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「自分のアパレルショップ、内装にいくらかかる?」を最初につかみましょう。業態(ブランドの格)・出店形態・什器・試着室・坪数を選ぶと、売場づくりを主役に開業総額の目安が、47都道府県の地域係数つきで出ます。什器を造作にするか既製にするか、商業施設か路面かで、金額が段差で変わります。これはアパレルならではの動き方で、「どこにお金がかかるのか」を入力しながら体感できます。
金額はあくまで概算ですが、業態や什器の作り込みによって総額が大きく開くことが分かります。とくにアパレルは飲食店と違い、厨房ではなく売場(照明・什器・試着室)が主役の業態です。まずは自分の構想に近い条件で動かし、内訳のどこが重いのかを確かめてください。
アパレルショップの開業費用シミュレーター
30秒・無料業態・出店形態・什器・試着室・規模から、売場づくりを主役に開業総額の目安がわかります。
この条件での開業総額の目安
―〜―万円
内装・売場・物件・運転資金の合計概算
坪数別の早見表(現在の条件・―)
アパレルの内装費は売場づくり(照明・什器・試着室)が主役で、什器の造作/既製や業態、会社によって数百万円の差が出ます。複数社を比べて選ぶのが失敗しないコツです。
この試算の前提と注意事項
※金額は概算です。実額は物件の状態や什器のグレード・既製活用、工事区分で変わるため、最終的には複数社の見積もりで確定してください。
費用を決める「2つの軸」(ブランドの格×出店形態)
アパレルの内装は「内装をおしゃれに」から考え始めがちですが、費用を本当に動かしているのは色や素材ではありません。「ブランドの格」と「出店形態」の2軸で、費用と設計の大枠はほぼ決まります。シミュレーターも、この2軸を入力させて金額の段差を見せる仕組みです。
軸1:ブランドの格(客単価)
ファストファッションかセレクトショップかラグジュアリーかで、内装グレードと什器・照明の作り込みが変わります。服の品質が同等でも、空間のクオリティで購買意欲・客単価・リピート率に差が出るのがアパレルです。格が上がるほど造作什器・上質な素材・照明への投資が増えます。
軸2:出店形態(路面か商業施設か)
路面店か、ファッションビル・ショッピングモールなどの商業施設テナントかで、工事区分(A/B/C)・指定業者・自由度・原状回復が変わります。商業施設は集客力がある一方、館のルールやB工事(後述)で費用が膨らむことがあります。路面は自由度が高く、相見積もりで費用を抑えやすいのが特徴です。立地の集客力と、費用・自由度のバランスで選びます。どちらの形態でも、内装と什器の費用は会社によって大きく変わるため、複数社で比べる価値があります。
アパレルは飲食と真逆——売場が主役
飲食店は厨房・排煙・防水など「裏(バックヤード)」に費用が集中します。アパレルはその逆で、厨房がない分の工事費は軽く、代わりに照明・什器・試着室といった「表(売場)」に費用が集まります。しかもその多く(什器)は移設できる可動資産で、原状回復が必要な内装工事とは性質が違います。この違いを押さえると、どこにお金をかけるべきかが見えてきます。たとえば同じ20坪でも、既製什器中心のカジュアル店と、造作什器を作り込んだセレクト・ラグジュアリーでは、売場づくりの費用が倍以上変わることも珍しくありません。
まずは2軸を入れて、複数社の見積もりで費用配分を見比べてみましょう。
費用相場と内訳・坪単価(居抜き/スケルトン/商業施設)
アパレルの開業費用は「内装工事・売場づくり(照明・什器・試着室)・物件取得・運転資金」の合計です。中でも売場づくりの比率が高いのがアパレルの特徴で、ここを理解すると予算配分の判断がぶれません。まずは費目の全体像と坪単価をつかみましょう。
内装工事費は床・壁・天井・仕上げ・基本造作で、厨房や排煙がない分、飲食店より抑えやすい費目です。売場づくりは照明・什器・試着室で、アパレルではここが主役。物件取得費は保証金・礼金・仲介手数料で立地により大きく動き、運転資金は開業後しばらくの家賃・人件費・在庫仕入れをまかなう数か月分の余力です。内装の坪単価だけで資金計画を立てると不足しがちなので、合計で見るのが基本です。とくにアパレルは売場づくり(照明・什器・試着室)の比率が高く、ここを軽く見積もると「内装が思ったより高かった」となりがちです。
坪単価の目安(出店形態で大きく変わる)
物件と出店形態によって坪単価はまったく変わります(什器・照明を含む内装一式の目安)。20坪の標準的な店舗なら、内装一式はおおむね600〜1,400万円が現実的なレンジです。ただし什器を造作で作り込むか既製でそろえるか、商業施設の工事区分がどうかで、この幅は大きく上下します。
居抜き
- 20坪の目安約400〜900万
- 前提前が同業で什器・設備流用
スケルトン
- 20坪の目安約600〜1,300万
- 前提内装・什器をゼロから
商業施設
- 20坪の目安約600〜1,600万
- 前提工事区分・館指定で変動
※坪単価は什器・照明を含む内装一式の目安です。物件取得費・運転資金は別途。費用の全体像は店舗内装の費用相場ガイドもあわせてどうぞ。
同じ坪数で費用が2〜3倍変わる理由
👗 最大の振れ要因は「什器」
アパレル内装費の最大の振れ要因は什器です。ハンガーラックや棚を既製品でそろえれば初期を抑えられますが、ブランドの世界観に合わせた造作什器(作り付け)にすると、同じ坪数でも費用が2〜3倍に変わります。坪単価だけで判断せず、什器をどこまで作り込むかをセットで考えましょう。
アパレルは飲食より工事費が軽い
- 厨房・排煙・防水・グリストラップが不要なので、内装工事費そのものは飲食店より抑えやすい
- その代わり、照明・什器・試着室など「売場づくり」に費用が集まる
- 居抜きで前が同業アパレルなら、什器・什器内照明・試着室・バックヤードを流用しやすい
まずは複数社の見積もりを取って、相場と費用配分を見比べてみましょう。
業態別の内装の違い(12業態)
アパレルの内装は「業態の格とカテゴリ」で内装グレードと什器・照明の作り込みが決まります。同じ坪数でも必要な投資がまったく違います。シミュレーターと同じ3グループで、業態ごとの要点を見ていきましょう。
カジュアル・量販
回転と量で売るタイプ。内装はシンプルでも、商品が多く見える陳列と分かりやすい動線が要点です。
ファストファッション
大量の商品を効率よく見せる什器と明るい照明が中心。内装グレードは抑えめでも、回遊しやすい広い動線とレジの処理能力が売上を支えます。什器は数を効率よく見せる規格品が中心で、回転の速い陳列替えに耐える耐久性も求められます。
カジュアル・量販系
標準的な内装と既製什器でコストを抑えつつ、季節のディスプレイで鮮度を出すのが要点。価格訴求とトレンドの見せ方を両立します。
ファミリー向け
子ども連れでも回りやすい通路幅とベビーカー対応、広めの試着室が要点。安心して長く滞在できる空間が来店頻度を上げます。
セレクト・専門
世界観と編集力で売るタイプ。照明と什器の質、試着体験が客単価とリピートを左右します。
セレクトショップ
ブランドの編集(セレクト)が主役。什器と照明で「らしさ」を作り込み、回遊しながら発見がある陳列が要点。造作什器の比率が上がりやすい業態です。
レディース専門
色やディテールが伝わる演色性の高い照明と、試着のしやすさが要点。鏡・試着室の快適さが購入の決め手になります。
メンズ専門
落ち着いた色調と素材で世界観を作り、サイズ展開を見せる什器が要点。試着とサイズ確認の動線を整えます。
古着・ヴィンテージ
独特の世界観と密度のある陳列が魅力。中古品を仕入れて販売するため、古物商許可が必須です(後述)。照明は雰囲気と視認性のバランスが要点です。
高単価・特化
体験と特別感で売るタイプ。内装グレード・照明・什器への投資が大きくなります。
ラグジュアリー・ハイブランド
上質な素材・個室的な試着ラウンジ・抑えた照明で特別感をつくります。内装グレードと造作什器が最も高くなる業態です。素材の質感、照明の落ち着き、接客スペースのゆとりまで含めて、価格に見合う特別感を作ります。
スポーツ・アウトドア
機能性を伝える陳列と、商品量を支える什器が要点。試し履き・試着のスペースや、体験できる演出が効きます。
シューズ・バッグ
商品を1点ずつ見せる棚・ケースと、試し履き用の椅子・鏡が要点。在庫(サイズ)を支えるバックヤードも重要です。
アクセサリー・ジュエリー
小物・高単価商品をケースで見せるため、演色性の高い照明とショーケースが主役。試着室は不要なことも多く、照明とケースに費用が集中します。
キッズ・ベビー
安全な素材・角の処理・ベビーカー対応の通路が要点。親が安心して回れる空間と、子どもが楽しめる演出が来店を支えます。
どの業態でも共通するのは、ブランドの格に見合った照明と什器を選ぶこと、試着室(必要な業態)の快適さを確保すること、そして回遊しやすい動線を作ることです。これらは完成後の修正が難しく、初期設計の精度がそのまま売上と採算に直結します。迷ったら、ターゲットの客層と客単価を具体的に決め、その人が心地よく買い物できる照明・什器・試着室から逆算するのが、業態選びと設計の確実な順番です。
業態に合った売場づくりは、物販・VMDに強い会社に相談するのが近道です。
照明の選び方(演色性・色温度・ベース/アクセント)
アパレルで最も差がつくのに見落とされがちなのが照明です。照明は売場の雰囲気だけでなく、商品の色の見え方を左右し、売上と返品に直結します。「おしゃれな照明」ではなく、技術的なポイントから選ぶのが失敗しないコツです。
演色性(Ra)=色の見え方
演色性は、照明が自然光に近い色をどれだけ再現できるかを示す数値(Ra)です。接客業ではRa80以上が推奨され、とくにアパレルや美容では商品の色を正しく伝えるためにRa90以上が望ましいとされます。演色性が低いと、店内で見た服の色と外・自宅での色が食い違い、返品やクレームの原因になります。
照度(明るさ)と色温度
物販店の照度は500〜1200ルクスが目安で、カフェ(300〜500ルクス)より明るく見せます。色温度は4000〜5000Kの自然な光をベースにすると商品の色が素直に伝わり、ブランドの世界観によっては暖色(電球色)を効かせます。演色性の低い照明だと、白いシャツが黄ばんで見えたり色物の発色が鈍ったりして、買う気をそぐだけでなく返品の原因にもなります。什器内蔵の照明は、棚やラックの商品を均一に照らして見やすさを底上げします。
アパレル照明の目安
- 演色性:Ra90以上(店内と外・自宅で服の色を一致させ、返品・不満を防ぐ)
- 照度:500〜1200ルクス(物販は明るめ。カフェより明るく見せる)
- 色温度:4000〜5000Kの自然な光をベースに(世界観により暖色も)
- 構成:ベース照明+商品を立たせるアクセント(スポット)+什器内蔵照明の三層
照明はベース(全体)・アクセント(スポットで商品を立たせる)・什器内蔵(棚やラックを照らす)の三層で考えると、メリハリのある売場になります。照明計画は内装の初期段階で什器レイアウトとセットで設計するのが理想です。照明は什器の内側(棚下・ラック上)に仕込むと商品が均一に照らされ、スポットは壁面のマネキンや見せ場に向けてメリハリを作ります。後から照明だけを足すと配線や天井の制約で思うように当てられないことがあるため、最初から計画に入れておきます。
照明計画まで提案できる会社かは、過去の事例を見比べるのが一番です。
什器:造作 vs 既製と「可動資産」という考え方
アパレル内装費の最大の振れ要因が什器です。ハンガーラック・棚・カウンターなどを、ブランドに合わせて作り込むか既製品でそろえるかで、同じ坪数でも費用が2〜3倍変わります。
造作什器と既製什器
既製什器は初期を抑えられ、短納期で移設もしやすいのが強み。造作什器はブランドの世界観を細部まで作り込めますが、費用は既製の2〜3倍に上がります。立ち上げ時は既製中心でコストを抑え、主力の見せ場だけ造作にするなど、メリハリをつけるのが現実的です。既製什器は規格品をそろえるため調達が早く、レイアウト変更や増設にも柔軟です。造作什器は什器メーカーや内装会社に図面から作ってもらうため、ブランドのロゴ・素材・寸法まで合わせられます。立ち上げ時は既製で始め、軌道に乗ってから主力什器を造作に置き換える、という段階的なやり方も有効です。
既製什器
- 費用抑えやすい
- 強み短納期・移設しやすい
- 向き初期投資を抑えたい
造作什器
- 費用既製の2〜3倍
- 強み世界観・差別化
- 向きブランドを作り込む
什器は「持ち運べる資産」
💡 内装工事と什器は資産性が違う
什器は床・壁・天井の造作(内装工事)と違い、移設・再利用ができ、退去時の原状回復の対象外です(テナント都合で設置した内装・造作は原状回復が必要なのと対照的)。つまり什器への投資は、2号店を出すときや移転のときに持ち越せる「可動資産」。同じ売場づくりの費用でも、内装工事に固定するか、持ち運べる什器に振り分けるかで、将来の柔軟性が変わります。
什器をどこまで作り込むかは、複数社に提案・見積もりを出してもらうと判断できます。
試着室の設計(数・広さ・転換率)
試着室は、売場の中で購入が決まる場所です。お客様が試着した瞬間に買うかどうかを決めることが多く、試着室をケチると売上を逃します。数・広さ・照明・快適さは、転換率に直接効く投資です。
購入の決定地点だから妥協しない
お店の前を通る人が、入店し、商品に触れ、鏡で当て、試着するという段階を経て、試着して初めて「買う」に結びつきます。だからこそ、気軽に試着できる店になっているか、試着が快適かが売上を左右します。狭く暗い試着室は、せっかくの購入機会を逃します。
試着室で押さえる点
- 広さは着替え+荷物で最低約1㎡。ベビーカーごと入れると客層が広がる
- 配置は店の奥でプライバシーを確保。レジ・バックヤードを近づけると会計や裾上げのお預かりがスムーズ
- 演色性の高い照明と大きな鏡で「似合う」を後押しする(暗い・狭い試着室は購入を逃す)
- 扉かカーテンか、フック・荷物置き・椅子など細部の快適さが転換率に効く
数は売場規模と客数に合わせます。混雑時に試着待ちが出ると機会損失になるため、ピークの来店を想定して決めます。ラグジュアリーでは試着室をラウンジのように作り込み、特別感そのものを商品にすることもあります。一方、ジュエリーなど試着室が不要な業態もあり、業態に応じて要否と作り込みを判断します。数は、ピーク時に試着待ちの行列ができない程度を目安にし、小規模店でも最低1室は確保、売場が広がるほど室数を増やすのが基本です。試着のしやすさは、入りやすい場所・分かりやすい案内・待ち時間の短さで決まります。
試着室の数・広さ・配置は、図面を複数社に引いてもらうと最適解が見えます。
VMD・動線・回遊と坪効率・採算
アパレルは飲食の「回転率」ではなく「坪効率(売上÷売場坪数)」で稼ぐ業態です。お客様に長く回遊してもらい、手に取り、試着につなげる動線とVMD(ビジュアルマーチャンダイジング)が売上を作ります。
回遊させる動線とVMD
入口から奥へ自然に進みたくなる動線、目を引くディスプレイ(マグネット)の配置、手に取りやすい高さ(ゴールデンゾーン)への主力商品の陳列が、回遊と購入を後押しします。外観・ショーウィンドウで入店を促し、店内では発見が続くレイアウトにします。滞在時間が長いほど購入率が高まる傾向があるため、居心地のよさも売上に効きます。逆に通路が狭く商品が詰め込まれていると、回遊が止まり手に取られないまま帰られてしまいます。売上は客数×客単価×購入率で決まるため、入店・回遊・試着・購入の各段階で取りこぼしを減らす設計が効きます。
回遊・VMDで押さえる点
- 入口から奥へ自然に誘導する動線と、目を引くマグネット(見せ場)の配置
- 手に取りやすい高さ(ゴールデンゾーン)に主力商品を陳列
- 外観・ショーウィンドウで入店を促し、店内は発見が続くレイアウトに
- 通路幅を確保し、回遊と滞在のしやすさで購入率を上げる
坪効率と採算の指標
売場効率は坪効率(1坪あたりの月間売上高)で測ります。坪数が小さくても坪効率が高ければ効率よく売れています。アパレルの粗利率は小売の中では高めで、目安として40〜55%程度。ただし在庫の値下げ(セール)ロスが利益を圧迫しやすいため、仕入れと在庫の管理が採算を左右します。
採算の主な目安
- 粗利率:40〜55%(小売の中では高め・目安45%)
- KPI:坪効率=売上高÷売場坪数(1坪あたりの月商)
- 在庫:値下げ(セール)ロスの管理が利益を左右
- 滞在時間:長いほど購入率が高まる傾向
内装の投資は、想定の坪効率・粗利から無理なく回収できる範囲に収めるのが基本です。シミュレーターで出た総額を、想定月商と照らして確かめましょう。立ち上げ期は売上が立ち上がるまで時間がかかるため、運転資金を厚めに見ておくと安心です。在庫は売れ残りを値下げで処分するほど粗利が削られるため、仕入れの量とタイミング、消化率の管理が、内装の投資を回収できるかどうかに直結します。
採算から逆算した売場づくりは、相見積もりで費用配分を比べると見えてきます。
内装スタイル・ブランドの世界観
アパレルの内装は、それ自体がブランドの世界観を体現する場です。服の品質が同等でも、空間のクオリティで顧客の印象と客単価が変わります。スタイルは流行ではなく、ブランドの格・客層・客単価から逆算して選びます。
世界観を作る要素
素材(木・金属・コンクリート・タイル)、色のトーン、照明、什器のデザイン、BGMや香りまで含めて、ブランドの「らしさ」を一貫させます。要素がちぐはぐだと世界観がぼやけ、価格に見合わない印象になります。商品とトーン&マナーを合わせることが基本です。たとえば古着やストリート系は古材や金属の無骨さが似合い、ラグジュアリーは石やガラス、間接照明の落ち着きが似合います。ブランドが伝えたい価値と素材・色を一致させます。香りやBGM、スタッフの装いまで含めて世界観は伝わるため、内装と運営の両面でトーンをそろえます。
代表的なスタイル
- ミニマル・モダン:余白と質感で商品を主役に(セレクト・モード)
- ナチュラル:木・植物・自然光で親しみ(カジュアル・レディース)
- インダストリアル:鉄・コンクリ・古材で個性(ストリート・古着)
- ラグジュアリー:上質素材・抑えた照明・個室感(ハイブランド)
⚠️ 素材選びと内装制限
飲食店ほど厳しくはありませんが、物販店も建物の規模や立地によっては内装制限(床から1.2mを超える壁・天井に防火材料を使う等)の対象になります。木をふんだんに使いたい場合などは、設計の初期段階で業者や消防に確認しておくと、後戻りを避けられます。
立ち上げ時は、全面を作り込むより、外観・入口・主力什器・試着室など「効く場所」に投資を集中させるのが費用対効果の高いやり方です。世界観は什器と照明で大きく決まるため、この2つを軸に設計します。
世界観を形にできる会社かは、過去の事例を見比べるのが一番です。
出店形態と商業施設の工事区分(A/B/C)
路面店と商業施設テナントでは、費用と自由度の決まり方が大きく違います。とくに商業施設(ファッションビル・ショッピングモール)では「工事区分」が費用を左右する重要なポイントです。
A工事・B工事・C工事とは
A工事は建物全体に関わる工事で、館オーナーが費用を負担します。B工事はテナントが費用を負担しますが、館がオーナー指定の業者で行うため、相見積もりが取りにくく割高になりがちです(管理会社を挟み、調整にも手間がかかります)。C工事はテナントが主体となる専有部分の内装工事で、業者を自分で選べるため、複数社の相見積もりで費用を比較できます。一般的には、専有部の内装・什器・照明・LAN配線などはC工事になりやすく、建物の電気容量の増設や共用部に関わる工事はB工事になりやすい、という線引きです。
B工事
- 業者館が指定
- 費用相見積もり困難で割高
- 負担テナント
C工事
- 業者テナントが選定
- 費用相見積もりで比較可
- 負担テナント
⚠️ B工事の範囲は契約前に確認
区分はオーナーが決めるため物件ごとに違い、賃貸借契約の「工事区分表」で確認します。B工事の範囲が広いと費用が膨らみやすいので、どこまでがC工事(自分で業者を選べる範囲)かを契約前に把握しましょう。原状回復も契約により範囲が異なり、スケルトン戻しを求められることもあります。
路面店は工事区分の制約がなく、業者を自由に選んで相見積もりで費用を抑えられます。商業施設は集客力と引き換えに、館のルール・工期・原状回復の条件を受け入れることになります。どちらが有利かは、立地の集客力と費用・自由度のバランスで判断します。B工事は見積もりが館経由になり相場が読みにくいため、出店を検討する段階で工事区分表を取り寄せ、C工事でできる範囲と概算を早めに押さえておくと、資金計画のブレを抑えられます。商業施設は売上歩合の賃料や営業時間の制約がある場合もあり、契約条件を総合的に見て判断します。
C工事の範囲は相見積もりで費用を比較できます。複数社に相談しましょう。
物件選び・居抜き活用
アパレルの売上は立地で大きく決まり、初期費用は物件の状態で変わります。居抜きとスケルトン、路面と商業施設の特徴を踏まえて選びましょう。
居抜きの活用
前のテナントが同業アパレルなら、什器・什器内照明・試着室・バックヤードを流用でき、初期費用を抑えられます。ただし前が飲食や物販以外だと、レイアウトや設備が合わず作り直しになることもあります。居抜きは「坪単価が安いか」だけでなく、自店の世界観に什器・照明が合うかで判断します。
物件・契約前に確認すること
- 立地の人通り・客層とブランドの相性、視認性
- 商業施設なら工事区分(A/B/C)の範囲と館のルール
- 退去時の原状回復(スケルトン戻し義務)の条件
- 居抜きなら什器・照明・試着室が自店の世界観に使えるか
立地は、路面か商業施設か、駅前か郊外かで客層と家賃が変わります。視認性・人通り・周辺の競合とブランドの相性を見て選びます。設備や工事区分の制約は借りた後では変えられないため、内見の段階で内装会社に同行してもらうのが安全です。視認性と人通りは、平日と休日・時間帯を変えて自分の目で確かめると、家賃に見合うかの判断材料になります。
居抜きが使えるかの見極めは、内装会社の現地チェックが確実です。
内装業者の選び方
アパレルの内装は、物販・VMD・照明に強い会社を選ぶのが近道です。住宅や飲食が中心の会社だと、売場づくり(照明の演色性・什器・VMD)や商業施設の工事区分まわりで提案が弱いことがあります。
会社のタイプで選ぶ
設計事務所
- 強みデザイン・世界観
- 向き専門店・差別化
施工会社
- 強み費用・工期
- 向きコスト重視
ワンストップ
- 強み窓口一本化
- 向き手間を減らす
いずれの場合も、アパレル・物販の実績とVMDの理解があるかが第一条件です。
見るべき3つのチェック
業者選びの3チェック
- 同じ業態(セレクト・ラグジュアリー・古着等)の施工・VMD実績があるか
- 照明の演色性・什器・VMD・商業施設の工事区分に対応できるか
- 見積もりの内訳が明朗で、什器の造作/既製など追加条件が明確か
提案力やレスポンス、保証・アフターも長い付き合いで効いてきます。1社で決めず、最低でも複数社から相見積もりを取り、実績・対応・金額を比べて選ぶと失敗が減ります。とくに商業施設のC工事は相見積もりで費用を抑えられます。見積もりを比べるときは金額だけでなく、什器や照明をどこまで含むか、追加で発生しやすい項目はどれかも確認すると、後からの差額を防げます。
物販・VMDに強い会社を複数社、無料で比べてみましょう。
開業までの流れと工期・よくある失敗
物件決定から開業までは、設計・(商業施設は館申請)・工事・什器/照明・陳列の順で進みます。商業施設は館の審査や工事ルールがあるため、スケジュールに余裕を持ちます。
物件を契約したら家賃が発生し始めるため、契約日・工事期間・開業日の関係を最初に押さえます。工期の目安は、設備の整った居抜きの小規模店で数週間、スケルトンや造作什器を伴う場合は1〜数か月。商業施設はB工事の調整や館の審査で前後します。設計と申請に時間をかけ、工事に入ってからの変更を避けるのが、工期と費用を守るコツです。
よくある失敗
このパターンに注意
- 照明の演色性が低く、店内と実物の色が違って返品・不満に
- 試着室が少ない・狭く、購入の機会を逃す
- 造作什器を盛り込みすぎて予算を超過する
- 商業施設のB工事の範囲が広く、費用が膨らむ
- 回遊しない動線で坪効率が上がらない
- 古着・中古を扱うのに古物商許可を取っていない
- 素材・色・照明がちぐはぐで世界観がぼやける
いずれも、ブランドの格に見合った売場づくりを設計初期に固めること、工事区分の確認、相見積もりによる費用の見える化で防げます。古い建物や居抜きでは解体後に不具合が出ることもあるため、総予算の1割程度を予備費として見ておくと安心です。とくに古い建物は、解体してみないと分からない劣化や残置物があり、想定外の工事につながることがあります。
工程とスケジュールも、複数社に出してもらうと現実的な計画が立ちます。
よくある質問とまとめ
アパレルの内装は最低いくらから可能ですか?
条件次第ですが、設備の整った居抜きの小規模店で既製什器中心なら数百万円から可能なケースもあります。スケルトンや造作什器・商業施設のB工事を伴うと総額は上がります。上のシミュレーターで業態・出店形態・坪数を入れると、開業総額の概算が出ます。
アパレルは飲食店より内装費は安いですか?
内装工事費そのものは、厨房・排煙・防水が不要な分、飲食店より抑えやすいです。ただし照明・什器・試着室など「売場づくり」に費用が集まるため、トータルでは業態・什器の作り込みで大きく変わります。
什器は造作と既製、どちらがいいですか?
既製は初期を抑えられ移設も容易、造作はブランドの世界観を作り込めますが費用は2〜3倍に上がります。立ち上げは既製中心にして、主力の見せ場だけ造作にするなどメリハリをつけるのが現実的です。什器は移設できる可動資産で、原状回復の対象外という利点もあります。
照明で気をつけることは?
演色性(Ra)の高い照明を選ぶことです。Ra90以上が望ましく、低いと店内と外・自宅で服の色が食い違い、返品や不満につながります。照度は500〜1200ルクス、色温度4000〜5000Kをベースに、商品を立たせるスポットを組み合わせます。
古着・中古を扱うのに許可は要りますか?
古着など中古品を仕入れて販売する場合は、営業所を管轄する警察署で古物商許可が必要です(古物営業法)。無許可営業は罰則の対象です。新品をメーカーや卸から仕入れて売る通常のアパレルは、古物商許可は不要です。
商業施設と路面店で費用はどう違いますか?
商業施設は集客力がある一方、工事区分(B工事は館指定業者で割高・相見積もりが取りにくい)や館のルール・原状回復で費用が膨らみがちです。路面店は工事区分の制約がなく、相見積もりで費用を抑えやすいのが特徴です。
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- 内装一式の坪単価は居抜き坪20〜45万円、スケルトン坪30〜65万円、商業施設坪30〜80万円が目安。ただしアパレルは飲食と逆で売場(照明・什器・試着室)が主役。上のシミュレーターで47都道府県×業態の開業総額がすぐ出ます
- 費用は坪単価より「ブランドの格×出店形態」の2軸と什器(造作か既製で2〜3倍)で決まります。什器は移設できる可動資産で、原状回復が要る内装工事とは性質が違います
- 照明はRa90以上で色を正しく見せ、試着室は購入の決定地点として妥協しない。商業施設は工事区分(B工事は割高・C工事は相見積もり可)を契約前に確認。古着は古物商許可が必要です
- 費用も仕上がりも会社で大きく変わります。店舗内装ドットコムなら、物販・VMDに強い会社から無料で複数社の見積もりを取れます(しつこい営業なし)
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