出す音と
業種・出す音・営業時間・物件の構造を伺い、防音を含む工事に対応できる内装会社を事務局が1社ずつ確認してご紹介します。
スナック・カラオケ・音楽教室などの開業、店舗の音漏れ対策に
その物件で、予定どおりに営業できるか。
防音は契約前から相談しましょう。
店舗の防音工事は、出す音・営業時間・隣や上下階の使われ方によって、必要な工事と費用が変わります。壁の材料や坪数だけでは、予算も完成後の音漏れも判断できません。
防音専門会社の公表例には、カラオケを使うスナックで200万円〜という目安があります。ただし、面積・仕様・税区分が示されていない過去の公表値です。このページでは、価格例の条件と、自店の見積もりを具体化する確認点を整理します。
相談・会社紹介は無料です。工事内容・地域・時期等により対応可否が異なります。調査・測定・設計・工事の依頼条件は各社へ事前にご確認ください。
店舗の防音工事費用|業態別の公開例と読み方
費用を調べるときは、部分的な音対策、防音室の新設、店舗全体の内装工事を分けて見てください。次は防音専門会社「防音工事の匠」が2023年5月27日の記事で公表した目安です。現在の見積価格や全国平均ではありません。
| 同社が示す用途・対策 | 公表された費用目安 | 見積もりで確認する条件 |
|---|---|---|
| 2階以上の飲食店の足音・椅子を引く音などへの対策 | 50万円〜 | 対象となる床の範囲、下階への影響、既存床を残せるか |
| カラオケ設備を使うスナックなど | 200万円〜 | 音量・使用時間、隣接する住居、ドア・換気口を含む施工範囲 |
| ダンススタジオ | 500万円〜 | ジャンプ等の動作、同時利用人数、床と建物への振動対策 |
| ライブハウス・レコーディングスタジオなど | 700万円〜 | 楽器・低音、各室の面積、建物との取り合い、完成時の確認方法 |
出典:防音工事の匠「テナントの防音工事にかかる大まかな費用と相談の流れ」。2026年9月20日閲覧。掲載金額は原文の公表値で、面積・詳細仕様・税込/税別・内装設備を含む範囲は明示されていません。店舗内装ドットコムの施工実績・販売価格ではなく、この金額での施工を保証するものでもありません。
「店舗内装594万円」と「防音だけ594万円」は別です。
光洋リフォームが公開する長野市のロズベリーカフェの事例では、防音対策を含む店舗内装工事を594万円、工事期間を1か月としています。仕上げ・カウンター・設備等も紹介されており、防音工事だけの金額は分かれていません。面積・税区分も確認できないため、坪単価への換算や、自店の予算・工期への流用はできません。
出典:光洋リフォーム「ロズベリーカフェ様 店舗リフォーム事例」。2026年9月20日閲覧。施工会社が公表する個別事例で、当サイト経由の実績ではありません。
予算相談では「15坪のスナックはいくら?」に加えて、カラオケの有無、音を出す時間、隣・上下階の用途、工事に使える予算を伝えましょう。未確認の条件は未確認のままで構いません。まず現地調査の範囲と費用を相談します。
物件選びで確認すること|防音済み・RC造だけでは決めない
工事で希望を実現できるかは、物件を借りてからでは変えにくい条件にも左右されます。家賃と広さだけで申し込む前に、予定する音・時間帯で使えるかを貸主・管理会社と工事会社に確認してください。
| 確認すること | 資料・現地で確かめる内容 |
|---|---|
| 業種・営業条件 | カラオケ、演奏、ダンス等の可否。営業時間、音量、共用部でのルール。口頭の説明だけでなく契約書・管理規約と照合 |
| 隣・上下階・周辺 | 住宅、事務所、他店舗の位置と使用時間。出入口や換気口の向き。可能な範囲で予定営業時間帯の周辺状況を確認 |
| 建物と工事の制約 | 構造図等の有無、床に載せられる荷重の確認、躯体・共用部への工事可否、ビル指定業者の範囲 |
| 完成後の広さと高さ | 壁・床・天井を施工した後の内寸、客席・演奏スペース、段差、出入口、必要な動線 |
| 換気・空調・防火 | 給排気経路、空調、配管・配線、消防設備等を防音計画と両立できるか |
| 退去時の扱い | 防音設備の所有者、残置・撤去する範囲、原状回復の条件と撤去方法 |
「RC造なら大丈夫」「地下なら費用が半分」とは判断できません。壁や床の構成、開口部、他区画との接続が物件ごとに異なります。候補が複数あるなら、必要な追加工事と、実現できる営業条件を含めて比較します。
防音済みの居抜き物件は、前の店との違いを確認する
前店舗がカラオケ店でも、使用機器・営業時間・隣接テナントが変われば条件も変わります。施工図・測定結果・修繕履歴があれば入手し、ドアや換気設備の状態、予定する使い方に対して必要な調査を相談してください。資料がない場合も、既存設備を使える範囲と追加工事を現地で判断します。
契約前に、物件の用途地域を確かめる
東京都の環境確保条例のように、騒音の基準を用途地域などで決まる区分と時間帯ごとに定めている例があります(基準の表)。候補物件の用途地域と、適用される区分を確かめましょう。
出す音と
業種・出す音・営業時間・物件の構造を伺い、防音を含む工事に対応できる内装会社を事務局が1社ずつ確認してご紹介します。
スナック・カラオケ・ライブハウスなど、業態別に伝える条件
業態名だけで必要な防音性能を決めず、実際に行う営業・レッスン・演奏を伝えます。音を小さく申告すると、完成後に使いたい条件と計画が合わなくなります。
飲食店・クリニック・サロン
会話の聞こえ方、厨房・室外機の音、椅子の移動など、気になる場面を具体化。周囲への音と、個室内の会話のプライバシーを分けて相談します。
業態別の設計の要点|主な音と経路を先に押さえる
音漏れの対策は、壁・ドア・換気・床をまとめて確認
防音材を貼る前に、どこで出た音が、どの経路を通り、どこで聞こえるかを調べます。壁から直接伝わる音だけでなく、天井裏、開口部、建物を伝わる振動なども確認対象です。
壁・天井・床を通る音
隣接区画との間仕切りや建物との接続を調査。見えている壁だけを厚くしても、別の経路が残る場合があります。
ドア・窓・換気口
建具の仕様・取り付け状態、隙間、開閉時の漏れ、ダクトを確認。換気や避難に必要な開口部を自己判断で塞がないでください。
建物を伝わる振動
足踏み、器具、機械などが床・壁等を揺らす影響を確認。音源の設置方法と建物側の対策を合わせて検討します。
吸音と遮音も役割が違います。吸音は室内の反射音や響きを整える対策、遮音は他の空間へ伝わる音を減らす対策です。吸音パネルやカーテンの商品名だけで、営業音を外へ漏らさない性能が得られるとは判断できません。
参考:ヤマハ「アビテックスの遮音性」。同社も部屋の床・壁・天井・開口部と建物を含む防音処理、室内の響きの調整を説明しています。特定製品の性能をすべての店舗工事に当てはめることはできません。
防音の仕組み|空気・建物・すき間で止め方が違う
音は主に3つの経路で伝わり、経路ごとに止め方が違います。
関連:店舗の換気・給排気設計
D値・Dr等級・T等級など、見積もりで見る数字の意味
用語を暗記するより、その数字が「材料」「建具」「完成した部屋」のどれを表すかを確認しましょう。
| 表記 | 何を確認するか |
|---|---|
| D値・Dr等級 | 室間の音の差や遮音性能の説明に用いられる表記。測定場所・方法・周波数ごとの結果、現場での目標か製品のカタログ値かを確認 |
| TL・音響透過損失 | 壁や建具などの部材を音が通る際の性能。部材単体の値と、隙間・他経路を含む完成後の部屋の性能を区別 |
| T等級 | ドア・サッシ等の遮音性能を表す等級。T-1〜T-4があり、大きい方が高い性能。室全体の性能を保証する値ではない |
| 床衝撃音の等級・数値 | 上階の衝撃が下階でどう聞こえるかの評価。試験する衝撃源や評価方法を確認し、実際のダンス・器具使用の確認と分けて考える |
| dB | 音のレベル等に使う単位。どこで、いつ、どの機器・評価方法で測った値かをそろえて比較 |
参考:日本建設業連合会「T等級」、ヤマハのDr等級の説明。異なる指標の数値をそのまま比較しないでください。
遮音性能は「2つの部屋の音の大きさの差」で表す
部屋どうしの遮音性能は、音を出す部屋(音源室)と隣の部屋(受音室)の音の大きさの差で表します。それぞれの音圧レベルの室内平均の差を「室間音圧レベル差」(記号は D)といい、値が大きいほど遮音性能が高いことを示します。
- 完成した部屋の性能:部材単体の性能(音響透過損失)とは別で、仕切る部材の性能と面積、受音室の吸音の状態、すき間からの音漏れ、周りの部位からの回り込みに影響され、建物を伝わる音の影響を受ける場合もあります。
- 測り方と等級:一般にJIS A 1417で測定し、JIS A 1419-1の等級曲線で1つの数値に評価します。結果を日本建築学会の遮音性能基準の適用等級でランク分けする方法もあります。
出典:日本建設業連合会 音環境専門部会「室間音圧レベル差、空気音遮断性能」(2019年11月作成)。2026年10月1日確認。
カラオケは何デシベル?音の大きさの目安
深谷市(埼玉県)の「騒音の大きさの目安」では、カラオケ音(店内中央)は90デシベルで「きわめてうるさい」に分類されています。
出典:深谷市「騒音の大きさの目安」(PDF)。2026年10月1日確認。120・110・20デシベルの行は省略。同資料は、その場の状況や条件で感じ方や大きさが違うため、あくまで参考の目安としています。
必要な防音性能は、営業条件と現地調査から決める
「スナックだからD-55」「地下だから目標を5下げる」のように業種・階だけで固定すると、実際の音や隣室の条件を見落とします。音量から等級の数字を引くだけでも、隣で聞こえる音や条例への適合は確定できません。
- 営業条件を共有:機器・楽器、想定する音量・動作、人数、音を出す時間を伝える。
- 現状を調査:既存の音漏れ、周辺の音環境、建物・開口部・設備経路を確認する。
- 達成する状態を合意:確認する場所、評価方法、運用条件、必要な規制への対応を設計者と決める。
- 完成後の確認を契約に含める:測定・報告の範囲、目標に届かないときの対応と費用負担を確認する。
低音、声、足音では確認すべき内容が異なります。見積もりには等級の数字だけでなく、どの条件で何を確認するかを記載してもらってください。
必要な遮音の量は「音源側 − 受ける側の目標」から考える
遮音性能が音の大きさの差で表されるため、必要な性能も差で見当をつけます。ただし、引き算だけでは隣での聞こえ方や条例への適合は確定できないため、次の点も設計者と確かめます。
必要な差の目安 = ①音を出す部屋の音の大きさ − ②隣室・上下階で目標とする音の大きさ
- ①は営業条件で決まる:機器・楽器・音量・人数で変わります。音の大きさの目安は参考値とし、同じ条件での測定を設計者に相談します。
- ②は受ける側の用途と時間帯で決まる:住宅か店舗・事務所か、夜も使われるか。屋外は、条例の基準を敷地と隣地の境界線での音量で定める例があります(東京都の例)。
- 1つの数値だけで決めない:差は周波数ごとに変わり、すき間や回り込みで小さくなることもあります。完成後の確認方法まで決めておきます。
工事費の内訳|材料だけでなく、調査・設備・復旧まで見る
| 費用のまとまり | 見積書で明らかにしたい範囲 |
|---|---|
| 調査・設計・測定 | 既存調査、測定、図面、設計、完成後の確認・報告。どの段階から有料か |
| 解体・下地・防音施工 | 壁・床・天井の施工面積と構成、残す部分、既存内装の解体・処分 |
| ドア・窓・開口部 | 建具の製品・数量、枠と周囲の処理、必要な前室等、既存部材の流用 |
| 換気・空調・電気等 | 消音を含む設備計画、機器・配線・配管、貫通部処理、防火・消防設備との調整 |
| 内装仕上げ・復旧 | クロス・床仕上げ、造作、吸音・音響調整、既存部分との取り合い |
| 現場管理・その他 | 搬入・養生、作業時間の制約、諸経費、追加工事の条件、消費税 |
防音工事と店舗内装を別発注するなら、設備の穴あけ、仕上げ、完成時の確認を誰が担当するかを決めます。同じ工事が二重計上されることも、双方の見積もりから抜けることも防ぐためです。
予算を具体化する手順|防音費と開業総額を分けて整理
面積だけからの自動計算では、防音室の数、扉・換気の数、必要な性能を反映しきれません。最初は次の4つの金額を、確認できたものから埋めていきます。
- 調査・設計・測定:依頼前に費用と成果物を確認。
- 防音に必要な工事:施工範囲・性能確認の条件をそろえた見積もり。
- その他の内装・設備:厨房、給排水、空調、家具、看板等。防音側の見積もりとの重複を確認。
- 工事以外:物件取得、工事期間中の家賃、備品、開業後の運転資金等。
営業中の改修では、休業できる日数も予算判断に含めます。部分工事を分けて行う案とまとめて行う案について、工事費だけでなく、営業できない期間や再開準備を比べましょう。
予算に収まらないときは「必要な性能を削る」前に相談。
音を出す範囲・機器配置・営業時間・候補物件を変える案、使える既存設備を残す案、意匠や家具を見直す案を比べます。対策を減らせるかは、変更後の営業条件で再確認してください。
防音工事の見積もり比較|会社選びで確認する10項目
防音専門会社に依頼する方法と、専門会社と連携できる内装会社に防音も含めて依頼する方法があります。自店と近い音・建物条件への対応経験と、設計・施工・確認の担当を聞きましょう。
- 用途:楽器・カラオケ・動作・人数・時間帯が提案に反映されているか。
- 調査:音漏れ経路、隣接区画、既存構造を何の資料・調査で判断したか。
- 目標:どの場所でどの状態を目指し、どう評価するか。
- 施工範囲:壁・床・天井・ドア・窓・換気を図面や数量で確認できるか。
- 設備・仕上げ:防音と内装・換気・空調・消防等の担当範囲がつながっているか。
- 室内寸法:完成後の高さ・広さ、段差、客席・機材配置を確認したか。
- 承認・手続き:管理会社や関係窓口への確認を誰が、いつまでに行うか。
- 完成時の確認:測定条件、報告書、依頼者の立ち会い、未達時の扱いが明記されているか。
- 金額:税込総額、別途費用、追加工事の判断・承認手順、支払条件が分かるか。
- 工程・引き渡し後:設計・承認・製作・施工・確認の日程、保証範囲、問い合わせ先は明確か。
同じ要望を伝えても、会社ごとに工法が異なることはあります。材料の枚数だけをそろえるのではなく、目指す状態・工事範囲・確認条件の違いを説明してもらうと、金額差を判断しやすくなります。
防音と店舗内装を、一緒に相談したい方へ
物件が決まっていなくても、業種・出店予定エリア・音を使う時間・予算をお伝えください。条件に対応できる会社を確認し、ご紹介します。
対応会社の有無は内容・地域・時期等によります。調査・設計・工事の料金は各社へ確認してください。
見落としたくない床荷重・換気・空調・防火
防音のために床や壁を追加すると、重さや仕上がり寸法が変わります。建物に追加できる荷重を設計者とビル側に確認し、工法を決めてください。RC造だから重い床を自由に施工できるとは限りません。
換気設備は、空気を通しながら音への対策も検討する必要があります。給排気量、ダクト経路、消音、空調、配管・配線の貫通部を一緒に設計します。吸音材で換気口を塞いだり、ファンだけを大きくしたりして解決しようとしないでください。
仕上げ材や吸音材、扉・避難経路、消防設備等は、用途・規模・建物条件に応じて確認します。防音製品であることと、防火上の要件に適合することは別です。適用される条件を設計者に整理してもらい、必要な窓口と協議します。
深夜営業・カラオケの規制|出店地と建物の条件を確認
音に関する規制は、地域・営業内容・時間帯・設備等によって異なります。全国一律の数値やD値だけで、営業できるとは判断できません。
例えば東京都の環境確保条例第131条は、飲食店営業でのカラオケ装置等について、午後11時から翌午前6時の使用を制限しています。防音対策により外部へ音が漏れない場合などの例外もありますが、「数曲だけ」「防音ドアを付けた」だけでは適用を判断できません。
出典:東京都「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」第131条、東京都環境局の制度案内。2026年9月20日確認。出店地の最新の条件は担当窓口へご確認ください。
店舗の音の規制は、騒音規制法・自治体の条例・風営法で確認する
数値や時間帯は自治体ごとの条例で異なります。以下は東京都の例です。
東京都の例:敷地の境界で測る騒音の基準(環境確保条例)
東京都の環境確保条例は、店舗に限らず適用される日常生活等の騒音の基準を、音源のある敷地と隣地との境界線での音量で定めています(第136条・別表第十三)。
単位:デシベル。第二種〜第四種区域内の学校・保育所・病院・診療所・図書館・老人ホーム・認定こども園の敷地の周囲おおむね50メートルの区域は、表の値から5デシベルを減じた値が基準です。
- カラオケなど音響機器(第131条):飲食店営業を営む者は、午後11時〜翌日午前6時、営業する場所でカラオケ装置などを使用し、または使用させてはならないとされています(防音対策で音が外部に漏れない場合などを除く)。
- 深夜の営業の騒音(第132条):住居系の用途地域(知事が指定する区域を除く)と、隣接して知事が指定する区域で、深夜(午後11時〜翌午前6時)に飲食店営業などを営む場合は、規則で定める場合を除き、敷地と隣地の境界線での音量が別表第十二の基準(区域により40〜55デシベル。区域の分け方は上の表〔別表第十三〕と一部異なります)を超える騒音を、敷地内で発生させてはならないとされています。
風営法:接待を伴う営業や、深夜0時以降の飲食店の騒音の数値
風営法第15条は、風俗営業の騒音・振動を都道府県の条例で定める数値で規制する仕組みで、深夜(午前0時〜午前6時)の飲食店営業にも準用されます(同法第32条第2項)。東京都の施行条例第6条の騒音の数値は次のとおりです。
単位:デシベル。第一種文教地区に当たる部分は1行目の数値です。振動の数値は都内全域で55デシベルです(同条第2項)。
警察庁の解釈運用基準は、風俗営業の構造・設備の基準のうち騒音・振動の部分を、営業に伴う騒音が条例の数値に達する場合は防音設備を設けなければならない趣旨と説明しています(壁が厚い、境界まで相当の距離があるなどで外部に音が漏れない場合にまで求めるものではない、とも)。
出典:環境省「騒音規制法の概要」、環境庁大気保全局長通知「深夜営業騒音等の規制について」(昭和55年10月30日)、東京都「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」(第131条・第132条・第136条、別表第十・第十二・第十三)、東京都「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例」(第6条)、警察庁「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律等の解釈運用基準について」(平成30年1月30日)。2026年10月1日確認。
出店地と建物で確認する先
- 自治体の環境担当:所在地・用途地域・営業予定時間・使用機器を伝え、適用基準と測定場所・方法を確認。
- 所轄警察署等:接待、酒類提供、深夜の営業内容に応じて必要な許可・届出や営業条件を確認。
- 貸主・管理会社:賃貸借契約、管理規約、工事承認、隣接テナントとの取り決めを確認。
行政上の基準への対応と、建物内の隣室・上下階での使いやすさは、それぞれ確認が必要です。設計者には、確認先・適用条件と、工事で対応する範囲をまとめてもらいましょう。
営業中の音漏れ・近隣からの相談がある場合
既に音の問題があるなら、先に「どの音が、いつ、どこで気になるか」を整理します。原因を決めつけて壁を追加する前に、現地調査を依頼してください。
- 当面の運用を調整:音量や使用時間、機器の運用を見直し、管理会社に状況を共有。
- 状況を記録:日時、稼働機器、動作、出入口の開閉、気になる場所を記録する。
- 調査を手配:立ち入りや測定は相手・管理会社と調整し、同じ条件で再現できるか確認する。
- 対策と確認方法を決める:原因に応じた工事・設備修繕・運用変更を比較し、実施後の確認日を決める。
屋外での話し声や搬入出など、室内の防音工事だけでは対応できない場面もあります。工事中の案内、営業時の出入り、引き渡し後の機器管理まで含めて計画してください。
対策工事の前後と営業再開後にできる近隣への配慮
- 工事前:上下・隣のテナントや近隣に工期・作業時間帯・連絡先を案内し、ビルの作業時間の決まりも確認します。
- 引き渡し前:営業と同じ機器・音量・ドアの開け閉めで、隣室・上下階と屋外(敷地の境界付近)の聞こえ方を確かめ、測った場所・時間帯・方法を記録します。
- 開業・営業再開後:出入口付近の話し声、店先での喫煙、搬入出、室外機の運転時間など、運用で抑える音のルールと、近隣からの連絡を受ける担当者を決めておきます。
苦情や行政の指導を受けたときに加えて確認すること
- 経路の見当:ドアの開け閉めと連動して聞こえるなら開口部、上下階だけで聞こえるなら床・天井や建物を伝わる経路、のように聞こえ方から見当をつけ、調査で確かめます。
- 行政の手続き:東京都の環境確保条例には、騒音の規定に違反し周辺の生活環境に支障がある場合の勧告(第138条)、勧告に従わない場合などの命令(第139条)、深夜の音響機器の使用制限(第131条)に違反している場合の警察官の立入り・指示(第154条)の規定があります。手続きは自治体などで異なるため、窓口の指示に沿って進めます。
出典:東京都「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」第131条・第138条・第139条・第154条。2026年10月1日確認。
店舗の防音工事でよくある質問
スナックの防音工事はいくらかかりますか?
防音専門会社の過去の公表例には、カラオケ設備を使うスナックで200万円〜という目安があります。ただし面積・仕様・税区分が示されておらず、現在の施工総額は判断できません。物件の構造、隣接用途、営業時間、工事範囲を伝え、現地調査後の見積もりで確認します。
10坪・15坪など、坪数だけで費用を計算できますか?
坪数は必要な情報ですが、それだけでは算定できません。同じ広さでも部屋数、ドアや換気口の数、既存の構造、音の種類や必要な対策が違います。面積と一緒に、図面・写真・音を使う条件を共有してください。
防音パネルや防音カーテンだけで営業できますか?
室内の響きの調整と、隣室・屋外への音漏れ対策は別に考えます。製品名だけで必要な性能が得られるとは判断できません。現在の音漏れ経路と営業条件を調べ、適切な方法を相談してください。
防音ドアを付ければ、深夜にカラオケを使えますか?
ドアだけでは判断できません。壁・床・天井・換気等から伝わる音、出入口を開けたときの状態も確認します。自治体の音響機器使用に関する規制と建物のルールを、出店地で確かめてください。
防音済みの居抜き物件なら、そのまま使えますか?
前店舗の施工資料・測定結果・修繕履歴、現在の設備状態と、今回の使い方を確認して判断します。前と同じ業種でも、機器や営業時間、隣接テナントが変わると必要な条件が変わります。
D値が高ければ近隣への音漏れはなくなりますか?
等級の数字だけでは、実際の低音・振動・開口部からの音や、近隣での聞こえ方までは判断できません。音を出す条件、確認する場所、測定方法、完成後の対応まで設計者と合わせてください。
営業しながら防音工事はできますか?
対象範囲や安全な区画分け、作業音、設備の停止、工事後の確認によります。営業を続ける前提で決めず、休業できる期間を伝え、部分施工とまとめて施工する案を比較しましょう。
防音工事の工期はどれくらいですか?
工事範囲、部屋数、建具等の納期、ビルの作業条件で変わります。施工日数だけでなく、調査・設計、管理会社等の承認、製作、完成時の確認を含む日程を依頼し、開業・営業再開日から調整します。
防音工事だけを別の会社に頼めますか?
分離発注も選択肢です。内装・空調・換気等との境界、穴あけや仕上げの担当、完成時の性能確認、保証の窓口を合わせる必要があります。同じ会社に依頼する場合も、防音の設計と測定を担う体制を確認してください。
カラオケは何デシベルですか?
深谷市(埼玉県)の「騒音の大きさの目安」では、カラオケ音(店内中央)は90デシベルで「きわめてうるさい」に分類され、普通の会話は60デシベル、閑静な住宅地の昼は40デシベルとされています。実際の音は機器・音量・部屋で変わります。
店舗の騒音の規制は、何で決まりますか?
一般的には、所在地の自治体の条例と、営業の種類によっては風営法で定められています。騒音規制法は政令で定める施設を置く工場・事業場などが対象で(店舗でも該当する施設を置くなら確認します)、深夜の飲食店営業などの騒音は、地方公共団体が必要な措置を講ずるとされています(同法第28条)。適用される区分と数値は、出店地の自治体の環境担当と所轄の警察署で確認してください。
東京都の騒音の基準は、夜11時以降は何デシベルですか?
東京都の環境確保条例(別表第十三)では、午後11時〜翌午前6時の基準は、敷地と隣地の境界線での音量で第一種区域40、第二種区域45、第三種区域50、第四種区域55デシベルです。風営法の東京都の施行条例(第6条)の午前0時〜午前6時の数値は、地域により40・45・50デシベルです。学校・病院などの周辺では基準が下がる場合もあるため、出店地の窓口で確認してください。
物件が未定でも相談できますか?
出店予定エリア、業態、音の種類と使用時間、想定面積、予算、開業希望時期を整理して相談できます。店舗内装ドットコムでは条件に対応できる会社を確認してご紹介します。内容・地域・時期等によって紹介できない場合があります。
防音を含む店舗工事の相談|専門用語やD値が分からなくても大丈夫
最初から工法や等級を指定する必要はありません。やりたい営業と物件の状況を伝え、調査・提案の進め方を相談してください。次の項目を分かる範囲で整理すると、条件の行き違いを減らせます。
・出店エリア/物件取得済み・候補あり・探している:
・予定面積・部屋数/図面・写真の有無:
・音の種類(カラオケ・楽器・BGM・ダンス・機械など):
・使用する機器・人数/音を出す時間:
・構造・階数/隣・上下階の用途(不明なら不明):
・現在の音の問題/管理会社に確認したこと:
・防音以外の工事(内装・厨房・空調・照明など):
・予算/開業・再開希望日/休業できる期間:
・相談したいこと(物件の適性・調査費・工事範囲・見積もりなど):
例:「15坪前後のスナックを開業予定です。カラオケを使い、夜間営業を考えています。候補物件はありますが上階の用途と防音性能は未確認です。物件を契約する前に、防音と内装を合わせた工事範囲・予算を相談したいです。」
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相談・会社紹介は無料です。紹介を受けたことで工事契約が決まるわけではありません。内容・地域・時期等により紹介できない場合があります。調査・測定・設計・工事は、各社の条件と費用を確認したうえでご依頼ください。
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