準パターンが目安になる。
| 業態 | カウンター | テーブル席 | 個室・座敷 | 1人客比率目安 |
|---|---|---|---|---|
| 立ち飲み・角打ち | 80〜100% | 0〜20% | なし | 50〜70% |
| 焼き鳥専門 | 60〜80% | 20〜40% | 0〜10% | 30〜50% |
| 個性派・ネオ酒場 | 30〜50% | 40〜60% | 0〜20% | 15〜30% |
| 大衆居酒屋 | 10〜20% | 60〜80% | 10〜20% | 5〜15% |
| 海鮮・割烹寄り | 20〜30% | 30〜50% | 30〜50% | 10〜20% |
カウンター席の設計指針
🪑 カウンター席の標準寸法と論点
個室・座敷の設計指針
🏯 個室・座敷の標準寸法と論点
個室と消防法・建築基準法の関係
個室を多く設ける居酒屋では、煙感知器(または熱感知器)の各個室設置、避難経路の確保(袋小路にしない)、防火区画の遵守が必要になる。8名以上の個室を3室以上配する場合は確認申請の対象になることがあるため、建築士・消防署事前協議を計画初期に行う。
居抜き or スケルトン|居酒屋の判断軸
居酒屋の物件は「居抜き」(前テナントの内装・厨房を引き継ぐ)と「スケルトン」(コンクリート躯体のみで引き渡し)から選ぶ。総工事費は居抜きで30〜60%、スケルトンで100%が目安だが、居抜きでも条件を満たさない物件を選ぶと「中途半端な改修+追加工事」で結果的にスケルトンより高くつくことがある。判断は下記4軸で行う。
判断軸① 厨房レイアウトと排気経路の妥当性
🔧 厨房・排気の引き継ぎ判定
判断軸② 深夜酒類提供飲食店営業届出の動線
📋 深夜営業届出の引き継ぎ判定
判断軸③ 譲渡対象機器の年式と耐用年数
🛠️ 厨房機器・空調の年式判定
判断軸④ 個室・座敷造作の流用可否
🪟 個室・座敷の流用判定
| 判定軸 | 居抜き有利 | スケルトン有利 |
|---|---|---|
| 厨房・排気 | 同業態の前テナント/設備3〜5年以内 | 異業態転用/設備10年超 |
| 深夜営業 | 前テナントが同条件で届出済 | 用途地域・条例で要件不一致 |
| 機器年式 | 譲渡契約に型番・年式・状態明記 | 現状有姿のみ/稼働確認なし |
| 個室・座敷 | 区画と新業態が一致 | カウンター比率の高い業態に変更 |
| 総工事費目安 | 30〜60%(スケルトン基準) | 100% |
居抜きで「結局スケルトンより高くなった」を防ぐには
内見時の現地確認だけでなく、内装会社(または建築士)に同行を依頼して厨房・排気・電気容量・防水の状態を専門目線で診断してもらう。診断費は3万〜10万円程度で、これを惜しんで譲渡契約を進めると数百万単位の追加工事リスクを背負うことになる。
居酒屋開業の許認可と費用
居酒屋開業には飲食店営業の基本許認可に加え、深夜営業・喫煙対策・風俗営業(カラオケスナック・接待提供時)等の業態固有許可が関わる。各許認可は申請から取得まで2週間〜2ヶ月かかるため、内装工事完了→保健所検査→営業許可→OPENの逆算で計画する。
| 許認可 | 申請先 | 費用目安 | 標準期間 | 主な要件 |
|---|---|---|---|---|
| 飲食店営業許可 | 保健所 | 1.6〜1.8万円 | 2〜3週間 | 厨房面積/2槽シンク/給湯設備/グリストラップ等 |
| 食品衛生責任者 | 食品衛生協会 | 1万円 | 1日講習 | 調理師・栄養士は免除 |
| 防火管理者 | 消防署 | 4,000〜7,500円 | 1〜2日講習 | 収容人員30人以上の店は必須 |
| 深夜酒類提供飲食店営業届出 | 警察署 | 1〜3万円(行政書士費別) | 10〜14日(受理後) | 用途地域確認/間取り図/客席10㎡以上等 |
| 風俗営業許可(接待行為あり) | 警察署 | 2.4万円+行政書士10〜30万円 | 2ヶ月 | 風営法1号許可/用途地域厳格 |
| 火を使用する設備等の設置届 | 消防署 | 無料 | 事前協議 | 大型炭火焼台・大型フライヤー設置時 |
| 建築確認申請(用途変更) | 建築主事・確認検査機関 | 10〜30万円+設計監理費 | 1〜2ヶ月 | 200㎡超で用途変更時に必要 |
居酒屋特有の届出論点
📋 深夜酒類提供飲食店営業届出の重要ポイント
コストを抑える6つの工夫
居酒屋内装で最終的な総工事費を15〜25%圧縮するための実務的な工夫を6つ整理する。安易な値引き要請ではなく、設計仕様の見直しと相見積もり粒度の精緻化で実現する手法である。
同業態(できれば同じ営業形態)の居抜き物件を、内装会社同行で診断。OK判定なら工事費30〜60%圧縮。NG判定の物件は除外する。譲渡料は別予算で計算。
業務用エアコン・冷蔵冷凍・製氷機はリース活用で初期投資を分散。中古機器は業務用厨房機器の専門業者から年式・保証付きで調達。新品比50〜70%で導入可能。
個室の数を増やすより、4名・6名・8名の使い分けで最大化。「使われない15名個室」を作らない。掘りごたつは床下空間が必要なため、計画段階で物件選定と連動。
大型炭火焼台を設置する場合、ビル管理会社・上階テナントとの事前協議を計画初期に実施。屋上ダクト経路の制限(防水・荷重・騒音)を先に確認すれば後付けの追加工事を回避できる。
3社以上に同一仕様書(坪数・厨房機器リスト・排気規模・個室数・遮音等級・造作グレード)を渡し、項目別の単価で比較。「一式」表記の見積は項目分解を依頼する。
繁忙期(3月・9月の決算期、年末)を避けて4〜5月・10〜11月の閑散期に施工依頼すると、内装会社の人件費・資材調達コストが下がりやすい。1〜2ヶ月の余裕で5〜10%削減できることも。
業者選びの3軸と質問15項目
居酒屋の内装会社選びは「飲食店施工実績の深さ」「深夜営業・防音対応の経験」「保健所・消防署対応のスムーズさ」の3軸で判断する。下記15問は3社以上の比較時に同じ問いを投げて、回答の具体性で選別するためのチェックリストである。
軸① 飲食店施工実績の深さ(5問)
- 居酒屋・ダイニング業態の施工実績は過去3年で何件か(公開できる事例の数)
- 炭火焼き場や大型フライヤーを設置した飲食店の実績はあるか(排気設計の経験)
- 類似坪数(10〜40坪)の居酒屋施工実績で、坪単価のレンジを公開できるか
- 居抜き物件の譲渡前診断(厨房・排気・電気・給排水)の対応可否
- 東京の繁華街(新宿・渋谷・池袋)/下町/オフィス街の立地別経験はあるか
軸② 深夜営業・防音対応の経験(5問)
- 深夜酒類提供飲食店営業届出の店舗設計実績(用途地域・客席要件への適合)
- D-40・D-50等の遮音性能を要求された案件の経験と達成手法
- 住居直上のテナントで居酒屋を施工した実績と、近隣クレーム対応経験
- 排気・脱臭装置(電気集塵機・UV脱臭等)の選定・設置経験
- 個室造作の遮音設計(VIP個室・接待個室の防音)の実績
軸③ 保健所・消防署対応のスムーズさ(5問)
- 保健所事前協議の同行可否(営業許可の取得スムーズ化)
- 消防署への火を使用する設備等の設置届の代行可否
- 建築確認申請が必要な場合の建築士連携体制
- 飲食店営業許可までのスケジュール管理(過去案件の取得期間目安)
- 営業開始後の不具合対応(保証期間・アフターメンテナンス契約)
業者選びの典型的な失敗パターン5つ
- 1社見積もりで決定:居酒屋業態は技術論点が多く各社の前提が異なるため、1社のみだと相場感が掴めず適正価格判断ができない。最低3社の同一仕様での相見積もりが鉄則。
- 住宅・カフェ系業者への依頼:排気・グリス・深夜営業の要件理解が浅く、想定外コストや営業開始遅延の原因に。居酒屋・ダイニング・焼き場のある飲食店の実績がある業者を選ぶ。
- 「一式」見積の鵜呑み:細目分解されない見積では追加工事の発生原因が後から特定できず、最終的に総額が膨らむ。必ず項目別単価で出してもらう。
- 譲渡料と工事費の合算で総額判断:居抜きの譲渡料は工事費とは別の支出。譲渡料を高く払って工事費を圧縮できても、譲渡対象機器の劣化が早ければ短期的に再投資が必要になる。
- 営業許可スケジュールを設計に反映しない:保健所検査・消防署届出・深夜営業届出の各標準期間を逆算しないと、内装完了→OPENまで2〜3ヶ月のロスが発生する。
23区別の居酒屋内装の特徴
東京23区は立地特性によって居酒屋のターゲット客層・客単価帯・内装トレンドが大きく異なる。同じ20坪・1,500万円の予算でも、新宿と自由が丘では設計の重心が変わる。下記5タイプに分けて整理する。
① 繁華街型(新宿・渋谷・池袋・銀座・新橋)
🌃 繁華街型エリアの特徴
② 下町型(北千住・錦糸町・赤羽・上野・浅草)
🏘️ 下町型エリアの特徴
③ オフィス街型(丸の内・大手町・日本橋・神田・虎ノ門)
🏢 オフィス街型エリアの特徴
④ 郊外住宅・感度高エリア(自由が丘・三軒茶屋・中目黒・神楽坂・代々木上原)
🌳 郊外住宅・感度高型エリアの特徴
⑤ 新興・ベイエリア型(豊洲・有明・天王洲アイル・武蔵小杉)
🌊 新興・ベイエリア型エリアの特徴
よくある質問
- 東京の居酒屋を10坪で開業する場合、内装費はいくらかかりますか
- 10坪規模の居酒屋(立ち飲みまたは焼き鳥専門・小規模カウンター業態)の総工事費目安は500万〜700万円。坪単価は50万〜70万円で、これは厨房・トイレ・空調等の固定設備が10坪規模でも必要になるため、客席1坪あたりの単価が高くなる傾向による。スケルトンから新築する場合は800万円超を見込むことも多い。
- 居抜き物件を選べば工事費は半分以下になりますか
- 適切な居抜き物件であれば総工事費30〜60%(スケルトン基準)に収まることがある。ただし、前テナントが異業態(カフェ・洋食等)で排気規模が小さい、譲渡対象機器が10年超で耐用年数を超えている、深夜営業届出の要件を満たさない設計、などのケースでは「中途半端な改修+追加工事」で結果的にスケルトンより高くつくことがある。内見時に内装会社同行で診断を受けるのが安全。
- 深夜営業(24時以降)の届出はどこまで複雑ですか
- 警察署への深夜酒類提供飲食店営業届出は受理後10〜14日で営業可能。ただし用途地域(住居系は原則不可)、店舗構造要件(客席10㎡以上・客室の見通し確保)、客への接待行為禁止などの要件が細かく、行政書士に依頼すれば1〜3万円+報酬10〜20万円で代行可能。物件選定時に用途地域を必ず確認する。
- 炭火焼き場を入れるとビルから断られることがありますか
- RC造のビルでは屋上ダクト経路の確保・荷重・防水・近隣騒音の観点から、大型炭火焼台の設置を制限することがある。特に住居・オフィスとの混在ビルでは管理会社が事前協議を求めるケースが一般的。物件契約前に「業態(焼き鳥・炭火)」「排気規模目安」「ダクト経路の希望」を伝えて確認するのが確実。事後発覚で営業計画が狂うリスクが大きい。
- 個室を多く作ると確認申請が必要になりますか
- 200㎡を超える店舗で用途変更(事務所→飲食店等)を伴う場合は確認申請が必要。200㎡以下でも、防火区画の見直し、避難経路の変更、防火戸の設置などが必要なケースでは消防署事前協議が発生する。8名以上の個室を3室以上配する場合は計画初期に建築士・消防署協議を行うのが定石。
- 喫煙対応の店として開業できますか
- 2020年4月の改正健康増進法施行後、新規開業店は原則屋内禁煙が前提。例外的に「客席面積100㎡以下かつ資本金5,000万円以下の既存特定飲食提供施設」は経過措置で全席喫煙可だが、これは2020年4月時点で既に営業していた店が対象で、新規開業はほぼ全て対象外。新規は「全席禁煙」または「加熱式タバコ専用室+飲食可」「喫煙専用室(飲食不可)」のいずれかで設計する。
- 東京で居酒屋を開業する場合、家賃はどれくらいが妥当ですか
- 家賃の妥当性は売上比10〜15%が目安。月商600万円の店なら家賃60万〜90万円までが健全範囲。新宿・渋谷・銀座等の繁華街は坪3万〜6万円、下町は坪1.5万〜3万円、オフィス街は坪3万〜5万円、郊外住宅街は坪2万〜3.5万円。立地ごとに客単価帯と回転数が異なるため、家賃比だけでなく月商シミュレーションで判断する。
- 初期投資はどのくらい必要ですか
- 20坪・大衆居酒屋を東京で開業する場合、内装工事1,000万〜1,400万円、厨房機器200万〜400万円、家賃保証金(10ヶ月)400万〜800万円、什器備品100万〜200万円、運転資金(3〜6ヶ月分)400万〜800万円で、総額2,100万〜3,600万円が標準レンジ。立ち飲み10坪なら1,200万〜1,800万円、海鮮割烹30坪なら3,800万〜6,500万円。
- SNS集客に強い内装にしたいのですが
- 個性派・ネオ酒場業態でSNS集客を狙う場合、入口(ファサード)・カウンター・店内中央(ボリューム感のある照明や装飾)の3カ所に「絵になる」要素を意識的に配置する。素材は単色平面より凹凸・反射のあるタイル・モルタル・木材・真鍮の組み合わせが投稿映えする。デザイン費・素材費を全工事費の8〜12%で計上するのが目安。
- 開業から黒字化までの期間はどれくらい見込めますか
- 立地・業態・客単価次第だが、東京の標準的な居酒屋(20坪・大衆型)で開業6〜12ヶ月で月次黒字化、24〜36ヶ月で初期投資回収が一般的なライン。繁華街型は早期に売上が立つが家賃も高く、下町型は売上の立ち上がりが遅いが運営コストが低く中期回収に向く。物件選定時に立地別の月次キャッシュフロー設計を必ずシミュレーションしておく。
予算別ロードマップ
居酒屋の総予算(内装+厨房+什器+運転資金)を3レンジに分けて、最適な業態・坪数・立地の組み合わせを示す。下記はあくまで標準的な選択肢の整理で、実際の意思決定は業態の専門性や立地の慣性も加味する。
① 1,200万〜1,800万円レンジ:低投資型
💴 1,200万〜1,800万円レンジの最適解
② 1,800万〜3,500万円レンジ:標準型
💴 1,800万〜3,500万円レンジの最適解
③ 3,500万円超レンジ:高投資型
💴 3,500万円超レンジの最適解
開業準備全体の費用イメージ
内装工事費以外も含めた開業全体の費用イメージを下記に整理する。20坪・大衆居酒屋を東京で開業する標準ケース。
| 項目 | 費用目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 内装工事費 | 1,000万〜1,400万円 | 坪単価50〜70万円×20坪 |
| 厨房機器 | 200万〜400万円 | 新品・中古・リースの組合せ |
| 什器・備品 | 100万〜200万円 | 食器・調理器具・テーブル・椅子 |
| 家賃保証金(10ヶ月) | 400万〜800万円 | 立地により坪3万〜6万円×20坪×10 |
| 仲介手数料・礼金 | 40万〜80万円 | 家賃1〜2ヶ月相当 |
| 各種許認可・申請費 | 10万〜30万円 | 飲食店営業・深夜営業・防火管理者 |
| 開業前広告宣伝費 | 30万〜100万円 | 看板・チラシ・SNS広告 |
| 運転資金(3〜6ヶ月分) | 400万〜800万円 | 家賃・人件費・原材料費 |
| 合計目安 | 2,180万〜3,810万円 | 立地・業態によって±20〜30%変動 |
運転資金の重要性
開業後3〜6ヶ月は売上が安定せず、家賃・人件費・原材料費が先行支出として続く。運転資金として3〜6ヶ月分を別途確保しておかないと、想定通りの売上が立たない時に追加融資・追加出資が必要になり、財務的に苦しくなる。日本政策金融公庫の新創業融資制度や信用保証協会付き融資の活用を計画段階で検討する。
東京×業態別の選び方シリーズ
- 東京の店舗内装会社の選び方|業態×立地×予算別の判断フレーム
- 東京の飲食店 内装会社の選び方|業態×立地×予算別の判断フレーム
- 東京の美容室 内装会社の選び方|業態×立地×予算別の判断フレーム
- 東京の物販店 内装会社の選び方|業態×立地×予算別の判断フレーム
- 東京のオフィス 内装会社の選び方|業態×立地×予算別の判断フレーム
- 東京のクリニック・医療施設 内装会社の選び方
- 東京のホテル・宿泊施設 内装会社の選び方
居酒屋・酒場業態の開業&デザインガイド
- 居酒屋開業ガイド|開業資金・資格・内装費用・成功のコツ
- 居酒屋のスケルトン開業ガイド|深夜酒類届出・個室遮音・酒類保管
- 居酒屋の内装デザイン完全ガイド|8テイスト徹底比較
- 居酒屋・ダイニング 内装業者の選び方|業態別の比較
- 焼き鳥店の内装デザイン完全ガイド|焼台・排煙設計
- 焼肉屋の開業ガイド|排煙設備・内装費用・資格
- 焼肉店のスケルトン開業ガイド|排気ダクト・無煙ロースター配管
- 焼肉店の内装デザイン完全ガイド|排煙・ロースター設計
- バー開業ガイド|開業資金・資格・内装費用
- バーの内装デザイン完全ガイド|カウンター・音響設計
- 和食・割烹料理店の開業ガイド|開業資金・資格・内装費用
- 串揚げ・串カツ店の開業ガイド|立ち飲み・カウンター・高級おまかせ
横断ピラー(費用・見積・業者選び)
- 店舗内装の費用相場ガイド|業態別・坪数別の総額シミュレーション
- 坪単価シミュレーター|10〜100坪の費用シミュレーション
- 店舗内装の相見積もりガイド|3社比較で適正価格を見極める
- 店舗内装会社の選び方完全ガイド|業態別・予算別の判断軸
- スケルトン開業ガイド|計画から引き渡しまでの全体像
- 居抜き改装ガイド|引き継ぎ判定と改修コストの目安
- 造作譲渡契約ガイド|契約前のチェックリストとリスク回避
- 店舗物件の保証金・敷金ガイド|立地別の相場と返還の実務
- 店舗の光熱費・水道代ガイド|業態別の月額相場
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