調剤薬局・ドラッグストアの内装費用相場|坪20〜60万円・薬機法設備と坪数別シミュ

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結論:調剤薬局・ドラッグストアの内装費用の目安

調剤薬局の内装費用は、坪単価で20〜60万円が目安です。最低基準を満たすだけなら坪20〜30万円ですが、待合の充実や差別化、無菌調剤室の設置などで上がります。調剤薬局が一般の物販と費用構造が違うのは、薬機法の構造設備基準(調剤室6.6㎡以上・薬局全体19.8㎡以上・調剤台120ルクスなど)を満たさないと開業できず、さらに分包機・レセコン・調剤台などの医療設備費(概ね200万円〜)が内装とは別にかかるためです。ドラッグストアは大型・物販主体で、調剤併設の有無で費用が変わります。本ページは、両者を分けて、規制・設備・坪数別の費用を公開相場と公的基準をもとに整理したものです。

  • 調剤薬局とドラッグストアの費用構造の違い
  • 薬機法の構造設備基準が内装費に与える影響
  • 分包機・レセコンなど医療設備費の目安(内装とは別枠)
  • 業態別(門前/面分業/在宅)・坪数別のシミュレーション

この記事について

  • 運営:株式会社BPBコンサルティング(店舗内装の一括見積もりサービス「tenponaiso.com」)
  • 最終更新:2026年5月29日
  • 費用・法規・設備の情報は、各自治体・公的機関の公開資料(薬局等構造設備規則を含む)、および店舗内装の公開相場をもとに編集部が整理したものです。実際の費用は規模・業態・設備によって変動します。正確な金額は必ず複数社の見積もりでご確認ください。

調剤薬局・ドラッグストアの内装費用は何で決まる?

結論から言うと、調剤薬局の内装費用は「①薬機法の構造設備基準(法的に必須の要件)」「②医療設備(分包機・調剤台など)」「③業態(門前・面分業・在宅など)」「④坪数」の4つで決まります。内装費の坪単価は、最低基準を満たすだけなら20〜30万円、待合の充実や差別化で30〜45万円、無菌調剤室や高機能仕様で45〜60万円が目安です。物販店の坪単価レンジと比べると下限は近いものの、後述する構造設備基準と医療設備があるぶん、総額の組み立て方がまったく異なります。

近年の調剤薬局は、単に薬を受け取る場所ではなく、かかりつけ薬局として地域の健康を支える役割が求められるようになっています。そのため、相談しやすい待合や投薬カウンター、プライバシーへの配慮といった「患者に選ばれる」内装の要素が、費用に反映されるようになってきました。最低基準のクリアだけを目指すのか、差別化まで踏み込むのかで、坪単価が大きく変わるのはこのためです。

調剤薬局の内装費は「仕様」で決まる(内装費/坪)0204060万円最低基準クリア坪20〜30万円標準・待合充実坪30〜45万円高機能・差別化坪45〜60万円

まず押さえたいのは、「調剤薬局」と「ドラッグストア」は費用構造が異なるということです。調剤薬局は小規模でも法定の構造設備と医療設備が必要で、坪単価より「規制と設備」が費用を左右します。一方ドラッグストアは大型で物販が主体となり、ゴンドラ什器・冷蔵冷凍・レジ・OTC陳列が中心で、調剤を併設する場合に調剤室の費用が加わります。下の比較で違いを整理してください。

調剤薬局

規制+医療設備
  • 規模小〜中(15〜30坪が中心)
  • 費用の主役構造設備基準・調剤機器
  • 必須設備調剤室・分包機・薬品棚・保冷庫
  • 許認可薬局開設許可+保険薬局指定

ドラッグストア

大型・物販
  • 規模大型(数十〜100坪超)
  • 費用の主役物販什器・冷蔵冷凍・レジ
  • 必須設備ゴンドラ・OTC陳列(+調剤室)
  • 許認可店舗販売業(調剤併設は薬局許可)

本ページは、件数として多く費用の論点も濃い「調剤薬局」を中心に解説します。ドラッグストアは大型物販の色合いが強く、費用は物販店・小売店の考え方に近づくため、調剤を併設しない場合は小売店の内装費用の考え方も参考になります。以下では、まず調剤薬局を開業できるかどうかを左右する「構造設備基準」から見ていきましょう。

【最重要】薬機法の構造設備基準と費用

調剤薬局の費用を理解するうえで最も重要なのが、薬機法(医薬品医療機器等法)に基づく「構造設備基準」です。これは、薬局として営業するために満たさなければならない最低要件で、これをクリアしないと薬局開設許可が下りません。一般の物販店にはない、調剤薬局ならではのコスト要因です。

薬機法の構造設備基準(クリアしないと開業できない)薬局全体の面積おおむね19.8㎡以上(畳12)調剤室の面積6.6㎡以上・間口奥行1.3m区画の明確さ調剤室を間仕切りで区別・進入不可照度調剤台120ルクス/陳列60ルクス冷暗貯蔵自記温度計付き冷蔵庫毒薬の保管鍵のかかる貯蔵設備・表示※床面積だけでなく、待合・投薬・監査の動線まで含めて「適切に行える」設計が求められる。

具体的には、薬局全体の面積はおおむね19.8㎡以上(畳12枚分ほど)、調剤室は6.6㎡以上で間口・奥行きがそれぞれ1.3m以上必要です。調剤室の天井・床は板張りやコンクリートなど衛生を確保できる材質とし、他の場所と間仕切りで明確に区別して、一般の人が進入できない措置を講じます。照度は、調剤台の上で120ルクス以上、医薬品の陳列や投薬カウンターで60ルクス以上が求められます。さらに、厳密な温度管理が必要な医薬品には自記温度計付きの冷蔵庫を、毒薬には鍵のかかる貯蔵設備と表示を備えなければなりません。

注意したいのは、面積基準は「数字さえ満たせばよい」わけではない点です。床面積が19.8㎡あっても、什器の配置・待合・投薬動線・監査動線まで含めて「業務を適切に行える」と説明できる設計でなければ、審査で指摘を受けることがあります。つまり、構造設備基準は内装の間取り・動線設計に直結し、費用にも影響します。実務で見落とされやすいのは「区画の明確さ」で、棚の移動やパーテーションの追加といったレイアウト変更が、結果的に調剤室として有効に使える面積を削ってしまうことがあります。また、薬剤師が1人増えるごとに3㎡以上の追加面積が必要とされ、処方箋の受付枚数が増えれば薬剤師の数も増えるため、開業後の規模拡大まで見据えた面積計画が望まれます。基準を満たしつつ使いやすい薬局にするには、薬局の設計に慣れた会社に相談するのが確実です。開店時間中に要指導医薬品や一般用医薬品を販売しない時間がある場合は、その陳列・交付場所を閉鎖できる構造にすることも求められます。こうした細かな要件まで設計に落とし込めるかが、薬局の内装会社の実力です。詳しい設計の考え方は薬局の内装デザインガイドも参考にしてください。

医療設備・什器の費用(内装とは別枠)

調剤薬局では、内装工事費とは別に、調剤に必要な医療設備・什器の費用がかかります。ここを見落とすと資金計画が大きくずれるため、内装費とセットで把握しておきましょう。

医療設備費の目安(内装費とは別枠)分包機100〜400万(中古50万〜)レセコン+電子薬歴100〜250万調剤台・薬品棚100〜200万空調・その他什器50〜150万※リース活用も可。在宅対応の無菌調剤室はさらに加算。医薬品在庫は別途200〜500万。

主な設備費の目安は、分包機が100〜400万円(中古なら50万円程度から)、レセコン(レセプトコンピュータ)と電子薬歴が100〜250万円、調剤台・薬品棚が100〜200万円、空調やその他什器が50〜150万円です。このほか、マイナンバーカード自動受付機、薬歴用パソコン、薬袋発行機、水剤台、メスシリンダー洗浄機、麻薬金庫なども必要になります。レセコンは受付と調剤室の2台構成で200万円程度が一つの相場で、初期費用とは別に月額のランニングもかかります。在宅対応で無菌調剤室(クリーンベンチ・安全キャビネット)を設ける場合は、さらに費用が上がります。設備は法定のものだけでなく、業務内容に応じて適切に選定することが大切で、過剰なスペックは初期投資を膨らませ、不足は業務効率を落とします。分包機の台数や自動化の範囲、レセコンの機能は、想定する処方箋枚数と業務フローから逆算して決めると無駄が出にくくなります。設備は内装工事と並行して選定・発注する必要があり、搬入のタイミングや設置位置(電源・給排水・スペース)を内装計画と合わせておかないと、後から配置変更や追加配線が発生します。内装会社と設備の選定を早めに連携させることが、二度手間とコスト増を防ぐポイントです。

こうして見ると、調剤薬局の開業費用は「内装費」だけでは語れないことがわかります。実際には、内装費・医療設備費・医薬品在庫の三層に、運転資金を加えた構造で考える必要があります。

調剤薬局の開業費用は「三層+運転資金」① 内装費坪20〜60万円② 医療設備費概ね200万円〜③ 医薬品在庫200〜500万円+ 運転資金調剤報酬まで約3ヶ月分「内装費だけ」で見ると資金が不足しがち。三層+運転資金で計画する。※規模・業態・新中古で変動。リース活用で初期負担を平準化できる。

医薬品の在庫は開業時で200〜500万円程度が目安で、ジェネリックの普及で品目数が多くなりがちです。また、調剤報酬が入金されるまで1ヶ月以上のタイムラグがあるため、家賃・人件費をまかなう運転資金を3ヶ月分ほど確保しておくのが安全です。設備や機器はリース契約を活用すれば初期負担を平準化できます。「内装費だけ」で資金を組むと開業直後に資金が不足しやすいので、この三層+運転資金で計画を立てましょう。たとえば内装坪単価20万円で10坪なら内装費は約200万円ですが、ここに医療設備が約200万円、医薬品在庫が200〜500万円、さらに数ヶ月分の運転資金が乗ります。内装費は総額の一部にすぎないことが分かります。だからこそ、内装の見積もりを取る段階から、設備・在庫・運転資金まで含めた全体像で資金計画を考えることが、開業後の安定につながります。

業態別・坪数別の費用シミュレーション

調剤薬局は業態によって、必要な面積・設備・待合の広さが変わり、費用感も変わります。下表は代表的な業態の傾向です。

業態 特徴 費用に効く要素
門前型 病院・クリニック前。処方箋が集中 効率的な調剤・投薬動線、回転
面分業型 地域・かかりつけ。複数医療機関に対応 待合の快適性、相談スペース
在宅対応 在宅医療・施設対応 無菌調剤室、調製スペース
ドラッグ併設 物販+調剤 物販什器+調剤室の二重構成
漢方・調剤特化 漢方・自費調剤など 生薬棚、相談室、専用什器

これに坪数をかけた開業費用(内装+医療設備)の概算が下図です。物件取得費・医薬品在庫・運転資金は含みません。門前型は処方箋が集中するため効率的な動線で坪数を抑えやすく、面分業型は待合や相談スペースを広くとるため坪数が増える傾向があります。在宅対応やドラッグ併設は設備・物販の分だけ規模と費用が大きくなります。

坪数別・開業費用の目安(内装+医療設備)15坪 門前500〜1,100万円25坪 面分業900〜1,800万円40坪 ドラッグ併設1,200〜2,500万円※内装費+医療設備費の概算。物件取得費・医薬品在庫(200〜500万)・運転資金は別。

坪数(業態例) 内装費の目安 医療設備費 合計の目安
15坪(門前) 約300〜700万円 約200〜400万円 約500〜1,100万円
25坪(面分業) 約700〜1,300万円 約200〜500万円 約900〜1,800万円
40坪(ドラッグ併設) 約1,000〜2,000万円 約200〜500万円 約1,200〜2,500万円

同じ坪数でも、設備と仕様で総額は変わる

表のレンジが広いのは、最低基準を満たすシンプルな仕様か、無菌調剤室や差別化内装まで作り込むかで費用が大きく変わるためです。まず自分の業態(門前・面分業・在宅・ドラッグ併設)を決め、必要な設備と面積を固めてから、内装の仕様を検討すると、費用がぶれにくくなります。とくに門前型は処方箋の集中に対応する効率重視、面分業型は患者にくつろいでもらう待合重視、というように、業態ごとに「どこにお金をかけるべきか」が変わります。

見積内訳の読み方

調剤薬局の内装見積もりは、おおむね次の項目に分かれます。各項目が「一式」でまとめられている場合は、内訳を確認しましょう。

項目 主な内容 確認ポイント
仮設・解体 養生、既存撤去、原状回復 居抜きは撤去範囲で変動
調剤室・区画 調剤室の造作、間仕切り、床壁天井 基準(面積・材質・区画)適合
待合・投薬カウンター 待合空間、投薬・相談カウンター プライバシー・バリアフリー
電気・照明 調剤台120ルクス対応、配線 照度基準・回路数
給排水・空調 手洗い、調剤用設備、空調 衛生・温度管理
設計・諸経費 設計監理、図面、現場管理費 含まれる範囲

医療設備(分包機・レセコン・調剤台など)は内装見積もりとは別枠になることが多いため、内装と設備を合算した総額で資金計画を立ててください。とくに、開業を薬局のコンサルタントや特定の業者に一括で任せると、紹介された複数社の見積もりが横並びになり、相場が見えにくくなることがあります。自分でも相場感を持ち、独立した立場で複数社を比較することが、適正価格にたどり着く近道です。複数社を比べるときは、総額だけでなく「同じ項目が入っているか」「構造設備基準を満たす仕様か」を突き合わせます。金額・仕様・含まれる範囲の3点をそろえて比較するのがコツで、比較の進め方は相見積もりの取り方ガイドで解説しています。見積書では、調剤室の造作・区画、投薬カウンター、照明(120ルクス対応)、給排水・空調といった「基準と業務に直結する部分」がどこまで含まれているかを丁寧に確認しましょう。これらが曖昧なまま安い総額に飛びつくと、追加工事で結局高くつくことになりかねません。

「基準を満たす仕様か」を必ず確認

安い見積もりでも、調剤室の面積・区画・照度などの基準を満たしていなければ、開設許可が下りず作り直しになります。金額の比較と同時に、薬局の設計実績がある会社かどうかを確認することが、結果的に手戻りと追加費用を防ぎます。

見落としがちな追加費用

本体工事のほかに、調剤薬局では次のような費用が後から発生しがちです。資金計画の段階で見込んでおきましょう。調剤薬局は内装費そのものより、設備・在庫・運転資金といった「内装以外」の比重が大きいのが特徴で、ここを見落とすと開業直後に資金が回らなくなります。

  • 医療設備・什器の購入費:分包機・レセコン・調剤台など、内装費とは別枠で数百万円規模。
  • 医薬品の初期在庫:開業時で200〜500万円程度。品目が多いほど膨らみます。
  • 無菌調剤室の設備:在宅対応ではクリーンベンチ・安全キャビネットが必要に。
  • バリアフリー・駐車場:高齢の患者が多い薬局では段差解消や駐車場整備が必要なことも。
  • 原状回復費の積立:賃貸は退去時に原状回復が必要です。範囲を契約時に確認しましょう。
  • 運転資金:調剤報酬の入金まで1ヶ月以上のタイムラグがあり、3ヶ月分ほどの備えが必要。

物件を決める前に「基準適合」と「電気・給排水」を確認

調剤室の面積・区画がとれるか、調剤台の照度(120ルクス)に対応できる電気容量があるか、手洗い・給排水の位置は適切か——これらは契約前に確認しておくと、後からの追加工事を防げます。基準を満たせない物件を選んでしまうと、そもそも開業できません。

賢いコストダウンの考え方

調剤薬局のコストダウンは「基準と医療の質に関わる部分は守り、それ以外で工夫する」のが基本です。規制をクリアできない節約は本末転倒になります。基準を満たさない安価な工事を選んでしまうと、開設許可が下りずにやり直しとなり、かえって費用と時間を失います。安さだけで判断せず、薬局の基準と業務効率を満たしたうえで、調達方法や仕様で工夫するのが正しい順番です。

やるべきコストダウン

  • 薬局の居抜き物件を活用:調剤室・設備が活かせれば大きく圧縮できる
  • 医療設備はリース・中古を検討:分包機など初期負担を平準化
  • 仕様のメリハリ:基準部分は確実に、内装グレードは要所に絞る
  • 動線の最適化:限られた面積で調剤・投薬・監査の効率を高める
  • 複数社の相見積もり:薬局実績のある会社を含め、同条件で比較する

削ってはいけない部分

調剤室の面積・区画・照度などの構造設備基準、衛生に関わる部分、患者のプライバシーに配慮した投薬カウンターは削れません。コストダウンは内装グレードや設備の調達方法(リース・中古)で行い、基準と安全・信頼に関わる部分は守るのが鉄則です。とくに薬局の居抜き(前の薬局が使っていた物件)は、調剤室・区画・給排水・電気が活かせれば、内装費を大きく抑えられる有力な選択肢です。ただし、設備の老朽化や自分の業態に合わない造りの場合は、かえって解体・改修の費用がかさむこともあるため、契約前に状態をよく確認しましょう。具体策は店舗内装のコストダウン術や、薬局の居抜き開業ガイドもあわせてご確認ください。

資金調達(融資を中心に)

調剤薬局は内装費・医療設備費・医薬品在庫・運転資金を合わせると、まとまった初期投資が必要です。資金調達の中心になるのは金融機関からの融資で、日本政策金融公庫の創業融資や、自治体・信用保証協会が関与する制度融資がよく使われます。医療系は事業の安定性が評価されやすい一方、審査では事業計画書の精度(立地・処方箋応需の見込み・採算)と自己資金の比率が重視されます。とくに調剤報酬の入金タイムラグを踏まえた運転資金の計画が欠かせません。

自己資金は、必要資金の3割程度を目安に準備できると、融資審査でも有利に働きやすくなります。調剤薬局は処方箋応需の見込みが立てば収益が安定しやすい業態ですが、立地(門前か面分業か)によって処方箋枚数の前提が変わるため、事業計画では立地に応じた現実的な応需予測を示すことが大切です。補助金・助成金は対象や時期が限られ採択も不確実なため、当てにした資金計画は危険です。使えるものがあれば加点として検討する程度にとどめ、融資と自己資金で成立する計画を基本に据えてください。開業費用の全体像は店舗開業費用の内訳ガイドもあわせてご確認ください。

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工期と開業フロー

調剤薬局の開業は、物件契約から開局まで約3〜5ヶ月が目安です。一般の店舗より長めなのは、内装工事のあとに「構造設備の検査」「薬局開設許可」「保険薬局指定」という手続きが必要だからです。これらは順番に進める必要があり、内装が基準を満たしていないと許可が下りないため、設計段階から基準適合を織り込むことが重要です。

開業フローと工期(約3〜5ヶ月・許認可を含む)012345物件選定・コンセプト設計(基準適合)・図面内装工事・設備搬入構造設備の検査薬局開設許可保険薬局指定・開局経過月数(ヶ月) ※薬局開設許可・保険薬局指定の二段階があるぶん長め

1物件・コンセプト立地・業態・坪数
2設計・図面構造設備基準に適合
3内装工事・検査工事・設備搬入・構造設備検査
4薬局開設許可保健所・都道府県
5保険薬局指定・開局地方厚生局

保険薬局の指定にはタイミングの締め切りがあるため、開局希望日から逆算してスケジュールを組むことが大切です。とくに門前型では、対象となる医療機関の開院時期に合わせて開局する必要があり、内装・検査・許認可の遅れがそのまま機会損失につながります。工事完了がそのまま開局日にはならず、検査と二段階の許認可を経てはじめて保険調剤ができる点を、計画段階で正しく織り込みましょう。許認可に慣れた設計・施工会社と進めると、検査の差し戻しや手続きの遅れを防げます。

必要な許認可・届出

調剤薬局の開業には、二段階の手続きが必要です。まず薬機法に基づく「薬局開設許可」を都道府県(保健所)から受けます。このとき、前述の構造設備基準への適合が検査され、満たしていなければ許可は下りません。次に、健康保険を扱うための「保険薬局指定」を地方厚生局から受けます。いずれも管理薬剤師の常駐が前提です。

ドラッグストアのうち、一般用医薬品(OTC)の物販が中心の店舗は「店舗販売業」の許可と登録販売者の配置が中心になります。調剤を併設する場合は、上記の薬局開設許可・保険薬局指定が加わります。いずれの場合も、内装が基準・要件を満たしていることが前提になるため、設計段階で要件を確認しておくことが重要です。届出や検査の具体的な運用は自治体(保健所)によって細部が異なることがあるため、早い段階で管轄窓口に相談し、求められる図面・書類を把握しておくと、手続きがスムーズに進みます。なお、薬局開設許可と保険薬局指定は別の手続き・別の窓口であり、開設許可が下りてから保険薬局指定を申請する流れになります。保険調剤ができるのは指定後なので、開局日の設定にはこの順序と期間を必ず織り込んでください。開業の流れ全体は薬局開業ガイド、スケルトンから造る場合は薬局のスケルトン開業ガイドも参考にしてください。

調剤薬局に強い内装業者の選び方

調剤薬局の内装は、薬機法の構造設備基準・動線設計・医療設備との取り合いを理解しているかで、費用も開業の確実性も大きく変わります。次の観点で見極めてください。

  • 薬局・医療の施工実績:構造設備基準を満たす設計、保健所対応に慣れているか。
  • 動線設計の提案力:限られた面積で調剤・投薬・監査の効率と患者のプライバシーを両立できるか。
  • 医療設備への理解:分包機・調剤台・保冷庫などの配置・電気・給排水の取り合いを計画できるか。
  • 見積もりの透明性:内装と設備の範囲を明確にし、「一式」でぼかさないか。
  • 許認可スケジュール:開設許可・保険薬局指定を見込んだ現実的な工程を組めるか。

逆に注意したいのは、薬局の実績を示せない、構造設備基準の質問に明確に答えられない、医療設備の取り合いに不慣れ、見積もりが「一式」ばかりで内訳を出し渋る——といった会社です。調剤薬局は基準を満たせなければ開業そのものができないため、価格の安さだけで選ぶと、検査の差し戻しや作り直しで結局割高になります。薬局・医療の実績、動線設計の提案力、見積もりの透明性を、複数社の比較のなかで見極めてください。

薬局の内装は会社によって金額も提案も差が出やすいため、1社の見積もりだけで判断せず、複数社を同条件で比較することが、適正価格と確実な開業につながります。業者選びの基準は内装業者の選び方ガイドも参考にしてください。

薬局の設計に慣れた会社を見極めるには、まず施工事例を確認しましょう。条件を入力すれば、対応できる複数社へ無料でまとめて見積もりを依頼できます。

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ありがちな失敗パターンと教訓

調剤薬局の内装で起こりやすい典型的なつまずきと、その回避策をまとめます。いずれも業界で起こりうるシナリオで、知っておくだけで多くは防げます。調剤薬局の失敗は「基準の見落とし」と「設備・運転資金の過小評価」に集約されます。

  • 基準を満たせない物件を契約:調剤室の面積・区画がとれず開業できない。契約前に基準適合を確認する。
  • 照度・電気容量の不足:調剤台120ルクスに対応できず追加工事に。電気計画を設計段階で固める。
  • 医療設備費を内装費に含めず資金不足:分包機・レセコン等を見込まず予算が破綻。三層+運転資金で計画する。
  • 運転資金の過小評価:調剤報酬の入金まで資金が回らない。3ヶ月分を確保する。
  • 動線の作り込み不足:調剤・投薬・監査が非効率で、開業後の負担に。動線を設計段階で検討する。
  • 1社の言い値で発注:相場観のないまま割高に。薬局実績のある複数社で比較する。

これらの失敗に共通するのは、「内装費だけ」「坪単価だけ」で判断してしまうことです。調剤薬局は構造設備基準という法的な前提があり、医療設備・在庫・運転資金まで含めた全体設計が成否を分けます。基準と全体像を押さえたうえで、薬局の実績がある会社と進めることが、確実でコストの合った開業への近道です。

開業前チェックリスト

契約・着工前に確認したい項目

  • 物件で調剤室6.6㎡・薬局全体19.8㎡以上の面積・区画がとれるか
  • 調剤台120ルクスに対応できる電気容量・照明計画があるか
  • 手洗い・給排水・空調(温度管理)の条件を確認したか
  • 業態(門前/面分業/在宅/ドラッグ併設)を決め、必要設備を固めたか
  • 医療設備費(分包機・レセコン・調剤台等)を内装費と合算したか
  • 医薬品の初期在庫(200〜500万円)を見込んだか
  • 運転資金(調剤報酬の入金まで3ヶ月分)を確保したか
  • 薬局開設許可・保険薬局指定のスケジュールを把握したか
  • 薬局実績のある複数社から同条件で見積もりを取り、比較したか

よくある質問(FAQ)

調剤薬局の内装費用は坪いくらが目安ですか?

坪単価で20〜60万円が目安です。薬機法の最低基準を満たすだけなら坪20〜30万円、待合の充実や差別化で30〜45万円、無菌調剤室や高機能仕様で45〜60万円が目安です。これとは別に医療設備費がかかり、開業費用は内装費・医療設備費・医薬品在庫の三層に運転資金を加えて考えます。

内装費のほかに何の費用がかかりますか?

医療設備費(分包機100〜400万円、レセコン100〜250万円、調剤台・薬品棚100〜200万円など、合計でおおむね200万円〜)、医薬品の初期在庫(200〜500万円)、運転資金が必要です。調剤薬局の開業費用は内装費だけでは語れません。

調剤薬局に必要な広さの基準はありますか?

薬機法の構造設備基準で、薬局全体はおおむね19.8㎡以上、調剤室は6.6㎡以上(間口・奥行きそれぞれ1.3m以上)と定められています。調剤室は他と区画し、調剤台の上は120ルクス以上の明るさが必要です。これを満たさないと開業できません。

分包機やレセコンの費用はどれくらいですか?

分包機は100〜400万円(中古なら50万円程度から)、レセコンと電子薬歴は100〜250万円(受付・調剤室の2台構成で約200万円)が目安です。リース契約を使えば初期負担を平準化できます。設備は処方箋枚数や業務フローから逆算して選ぶと、過剰投資を避けられます。

ドラッグストアの内装費用は調剤薬局と違いますか?

違います。ドラッグストアは大型・物販主体で、ゴンドラ什器・冷蔵冷凍・レジ・OTC陳列が費用の中心です。調剤を併設する場合は、調剤室の造作と薬局開設許可・保険薬局指定が加わります。

開業までどれくらいかかりますか?

物件契約から開局まで約3〜5ヶ月が目安です。内装工事のあとに、構造設備の検査、薬局開設許可、保険薬局指定という手続きが順に必要なため、一般の店舗より長めになります。保険薬局指定には締め切りがあるので逆算が重要です。

開業に必要な許可は何ですか?

薬機法に基づく薬局開設許可(都道府県・保健所)と、健康保険を扱うための保険薬局指定(地方厚生局)の二段階が必要で、管理薬剤師の常駐が前提です。内装が構造設備基準を満たしていないと開設許可は下りません。

内装費を抑えるコツはありますか?

薬局の居抜き物件の活用、医療設備のリース・中古の検討、内装グレードのメリハリが有効です。ただし、調剤室の面積・区画・照度などの構造設備基準や衛生・プライバシーに関わる部分は削れません。

無菌調剤室は必要ですか?費用は上がりますか?

在宅医療や高度な調剤に対応する場合に必要になります。クリーンベンチや安全キャビネットを設けるため、その分費用は上がります。業態に応じて要否を判断しましょう。門前型や一般的な面分業では必須ではなく、在宅対応や高度な調剤を行う場合に検討します。

見積もりはどう比較すればよいですか?

同じ条件で複数社から取り、項目ごとに仕様と金額を比較します。とくに調剤室の面積・区画・照度など構造設備基準を満たす仕様かを確認し、内装と医療設備を合算した総額で判断します。薬局の設計実績がある会社かも重要です。コンサルタント経由で紹介された業者だけで横並び比較すると相場が見えにくいため、独立した立場の会社も含めて比較しましょう。

まとめ

調剤薬局の内装費用は坪20〜60万円が目安ですが、本当のポイントは「薬機法の構造設備基準(調剤室6.6㎡・薬局全体19.8㎡・調剤台120ルクスなど)を満たすこと」と、「分包機・レセコン・調剤台などの医療設備費(概ね200万円〜)が内装とは別にかかること」です。開業費用は内装費・医療設備費・医薬品在庫の三層に運転資金を加えて計画するのが基本です。ドラッグストアは大型・物販主体で、調剤併設の有無で費用が変わります。

そして、損をしないコツは、薬局の設計に慣れた会社を含む複数社から、同条件で見積もりを取ることです。基準を満たす設計と、限られた面積での効率的な動線づくりは、薬局実績のある会社ほど的確に提案できます。薬局の事例を見て、気になれば無料でまとめて相談してみてください。

業態と必要設備が決まったら、薬局の事例を確認し、複数社に無料で見積もりを依頼しましょう。費用の現実的なレンジが最短で見えてきます。

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