【2026年版】串揚げ・串カツ店 居抜き開業の完全ガイド|関西風×関東風×ソース衛生

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3行サマリー

  • 串揚げ・串カツ居抜きの核心はフライヤー構成+共有ソース容器の衛生設計+カウンター目前揚げ動線。揚げ物系(とんかつ・天ぷら・唐揚げ)からの居抜きは高流用率だが、共有ソース二度漬け禁止運用に耐える客席レイアウトかが別論点
  • 坪単価レンジは居抜き25〜45万円・スケルトン45〜70万円。フライヤー台数(1〜3槽)と廃食用油タンクの置き場で初期投資に200〜500万円の差が出る
  • 関西風(大阪・新世界系/共有ソース二度漬け禁止)と関東風(小皿ソース・塩提供)で客席什器・カウンター高さ・ソース容器の設計が根本から分かれる。流派を確定してから物件を選ぶことが鉄則

本記事のご利用について

本記事は2026年4月時点の一般的な参考情報であり、特定の物件・事業に対する法的助言ではありません。各種法令(食品衛生法・旅館業法・消防法・風営法・建築基準法・都道府県条例等)は改正や解釈の変更があり、また自治体ごとに運用が異なる場合があります。実際の開業にあたっては、必ず弁護士・行政書士・建築士・消防設備士・所轄保健所/消防署/警察署等に個別にご相談のうえ、最終判断をお願いいたします。本記事の内容に基づく判断・行動の結果について、当サイトは責任を負いかねます。

串揚げ居抜きで本当に価値があるのは「フライヤー・排気・カウンター目前揚げ動線」

串揚げ・串カツ店の居抜きで見るべきは内装の雰囲気ではなく、業務用フライヤーの構成(槽数・容量・熱源)、揚げ物対応の厨房フードとダクト、そしてカウンター目前揚げに耐える動線設計です。串揚げは一度に20〜30本を次々と揚げる高回転業態で、一般的な揚げ物居酒屋のフライヤーでは対応しきれないケースがあります。

串揚げ店は重飲食の中でも設備密度が高く、居抜き工事費の相場は坪25〜45万円に収まることが多く、スケルトンから造るより200〜500万円の節約余地があります。ただし揚げ物未経験業態(和食・焼鳥専業・バー)からの居抜きでは、フライヤー新設と排気系の入れ替えで予算が膨らみ、スケルトンと大差ない費用になる事例があります。

覚えておきたいポイント

居抜きで最初に確認したいのは、フライヤー直上の厨房フードのサイズと、排気ダクトが揚げ物油煙の粘性に耐える仕様かどうかです。串揚げはパン粉衣の焦げカスがダクト内部に溜まりやすく、油煙対策が不十分な物件では数カ月でダクト火災リスクが高まります。前テナントがとんかつ・天ぷら・唐揚げ系などの揚げ物専業だった物件は、排気系がそのまま流用できる可能性が高くなります。

関西風(共有ソース)と関東風(小皿ソース)の厨房差分

串揚げの調理・提供スタイルは、大阪・新世界発祥の関西風(串カツ)と、関東で発展した串揚げスタイルで大きく異なります。この流派の違いが客席什器・カウンター設計・ソース容器の3点を根本から変えます。

関西風(共有ソース・二度漬け禁止)

  • ソース:ステンレス容器の共有ウスターソース
  • 衣:目の細かい乾燥パン粉・バッター液
  • 具材:豚・牛・野菜を小ぶり一口サイズ
  • 客席:カウンター中心、立ち飲みも多い
  • 客単価:1,500〜3,500円
  • K2Kルール:二度漬け禁止の明文化(2021年)

関東風(小皿ソース・塩)

  • ソース:小皿で個別提供・塩やタレも
  • 衣:食材により細パン粉・粗パン粉を使い分け
  • 具材:肉・野菜・魚介の幅広い創作系
  • 客席:着席カウンター+テーブル
  • 客単価:3,500〜10,000円(高級店含む)
  • 運用:コース提供・おまかせが中心

居抜きで重要なのは、自店の流派と前店の流派が一致しているかどうかです。関西風の店舗を関東風にする場合、共有ソース容器を撤去して小皿提供の什器・配膳動線に切り替えるため、カウンター高さや背面棚の再設計が求められます。逆に関東風から関西風への転用では、共有ソース容器の衛生設計と二度漬け禁止の運用ルールを新規に構築が求められる場合があります。

覚えておきたいポイント

2020年のコロナ禍以降、「串カツだるま」や「串カツ田中」など大手チェーンが個別ソースディスペンサーへの切り替えを進めました。日本串カツ協会も2021年にK2Kルールを明文化し、共有ソースでも衛生面が担保される運用が再定義されました。新規開業では個別提供・共有提供のどちらを採るか、開店前のコンセプト段階で明確にしておくと内装設計がぶれません。

向く人・向かない人の判定

串揚げの居抜きは、流派と厨房動線が決まっている人にとっては強力な初期投資圧縮手段ですが、コンセプト未確定の段階では足枷になります。

向いている人

  • 関西風・関東風のいずれかで修業経験がある
  • 揚げ物の技術(温度管理・衣の厚み・油の状態判定)が身についている
  • 業態軸(立ち飲み/カウンター/コース)が明確
  • 開業までの準備期間が6カ月以内に限られる
  • 坪25〜45万円の居抜き工事費レンジに収めたい

向いていない人

  • 関西風と関東風のどちらで出すかまだ迷っている
  • 串揚げ単品ではなく、居酒屋の一品メニューとして扱いたい(設備過剰)
  • 前店と大きく異なる客席構成(立ち飲み→高級カウンター等)を目指す
  • 揚げ物未経験で油管理の人員配置が固まっていない

覚えておきたいポイント

串揚げ・串カツ同士の居抜きが最も効率的です。業態転換(とんかつ→串揚げ、天ぷら→串揚げなど)では油処理・排気はそのまま使える一方、フライヤー槽の数や深さが串揚げ用途に合わない事例があります。厨房機器の仕様を複数社で確認してから契約することを推奨します。

串揚げ居抜きは流派×フライヤー構成×排気の整合が鍵です。串揚げ・揚げ物系施工の実績がある会社を含め、複数社の相見積もりで改修範囲と費用を具体化してください。

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前テナント業種別の流用率マトリクス

前テナントの業種によって、フライヤー・排気・給排水・カウンターの流用率は大きく変わります。揚げ物系業態からの居抜きは相性が良く、その他の業態からの転用はフライヤー新設と排気系の大改修に発展しがちです。

前テナント別の串揚げ店向け流用率の目安

串揚げ・串カツ(同流派)90〜95% フライヤー・排気ほぼ流用可
串揚げ・串カツ(流派違い)70〜85% フライヤー流用・客席什器入替
とんかつ・天ぷら75〜88% 揚げ物排気はほぼ使える
唐揚げ・フライ専門店70〜85% フライヤー深さの確認
居酒屋(揚げ物メニュー有)55〜70% フライヤー増設の可能性
焼鳥・串焼き45〜60% カウンター流用・フライヤー新設
ラーメン・中華40〜55% 排気は強いが焼き台撤去が要る
カフェ・物販15〜30% 排気・給排水の大改修

覚えておきたいポイント

とんかつ店からの居抜きは一見好条件ですが、とんかつ用フライヤーは深め(油深さ15cm以上)の設計が多いのに対し、串揚げ用は串全体を油に沈めるため浅め(10〜12cm)でも運用できます。深型フライヤーを串揚げで使うと油使用量が増え、ランニングコストが悪化します。流用時は槽の深さと串の長さを照らし合わせてください。

フライヤー構成と容量・熱源の選定

串揚げの調理品質は、フライヤーの温度維持能力と油量に強く依存します。串を次々と投入する高回転運用では、油温の降下を最小限に抑えるだけの油量と、立ち上がりの速い熱源が欠かせません。

業務用フライヤーの油量と用途の目安

卓上型(3〜6L)小規模・サブメニュー向き
1槽フライヤー(12〜18L)10坪規模の串揚げ専業
2槽フライヤー(各12〜18L)高回転店・2種類の油使い分け
大型フライヤー(25L以上)宴会・大人数対応の業態

熱源はガス式と電気式があり、ガス式は立ち上がりが速く高温維持に強い反面、厨房の輻射熱と換気負担が大きくなります。電気式は温度制御が細かく輻射熱を抑えやすい一方、消費電力が大きく200V専用回路が求められる機種が多くあります。

覚えておきたいポイント

居抜きでフライヤーが残っている場合、製造年・メーカー保守・油漏れ履歴を事前に確認を推奨します。フライヤーは高温機器のため経年劣化で油漏れや温度制御不良が発生し、修理部品の入手性が年式で大きく変わります。造作譲渡契約の範囲と保証の有無を書面で明確にしておきましょう。

揚げ物専用排気フードとダクト火災対策

串揚げはパン粉衣とタレ・油の飛散が発生するため、焼鳥や焼肉とは別種の油煙が出ます。パン粉の微粒子はダクト内部に粘着しやすく、油脂と混ざって堆積すると発火点が下がり、ダクト火災のリスクが高まります。

居抜きで見るべきは、フライヤー直上のフードのサイズ(フライヤーより横方向50mm以上大きい設計か)、グリスフィルターの交換履歴、ダクト内部の洗浄記録、そして油受け(オイルカップ)の有無です。油受けが無い設計は見落とされがちですが、フード内に溜まった油が下に垂れる原因になります。

覚えておきたいポイント

揚げ物系業態からの居抜きでもダクト洗浄は新規契約時に業者委託で実施することを推奨します。ダクト内部の堆積は外観からは判別できず、開業後の火災リスクに直結します。洗浄費は15〜40万円程度ですが、火災時の損害と比べれば安い投資です。消防署への事前相談で、ダクト清掃頻度の自主基準を設定しておくと安心です。

共有ソース容器の衛生設計と二度漬け禁止運用

関西風の共有ソース運用では、ステンレス容器に入ったウスターベースのソースを客同士で共有し、「二度漬け禁止」のルールで衛生を保ちます。この運用は、焼きたての熱い串カツをソースに浸すことで容器内が加温されること、薄めのウスターソースで細菌が増殖しにくいことの2点が衛生の根拠です。

日本串カツ協会が2021年に明文化したK2Kルールでは、以下3点が衛生運用の柱とされています。

K2Kルール(2021年明文化)

  • 1度漬けた(食べかけの)串カツは共有ソースに漬けない
  • 取り皿に置いて汚れた串カツも共有ソースに漬けない
  • キャベツで共有ソースをすくう行為もしない(感染予防観点)

2020年のコロナ禍以降、大手チェーンの「串カツだるま」「串カツ田中」などは個別ソースディスペンサーへの切り替えを進めました。新規開業では共有ソースと個別ソースのどちらを採るか、客単価・客層・店舗の衛生管理体制を踏まえてコンセプト段階で決めることが重要です。

覚えておきたいポイント

個別ソース方式に切り替える場合、ディスペンサー容器の洗浄・充填動線と保管場所が追加で要ります。1卓ごとに容器を交換・洗浄するため、バックヤードの洗浄スペースと人員を確保してください。共有ソース方式は什器コストは抑えられますが、ソースの入れ替え頻度・容器洗浄頻度を衛生管理計画(HACCP)に明記が求められる場合があります。

共有ソース運用と個別ソース運用では、什器・洗浄動線・バックヤード設計が大きく違います。自店のコンセプトに合った内装設計を実現するため、串揚げ施工経験のある会社を含めた複数見積もりで検討してください。

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廃食用油の処理とマニフェスト運用

串揚げ店は1日あたり10〜30Lの油を使用し、油の交換頻度も高い業態です。使い終わった廃食用油は産業廃棄物(廃油)または到着時有価物として扱われ、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(廃掃法)に基づく管理が要ります(廃棄物処理法(e-Gov法令検索))。

廃食用油をリサイクル目的で有償買取業者に引き渡す場合、平成17年の環境省通知により「到着時有価物」として扱われる運用があります。この場合は排出時点では産業廃棄物として扱い、マニフェスト(産業廃棄物管理票)の交付が求められます。マニフェストは紙マニフェストと電子マニフェスト(JWNET)の2方式があり、交付・保管義務は排出事業者にあります。

覚えておきたいポイント

居抜き開業時は、前店が利用していた廃食用油回収業者を紹介してもらえるか確認することを推奨します。業者との既存契約を引き継げれば、初日から廃油処理の運用がスムーズに回ります。買取単価は油の状態(酸化度・不純物)で変動するため、月次の油量と処理コストの概算を事業計画に組み込んでください。

カウンター目前揚げ動線と飛び油対策

串揚げ・串カツの集客力の源泉は、客の目前で揚げたての串を提供するカウンター動線にあります。しかしフライヤーと客席の距離が近いほど、飛び油・油煙・熱気が客に及びます。居抜きで見るべきは、フライヤーと客席の距離、透明アクリル板などの飛び油防護設計、カウンター高さの妥当性です。

カウンター目前揚げ型

  • フライヤーと客席の距離:40〜80cm
  • アクリル板・ガラス板による飛び油防護
  • カウンター高さ:110〜120cm(立ち飲み向け)
  • 職人の動線:背面に油受け・パン粉バット
  • メリット:ライブ感・客単価UP

バックキッチン型

  • 厨房と客席は明確に分離
  • 揚げたてを小皿で順次配膳
  • カウンター高さ:75〜90cm(着席向け)
  • 厨房動線:客席から見えない
  • メリット:油煙・熱気の遮断・高級感

覚えておきたいポイント

カウンター目前揚げ型の物件を選ぶ際は、フライヤーと客席の間に飛び油を防ぐアクリル板やガラス板の設置が標準です。既存の防護設備が透明性を失っていると店舗イメージに影響するため、素材と汚れ具合を現地で確認してください。アクリル板は油でヤケて黄ばむため、定期交換が運営経費に組み込まれます。

立ち飲み・カウンター・着席の3業態別レイアウト

串揚げ・串カツ店は客席構成で3業態に分かれ、それぞれ坪単価と動線設計が異なります。居抜きの物件選びでは、自店がどの業態かを明確にし、前店の客席構成と整合するかを確認してください。

立ち飲み型

  • 客単価:1,500〜3,000円
  • 坪数:8〜15坪
  • 客席:立ちカウンター中心
  • 回転:2〜3回転
  • 新世界・大阪系の定番

着席カウンター型

  • 客単価:3,000〜6,000円
  • 坪数:15〜25坪
  • 客席:座面ありカウンター+テーブル
  • 回転:1.5〜2回転
  • 会社員の飲み会・ファミリー向け

高級おまかせ型

  • 客単価:8,000〜20,000円
  • 坪数:12〜20坪
  • 客席:職人前カウンター6〜10席
  • 回転:1回転(コース提供)
  • ミシュラン系・接待向け

覚えておきたいポイント

立ち飲み型から着席型への業態転換では、カウンター高さの低下と席数減少が伴うため、売上予測を見直す対象となる場合があります。逆に着席型から立ち飲み型への転換は、カウンターの高さアップとテーブル撤去で席数を増やせる反面、居抜き物件の躯体構造(梁・柱)が邪魔になるケースがあります。

業態レイアウトと坪単価は物件条件によって大きく変わります。串揚げ店の施工実績を持つ複数社に相見積もりを依頼し、自店コンセプトとの整合性を確かめてください。

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坪単価と初期投資レンジ(10〜25坪モデル)

串揚げ・串カツ店は10〜25坪の小中規模が中心です。坪単価レンジと開業総額の目安を押さえておきましょう。

坪単価の目安(串揚げ・串カツ店)

居抜き(同業態)25〜35万円/坪
居抜き(揚げ物系業態違い)35〜45万円/坪
居抜き(異業種からの転用)45〜60万円/坪
スケルトンから新設45〜70万円/坪

15坪モデルの内装工事費の目安は、居抜き(同業態)で400〜550万円、居抜き(揚げ物系業態違い)で550〜700万円、スケルトンから新設で700〜1,100万円。これに厨房機器費(業務用2槽フライヤー80〜200万円、カウンター什器・冷蔵庫など150〜300万円)と保証金・運転資金を加えると、開業総額は800〜2,000万円のレンジが現実的です。

覚えておきたいポイント

串揚げ店は飲食業の中でも厨房機器の密度が高く、フライヤー・油処理機・冷蔵庫・製麺機(衣用)・パン粉保管庫などの設備費が総投資の3〜4割を占めます。居抜きで機器が残っている場合は造作譲渡料の対象になり、機種の年式・保証・リース残債を契約前に確認してください。

食品衛生法と保健所の事前相談

飲食店を営業するには食品衛生法第55条に基づく営業許可が欠かせません。串揚げ店は「飲食店営業」の許可に該当し、手続きは店舗所在地を管轄する保健所の食品衛生課で行います(食品衛生法(e-Gov法令検索))。

居抜き物件であっても、営業許可は新たに申請し直す流れが一般的です。2021年の食品衛生法改正以降、すべての飲食店でHACCPに沿った衛生管理の計画書提出が求められています。串揚げ店固有の論点としては、共有ソース容器の衛生管理計画と廃食用油の処理動線を計画書に明記することが有効です。

1事前相談図面・厨房レイアウト持参
2営業許可申請書類一式を保健所へ
3施設検査の打合せ検査日を調整
4施設検査保健所職員の現地確認
5許可証交付交付後に営業開始

覚えておきたいポイント

施設検査で指摘を受けると工事のやり直しになるため、事前相談は内装工事の着工前に済ませるのが鉄則です。共有ソース容器を採用する場合、ソースの入れ替え頻度・容器洗浄頻度・温度管理記録の衛生管理計画を明文化し、保健所の事前相談で確認を受けておくと検査がスムーズです。深夜酒類提供を予定するなら、警察署経由の公安委員会届出(10日前)も並行して準備してください。

居抜き造作譲渡相場マップ|フライヤー・排気フード・カウンター造作の中古市場

串揚げ・串カツ店の居抜き交渉では、造作譲渡料の妥当性が大きな論点になります。譲渡側にとっては「資産の換金」と「廃棄費の削減」の二重便益、譲受側にとっては「初期投資の圧縮」と「リスクの引き受け」の二重影響があり、設備別の中古相場感を持って臨むことが交渉の起点になります。とくに串揚げ業態は揚げ物専用設備が中心で、移転再利用がしやすいため、譲渡価格が強気に設定されやすい構造的特徴があります。

串揚げ・串カツ店特有設備の新品・中古市場相場の目安

設備 新品参考価格 中古市場目安
業務用ガスフライヤー(1〜2槽) 30〜80万円 10〜30万円
業務用ガスフライヤー(3〜4槽・大型) 80〜200万円 30〜80万円
カウンター揚げ用専用フライヤー(小型・銅鍋・鉄鍋) 10〜40万円 3〜15万円
自動串揚げ機(FC本部仕様の専用機) 50〜150万円 15〜50万円
油濾過機(フィルターマシン) 30〜80万円 10〜30万円
業務用冷蔵庫(種物・野菜保管) 20〜60万円 8〜25万円
業務用冷凍庫(冷凍下処理品保管) 30〜100万円 10〜40万円
串刺し作業台・下処理用ステンレス台 10〜40万円 3〜15万円
排気フード+ダクト(揚げ物専用・大型) 60〜250万円 撤去せず減価ベース算定
カウンター目前揚げ用カウンター造作 30〜150万円 10〜60万円
立ち飲みカウンター造作(10〜15席) 20〜80万円 8〜30万円
共有ソース容器・配膳什器セット 3〜10万円 1〜4万円

造作譲渡で重視される評価軸

  • 残耐用年数:ガスフライヤーは8〜12年、油濾過機は10〜15年、冷凍庫は10〜15年が目安
  • 動作確認:契約前の試運転と保証範囲の合意。フライヤーは温度精度・タイマー機能の確認必須
  • 油焼け・腐食の状態:揚げ物専用設備は油焼けの蓄積が早く、内部腐食の点検が不可欠
  • 排気フード・ダクト内部:油脂蓄積・経年劣化の点検結果。串揚げは粘着性油煙が強く、清掃前提の改修費が想定外に膨らむケースあり
  • カウンター造作の状態:飛び油対策の前面ガラス・透明アクリル板の経年劣化、客席部分の油汚れの蓄積度

排気フードとダクトの特殊性

串揚げ業態の排気フード・ダクトは、内部の油脂蓄積が他の飲食業態より顕著に進みます。とくに前テナントが揚げ物以外(焼き鳥・和食等)だった場合、現状のフード容量とダクト径では串揚げの油煙処理に追いつかず、開業後すぐに近隣クレームに発展するリスクがあります。譲受側は、契約前にフード吸気量・ダクト径の仕様を確認し、必要なら譲渡価格の交渉余地に織り込むことが現実的な対応です。逆に前テナントが揚げ物系(とんかつ・天ぷら・串カツ等)だった場合は、既設フードの再利用価値が高く、撤去せずに減価ベースで譲渡価格を組むのが妥当です。

FC本部仕様の自動串揚げ機の譲渡判断

FC加盟型店舗では、本部指定の自動串揚げ機・専用フライヤー・冷凍下処理品保管庫等の設備があります。前テナントが同じFCに加盟していた場合、これらは譲渡対象として価値が高く、再利用すれば加盟初期費用を圧縮できます。一方、本部仕様外の設備は本部から「使用不可」と判断されることがあり、その場合は譲渡を受けずに撤去費を譲渡側に負担してもらう交渉が現実的です。加盟検討段階で本部に物件設備リストを開示し、再利用可否を事前確認することが必須プロセスです。

譲渡価格の交渉余地が大きい設備

  • 排気フード・ダクト:移転先で再利用しづらく、譲渡側にとって撤去費削減効果が大きい
  • カウンター造作・立ち飲みカウンター:店舗コンセプトに合わなければ撤去対象
  • 大型業務用冷蔵庫・冷凍庫:搬出費用が高く、譲渡で双方便益
  • 共有ソース容器・什器類:譲渡側にとって低価値、譲受側にとっては開業即日使える資産

飛び油対策の前面ガラスは譲受側に有利な交渉材料

串揚げ業態特有の飛び油対策として設置される前面ガラスやアクリル板は、他業態への転用ができないため、譲渡側にとっては撤去対象の設備です。譲受側が同じ串揚げ業態で再利用する場合、この点を強調することで譲渡価格全体の引き下げ交渉が成立しやすくなります。

造作譲渡契約書で明文化すべき項目

  • 譲渡対象設備の個別リスト(型番・購入年・状態)
  • 譲渡価格の内訳(設備代・造作代・FC本部関連設備の分離)
  • 引渡し時の動作保証範囲と期間
  • 譲渡後のトラブル時の修理費負担区分
  • 譲渡対象外の設備(撤去責任の所在)
  • 残置物の所有権移転日
  • 消費税の取扱い

食べ放題型と専門店型のビジネスモデル比較|立ち食い・カウンター・着席・FCの4類型

串揚げ・串カツ業態は、業態モデルが大きく4つに分かれます。立ち食い大衆型(関西新世界由来)、カウンター専門型(おまかせコース)、着席ファミリー型(食べ放題チェーン)、そしてこれら3つにFC加盟する型。どのモデルを選ぶかで、必要な物件規模・坪単価・初期投資・人件費構造が大きく変わるため、コンセプト設計と居抜き物件の業態適合性を事前に一致させることが重要です。

4つのビジネスモデル比較

項目 立ち食い大衆型 カウンター専門型 着席ファミリー型 FC加盟型
客単価レンジ 1,800〜3,500円 8,000〜15,000円 2,500〜4,500円 2,500〜4,500円
坪あたり月商目安 40〜70万円 50〜100万円 30〜50万円 30〜50万円
回転率(席数あたり) 3〜5回転/日 1〜1.5回転/日 2〜3回転/日 2〜3回転/日
原価率の目安 30〜35% 28〜33% 38〜45% 38〜45%
客席タイプ 立ち食いカウンター中心 カウンター10〜20席 テーブル・座敷中心 テーブル中心
必要坪数の目安 10〜25坪 10〜20坪 30〜80坪 20〜60坪
接客難易度 低(オペレーション重視) 高(おもてなし・職人技) 中(マニュアル化容易) 低(本部マニュアル)
主要客層 サラリーマン・観光客 富裕層・接待 ファミリー・グループ ファミリー・若年層
初期投資の目安 500〜1,000万円 800〜2,000万円 1,500〜3,500万円 加盟金+1,000〜2,500万円

立ち食い大衆型に向く居抜き物件

  • 10〜25坪の小規模物件(10〜25席規模)
  • 駅前繁華街、横丁、観光地(大阪新世界・道頓堀等)、ターミナル駅構内
  • 前テナントが立ち飲み・小規模居酒屋・焼き鳥・もつ焼きだった物件
  • 標準的な排気容量で対応可能(揚げ物量が中規模)
  • 視認性の高い路面店、ファサードに開放感がある物件

カウンター専門型に向く居抜き物件

  • 10〜20坪の小規模物件(10〜20席のカウンターのみ)
  • 銀座・京都祇園・大阪北新地などの高級飲食街、隠れ家立地
  • 前テナントが寿司カウンター、天ぷら専門店、高級和食だった物件
  • カウンター造作が良質で、飛び油対策のガラス設置スペースがある
  • 専用搬入口、待合スペース、客用化粧室の充実

着席ファミリー型に向く居抜き物件

  • 30〜80坪の中大型物件(50〜150席規模)
  • 商業施設テナント、駅前ビル、ロードサイド、ファミリー向け立地
  • 前テナントが大型レストラン、ファミレス、焼肉チェーンだった物件
  • 大型排気フード・電気容量大の物件(食べ放題対応で揚げ物量が多い)
  • 大型冷蔵庫・冷凍庫の搬入経路、駐車場、ベビーカー対応

FC加盟型に向く居抜き物件

  • FC本部の指定基準を満たす物件(坪数・立地・電気容量等)
  • 前テナントが同FCに加盟していた物件は最優先(本部仕様の設備が残置)
  • FC本部の物件審査を経た後、契約決定
  • 本部マニュアルに沿った内装改修が必要な場合あり

業態モデルと居抜き選定のミスマッチが最大の失敗パターン

立ち食い大衆型のコンセプトで前テナントが高級カウンター店だった物件を選んでしまうと、客席間隔が広すぎて回転数を確保できず、坪あたり月商が想定の半分以下になるケースがあります。逆に、カウンター専門型のコンセプトで前テナントが立ち飲み店だった物件を選ぶと、店格に見合わない造作の入れ替えコストが膨らみ、居抜きのメリットが消えます。コンセプト設計と居抜き物件の業態適合性は、契約前に必ず一致させる必要があります。

業態モデル別の差別化軸

  • 立ち食い大衆型:価格・回転オペレーション・観光客SNS拡散・名物メニュー
  • カウンター専門型:素材ブランド・揚げ手の腕・コース構成・接客の質・常連顧客との関係
  • 着席ファミリー型:食べ放題コース構成・予約システム・キッズ対応・宴会対応
  • FC加盟型:本部ブランド力・本部研修・SVサポート・本部の集客支援

串揚げ・串カツ店 居抜き開業の関連ガイド

串揚げ・串カツ店の居抜き開業を進めるうえで、本記事と併せて参照しておきたい関連ガイドを以下にまとめます。

関連する深掘りガイド

契約前チェックリスト15項目

串揚げ・串カツ店の居抜き契約前に確認したい15項目を、厨房・法務・運営の3カテゴリで整理しました。1項目でも不明点が残る場合は、内装会社・行政書士・厨房業者の複眼で相談することを推奨します。

厨房・排気・給排水

  • フライヤーの槽数・容量・熱源(ガス/電気)と製造年
  • フライヤー直上の厨房フードのサイズと油受けの有無
  • 排気ダクトの太さ・清掃履歴・経路
  • 給気経路の確保と店内の正圧/負圧バランス
  • 廃食用油の保管場所と回収動線
  • パン粉・衣材料の保管スペース
  • グリストラップの容量と清掃頻度

客席・カウンター

  • カウンター高さが自店業態(立ち飲み/着席/高級)に合うか
  • フライヤーと客席の距離・飛び油防護板の状態
  • 共有ソース容器の有無と衛生管理計画の書面

法務・運営

  • 食品衛生法営業許可の譲受可否(保健所確認)
  • 深夜酒類提供届出の要否
  • 廃食用油回収業者の契約引き継ぎ
  • 前オーナーの閉店理由と商圏評価
  • 造作譲渡契約の機器リース残債・保証状況

よくある失敗7パターンと回避策

串揚げ・串カツ店の居抜き開業で実際に起きている失敗と、回避策を7つ挙げます。いずれも契約前の現地調査と書類確認で防げるものです。

  1. フライヤー深さが串揚げ用途に合わない
    とんかつ店居抜きで深型フライヤーをそのまま使い、油量が予算を圧迫。→ 契約前に槽の深さと串の長さを照合。
  2. ダクト清掃未実施で開業後に油煙の逆流
    前店のダクト堆積が残り、開業2カ月で油の垂れと臭気が発生。→ 契約時にダクト洗浄を業者委託。
  3. 共有ソース運用の衛生管理計画が未整備
    保健所の指摘でソース方式の変更を求められ、什器買い替え。→ HACCP計画を契約前に策定。
  4. 廃食用油の回収業者が決まらず営業停止寸前
    開業直前に業者契約を手配し、初週の廃油が処理できず厨房に滞留。→ 開業1カ月前に業者選定。
  5. カウンター高さが業態と合わない
    立ち飲み物件を着席型で契約し、客席が高すぎて座れない。→ 業態を先に決めてから物件選定。
  6. 飛び油防護板が無く客席への油飛散クレーム
    カウンター目前揚げでアクリル板未設置、開業後に客から指摘。→ 契約前に防護設備を確認。
  7. 深夜酒類提供届を忘れて開業延期
    営業開始の10日前までに届出できず、開業日を2週間延期。→ 保健所許可と並行して届出準備。

覚えておきたいポイント

串揚げ店の失敗の多くは「厨房・排気の仕様不整合」と「衛生運用・届出の準備不足」に集中します。契約前の現地調査には内装会社・厨房業者・行政書士の3者視点で臨むことで、見落としが大幅に減ります。

法規制と届出の整理は開業スケジュールに直結します。串揚げ施工の知見がある会社と進めれば、設計段階から保健所対応まで見通せる体制が組めます。

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よくある質問

Q串揚げ店の居抜きで最も価値の高い設備は何ですか?

A業務用フライヤー・揚げ物対応の厨房フード・排気ダクトの3点セットです。これが流用できれば200〜500万円の設備費が圧縮できます。関西風の店舗なら共有ソース容器のステンレス什器、関東風なら小皿提供用の配膳カウンターも評価対象になります。

Q関西風と関東風の店舗を居抜きで切り替えられますか?

A可能ですが、客席什器・カウンター高さ・ソース容器の設計が大きく変わるため、改修費が伸びます。関西風(立ち飲み・共有ソース)を関東風(着席・小皿ソース)へ切り替える場合、カウンター入れ替えで100〜200万円の追加投資が発生する事例が多く見られます。

Q共有ソース運用は2026年時点でも続けられますか?

A続けられます。日本串カツ協会が2021年に明文化したK2Kルール(二度漬け禁止・食べかけの串を漬けない・汚れた取り皿の串を漬けない)に沿った運用なら衛生面は担保されます。一方で大手チェーンは個別ディスペンサーへの移行が進んでおり、新規開業では客層と衛生管理体制を考慮してコンセプト段階で決めることを推奨します。

Q串揚げ店の居抜き坪単価はどれくらいですか?

A同業態の居抜きで坪25〜35万円、揚げ物系業態違いで坪35〜45万円、異業種からの転用で坪45〜60万円、スケルトンから新設で坪45〜70万円が目安です。15坪モデルの内装工事費は居抜きで400〜700万円、スケルトンで700〜1,100万円前後となるケースが多くあります。

Q廃食用油はどう処理すればよいですか?

Aリサイクル目的で有償買取業者に引き渡す「到着時有価物」扱いが一般的です。廃棄物処理法に基づき、排出時点は産業廃棄物として扱い、マニフェスト(紙または電子)の交付が求められます。居抜き開業時は前店が利用していた業者を紹介してもらえるか確認すると、運用がスムーズに立ち上がります。

Qフライヤーの油は何日で交換すべきですか?

A使用頻度と油の状態で変わりますが、串揚げ専業店では2〜4日で交換する店が多い印象です。油の酸化度は色・泡立ち・匂いで判定し、泡が消えにくくなったら交換のサインです。油ろ過機を併用すると交換頻度を延ばせますが、衣の焦げカスが溜まる串揚げでは揚げ物の品質維持のため早めの交換を推奨する店舗もあります。

Qとんかつ店からの居抜きは相性が良いですか?

A相性は良好ですが、フライヤー槽の深さに注意が必要です。とんかつ用は深型(15cm以上)、串揚げ用は浅めでも運用できます。深型をそのまま串揚げで使うと油使用量が増えランニングコストが悪化するため、槽の入れ替えやインナー容器の検討が求められます。

Q居抜きでの営業許可はどうなりますか?

A営業許可は個別に申請し直す対象となる場合があります。前オーナーの許可は引き継がれませんが、会社分割・相続による承継では譲り受け届出などの所定手続きで引き継げるケースもあります。居抜きであっても施設検査は改めて受けるため、事前相談を内装工事着工前に済ませることが鉄則です。

Qカウンター目前揚げと客席の距離はどれくらい要りますか?

A立ち飲み型で40〜60cm、着席カウンター型で60〜80cmが標準です。距離が近いほどライブ感は増しますが、飛び油リスクと熱気の影響が大きくなります。アクリル板やガラス板の防護設備を設置し、油ヤケによる劣化を考慮して定期交換の経費を計画に組み込んでください。

Q立ち飲み型から着席型へ業態転換できますか?

A可能ですが、席数が減るため売上予測の見直しが欠かせません。立ち飲み型の15坪で30席確保できる物件が、着席型では20席程度に減る計算です。客単価の上げ幅で売上を維持できるかを事業計画で検証してから物件を契約することを推奨します。

Q深夜酒類提供届出は串揚げ店で必要ですか?

A午前0時を超えて酒類を主として提供する場合は、店舗所在地を管轄する警察署を経由して公安委員会へ、営業開始の10日前までに届出が求められます。立ち飲み型・着席カウンター型で夜営業を軸にする店は該当するケースが多く、0時前に閉店する店は不要です。

串揚げ・串カツ居抜きは流派・厨房・法務が複雑に絡む業態です。串揚げ施工の実績がある会社を含めた複数社の相見積もりで、改修範囲と費用の妥当性を確かめてください。

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最終確認のお願い

上記は2026年4月時点の一般情報としてまとめたものです。法令・条例は随時改正され、解釈や運用も自治体ごとに差があります。物件固有の条件によって結論が変わるため、実際の契約・開業判断の前に、所轄自治体の窓口および弁護士・行政書士・建築士・消防設備士等の専門家にご相談いただき、書面で確認を取ることを強く推奨します。

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