店舗内装を
業種・地域・工事のご希望を伺い、1社ずつ対応を確認してご紹介します。
更新:2026年10月9日/店舗内装ドットコム編集部(運営:株式会社BPBコンサルティング)。定義と調査の数字は本文にリンクした公表資料にもとづき、内装の進め方は一般的な考え方として整理しています。
この記事の結論
- ドミナント出店とは:同じ地域(商圏)に、同じ看板の店を集中して出す出店の方法です。ドミナント戦略・ドミナント方式・ドミナント展開とも呼ばれます。
- 2号店・3号店の内装費:施工会社1社の公表例で、スケルトンから1坪40〜80万円(居酒屋〜レストラン)。20坪で約800万〜1,600万円+厨房機器・設計料。→ 費目と表・多店舗の内装費用
- メリット:物流・認知度・広告や販促の効率が上がり、来店頻度も高めやすいとされます。満席で客を帰している店なら、近くの2号店を受け皿にできます。
- デメリット:近くの自社の店どうしで客を取り合う(共食い)、災害や地域の需要の変化の影響が一度に出る、店長やスタッフの手当てが追いつかないと品質が落ちる、ほかの地域に出るのが遅れる。
- 向くかどうか:来店の頻度が高く、近くの人が日常的に使う業態(カフェ・ベーカリー・テイクアウト・ラーメンなど)は向きやすく、目的を持って遠くから来る客が中心の業態は向きにくい。→ 向く業態
- 店づくりで効くこと:全店でそろえる所(ロゴ・色・看板・厨房と什器の型)と、店ごとに変える所(席の構成・滞在時間・テイクアウト・営業時間)を分け、同じ商圏の店に役割を持たせると共食いを抑えやすくなります。→ 内装の標準化と差別化
- 次を同じ地域に出すかの判断:既存店が満席で客を逃しているか、客がどこから来ているか、店長とスタッフを回せるかで決めます。→ 判断のチェック
ドミナント出店(ドミナント戦略)とは|意味とねらい
ドミナント出店は、特定の地域(商圏)に同じブランドの店を集中して出す出店の方法です。「ドミナント戦略」「ドミナント方式」「ドミナント展開」とも呼ばれます。公正取引委員会のコンビニの本部と加盟店の取引の調査報告書は、一部のチェーンが、チェーンの認知度の向上や物流の効率化などを目的として、一定のエリアに集中して出店する方法を採っていると説明しています。
フランチャイズの文脈では、公正取引委員会の「フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方」が、加盟後に、加盟者の店舗の周辺の地域に、同じか似た業種の店舗を本部が自ら営業すること、または他の加盟者に営業させることを「ドミナント出店」と呼んでいます。直営で広げるか、加盟店で広げるかで、注意点が変わります(→ フランチャイズの注意)。
よく知られた例
セブン&アイ・ホールディングスの公表資料(「今、さらなる『近くて便利』へ。進化の原動力を読み解く5つの視点。」2018年6月)によると、セブン‐イレブンは1974年5月に東京都江東区の豊洲で1号店を開いた後、「江東区から出るな」という新規店舗開発の方針で、高密度集中出店(ドミナント方式)を進めました。ねらいとして、店の認知を高め、広告宣伝や、店舗経営相談員による日々の店舗サポートをエリアを絞って効率よく進めることが挙げられています。
ドミナント出店のメリットとデメリット
メリットとデメリットは、同じ「近くに自社の店が多い」状態の表と裏です。2号店・3号店をどこに出すかを決める前に、両方を一覧で確かめます。
メリットとされる事項
デメリット
メリットの項目は、公正取引委員会の「コンビニエンスストア本部と加盟店との取引等に関する実態調査報告書」(令和2年9月)が、本部の加盟店募集資料から「ドミナント出店のメリットとされる事項」として挙げたもの(物流効率・認知度・経営相談の質・地域に合わせた商品開発・来店頻度・広告販促効率)をもとに整理しました。本部の募集資料に書かれた事項で、効果を確かめたものではありません。デメリットは一般的な整理で、加盟店の受け止めは下の調査を見てください。
飲食店では、店長やスタッフを店の間で融通しやすいといった利点もあります。同じ報告書に寄せられた加盟店の肯定的な声には、ほかのチェーンの出店を防げるという意見もありました。
調査と研究の結果
同じ報告書のアンケート(回答8,321)では、ドミナント出店について、コンビニのオーナーの「デメリットを感じている」が41.8%、「どちらかといえばデメリットを感じている」が18.1%で、否定的な受け止めが59.9%でした。理由には「差別化が難しく、より近くの店舗にお客様が流れる」という声も挙がっています。コンビニの加盟店の数字で、飲食店の数字ではありません。
一方、科研費の研究(チェーン小売企業の出店戦略と店舗成果に関する実証研究)は、スーパーマーケット約300社の10年間の出店データから、広い範囲に分散して出店するより、同じ地域に集中して出店して地域のシェアを高めるほうが、店舗の撤退のリスクが下がることが示唆されたと報告しています(2024年度の研究実績の報告)。スーパーの研究です。
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ドミナント出店が向く業態・向かない業態
向き不向きは、客がどのくらいの距離から来るか(商圏の広さ)と、来店の頻度で考えると整理しやすくなります。
向きやすい業態
条件しだいの業態
向きにくい業態
業態の分け方は一般的な考え方の整理です。同じ業態でも、商圏の人口や競合、店の大きさで向き不向きは変わります。
自分の業態で店ごとの役割をどう分けるかは、物件の条件と合わせて内装会社に相談できます。
次の店を同じ地域に出すかの判断|5つのチェック
ドミナント出店は、店を増やす方法の1つです。次の店を同じ地域に出すか、別の地域や別の形で出すかは、今の店の数字と人の手当てで決めます。
同じ地域に出す前に確かめる5つ
- 既存店が満席や行列で客を逃しているか(逃しているなら、近くの店を受け皿にできる)
- 既存店の客がどこから来ているか(予約・会員・デリバリーの住所など、手元のデータで確かめる)
- 新しい店で既存店の売上が多少減っても、両店(既存店と新しい店)の合計で増えるか
- 店長とスタッフを回せるか(育てる時間を含めて)
- 別の地域や、別の屋号・業態で出す案と比べたか
出店の前と後で見る数字(商圏の単位で)
ドミナント出店では、1店ずつではなく、同じ地域(ドミナントエリア)の店を合わせた数字で判断します。出店の前に今の数字を控えておき、出店の後に同じ物差しで比べます。
見る数字(金額の目安ではなく、比べる物差し)
- 既存店と新しい店の合計の売上・客数・客単価(店ごとと、地域の合計の両方)
- 予約の取りこぼし・満席で断った数・待ち時間(受け皿の効果が出ているか)
- 客の住所や来店の方向の分布(予約・会員・デリバリーのデータ)。新しい店と既存店の客がどれだけ重なったか
- 店ごとの人件費・食材費の割合と、店長・スタッフの融通の回数
- 近くに他社の同業の店ができたときの、地域の合計の売上の動き
売上・原価・人件費の割合と損益分岐点の見方は店舗のPL・KPI管理ガイドで扱っています。
共食い(カニバリ)を店づくりで抑える
近くに同じ看板の店が並ぶ以上、客の取り合いはある程度起きます。大切なのは、店ごとに「選ばれる理由」を変え、地域の店全体で客を増やすことです。
距離ではなく、客の動きで商圏を分ける
公正取引委員会の報告書は、コンビニの商圏について、住宅地にある標準的な店舗で「半径500メートル圏内(商圏人口2,000人)が目安」などと説明されることが多いとしたうえで、実際には大都市か地方か、川があるか、施設の中か路面か、昼と夜の人口などで店ごとに吟味するしかなく、距離や所要時間で一概に定義できないとしています。駅や川、大きな道路をはさむか、同じ商店街の流れに乗っているかで、地図の上では近くても別の商圏になることがあります。
同じ報告書のアンケートでは、オーナーが考える1次商圏(半径の中央値)と、最も競合している同じチェーンの店までの距離(中央値)が、立地ごとに次のように答えられています。どちらもコンビニの加盟店オーナーの回答で、飲食店の数字ではありません。来店までの時間は、徒歩・自転車もバイク・車も中央値5分でした。
出典:公正取引委員会「コンビニエンスストア本部と加盟店との取引等に関する実態調査報告書」(令和2年9月)の図表第12-②-1・第12-②-10(第12-②-10 は題が「平均距離」で、列は中央値)。
距離が近くても客の奪い合いが起きにくいとされる例(同じ報告書・本部からの聞取り。状況にもよるとされます)
- ① 中央分離帯があるような大型道路の反対車線側にある店舗間
- ② 大きな駅の異なる出入口にある店舗間(東口と西口など人の流れが全く違う店舗間)
- ③ 近くても間に線路・河川等があり、行き来が困難な店舗間
- ④ 高層ビルの地下階の店舗と中空階の店舗間(基本的に動線がぶつからないため)
- ⑤ 一方が特殊な店舗で、外観、取扱商品、想定客層等が大きく異なる場合
- ⑥ 有料施設内店舗と施設外店舗(駅構内店舗と駅前店舗など)
コンビニの本部は、⑤のように一方が特殊な店舗で外観・取扱商品・想定客層などが大きく異なる場合は、近くても客の奪い合いが起きにくいとしています。飲食店で店ごとに内装と役割を変える考え方の手がかりになります。
同じチェーンの店が近くにできたときの影響(コンビニの調査)
同じ報告書では、自店の周辺に他者が経営するコンビニができる場合、同じチェーンの店と他のチェーンの店のどちらが売上の減少につながるかを尋ねたところ、「同一チェーンの店舗」が70.2%でした(回答8,272・オーナーごと)。理由で最も多かったのは「同じ商品・サービスでは差別化できない」でした。
自店の1次商圏に後から同じチェーンの店ができた店舗に、その1年後と3年後の日販(1日の売上)の変化を尋ねた結果では、1年後に減った店が計87.7%(回答1,486。最も多いのは「-10%」の29.6%)、3年後に減った店が計78.0%(回答1,308。最も多いのは「-10%」の21.9%)でした(図表第12-②-12。割合は表の値を当サイトが足したもの)。報告書は「1年後,3年後ともに日販のマイナスが目立った」としています。コンビニの加盟店の回答で、飲食店にそのまま当てはまるものではありませんが、同じ看板・同じ品ぞろえの店を近くに並べるときは、既存店の売上が減ることを見込んでおく材料になります。
店ごとに役割を変える5つの手段
同じ商圏の店で、使う場面を分ける
- 席の数と種類:団体も入れる店と、少人数・一人客の店に分ける
- 滞在時間:カウンター中心で短く使う店と、ソファで長く過ごせる店に分ける
- 雰囲気と照明:明るく開放的な店と、落ち着いた暗めの店に分ける
- 設備:電源・Wi-Fiを用意する店と、会話を楽しむ店に分ける
- 売り方:テイクアウトの受け渡しを広くとる店と、イートイン中心の店に分ける
同じ看板にこだわらず、別の屋号や業態で近くに出して客層を分ける方法もあります。看板や内装を分ける分、全店でそろえる仕様の効果は小さくなります。
新しい店を出すときは、既存店の改装も計画に入れる
同じ報告書は、既存店に影響が出るかもしれない出店のときに本部が行う支援の例として、駐車場の拡大や設備の増設などの既存店の活性化、販促の支援、別の場所への移動、店舗売場のリフレッシュを挙げています(コンビニの例)。飲食店でも、新しい店に役割を渡す代わりに、既存店の席や設備を変えて別の役割を持たせると、共食いを抑えやすくなります。
2号店と既存店の役割の分け方は、物件の条件と合わせて内装会社に相談できます。
内装の標準化と差別化|全店でそろえる所・店ごとに変える所
同じ地域に何店も並ぶと、内装は「同じブランドだと分かること」と「店ごとに使い分けられること」の両方が要ります。先に、全店でそろえる所と店ごとに変える所の境目を決め、仕様書にしておきます。
全店でそろえる所
店ごとに変える所
店の役割の決め方(時間帯・客層・価格帯・メニュー)
店ごとに変える所は、次の4つの軸のどれで役割を分けるかを決めると、内装の方向が定まります。複数を組み合わせてもかまいません。厨房の型は同じにして、客席側の見せ方と受け渡しを変えます。
時間帯で分ける
客層で分ける
価格帯で分ける
メニューで分ける
PATTERN:同じ商圏に3つの役割を置く想定
駅前の大きな物件を、ブランドを一番よく体験できる旗艦店にします。オフィスの多い通りの小さな物件は、カウンター中心で短く使う店にします。住宅地の物件は、テイクアウトの受け渡しを広くとった店にします。ロゴ・色・看板と厨房の型は3店でそろえ、客席・売り方・営業時間を変えます。
看板の計画|共通のロゴと、店の役割を示すサイン
看板で決めること
- 共通の要素:ロゴ・店名・主な色・書体は全店でそろえ、同じブランドだと遠くからでも分かるようにする
- 役割を示すサブサイン:「テイクアウト」「カウンター」「夜は予約制」など、その店の使い方を看板やのれんの一言で示し、近くの店との使い分けを伝える
- 配置:同じ通りから2店が同時に見えるなら、看板の向きと高さを変えて、客が迷わないようにする。屋外広告物は自治体の条例と、ビル側の決まりを確かめる
- 更新の計画:同じ地域の看板は見比べられやすいので、色あせや照明の切れが店ごとにばらつかないよう、交換の時期と予算を出店のときに決めておく
仕様書(設計マニュアル)の作り方は店舗の設計マニュアルの作り方、2号店の内装の考え方は2号店の内装ガイドで扱っています。
全店でそろえる仕様と、店ごとに変える所を決めたら、内装会社と図面・見積もりの相談ができます。
物件とエリアの決め方|既存店との関係で選ぶ
ドミナント出店の出店戦略では、物件は単体ではなく、既存店との関係で評価します。どこまでを自社の店を集めるドミナントエリアにするかを先に決め、地図上の距離だけでなく、次の点を確かめます。
物件を決める前に確かめる5つ
- 客の動き:駅・川・大きな道路をはさむか、同じ商店街の流れか
- 客層:近くの人口、昼と夜の人口、世帯の構成。既存店の客層と重なるか
- 店の大きさ:既存店と大きさを変えて、役割を分けられるか
- 競合:同じ商圏に他社の同業の店がどれだけあるか
- 物件の組み合わせ:大きな物件を旗艦店に、狭い物件をテイクアウトや少人数の店に使えるか
地域の人口や世帯の構成は、国の統計を地図で見られるjSTAT MAPなどで調べられます(リンク先は政府統計の総合窓口 e-Stat の統計地理情報システムの入口で、jSTAT MAP は利用の登録・ログインの上で使えます。使い方は各サイトで確かめてください)。既存店の売上や客の住所のデータがあれば、新しい店の商圏とどれだけ重なるかを、出店の前と後で確かめられます。
立地の考え方は店舗の立地戦略、物件の種類ごとの違いは店舗物件の選び方も参考になります。
物件の候補があれば、住所・広さ・既存店との位置を伝えて、内装と工事の進め方を相談できます。
2号店からの工事の段取り|仕様書・内装会社・工期
同じ地域で続けて出すときは、仕様を知っている同じ内装会社に続けて頼めると、説明や確認の手間を減らしやすくなります。一方で、出店のペースが会社の手の回る範囲を超えると、品質や工期に響きます。
内装会社に確かめる5つ
- 営業中の店のトラブルにどれだけ早く来てもらえるか
- 同じ仕様を複数の店で繰り返せる体制か(仕様書・図面の管理)
- すでに決まっている工事の繁忙期と重ならないか
- 同じ時期に何店まで工事できるか(続けて出すとき)
- 職人や協力会社をどこまで集められるか
本部は仕様・ブランドの要素・予算を決め、内装会社は物件に合わせた調整・施工・現場の管理・地域の手続きを受け持つ、と分担をはっきりさせると、仕様がくずれにくくなります。1社に頼り切ると、その会社の繁忙期や体制の変化で出店の計画が止まることがあるため、複数の会社と付き合いを持っておく考え方もあります。
ビルや商業施設の物件では、費用は借主が払い、業者はビルが指定する工事(B工事)の範囲で、工期と費用が変わります。
2号店・3号店の内装費の目安と費目
2号店・3号店の内装費の目安は、施工会社の公表例の1坪あたりの額に広さを掛けて見込みます。下の表は京都・関西の1社の目安で、全国の相場ではありません。
出典:コトスタイル株式会社「店舗内装の費用・坪単価」(2026年5月1日公開・税の記載なし。2026年10月8日確認)。同社は厨房機器が別で、厨房設備だけで100万〜300万円以上かかるケースもあるとしています。ほかに、福岡の施工会社の公表例(福岡店舗内装工事.com・税込・2026年9月時点)は、飲食店(厨房・給排気あり)で1坪あたり30万〜60万円です。
見積もりで行を確かめる費目
- 設計料:設計を別に頼むなら工事費の一定の割合がかかります(公表例は店舗内装の費用相場に)。全店でそろえた仕様書があれば、2号店からは図面の手直しが中心になります
- 内装工事:上の1坪あたりの額×広さ。同じ業態の居抜きなら下がります
- 厨房設備:店の役割で足す機器を決めます(厨房の型は全店で同じ)
- 空調と電気容量の増設、給排水・ガス:物件の状態で大きく変わり、ビル側が指定する工事(B工事)の範囲も確かめます
- 看板:共通のロゴと、その店の役割を示すサインの両方
- 什器・家具:全店の規格品を使うと、発注と入れ替えをそろえやすくなります
- 保健所と消防の手続き:飲食店の営業許可の申請と検査、消防への届出など(要否・手数料・期間は管轄の保健所と消防署で確かめる)
- 予備費:工事中の追加・変更に備えます。公的な資料に決まった率は見当たらないため、見積書の別途・追加の項目で見込みます
新規開業の数字では、日本政策金融公庫の2025年度新規開業実態調査の開業費用が中央値600万円・平均975万円(全業種)です。1店目を開く人の数字で、2号店の数字ではありません。費目ごとの中身と払う時期は店舗開業の費用内訳で扱っています。
多店舗の内装費の考え方は多店舗展開の内装費用、全店の改装の進め方はチェーン店の改装の展開、店を増やすときの体制は店舗の多店舗展開ガイドで扱っています。
店舗内装ドットコムでは、一度の入力で、事務局が候補の会社に1社ずつ対応できるかを確かめ、対応できる会社をご紹介します。紹介先と直接相談・見積もりをして、提案を比べて自由に選べます(相談無料・会員登録不要)。
出店する地域・物件の条件・店の役割を伝えると、対応できる内装会社をご紹介します。
フランチャイズで広げるときの注意
加盟店を募って広げる場合、近くへの出店は加盟店の売上に直接関わります。公正取引委員会の「フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方」は、加盟者を募集するときに、ドミナント出店ができるかどうかの契約上の条項の有無と内容、そうした出店の計画の有無と内容を開示することが望ましいとしています。
また、加盟希望者に「配慮する」と示すなら、配慮の内容を具体的にしたうえで取り決めるよう留意が必要とし、ドミナント出店をしないという事前の取り決めがあるのに、加盟者の損益の悪化を招く場合に取り決めに反して出店することなどを、優越的地位の濫用に当たり得る例として挙げています。公正取引委員会のコンビニの調査では、加盟前に受けた周辺への追加出店の説明について、最も多いのは「基本的に説明のとおりであった」の45.3%でしたが、22.6%が「加盟前に受けた説明よりも実際の状況の方が悪かった」と答えています(回答8,183・オーナーごと。コンビニの数字です)。契約と出店の計画は、専門家とも確かめて進めます。
ドミナントエリアを固めた後の広げ方
広げ方の4つの型
- 隣の地域へ:物流と店長の融通が効く範囲で、隣の駅や隣の町に同じ型の店を出す
- 別の地域へ:同じ地域の店が十分に増えたら、仕様書と育てた店長を持って、別の地域に新しいドミナントエリアを作る
- 別の形で:同じ地域に、別の屋号や業態、テイクアウトの小さな店などで出し、客層を分ける
- フランチャイズで:加盟店に広げるなら、近くへの出店の考え方を契約の前に示す(上の注意)
ドミナント出店の失敗の典型パターン
想定されるケース
- PATTERN 01:満席でない店の近くに出し、客を分け合うだけになる(受け皿の効果が無く、2店の合計が増えない)
- PATTERN 02:店長やスタッフが育つ前に店を増やし、どの店も品質が落ちる
- PATTERN 03:同じ内装・同じメニューの店を近くに並べ、役割が分かれずに共食いする
- PATTERN 04:加盟店の近くに出す方針を事前に示さず、加盟店との関係が悪くなる(公正取引委員会の調査では、加盟店の不満の声も報告されています)
開業と出店の失敗を防ぐ確認の全体は店舗開業の失敗を防ぐ7つの確認にまとめています。
よくある質問
同じ地域(商圏)に同じ看板の店を集中して出す出店の方法で、ドミナント戦略・ドミナント方式・ドミナント展開とも呼ばれます。物流や広告の効率、認知度の向上をねらいます。公正取引委員会のフランチャイズの考え方では、加盟店の周辺に本部や他の加盟店が同じか似た業種の店を出すことを「ドミナント出店」と呼んでいます。
メリットとして、物流・認知度・広告や販促・経営相談の効率と来店頻度の向上が挙げられます(本部の加盟店募集資料の事項)。デメリットは、自社の店どうしの客の取り合い、災害や需要の変化の影響が一度に出ること、ほかの地域に出るのが遅れること、人の手当てが追いつかないことです。
何店舗からという基準は、公正取引委員会の考え方や報告書にも示されていません。同じ商圏の中で、客の動きが重なる範囲に自社の店が複数あるかで考えます。公正取引委員会の報告書も、コンビニの商圏について、距離や所要時間で一概に定義できないとしています。
距離だけでは決まりません。参考に、公正取引委員会のコンビニの調査では、オーナーの考える1次商圏(半径の中央値)は駅前・住宅街で500m、ビジネス街で300m、郊外ロードサイドで1,000mでした(コンビニのオーナーが考える商圏の広さで、店どうしを離す距離の目安ではありません)。既存店の売上や客の住所のデータで、新しい店の商圏とどれだけ重なるかを確かめます。
飲食店の公的な統計は見当たりません。公正取引委員会のコンビニの調査では、自店の1次商圏に後から同じチェーンの店ができた店舗のうち、1年後に日販が減った店が計87.7%(回答1,486)、3年後でも計78.0%(回答1,308)で、最も多いのはどちらも「-10%」でした。オーナーの70.2%は、他のチェーンより同じチェーンの店の方が売上の減少につながると答えています(回答8,272)。店ごとに役割を変え、地域の合計の売上で判断します。
施工会社1社(京都・関西)の公表例では、飲食店の内装工事はスケルトンから居酒屋・バーで1坪40〜60万円、レストランで50〜80万円です。内装・厨房機器・設計料を合わせると、20坪の居酒屋・ラーメン店をスケルトンからで約980万〜1,795万円という計算があります(当サイトの店舗内装の費用相場のページ。B工事・家具・看板・税は別)。これに物件取得費、開業までの家賃と運転資金を足します。仕様書がそろっていれば、2号店からは図面の手直しと発注の手間を減らしやすくなります。
ロゴ・色・看板・厨房と什器の型など、ブランドだと分かる所は全店でそろえ、客席の構成・滞在時間・テイクアウト・営業時間・仕上げのグレードは店の役割と物件に合わせて変えるのが基本で、全店を同じ高い仕様にする必要はありません。旗艦店は1つの地域に1店にする考え方があります。境目を仕様書に書いておくと、店が増えてもくずれにくくなります。
役割を分けるなら検討する価値があります。公正取引委員会の報告書は、コンビニの本部が近くに出店するときの支援の例として、設備の増設や店舗売場のリフレッシュなどを挙げています。既存店の席や設備を変えて、新しい店と使う場面を分けます。
公正取引委員会の考え方では、加盟者の募集のときに、近くへの出店ができるかどうかの契約上の条項と、出店の計画の有無・内容を開示することが望ましいとされています。同じ考え方では、配慮を示すなら内容を具体的にして取り決めるよう留意が必要とされています。
地域の店の役割を見直します。競合と同じ使われ方をしている店は、席の構成・滞在時間・テイクアウト・営業時間を変えて、競合と違う理由で選ばれるようにします。既存店の改装で役割を変える方法もあります。数字は店ごとではなく、地域の合計の売上・客数で見ます。
今の地域の店が、満席での取りこぼしを受け止められるだけの数になり、店長とスタッフを育てて別の地域に回せるようになったときが目安です。仕様書と工事の段取りが固まっていれば、別の地域でも同じ型の店を出しやすくなります。
既存店と新しい店の合計の売上・客数・客単価と、予約の取りこぼし・2店の客の重なり・人件費と食材費の割合を、出店の前後で同じ物差しで比べます。
出店する地域、物件の条件、既存店との役割の違い、全店でそろえる仕様を伝えます。店舗内装ドットコムでは、一度の入力で、事務局が候補の会社に1社ずつ対応できるかを確かめ、対応できる会社をご紹介します。紹介先と直接相談・見積もりをして、提案を比べて自由に選べます(相談無料・会員登録不要)。
まとめ|ドミナント出店で先に決めること
- メリット(物流・認知・経営相談・商品・来店頻度・広告販促)とデメリット(共食い・集中のリスク・広がりにくさ・人・評判の波及・加盟店との関係)を一覧で確かめる
- 次を同じ地域に出すかは、既存店の取りこぼし・客の住所・店長とスタッフ・地域の合計の数字で決める
- 商圏は距離ではなく、客の動きと客層で分ける。同じ看板・同じ品ぞろえを近くに並べると、既存店の売上は減りやすい(コンビニの調査)
- 全店でそろえる所と店ごとに変える所を仕様書にし、同じ商圏の店に役割を持たせる。看板には役割を示すサインを
- 2号店・3号店の内装費は、公表例の1坪あたりの額×広さに、厨房機器・設計料・物件取得費を足して見込み、同じ仕様を繰り返せる内装会社と工事の段取りを先に決める
出店する地域と物件の条件から、内装の相談を始められます。
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