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「うちのラーメン店、内装にいくらかかる?」を最初につかみましょう。業態・スープの作り方・自家製麺の有無・坪数・物件状態を選ぶと、内装費を主役に開業総額の目安が、47都道府県の地域係数つきで出ます。スープを店内で炊き出す・麺を自家製麺にすると、厨房費が段差で跳ねます。これはラーメンならではの動き方で、「どこにお金がかかるのか」を入力しながら体感できます。
金額はあくまで概算ですが、業態や厨房の作り込みによって総額の幅が大きく開くことが分かります。とくにラーメンは、厨房設備が工事費の40〜55%を占める「厨房が主役」の業態です。まずは自分の構想に近い条件で動かし、内訳のどこが重いのかを確かめてください。
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この条件での開業総額の目安
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この試算の前提と注意事項
※金額は概算です。実額は物件の状態や厨房機器のグレード・中古活用で変わるため、最終的には複数社の見積もりで確定してください。
費用を決める「2つの軸」(厨房の重さ×ビジネスモデル)
ラーメン店の内装は「内装をかっこよく」から考え始めがちですが、費用を本当に動かしているのは色や素材ではありません。「厨房をどこまで持つか」と「どんなビジネスモデルか」の2軸で、費用と設計の大枠はほぼ決まります。シミュレーターも、この2軸を入力させて金額の段差を見せる仕組みです。
軸1:厨房の重さ(スープ・麺・排気をどこまで持つか)
スープを店内で炊き出すのか業務用を使うのか、麺を自家製麺にするのか仕入れるのか。これによって必要な寸胴・茹で麺機・排煙・ガス容量・製麺室が変わり、内装費が連続ではなく「段差」で跳ね上がります。ラーメンは飲食店の中でも厨房設備への投資比率が突出して高く、一般的な飲食店が厨房20〜30%なのに対し、ラーメンは40〜55%に達することも珍しくありません。
軸2:ビジネスモデル(カウンター高回転か、大型か)
カウンター中心で席を詰め、券売機と短い動線で高回転を取りにいくのか、ロードサイドの大型店でファミリー客や団体を取るのか。これによって内装の「正解」が変わります。カウンター高回転型は提供動線と機能が命で、過剰な造作はむしろ回収を圧迫します。大型店は席数とゆとり、駐車場が売上を左右します。たとえば同じ12坪でも、業務用スープ・仕入れ麺の油そば店と、自家炊き出し・自家製麺の豚骨専門店では、厨房費が倍以上変わることも珍しくありません。
この2軸を最初に決めると、「自分の店はどこにお金をかけるべきか」が見えてきます。色や素材・スタイルの話は、その後で考えるのが失敗しない順番です。以降の章は、この2軸を具体的な費用・設備・法規・採算に落とし込んでいきます。数字で大枠をつかんでから細部を詰めると、判断がぶれません。
まずは2軸を入れて、複数社の見積もりで費用配分を見比べてみましょう。
写真のような実際の施工事例を一覧で見られます → ラーメン・つけ麺・油そばの内装事例106件を写真で見る
費用相場と内訳・坪単価(居抜き/スケルトン/新築)
ラーメン店の開業費用は「内装工事・厨房設備・物件取得・運転資金」の合計です。中でも厨房設備費の比率が突出して高いのがラーメンの特徴で、ここを見落とすと「内装費が思ったより高かった」となりがちです。まずは費目の全体像と坪単価をつかみましょう。
内装工事費は壁・床・天井・造作に加え、厨房まわりの排煙・給排水・ガス工事などです。厨房設備は寸胴・ゆで麺機・業務用冷蔵・券売機などの機器で、ラーメンではこの比率が高くなります。物件取得費は保証金・礼金・仲介手数料で立地によって大きく動き、運転資金は開業後しばらくの家賃・人件費・仕入れをまかなう数か月分の余力です。内装の坪単価だけで資金計画を立てると不足しがちなので、内装+厨房+物件+運転資金の合計で見るのが基本です。
坪単価の目安(物件状態で大きく変わる)
物件の状態によって坪単価はまったく変わります。物件状態別の内装工事費の目安は次のとおりです。20坪の標準的な店舗なら、内装工事費はおおむね600〜1,400万円が現実的なレンジになります。
居抜き
- 20坪の内装費約300〜1,000万
- 前提前がラーメン/飲食で設備流用
スケルトン
- 20坪の内装費約600〜1,400万
- 前提厨房・排気をゼロから
新築
- 20坪の内装費約1,500〜2,200万
- 前提建物本体は別途
※厨房機器・券売機・什器・看板は坪単価に含まない別予算です。実際の事例と費用感はラーメン店の事例ページでも確認できます。費用の全体像は店舗内装の費用相場ガイドもあわせてどうぞ。
ラーメンは「坪単価」より「厨房比率」で見る
🍜 内装費は坪単価だけで判断しない
一般的な飲食店の厨房設備費は総工事の20〜30%ですが、ラーメンは寸胴・茹で麺機・排煙ダクト・グリストラップが積み重なり、工事費の40〜55%に達することも珍しくありません。だから「安く見える坪単価」の居抜きでも、厨房が自店の製法に合わなければ結局高くつきます。シミュレーターは、この厨房比率を入力ごとに表示します。
居抜きは「前が何だったか」で激変する
居抜きは前のラーメン店・飲食店の厨房・排気・グリストラップを流用でき、内装費を大きく抑えられます。ただし効果は前テナント次第です。前が飲食以外(物販・事務所など)だと配管・排気・ガスを新設することになり、結局スケルトンに近い金額になります。さらにラーメン特有の落とし穴として、前店と自店の製法(スープの炊き方・麺の種類)が違うと、せっかくの厨房が使えず作り直しになることがあります。そのため居抜きは「坪単価が安いか」だけでなく、自店の厨房がそのまま載るかを基準に選ぶのが安全です。
費用を抑える3つのコツ
- 前がラーメン/飲食の居抜きを選ぶ(厨房・排気・グリストラップ流用で数百万円の差)。ただし自店の製法に合うか必ず確認
- 厨房機器は中古・リースも検討(ゆで麺機は中古7万円前後から。ただし使用年数・状態・保証を確認)
- 最低でも複数社から相見積もりを取り、内訳を比べる(同じ要望でも金額も提案も大きく違う)
まずは複数社の見積もりを取って、相場と厨房費の内訳を見比べてみましょう。
業態別の内装の違い(12業態)
ラーメンの内装は「業態の中身」で厨房構成が決まります。同じ坪数でも、必要な設備・排気・坪単価がまったく違います。シミュレーターと同じ3グループで、業態ごとの要点を見ていきましょう。
定番・スタンダード系
地域に根ざした王道タイプ。スープの炊き方で厨房の重さが変わります。
醤油・塩ラーメン
標準的な厨房構成で、寸胴・ゆで麺機・冷蔵が中心。あっさり系は炊き出しの負荷が比較的軽く、内装はカウンターと動線に集中できます。出汁の取り方によって寸胴とガス容量が変わります。
味噌ラーメン
炒め調理(もやし・野菜)を伴うことが多く、中華レンジや強い火力が要点。炒めの油煙が出るため、排気・換気をしっかり設計します。北海道系は券売機+カウンターの回転型が多い業態です。
豚骨ラーメン
大型寸胴で長時間炊き出すため、高温多湿の厨房・強力な換気・ガス容量が要点。豚骨特有の強いにおい対策(排気の高さ・脱臭)と近隣配慮が前提で、厨房費が上振れしやすい業態です。
家系ラーメン
豚骨醤油の寸胴に加え、ライス・卓上調味の什器、券売機が要点。スープの炊き出しと、ご飯ものを支える厨房動線を確保します。カウンター高回転で回す設計が向きます。
専門・濃厚系
麺やスープの作り込みが主役。製麺機や茹で能力が費用を左右します。
つけ麺
濃厚なつけ汁用のスープ設備と、太麺を大量に茹でる能力、麺を締める水回りが要点。提供時の麺量が多く、ゆで麺機の容量と給排水の設計が効きます。自家製麺との相性も良い業態です。
二郎系
極太麺を大量に茹でるため、大型のゆで麺機・茹で能力が最重要。野菜(ヤサイ)の仕込みスペース、力強い動線、券売機が要点で、厨房の作り込みが体験価値に直結します。
鶏白湯
鶏ガラを長時間炊いて乳化させる寸胴とガス、撹拌・濾しの作業スペースが要点。濃厚スープの炊き出し負荷があり、豚骨に近い厨房・排気の作り込みになります。
油そば・まぜそば
スープを大量に炊かない分、厨房は比較的軽め。タレ・トッピングの仕込みと、混ぜやすい器・提供動線が要点で、小坪・低投資で出しやすい業態です。
業態特化
内装の世界観や規模で個性化するグループです。
町中華・中華そば
中華レンジ(強火力)・餃子焼器・炒め物の排気が要点。ラーメンに加え一品料理・定食を出すため、厨房が広めになり、レトロで親しみのある内装が世界観になります。
高級・デザイナーズ
上質な素材・個室・落ち着いた照明で、1杯の単価に見合う空間をつくります。厨房に加え内装グレードが上がる業態で、ミシュラン系の専門店などが該当します。
ラーメン居酒屋
昼はラーメン、夜は一品とお酒で客単価を上げる業態。酒類の什器・グラス、夜の調光、深夜営業なら届出が要点。滞在が延びる分、回転型とは設計が変わります。
チェーン展開型
多店舗を見据え、セントラルキッチンや業務用スープで店舗側の厨房を標準化・軽量化します。再現性とオペレーション効率を重視した内装・厨房設計になります。
どの業態でも共通するのは、スープの炊き方と麺(自家製麺か)を最初に決めること、券売機とカウンターの高回転を前提に動線を作ること、そして強い排気と熱対策を厨房に組み込むことです。これらは完成後の修正が難しく、初期設計の精度がそのまま採算に直結します。迷ったら、出したいラーメンの一杯を具体的に決め、その提供に必要な厨房・席数・動線から逆算するのが、業態選びと設計の確実な順番です。
業態に合った厨房・内装は、ラーメン・飲食の実績がある会社に相談するのが近道です。
寸胴・茹で麺・排煙・製麺の設備とコスト
ラーメン内装で費用が集中する核が、厨房まわりです。一般の店舗内装と最も違うのがここで、どこまで持つかを設計初期に決めることが総額を左右します。
寸胴・スープレンジ(スープの炊き出し)
スープを店内で炊き出すなら、大型の寸胴と高火力のスープレンジ、それを支えるガス容量が必要です。長時間炊き続けるため厨房が高温多湿になり、強力な換気と空調、熱対策が前提になります。豚骨・鶏白湯のような濃厚系は炊き出しの負荷と排気が一段重く、ガス号数や排気ダクトの経路を物件選びの段階で確認します。業務用スープやセントラルキッチンを使えば、この負荷を大きく減らせます。寸胴は業態や席数に見合う容量を選び、複数を併用することもあります。スープの仕込み量と1日の提供数から逆算して、寸胴のサイズとガスの号数を決めます。
茹で麺機・製麺機
ゆで麺機は麺を扱う店の必需品で、業務用ガス角型の新品はおおむね27万〜75万円、ハイエンドは定価100万円超、中古なら7万円前後からあります。二郎系やつけ麺のように大量・太麺を茹でる業態は、茹で能力の高い機種を選びます。自家製麺を行うなら、製麺機(本格機は中古でも60〜90万円、大型・真空式で〜300万円)と専用の製麺室(粉の換気・温湿度管理)が加わり、費用が一段上がります。
排煙・換気・におい対策
炊き出しの蒸気、茹で麺の湯気、炒めの油煙を外に出す排煙ダクトと強力な換気は、ラーメン厨房の生命線です。とくに豚骨など強いにおいは、排気口の高さや脱臭、近隣への配慮が必要で、クレームの火種になりやすいポイントです。ビルの上階で屋上まで排気を通す場合は、ダクト工事だけで大きな費用がかかることもあります。とくに豚骨や鶏白湯のように長時間炊き出す業態では厨房の温度が上がりやすく、スタッフが働き続けられる環境を保つための空調・換気が欠かせません。排気ダクトは短くまっすぐ通せる物件が望ましく、経路が長いほど工事費がかさみます。
グリストラップ・ガス・給排水
油を扱う厨房には、油脂を分離するグリストラップが実質的に必要です(明確な一律基準はありませんが、建築基準法施行令や自治体の下水道条例で求められるため、下水道課・保健所に確認します)。高火力の寸胴・ゆで麺機はガス容量が大きく、物件のガス号数や給排水の位置が業態に見合っているかを契約前に確認します。これらは借りてから不足が分かると高額な追加工事になりがちなので、内見の段階で設備に強い会社に同行してもらうのが安全です。
厨房機器の費用の目安
- ゆで麺機(業務用ガス角型):新品27〜75万円・ハイエンド100万円超・中古7万円前後〜
- 製麺機(自家製麺):本格機 中古60〜90万円・大型/真空式〜300万円+製麺室造作
- 寸胴・スープレンジ:長時間高火力。ガス増設・排気増強が伴う
- その他:中華レンジ・餃子焼器・業務用冷凍冷蔵・券売機・グリストラップ
寸胴・排気・ガスの要件は、厨房に強い会社に最初から相談すると失敗しません。
内装スタイル・デザインの選び方
当サイト登録企業(サライデザイン)による実際のラーメン店内装の施工事例です(クリックで各事例の詳細へ)。木のカウンターを軸にした落ち着いた内装が中心です。
カウンター素材の選び方|ラーメン店の「要」を費用と実務で比較
ラーメン店は客席の主役がカウンターです。スープの跳ね・丼の引きずり・高回転の拭き取りに毎日さらされるため、見た目だけでなく「縁(エッジ)の強さ」と「目地の少なさ」で選ぶのが実務的です。特に汚れは正面飛沫より着丼後の置き直しで手前縁に集中するため、天板全面を高級材にするより「手前縁だけ強い素材に切り替える」仕様がコストと耐久の両立解になります。
| 素材 | 概算(横幅1mあたり) | 雰囲気・向く業態 | 実務メモ |
|---|---|---|---|
| 無垢材(タモ・ナラ等) | 5〜15万円 | 高単価・こだわり系、白木はレトロにも | 輪ジミ対策にウレタン塗装必須。反り対策で厚み30mm〜 |
| 集成材 | 3〜8万円 | 木の温かみ×標準価格帯の主力 | 小口(断面)の保護で耐久が大きく変わる |
| メラミン化粧板 | 1.5〜4万円 | 高回転・チェーン型、木目柄で見栄え両立 | 耐熱・耐汚性が最強クラス。縁の樹脂エッジ選定が寿命を決める |
| 人工大理石 | 4〜10万円 | モダン・clean系、白基調の新店 | 継ぎ目レスで拭き取り最速。熱い寸胴の直置きはNG |
方向性は大きく「レトロ系」か「モダン系」か
レトロ系(白木カウンター×暖簾×電球色2700K×短冊メニュー)は中華そば・昔ながら系と相性がよく、居抜きの古さを「味」に転化できるため初期費用も抑えやすい方向です。モダン系(モルタル/黒基調×ライン照明×券売機前の明るい待機ゾーン)はつけ麺・鶏白湯など新系統と好相性で、夜の路面視認性も高くなります。
照明は「カウンター手元は明るく(食べ物の彩度)、客席背面は落とす」の二段構成が基本。券売機まわりだけ照度を一段上げると初見客の滞留が減り、ピーク回転に効きます。
ラーメンは「味で勝負」の業種ですが、内装は再来店とブランドを左右します。スタイルは見た目の好みではなく、業態・客層・客単価から逆算して選ぶのが失敗しないコツです。とはいえカウンター高回転型では、過剰な造作より清潔感と動線を優先するのが基本です。
代表的なスタイルと向き不向き
町中華・レトロは赤や木を生かした親しみのある世界観で、中華そば・定食を出す店に向きます。デザイナーズ・モダンはこだわりの造作で差別化し、写真映えやブランド化を狙う専門店向き。オープンキッチンは寸胴や湯切りの所作を見せてライブ感と活気を出せます。高級・専門は上質な素材と個室で、1杯の単価に見合う特別感をつくります。
カウンター中心の内装の考え方
多くのラーメン店はカウンター中心です。厨房と客席を一直線にして、湯切り→盛り付け→提供の所作が最短になるよう設計します。素材は油や湯気に強く清掃しやすいもの(耐水・耐油の床、拭きやすい壁)を選び、券売機の位置や行列の並び方も内装の一部として考えます。カウンター席の素材は、毎日の油・湯気・スープの跳ねに耐えるものを選びます。テーブルや椅子も、回転の速い店ほど清掃のしやすさと耐久性を優先して選ぶのが実務的です。
⚠️ 木材の落とし穴(デザインと法規の接点)
飲食店は床から1.2mを超える壁・天井に防火材料(不燃・準不燃・難燃)を使う「内装制限」があります。木をふんだんに使いたい場合、この制限に触れて使えないことがあるため、設計の初期段階で業者や消防に確認しておきましょう。厨房まわりは火気の離隔距離にも注意が必要です。
好みのスタイルを実現できる会社かは、過去の事例を見比べるのが一番です。
坪数・席数・券売機とレイアウト・動線
ラーメン店のレイアウトは「席数」と「厨房・カウンターの面積」のせめぎ合いです。ラーメンは高回転で稼ぐ業態なので、提供動線が詰まると回転が落ち、売上の上限が下がります。最初に席数と動線の前提を決めることが、後悔しないレイアウトの起点です。
坪数と席数の目安
ラーメンは比較的小さな物件でも開業でき、カウンター中心なら10坪程度でも営業可能です。一般に客席は1坪あたり1.5席が目安で、回転率も考慮して面積を決めます。経営が軌道に乗ってから2号店で拡大する段階的な戦略も有効です。坪数別の構成イメージは次のとおりです。
坪数別の構成イメージ
- 8〜10坪:カウンターのみの小型店。立地と回転に全振り
- 12〜15坪:カウンター+小上がり少々の標準的なラーメン店
- 18〜20坪:カウンター+テーブルで一品やサイドも
- 25坪以上:ロードサイド・大型。駐車場と団体席
券売機と「湯切り一直線」動線
券売機を入口付近に置くと、注文と会計が席に着く前に終わり、回転が上がります(電源とスペースを確保)。厨房は、湯切り→盛り付け→提供が一直線になるよう配置すると、提供スピードが安定します。お客様の動線(入口→券売機→着席→受取→退店)とスタッフの動線(厨房内)を交差させないのが基本です。通路幅は60〜90cm以上を確保し、行列ができる店は店外の並び方も設計に含めます。人気店では、待っている人が注文を決められるメニュー表示や、通行の妨げにならない並ばせ方も、回転と近隣配慮の両面で効いてきます。
カウンターとテーブルの使い分け
| 席種 | 向く業態 | ねらい |
|---|---|---|
| カウンター | 専門店・高回転 | 提供動線最短・1人客 |
| テーブル | 町中華・大型 | グループ・一品料理 |
| 小上がり | 郊外・ファミリー | 子連れ・滞在 |
坪数に合った席数と動線は、複数社に図面を引いてもらうと差が見えます。
採算:カウンター高回転モデル
2軸のうち「ビジネスモデル」を採算の視点から掘り下げます。ラーメンが他の飲食業態に比べて利益を出しやすい理由の一つが、回転率の高さです。
ラーメンは提供時間が短く(注文から3〜5分)、食事時間も短い(10〜15分)ため、1席あたり1時間に3〜4回転が可能です。居酒屋の1時間0.5回転、カフェの1時間1回転と比べると圧倒的です。たとえばカウンター10席で、昼のピーク2時間に4回転、夜のピーク3時間に3回転すれば、ピークタイムだけで170杯を提供できます。原価率が35%と高めでも、1日170杯×客単価900円=日商15.3万円、月商459万円なら十分な利益が出ます。
原価率・FL・家賃という指標
ラーメンは材料費(原価)の比率が高く、お酒など高利益商品で補いにくいため、原価率の管理がそのまま採算を左右します。次の指標を目安に、内装の借入が重くなりすぎない予算を逆算しましょう。
採算の主な目安
- 原価率:30〜35%(材料費比率が高い業態)
- FLコスト(原価+人件費):60%前後
- 家賃:売上の10%以内が理想
- 回転率:1席あたり1時間3〜4回転(高回転)
回転を上げる設計
回転率を上げるには、食券制(注文時間の短縮)、カウンター中心の席配置(提供動線の短縮)、調理オペレーションの標準化(提供スピードの安定)が効きます。これらは内装・厨房の設計段階で仕込めるものが多く、トッピングやサイド、ドリンクで客単価を底上げするのも有効です。なお、ピークタイムに酒類で長居されると回転が落ちるため、酒主体はピーク以外に寄せるのが定石です。ラーメン一杯あたりの利益には限界があるため、味玉・チャーシューなどのトッピングや、ライス・餃子といったサイド、ドリンクで客単価を底上げするのも有効です(トッピングは原価率が低めのものが多く、利益に効きます)。売上から原価・人件費・家賃・水道光熱費を引いた残りで内装の借入を返すと考えると、無理のない予算が見えてきます。シミュレーターで出た総額を、想定の月商と照らして無理がないか確かめましょう。
採算から逆算した内装は、相見積もりで費用配分を比べると見えてきます。
飲食店営業許可・消防・内装制限・自家製麺
ラーメン店は飲食店なので、内装の自由度は法規の中で決まります。設計初期に押さえないと検査が通らず開業が遅れます。要点を整理します。
飲食店営業許可と防火管理者
ラーメン店の開業には飲食店営業許可が必須で、各店舗に食品衛生責任者を1名置きます。2槽以上のシンクやスタッフ専用の手洗い、客が厨房を通らずに行けるトイレなどの設備基準を満たす必要があります。延床面積が300㎡を超えると甲種、300㎡以下なら乙種の防火管理者の選任も求められます。物件契約・着工前に、図面を持って保健所へ事前相談するのが安全です。基準は自治体ごとに細部が異なるため、図面段階での相談が手戻りを防ぎます。厨房と客席を区画する、床や壁を清掃しやすい材質にするといった点も、許可の前提として早めに設計へ織り込みます。
自家製麺と「めん類製造業」の関係
🍜 自家製麺に「めん類製造業許可」は要る?
自家製麺は、店内で製造して自店で使う限り飲食店営業許可のみで行え、めん類製造業許可は不要です。めん類製造業許可が必要になるのは、生麺・ゆで麺などを製造して他店に卸す・販売する場合です(食品衛生法の要許可業種の一つ)。「自家製麺=特別な許可が要る」と思われがちですが、自店使用なら通常は不要です。
消防・内装制限
消防・内装制限で押さえる点
- 床1.2m超の壁・天井は防火材料(不燃・準不燃・難燃)/床は対象外
- 厨房設備は入力合計350kW以上で所轄消防へ届出、火気の離隔距離にも注意
- 避難経路(通路・出入口)の確保、カーテン等は防炎品
- 収容人数に応じ消火器・誘導灯・消防計画
グリストラップ・深夜営業
油を扱う厨房にはグリストラップが実質的に必要です(明確な一律基準はありませんが、建築基準法施行令や自治体の下水道条例で求められるため、下水道課・保健所に確認します)。豚骨など強いにおいの排気は、近隣への配慮と脱臭が実務上の必須事項です。深夜0時以降に酒類を主に提供するラーメン居酒屋は、警察署(公安委員会)への深夜酒類提供の届出が必要になります。これらは完成後の手直しが難しいため、法規に慣れた内装会社なら検査でつまずかない設計に最初から落とし込んでくれます。スケルトンからの開業手順はラーメン店のスケルトン開業ガイドも参考にしてください。
法規対応に慣れた会社なら、検査でつまずかない設計にしてくれます。
物件選び・居抜き vs スケルトン
ラーメン店の初期費用と売上の両方を最も左右するのが物件です。とくにラーメンは厨房が重いため、厨房・排気・ガスが使える物件かどうかで費用が大きく変わります。まずは居抜きとスケルトンの違いを整理しましょう。
居抜き
- 強み厨房・排気・グリストラップ流用
- 注意前店と製法が違うと作り直し
スケルトン
- 強み厨房・動線を自由に設計
- 注意費用も工期も大きい
ラーメン特有の注意は、居抜きでも「前店の製法と自店の製法が合うか」です。前が同じようなラーメン店なら寸胴・排気・グリストラップを活かせますが、製法が違うと厨房を作り直すことになり、安く見えた居抜きが結局高くつきます。
契約前に必ず確認すること
- ガス容量(号数)が高火力の寸胴・ゆで麺に足りるか
- 排気を外に出せるか(ダクト経路・排出口の高さ・におい)
- グリストラップの有無・設置スペース
- 退去時の原状回復(スケルトン戻し義務)の条件
立地は、駅前・商店街のカウンター小型店か、ロードサイドの大型店かで戦略が変わります。ラーメンは行列も集客装置になるため、視認性と並びやすさも見ておきましょう。ロードサイドなら駐車場の台数と出入りのしやすさ、駅前なら人通りと家賃のバランスが、集客と採算を左右します。設備の容量不足や排気の不可は借りた後では取り返しがつかないため、内見の段階で内装会社に同行してもらうのが安全です。設備の可否は、図面より現地で分かることが多いものです。
居抜きが使えるかの見極めは、内装会社の現地チェックが確実です。
内装業者の選び方
ラーメンの内装は、厨房・排気・ガスに強い飲食専門の会社を選ぶのが近道です。住宅や物販が中心の会社だと、寸胴の排気やガス容量、グリストラップ、保健所・消防まわりで思わぬ手戻りが出ることがあります。
会社のタイプで選ぶ
設計事務所
- 強みデザイン・世界観
- 向き専門店・差別化
施工会社
- 強み費用・工期・厨房
- 向きコスト重視
ワンストップ
- 強み窓口一本化
- 向き手間を減らす
いずれの場合も、ラーメン・飲食の厨房に慣れているかが第一条件です。
見るべき3つのチェック
業者選びの3チェック
- 同じ業態(豚骨・二郎系・町中華等)の施工実績があるか
- 寸胴の排気・ガス容量・グリストラップ・保健所/消防に対応できるか
- 見積もりの内訳が明朗で、厨房設備の含み方など追加条件が明確か
打ち合わせでの提案力やレスポンスの速さ、保証やアフター対応も、長く付き合ううえで効いてきます。1社だけで決めず、最低でも複数社から相見積もりを取り、実績・対応・金額を比べて選ぶと失敗が減ります。相見積もりは値切りのためではなく、要望に対する解釈や提案の違いを見極めるためのものと考えると、納得して選べます。
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開業までの流れと工期・よくある失敗
物件決定から開業までは、設計・事前相談・工事・許可の順で進みます。検査や許可に日数がかかるため、スケジュールは余裕をもって組みます。
物件を契約したら家賃が発生し始めるため、契約日・工事期間・開業日の関係を最初に押さえます。工期の目安は、設備の整った居抜きの小規模店で数週間、スケルトンや本格的な厨房・排気を伴う場合は1〜数か月です。設計と保健所・消防の事前相談に時間をかけ、工事に入ってからの設計変更を避けるのが、工期と費用を守るコツです。厨房機器の手配や製麺機の納期、ダクト・電気・ガスの工事には日数がかかるため、機器の選定を早めに固めておくと工程が安定します。
よくある失敗
このパターンに注意
- 厨房費(工事の40〜55%)を見落として予算が膨らむ
- 豚骨など排気のにおいで近隣クレームになる
- ガス容量が不足し、高火力の寸胴・ゆで麺が回らない
- 回転前提の動線になっておらず、提供が詰まる
- 居抜きの厨房が自店の製法に合わず作り直し
- 寸胴の熱対策が不足し、厨房が過酷な環境になる
- 客席を詰めすぎて厨房が狭く、提供スピードが落ちる
いずれも、厨房の要件(スープの炊き方・麺・業態)を設計初期に固めることと、事前相談、相見積もりによる費用の見える化で防げます。古い建物や居抜きでは解体後に不具合が出ることもあるため、総予算の1割程度を予備費として見ておくと安心です。
工程とスケジュールも、複数社に出してもらうと現実的な計画が立ちます。
よくある質問(FAQ)
ラーメン店の内装は最低いくらから可能ですか?
条件次第ですが、設備の整った居抜きの小規模カウンター店なら数百万円から可能なケースもあります。スケルトンや本格的な炊き出し厨房・自家製麺を伴うと総額は上がります。上のシミュレーターで業態・坪数・物件状態を入れると、開業総額の概算が出ます。
ラーメンの厨房費はどのくらいの割合ですか?
一般的な飲食店の厨房設備費は工事の20〜30%ですが、ラーメンは寸胴・茹で麺機・排煙ダクト・グリストラップが積み重なり、40〜55%に達することも珍しくありません。坪単価だけでなく、この厨房比率で予算を見るのがコツです。
自家製麺をやるのに特別な許可は要りますか?
店内で製造して自店で使う自家製麺なら、飲食店営業許可のみで行え、めん類製造業許可は不要です。生麺やゆで麺を他店に卸す・販売する場合は、めん類製造業許可が別途必要になります。
居抜きとスケルトン、どちらが得ですか?
前がラーメン店や飲食店で、厨房・排気が自店の製法に使えるなら居抜きが有利です。前が飲食以外、または製法が大きく違うと作り直しになり、結局スケルトンに近くなります。物件ごとに内装会社へ現地チェックを依頼して判断するのが確実です。
豚骨の排気・においの対策はどうすればいいですか?
強力な換気と排煙ダクト、排気口の位置・高さ、脱臭の工夫で対応します。近隣クレームになりやすいポイントなので、物件選びの段階で排気を外に出せるか、ダクト経路を確認し、厨房・排気に強い会社に相談するのが安全です。
何坪あればラーメン店を開業できますか?
カウンター中心なら10坪程度から可能です。1坪あたり1.5席が目安で、12〜15坪が標準的なレンジ、ロードサイドの大型店は25坪以上が目安です。必要な厨房と席数から逆算して決めます。
見積もりや相談は無料ですか?
店舗内装ドットコムでは、相談・見積もりは無料です。47都道府県・ラーメンや飲食の厨房に対応する会社が見つかり、しつこい営業もありません。
気になる点は、無料の見積もり依頼から気軽に相談できます。
まとめ
30秒で結論
- 内装の坪単価は居抜きで坪15〜50万円、スケルトンで坪30〜70万円が目安。ただしラーメンは厨房費が工事の40〜55%を占める「厨房が主役」の業態です。上のシミュレーターで47都道府県×業態の開業総額がすぐ出ます
- 費用は色や素材より先に「厨房の重さ×ビジネスモデル」の2軸で決まります。スープの炊き出し・自家製麺・業態で厨房費が段差で動きます
- カウンター高回転(1時間3〜4回転)で稼ぐ業態。券売機・湯切り一直線の動線・強い排気を設計初期に仕込むことと、保健所・消防への事前相談が成功のコツです
- 費用も仕上がりも会社で大きく変わります。店舗内装ドットコムなら、ラーメン・飲食の厨房に対応する会社から無料で複数社の見積もりを取れます(しつこい営業なし)
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