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クリニックの内装工事は坪単価30〜130万円と、診療科・規模・医療設備で大きく差が出ます。内科・小児科の50-90万円から、整形外科・産婦人科の70-100万円、美容クリニックの70-130万円まで、X線室140万円・歯科レントゲン110万円といった設備コストも加わります。このページでは10診療科×3物件タイプ×5地域に対応した費用シミュレーター・6つの内装論点・4つの開業手続き・6種類の医療機関向け補助金など、クリニック開業に必要な情報を網羅しました。
目次
クリニック市場概況と最新トレンド
クリニックの内装工事は、診療科・規模・医療設備によって坪単価が30〜130万円と大きく異なります。内科・小児科のような比較的シンプルな設備で開業可能な診療科は坪50-90万円が一般的、整形外科・産婦人科・美容クリニックなど特殊な検査機器や高価な医療機器を要する診療科は坪70-130万円まで上振れします。X線室の鉛シールド設置で約140万円、歯科レントゲン室で約110万円の追加コストが発生する点も忘れてはなりません。25坪の一般クリニックで総額1,000-1,200万円、30坪の医療モールで2,100-3,000万円が標準的な投資レンジです。
クリニック開業には保健所への診療所開設届(開設後10日以内)と厚生局への保険医療機関指定申請(毎月1日が指定日・前月10日頃が締切)の2つの行政手続きが必須です。厚生局の締切に間に合わないと1か月の開業遅延で初月の保険診療ができないという致命的なリスクが起こり得ます。さらに医療法施行規則による構造設備基準、200㎡超の場合は建築基準法による確認申請も必要です。これらの手続き経験ある内装業者選定が、開業スケジュール厳守の前提となります。
クリニック開業では、医療特有の内装・設備要件への対応が重要です。電子処方箋・電子カルテ関連の補助制度などもありますが、制度名・金額・要件は年度ごとに変わるため、最新情報は公的窓口でご確認ください。店舗内装ドットコムでは、診療科・規模・地域に応じたクリニック施工経験ある内装会社へまとめて見積もり依頼を出せます。下のシミュレーターで概算を確認し、複数社の提案を比較してください。
クリニックの10診療科タイプ
診療科によって必要な設備・空間設計・坪単価が大きく異なります。
自社の診療科を把握することが、業者選定と予算設定の第一歩です。
内科・小児科クリニック
最も一般的な診療科。診察室・待合室・受付・処置室・検査室の基本構成。坪単価50-90万円で、25坪なら総額1,000-2,250万円が目安。小児科はキッズスペース・隔離待合室(感染症対策)・授乳室の設計が論点。心電図・血液検査機器など基本検査機器の電気容量・配置設計が業者選定の差別化軸です。在宅医療併用型・訪問診療対応の設計需要も増加しています。
歯科クリニック
診察室というよりも診療室(ユニット室)の数とレイアウトが核心。歯科レントゲン室で約110万円の追加コスト。ユニット1台あたり3-5坪が標準で、5ユニットなら20-30坪。X線・CT・口腔内スキャナーの電気容量・配管設計が論点。インプラント・矯正歯科に対応する場合は手術室・矯正専用室の追加が必要です。坪単価50-80万円で、30坪なら総額1,500-2,400万円が目安です。
皮膚科クリニック
診察室・処置室・パッチテスト室の構成。坪単価40-65万円と比較的抑えめ。美容皮膚科併設の場合はレーザー機器・光治療器の導入で坪単価70-100万円に上昇。診察室の遮音性(プライバシー保持)が論点。アトピー・乾癬・水虫等の専門化はパーティション設計と動線分離が重要です。30坪なら総額1,200-1,950万円。
整形外科・整骨
診察室・処置室・リハビリ室・X線室の構成で他診療科より広い面積が必要。坪単価70-100万円と高価格帯。X線装置(特に天井吊下げ機種)の特殊対応で約140万円の追加コスト。リハビリ機器の重量に耐える床補強が必須。電気容量・搬入動線・天井高(X線装置設置のため2.7m以上推奨)が論点。50坪なら総額3,500-5,000万円規模になります。
産婦人科・婦人科
診察室・内診室・超音波検査室・婦人科検診室の構成。坪単価70-100万円。プライバシー保持の遮音壁・カーテン動線・別待合室が論点。分娩を行う場合は分娩室・新生児室・手術室の追加で有床診療所扱いとなり、医療法上の許可制(届出制ではない)に変わります。30坪なら2,100-3,000万円、有床の場合は5,000万円超になることもあります。
泌尿器科・耳鼻科・眼科
各専門科で特殊検査機器の配置が論点。眼科は暗室の設置で坪単価が上昇する傾向(坪40-80万円)。耳鼻科は内視鏡・聴力検査室・防音ブース、泌尿器科は内視鏡室・尿検査室が必要。坪単価50-80万円。30坪なら総額1,500-2,400万円が目安。検査機器の電気容量・配管設計と、暗室・防音室の遮音性能が業者選定の差別化軸です。
心療内科・精神科
診察室・面談室・カウンセリングルームの構成。坪単価35-60万円と比較的抑えめ。最重要論点は診察室の防音(プライバシー保持)。患者の声が外に漏れない遮音設計、別の患者と顔を合わせない動線分離(入口・退出口分離)が必須。待合室のパーティション設計でプライバシー確保。リラックスできる温かみのある内装が選ばれる傾向。30坪なら総額1,050-1,800万円。
美容クリニック・美容皮膚科
診察室・施術室・パウダールーム・カウンセリングルームの構成。坪単価70-130万円と最高価格帯。レーザー機器・光治療器・痩身機器など高価な美容医療機器の導入で坪単価が大きく上昇。患者は「美しくなりたい」という希望での来院のため、内装デザインの清潔感・品格・おしゃれさが他診療科以上に重要。施術後のメイク直し用パウダールームの設計も論点。50坪なら総額3,500-6,500万円規模になります。
在宅クリニック・訪問診療
診察室は最小限で、事務室・スタッフルーム・物品庫中心の構成。坪単価30-50万円と最も抑えめ。訪問診療のスタッフ拠点としての機能が中心で、来院患者対応は限定的。医療機材の収納スペース・電子カルテ環境・通信インフラ(モバイル端末連動)の整備が論点。20坪なら総額600-1,000万円。在宅医療の需要拡大で開業件数が増加しているタイプです。
分院展開・医療モール参入
既存クリニックの分院展開、または医療モール(複数診療科の集積施設)への参入。坪単価60-80万円。医療モールは医療配管・電気予備設備が事前整備済みのため、内装工事の手間が軽減される反面、配置・動線設計の自由度は低め。本院との統一品質の維持・複数物件の同時施工管理が論点。集患面では医療モールの集患力を活用できる利点があります。30坪なら総額1,800-2,400万円。
クリニックデザインの4スタイル
クリニックデザインは目的別に4スタイルに分類でき、坪単価レンジも明確に異なります。
診療科・ターゲット患者層・予算に応じてスタイルを選定するのが、見積比較の前提です。
① 清潔感重視(標準)
白基調の清潔感を最優先するスタイル。坪単価30-50万円と最もコストを抑えられます。床はクッションフロア(耐水仕様)、壁は塗装または既存活用、什器は医療機関向け既製品中心の構成。内科・小児科・在宅クリニックに適合します。25坪で総額750-1,250万円が目安。「清潔感・機能性を確保しつつ、装飾コストを削減したい」場合の第一選択肢です。医療法施行規則の基本要件のみを満たす設計です。
② 温かみ・リラックス重視
木目・グリーン・曲線を取り入れた温かみのあるスタイル。坪単価40-70万円。患者の安心感・リラックス効果を重視し、待合室の居心地のよさが集患に直結します。婦人科・小児科・心療内科に特に適合。木目調の床・壁、グリーンの観葉植物、間接照明の配置で柔らかい雰囲気を演出。30坪で総額1,200-2,100万円。診察への緊張を和らげる効果が期待でき、リピート率向上にも貢献します。
③ プレミアム・高級感重視
高級素材・カスタム家具を採用したブランディング重視のスタイル。坪単価70-130万円と最高価格帯。大理石・本物の木材・ガラス・金属など素材の品質と職人技を要する設計が標準。美容クリニック・自由診療メインの旗艦クリニックに採用されます。患者単価が高いため、内装投資が集患・客単価・リピート率に直結する業態。50坪なら総額3,500-6,500万円規模で、内装投資の回収戦略が経営の論点になります。
④ 医療モール型(合理性)
医療モール内テナントとして合理性・効率性を最優先するスタイル。坪単価50-80万円。医療配管・電気予備設備が事前整備済みのため、内装工事の手間が軽減。本院との統一品質を維持しながら、集患をモール全体の集患力に依存する設計が特徴。30坪で総額1,500-2,400万円。分院展開・地方拠点開設に最適なスタイルで、医療モール側の管理規約への適合が業者選定の前提となります。
規模別 坪単価相場(5規模帯)
同じ診療科でも、規模が小さいほど現場管理費・設計費の固定費比率が上がるため坪単価が割高になる傾向があります。下のシミュレーターでは規模を加味した精密試算が可能です。
※ 上記はクリニック全般の目安。診療科ごとの特殊機器(X線140万円・歯科レントゲン110万円・MRI数百万円〜)の追加コストは別途計上が必要です。
物件タイプ別 坪単価相場
物件の状態によって坪単価は2倍以上の差が出ます。クリニック特有の医療配管・電気設備の流用可否が判断軸です。
スケルトン物件
内装がすべて取り払われ、コンクリート躯体と最低限の設備のみが残された物件。診察室レイアウト・X線室位置・動線設計を自由にできる反面、電気・空調・LAN・給排水のすべてを一から工事するため費用が高くなります。坪単価50-100万円が相場。築20年以上の物件は耐震改修が必要になる場合があり、追加で坪単価3-5万円が目安。長期入居予定・コンセプト重視のクリニックに適合します。
居抜き物件(旧クリニック)
前テナントがクリニックなら、医療配管・電気設備・診察室の壁・受付カウンター等を流用でき、内装費を2-4割削減できます。坪単価30-50万円でスケルトンの約半分。承継開業・コスト重視のクリニックに適合します。注意:旧オーナーの撤退理由(赤字・近隣クレーム・物件不適)を必ず確認。引き継ぐリスクがないかを業者の現地調査で見極めるのが安全です。医療機器の継承可能性も論点になります。
医療モール物件
医療モール(複数診療科の集積施設)内テナント。坪単価60-80万円。医療配管・電気予備設備が事前整備済みのため、内装工事の手間が軽減される反面、配置・動線設計の自由度は低めです。モール全体の集患力を活用でき、他診療科との連携で患者紹介が見込めるのが最大のメリット。モール管理規約への適合(営業時間・看板・夜間出入り等)が業者選定の前提となります。分院展開・地方拠点開設に最適です。
5地域別 坪単価相場
職人単価・材料搬入コスト・物件相場で地域差が出ます。シミュレーターでは5地域の係数を加味した試算が可能です。
※ 上記係数を診療科別の坪単価レンジに掛けて目安を算出。「30坪・内科クリニック・スケルトン」を出店する場合、関東では1,650-2,970万円、九州では1,125-2,025万円程度の目安となります。
クリニック内装費用シミュレーター
診療科×物件タイプ×地域×坪数の組合せから概算費用を自動計算します。
正確な金額は無料の一括見積もりで複数社の提案を比較ください。
※ 上記は概算で、医療機器費・什器・サイン・テナント工事費(A/B工事)・原状回復費は含みません。診療科の特殊機器(X線・MRI・レーザー等)の追加コストは別途計上が必要。正確な見積もりは一括見積もりでお取り寄せください。
診療科経験ある業者の複数提案を比較
内科から美容クリニックまで、診療科と地域に応じた施工経験ある内装会社へまとめて見積もり依頼できます。
クリニック内装の6論点
クリニックは医療法による構造設備基準の遵守と、診療科特有の医療設備の組み込みが内装コストの中心。
下記6論点を理解した業者を選ぶことが、開業手続きの円滑な通過に直結します。
① X線室・レントゲン室
X線装置を導入する場合、鉛ガラス・鉛シールド設置で約140万円の追加コストが発生します。歯科レントゲンの場合は約110万円。整形外科では天井吊下げ機種の特殊対応が必要なケースもあり、天井高2.7m以上が推奨。X線操作室の設置要件は保健所ごとに判断が異なるため、出店候補地の保健所への事前相談が必須です。CT・MRIなどの大型機器導入では、坪単価70-100万円の上振れと、搬入動線・床補強の事前確認が論点になります。
② 診察室・処置室の設計
医療法施行規則で診察室の最低面積規定があり、無床診療所でも基準遵守が必須。診察室間の遮音壁・吸音材でプライバシーを確保。各診察室の独立性を保ち、患者の声が漏れない設計が標準です。処置室は耐水仕様の床・壁で衛生確保。医療廃棄物の保管庫の配置も保健所検査の論点。心療内科・精神科は特に診察室の防音性能が業者選定の差別化軸となります。
③ 待合室・受付の動線設計
患者導線とスタッフ動線の分離が基本。受付はカウンター高さ・パーティションでプライバシー配慮。バリアフリー対応(車椅子・ベビーカー動線・段差解消)は医療法上の要件として近年厳格化。小児科ではキッズスペース、婦人科では別待合室、心療内科では入口・退出口の分離による患者同士の遭遇回避が論点。受付スタッフの視認性と患者プライバシーの両立が設計の核心です。
④ 給排水・電気容量・空調
クリニックは医療機器の電気需要が一般オフィスより高負荷。心電図・血液検査・超音波・X線・レーザー機器など同時使用時の電気容量設計が論点。停電時対応の非常用電源を要する診療科もあり。給排水は処置室・診察室の手洗い設備(センサー式・足踏み式)と、衛生面の耐久性ある配管設計が必要。給湯能力(号数)も診療科の用途に応じて選定。空調は患者の快適性と機器の温度管理を両立する設計が求められます。
⑤ 床補強・防音・耐震性
整形外科では歩行リハビリ機器・治療器の床補強、産婦人科では分娩台の床補強、心療内科では診察室・カウンセリング室の防音設計が論点。築20年以上の物件は耐震改修が必要となる場合があり、追加で坪単価3-5万円が目安。MRI・大型X線装置の重量に耐える床補強設計、外部騒音の遮音性も論点。診療科の特殊な負荷条件に対応した経験ある業者選定が安全です。
⑥ 医療設備(科目別特殊機器)
診療科ごとに必須の特殊設備が異なります。美容クリニックはレーザー機器(数百万円〜数千万円)・光治療器・パウダールーム、産婦人科は超音波・分娩台・婦人科検診台、眼科は暗室・視力検査機器、耳鼻科は内視鏡・聴力検査室・防音ブース、内科は心電図・血液検査機器。これらの設置位置・電気容量・配管設計を内装設計段階から組み込むのが業者選定の最重要論点です。
クリニック開業の手続き 4種
クリニック開業には保健所・厚生局・建築指導部への複数の行政手続きが必須。
厚生局の締切に間に合わないと1か月の開業遅延となる致命的なリスクがあります。
① 保健所への診療所開設届(医療法)
医療法に基づく診療所開設届は、原則として開設後10日以内に保健所へ提出が必須(一部自治体は開設予定日10日前まで)。内装工事着工前の保健所事前相談が必須で、図面持参で施設基準への適合を確認します。事前相談を怠ると、検査不合格による工事のやり直し・開業遅延が発生する代表的な落とし穴。提出書類:診療所開設届・構造概要書・診療室待合室図面・管理者の医師免許証・衛生設備に関する書類。X線操作室の設置要件など、保健所ごとに判断が異なる項目もあるため、出店候補地の保健所への事前協議経験ある業者選定が前提です。
② 厚生局への保険医療機関指定申請
保険診療を行うには保険医療機関指定申請が必須(自由診療のみは不要)。指定日は原則毎月1日で、締切日は厚生局事務所ごとに異なります。関東信越厚生局東京事務所では毎月1日が指定日・前月10日頃が締切日。10月1日開業予定なら9月10日頃の締切までに申請書を提出する必要があります。締切に間に合わないと指定が11月1日になり、1か月の開業遅延。保健所開設届の受付印が押された写しが申請に必要なため、保健所→厚生局の連動スケジュール管理が業者選定の差別化軸となります。
③ 医療法(無床診療所・有床診療所)
無床診療所(入院ベッドなし)は届出制で診療所開設届のみ。有床診療所(19床以下)は許可制となり、より厳しい構造設備基準・人員配置基準があり、医療法に基づく許可申請を都道府県知事に提出が必要です。診察室・待合室・処置室・X線室の最低面積規定、バリアフリー対応(入口・トイレ・診察室)、衛生設備(清掃・換気)の基準が審査対象。産婦人科で分娩を扱う場合は有床扱いとなり、手続きが大幅に複雑化します。
④ 建築基準法・用途変更
2019年6月の建築基準法改正により、用途変更の確認申請が必要な面積が100㎡超から200㎡超に緩和。200㎡以下の特殊建築物(クリニック含む)は確認申請不要ですが、建築基準法の技術基準(内装制限・防火設備・排煙口・非常用照明等)は遵守必要。オフィス→クリニック等の用途変更時には、避難経路・耐火性能の新基準への適合が求められます。築20年以上は耐震改修必要な場合があり、坪単価+3-5万円。複合建物の場合、ビル管理会社との協議が前提となります。
開業準備で資金を投入した状態で1か月の無収入期間が発生することは、多くの開業医にとって大きな痛手となります。保健所→厚生局の連動スケジュール管理経験ある内装業者選定が、開業スケジュール厳守の前提です。
クリニックの物件選び6つのポイント
クリニック物件は患者集患・診療科適合・行政手続きの3軸で評価が必要です。契約前にチェックすべきポイントです。
① 立地と集患力
クリニックの集患力は立地で大半が決まります。駅徒歩5分圏はターミナル系診療科に有利、住宅地隣接は内科・小児科・歯科に有利、医療モール内はモール集患力で安定。商圏分析(半径500m〜2kmの世帯数・年齢構成・競合クリニック数)を業者と協議するのが定石です。在宅クリニックは患者宅への移動効率が中心論点になります。
② 保証金・敷金
クリニック物件の保証金・敷金は賃料の6〜12ヶ月分が標準。都心の駅前物件・医療モールでは10ヶ月分以上を要求されるケースもあります。月額家賃50万円の物件なら、保証金だけで300〜600万円。内装工事費とは別に資金計画に組み込む必要があります。退去時に償却される割合(償却率)も契約前に必ず確認しましょう。
③ 原状回復義務の範囲
クリニック物件の原状回復は基本的にスケルトン戻しで、退去時の解体費が坪単価6-12万円。30坪クリニックで180-360万円規模になります。X線室の鉛シールド撤去・医療配管の撤去等は通常の解体より高額になる可能性が高い。承継開業を見込むなら、原状回復義務の交渉余地(次のクリニックに引き継ぐ)も契約段階で検討する価値があります。
④ 工事区分(A/B/C工事)の確認
医療モール・大型ビルテナントではB工事の範囲が広く、指定業者の料金が市場相場の1.5〜2倍。給排水・電気容量増設・空調機・防火区画などB工事範囲を契約前に必ず確認し、概算金額を見積もりに織り込みます。クリニックは医療機器のため電気容量が大きく、B工事の電気増設費が大きな論点となります。
⑤ 用途地域とクリニック適合性
クリニックは多くの用途地域で出店可能ですが、第一種低層住居専用地域は床面積制限あり(兼用住宅50㎡以下)。第二種低層住居専用地域以上で出店可能。物件契約前に用途地域・近隣施設(学校・保育園・他クリニック)を内装業者と確認するのが、開業後のトラブル回避の前提です。
⑥ 築年数・耐震性・搬入動線
築年数20年以上の物件は耐震改修が必要になる場合があり、追加で坪単価3-5万円。MRI・CT・大型X線装置を導入する場合は搬入動線の事前確認が必須(エレベーター搬入可否・通路幅・天井高)。築古ビルは賃料が安い反面、補修・改修コストが上振れする傾向にあります。
業者選定の9の質問
複数社から見積もりが届いたら、下記9の質問を業者にぶつけてください。クリニック特有の論点と行政手続きに精通した業者かどうかが見えてきます。
同診療科のクリニック施工実績は何件?
内科・歯科・皮膚科・整形・産婦人科・美容など、自社の診療科に近い施工実績を確認します。診療科ごとに医療設備・空間設計・行政手続きの論点が大きく異なるため、同診療科の経験が業者選定の差別化軸です。
保健所事前相談の経験は?
クリニック開業の保健所事前相談・診療所開設届の対応経験を確認します。X線操作室の設置要件など、保健所ごとに判断が異なる項目もあるため、出店候補地の保健所協議経験ある業者選定が前提です。
厚生局の保険医療機関指定締切に対応できますか?
厚生局の指定締切(毎月1日が指定日・前月10日頃が締切)に間に合うスケジュール管理ができる業者を選定します。保健所→厚生局の連動スケジュール管理経験は、開業スケジュール厳守の前提です。
X線室・医療設備の設計経験は?
X線室の鉛シールド設置(約140万円)、歯科レントゲン室(約110万円)、MRI・CT等の大型機器設置経験を確認します。整形外科の天井吊下げ機種、眼科の暗室、耳鼻科の防音ブース等、診療科特有の設計経験が業者選定の差別化軸です。
B工事の指定業者対応の経験は?
医療モール・大型オフィスビルでは指定業者制度(B工事)が厳格で、料金が市場相場の1.5〜2倍。指定業者との交渉経験・範囲の見極め・概算金額の精度が業者選定の差別化軸です。
居抜き物件(旧クリニック)の対応経験は?
居抜き物件で医療配管・電気設備の流用可否を判断できる経験を確認します。流用判断の精度が、コスト圧縮と工事品質の両立に直結。旧オーナーの撤退理由のリスク評価ができる業者選定が、承継開業の安全性を高めます。
分院展開・多店舗統括の経験は?
クリニック分院展開・多店舗統括の対応経験を確認します。本院との統一品質維持・複数物件のスケジュール管理・本部承認図面への対応経験がある業者は、分院展開時の業者選びの第一候補です。
退去時の原状回復費用も提示できますか?
クリニック物件の原状回復はスケルトン戻しで、退去時の解体費が坪単価6-12万円。X線室の鉛シールド撤去・医療配管撤去は通常より高額になる傾向。退去時費用も初期見積もりに含めて提示できる業者が、長期視点でのコスト管理に強い業者です。
物件未確定でも相談に応じてくれますか?
クリニック物件は商圏分析・診療科適合性・保健所協議の事前確認が重要で、物件未確定の段階から内装業者と並走するのが定石です。物件選定段階の助言・複数物件の比較見積もり・契約タイミングへの対応力がある業者を選定するのが、開業成功の鍵です。
クリニック開業でよくある失敗パターン5つと回避策
クリニック特有の行政手続き・医療設備の経験が浅い業者に依頼すると、開業遅延や追加コストが発生するケースが起こり得ます。
厚生局締切に間に合わず1か月の開業遅延となるケース
内装工事が数日遅れると保健所の検査がずれ込み、結果として厚生局の保険医療機関指定締切(毎月10日頃)に間に合わず、初月の保険診療ができなくなるケースが起こり得ます。開業準備で資金を投入した状態で1か月の無収入期間が発生し、資金繰りが圧迫される代表的な落とし穴です。
保健所事前相談を怠り工事のやり直しが発生するケース
クリニックの内装工事を保健所事前相談なしで進めた場合、検査時に施設基準への不適合が発覚し、工事のやり直しが発生するケースが起こり得ます。X線操作室の設置要件・診察室の最低面積・手洗い設備の仕様などで指摘されると、開業遅延と追加費用が発生する傾向にあります。
X線室・医療設備の追加コストが想定外となるケース
クリニック内装の見積もりにX線室の鉛シールド(約140万円)・歯科レントゲン室(約110万円)・MRI/CT等の大型機器設置費が含まれず、想定外の追加コストが発生するケースが起こり得ます。医療機器の電気容量増設・床補強・搬入動線の追加工事費も予算オーバーの主因となります。
居抜き物件の旧オーナー撤退理由を見落とすケース
居抜き物件(旧クリニック)でコスト圧縮を狙ったが、旧オーナーの撤退理由(赤字・近隣クレーム・物件不適)を確認せずに引き継いだ結果、同じ問題で経営難に陥るケースが起こり得ます。商圏分析・物件評価の不足が主な原因として挙げられます。
1社の見積もりで決めて高額契約となるケース
知人紹介や医療機器メーカー紹介の1社だけに見積もりを依頼し、相場感が分からないまま契約した場合、後から複数社の見積もりを比較したところ、同等内容で2〜3割安いケースが判明することが起こり得ます。クリニックの内装は1,000万〜数千万円規模の案件なので、2割差は数百万円の差です。
一括見積もりの3ステップ
診療科・坪数・物件タイプ・予算を入力
開業診療科、出店候補地域、想定坪数、予算感、物件タイプの希望範囲を入力します。物件未確定の段階でも構いません。
診療科経験ある業者からご提案
該当診療科×地域の施工経験ある内装会社に打診し、設計案と見積もりを取り寄せます。地元工務店から大手まで、相性の合う業者を中心にご紹介します。
複数社のご提案を比較・選定
各社の診療科理解度・施工費・対応力・補助金活用提案を比較し、最適な業者と契約に進みます。希望に合わなければ辞退も可能です。
よくあるご質問
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