店舗内装の発注方式|一括・分離・施主支給の選び方|デザインビルドとは|発注方式診断ツール付き

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この記事の結論

  • 発注方式を選べるのはC工事だけ。テナント店舗のB工事(受変電・空調幹線等)はビル指定で、分離も一括も選択外。
  • 店舗の選択肢は「一括/分離」の二択でなく、施主支給という第3軸を加えた3つ。
  • 数百万〜の店舗は基本ワンストップ一括が総額で有利。分離が効くのは「指名設計・大規模多店舗・施主支給を大量に組む」の3条件。
  • 中間マージンは”割高な無駄”ではなく“調整代行の対価”。本業多忙なオーナーには評価が逆転する。

店舗の内装には数百万から数千万円がかかります。その金額をどう発注するか=発注方式の選び方ひとつで、総額も、工期も、トラブル時の責任の所在も変わります。にもかかわらず、ここを深く考えずに「知り合いに紹介された1社」にそのまま頼んでしまい、後から相場より高かったと気づくケースは少なくありません。

店舗の内装を始めるとき、最初に迷うのが「設計と施工をどう頼むか」です。検索すると「設計施工の一括 vs 分離」の解説は山ほど出てきますが、その大半は住宅・工場・公共工事・大型ビルを前提にした建築一般論で、自社物件・全体を発注する話です。店舗(テナント)の発注者には、そのまま当てはまらない部分が半分あります。この記事は特定の会社に誘導せず、店舗内装の発注者目線で「どの方式を、何を基準に選ぶか」を整理します。

店舗の発注方式は3つ|一括・分離・施主支給

建築一般では「一括か分離か」の2択で語られますが、店舗には施主支給という第3の軸があります。実際の店舗オーナーの選択肢は次の3つ(と、その組み合わせ)です。

ワンストップ一括

窓口1社に一本化
別名デザインビルド
強み工期短縮・調整が楽
向く店舗多くの店舗・居抜き

設計+施工 分離

窓口設計事務所+施工会社
強み相見積もり・客観監理
負担発注者の調整大
向く店舗こだわり・大規模

+施主支給(第3軸)

内容什器・厨房を直接調達
強み機器代を抑えやすい
注意責任が施主に移る
向く店舗飲食・こだわり機器

なぜ3つで考えるべきかというと、店舗では「設計と施工をどう分けるか」だけでなく「モノ(機器・什器)をどう調達するか」が費用と責任に大きく効くからです。建築一般の議論は前者だけを扱いますが、店舗オーナーにとっては厨房機器や什器をどう仕入れるかが現実の論点になります。だからこの記事では、施主支給を発注方式の第3軸として並べて扱います。

「デザインビルド」は公共工事や大型建築で使われる用語で、発注方式としては設計施工一括と同じものです。店舗内装の文脈では、ほぼ「ワンストップで請ける内装会社」と読み替えて差し支えありません。現実には「一括に頼みつつ厨房だけ施主支給」のようなハイブリッドが主流で、純粋な分離は少数派です。

【最重要】発注方式を選べるのはC工事だけ

建築一般の発注方式論が店舗でそのまま使えない最大の理由がこれです。テナント物件の工事はA工事・B工事・C工事に区分され、発注者が分離/一括を選べるのはC工事(専有部の内装)の範囲だけです。

A工事:建物躯体・共用部(オーナー負担・発注者は関与しない)B工事受変電・空調幹線防排煙・共用給排水ビル指定=選べない発注方式の選択外(分離も一括も不可)C工事間仕切り・内装仕上げ専有部の設備・什器分離/一括を選べる発注方式の主戦場はここ施主支給も基本ここ

B工事=受変電・空調の幹線・防排煙・共用給排水などは、テナント負担でありながらビルが指定する業者でしか施工できません。ここは分離も一括も選べず、発注方式の議論の外にあります。つまり「一括か分離か」を悩むのは、あくまでC工事の話。この前提を最初に置くと、建築記事が説く「分離vs一括」の半分は店舗では無効化されます。まずC工事の範囲を確定する——これが店舗の発注方式を考える出発点であり、ここを飛ばすと後のすべての判断がずれていきます。

住宅・工場・公共工事といった建築一般の発注方式論が、店舗でそのまま使えないのはこのためです。建築一般は自社の土地・建物に対して工事「全体」を発注する前提なので、分離か一括かを全工事に当てられます。ところが店舗(テナント)は、ビルという他人の資産の一部を借りて内装するので、基幹設備はビルの管理下=B工事になります。発注者が采配できるのは専有部のC工事だけ。だから店舗の発注方式は「C工事をどう頼むか」の問題に絞られ、ここを取り違えると、削れない部分を削ろうとして時間を浪費します。

発注方式を考える前に、まず工事区分表を取る

B工事の範囲と概算を握らないまま発注方式を決めると、「これはB工事です」と後から高額な追加が出ます。分離か一括かより先に、契約前の工事区分表でC工事の範囲を確定するのが順序です。詳しくはA工事・B工事・C工事の違いと工事区分表の見方を参照してください。

一括 vs 分離|店舗での本当のメリデメ

C工事の範囲で、一括と分離をどう選ぶか。一般論に店舗の実態を重ねて整理します。

観点 ワンストップ一括 設計+施工 分離
窓口 1社(打合せが楽) 設計事務所+施工会社(橋渡しは発注者)
工期 短くなりやすい 選定・すり合わせで延びやすい
コストの見え方 設計料が工事費に紛れる 設計料・施工費が分かれて透明
妥当性チェック 設計施工会社を複数社比較 施工を相見積もりで競わせやすい
監理(客観チェック) 社内で完結(甘くなりがち) 設計事務所が施主側で監理
向く店舗 数百万〜中規模・居抜き・多忙オーナー こだわり・大規模・多店舗

注意したいのは、建築の大型・公共文脈では「分離=透明、一括=スピード」と説かれますが、数百万〜の店舗では力学がやや逆になることです。小規模では設計料が独立計上されにくく、一括(ワンストップ内装会社)の方が総額で安く収まる帯が多いと言われます。下のバーは規模帯ごとの総額の傾向イメージです。

〜500万
一括が有利になりやすい
500-1500万
ケースバイケース
1500万〜
分離の妥当性チェックが効く

※規模と総額の関係は一般に言われる傾向を整理したもので、確定値ではありません。実額は物件・仕様・業態で変わります。

もうひとつ店舗で見落とされがちなのが「工事監理」です。分離では設計事務所が施主側の立場で、図面通りに施工されているかをチェックします(監理)。一括では設計も施工も同じ会社のため、このチェックが社内で完結し、甘くなりがちだと指摘されます。ただし店舗内装の規模では、第三者監理を別途立てるほどの工事量でないことも多く、信頼できる一括会社に任せて要所だけ自分で確認する方が現実的なケースが大半です。監理の客観性を重視するのは、大規模・多店舗で品質を均一化したい段階からと考えてよいでしょう。

まとめると、店舗内装で一括が選ばれやすいのは、①規模が小さく設計料の独立計上メリットが薄い ②開業日が決まっていて工期を縮めたい ③B工事との取り合い調整を任せたい ④本業が多忙で発注者が現場監督役を担えない、という事情が重なるからです。逆に分離は、これらが当てはまらず、時間と手間を投じてでも設計の自由度とコストの透明性を取りに行きたい場合に効いてきます。

ここで用語を整理しておきます。この「設計と施工を一社に一括で頼む方式」は、建築や公共工事の世界では「デザインビルド(DB方式/Design-Build)」と呼ばれます。2005年の品確法でも採用が進んだ正式な発注方式の呼称で、設計と施工を分ける「設計施工分離方式」と対になる概念です。つまりデザインビルド=設計施工一括=ワンストップは、呼び方が違うだけで、中身は同じものを指しています。

ただし、店舗内装の現場で「デザインビルドで頼みたい」と言う発注者はほとんどいません。数億円規模のビルや公共施設では「デザインビルド方式」という言葉が使われますが、数百万円の店舗では同じことを「設計から施工までワンストップでお願いしたい」「設計施工一括の内装会社に頼む」と表現するのが一般的だからです。言葉に惑わされず、自分がやりたいのは一社にまとめる(一括=デザインビルド)のか、設計と施工を分ける(分離)のか、という中身で判断してください。

「デザインビルド」という言葉で探している方へ

デザインビルド(DB方式)は、この記事で言う一括(ワンストップ)発注と同じ意味です。建築・公共工事では「デザインビルド」、店舗内装では「ワンストップ」「設計施工一括」と呼ばれるだけの違いで、メリット・デメリット(工期短縮・責任の一元化 vs 客観チェックが効きにくい)も、この記事の一括の解説がそのまま当てはまります。店舗で検討するなら、規模が大きく設計の客観性を重視する場合を除き、信頼できる一括会社を複数社で比較して選ぶのが現実的です。

設計事務所・デザイン会社・工務店(施工会社)の違い——店舗内装ではこう使い分ける

住宅の世界で語られる「設計事務所と工務店の違い」は、店舗内装では発注方式の違いとして現れます。誰が図面を描き、誰が施工の責任を持ち、費用がどこに出るかで4タイプに分かれます。

タイプ
設計と施工の分担
費用の出方
向く案件
設計事務所(建築士)
設計・監理のみ。施工は入札や指名で別会社
設計監理料(工事費の5〜15%程度が目安)を別立て。施工費は施工会社の見積
用途変更・確認申請を伴う規模、大型・複合、第三者の査定が要る案件
デザイン会社(店舗デザイン)
デザイン・設計を担当、施工は提携会社か施主が選ぶ
デザイン料+施工費。提携施工なら一括見積になることも
世界観で単価を取る店(飲食・美容・サロン)。写真映えと動線の両立
工務店・施工会社
施工が本業。簡単な図面は自社で描くことが多い
工事費に設計相当分が含まれ「設計料0」と見える
居抜きの改装、設備中心の工事、予算優先。デザイン提案は限定的
設計施工一括(ワンストップ)
設計から施工まで1社で責任
一括見積。内訳で設計料の扱いを確認
工期優先・窓口を一つにしたい中小規模の店舗。相見積で費目別に比較する

店舗では「設計事務所か工務店か」の二択より、C工事の範囲で誰に何を任せるか(上の3方式)を先に決めるのが実務です。デザインを重視するならデザイン会社+提携施工、設備と予算を重視するなら施工会社直、規模が大きいなら設計事務所+分離、が出発点になります。業種別の会社の選び方はオフィスの内装・デザイン会社の選び方サロンの内装業者の4タイプで解説しています。

中間マージンの正体|割高な無駄ではない

多くの記事は一括を「中間マージンが乗るから割高」とネガティブに書きます。たしかに一括では、元請が専門業者を取りまとめる現場管理・調整の対価が工事費に含まれます。しかしこれは”無駄”ではなく”代行の対価”です。

マージン分は、あなたの時間と失敗リスクで相殺される

分離でマージンを浮かせても、B工事との取り合い、専門業者間のスケジュール、施主支給品の納期管理を発注者自身が捌くことになります。本業で多忙な店舗オーナーにとって、その手間と失敗リスクは小さくありません。浮いたマージン分が自分の時間で消えるなら、一括の方が結果的に得というケースが多くなります。

なお、大型のプロジェクトでは、発注者の立場で全体を管理する第三者(コンストラクション・マネジメント等)を立てて一括のデメリットを補う手法もありますが、店舗内装の規模では費用対効果が合わないことがほとんどです。店舗では、信頼できる一括会社を複数社から選ぶことが、実質的に同じ役割を果たします。

では分離にすれば、その分まるまる安くなるのでしょうか。住宅では「分離で建築費を2割ほど抑えられる」といった説も見られますが、店舗内装では事情が違います。店舗は工種の数が住宅ほど多くなく、規模も小さいため、分離で浮く管理費は限定的です。一方で発注者が背負う調整コスト(打合せ回数、スケジュール管理、トラブル対応)は規模に比例して減りません。結果として、小〜中規模の店舗では「浮いた管理費 < 自分が費やす時間と失敗リスク」になりやすい、というのが現実的な見方です。

「一括は相見積もりできない」は半分誤り

  • 一括でも設計施工会社を複数社で相見積もりすればよい
  • 比較軸が「施工単価」から「設計込みプラン総額」に変わるだけ
  • 各社のプラン・金額・実績・対応を横並びで比較する
  • 同じ前提(坪数・仕様・含む範囲)をそろえて出してもらう

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施主支給という第3軸

什器・厨房機器・家具・照明・サインなどを、内装会社経由でなくオーナーが直接調達して支給するのが施主支給です。機器代の上乗せを抑えられる一方、本質的なトレードオフがあります。

施主支給が注目されるのは、内装会社を経由すると機器に管理費・利益が上乗せされるためです。同じ厨房機器でも、自分でメーカーや販売店から直接買えば、その上乗せ分を抑えられます。ただし「何でも支給すれば安い」わけではありません。支給に向くのは、現場合わせが不要で、据付が単純な規格品です。

施主支給に向く 施主支給に向かない
規格品の厨房機器・冷蔵庫 造作家具・現場合わせの什器
こだわりの照明・サイン 給排水・電気に絡む据付機器
ネット調達で安く買える備品 納期が読めない特注品

施主支給の本質は「安さ」より「責任が移ること」

支給品の取付不良や、現場寸法との不整合、納期遅延で工程が止まったとき、その責任は施工会社でなくオーナーに来ます。メーカー保証は残っても、施工側の保証範囲からは外れがちです。安くなる分、管理責任を引き受ける——この理解がないと「支給したのに高くついた」になります。

施主支給で失敗しないチェック

  • 支給品の搬入時期・現場寸法を施工会社と事前共有したか
  • 取付の責任範囲(どこまで施工側が見るか)を契約で明確にしたか
  • 不具合時の窓口(メーカー/施工/自分)を決めたか
  • 納期遅延が工程全体を止めないバッファを見たか

業態別の向き不向き|設備の重さで変わる

同じ「店舗」でも、業態によって最適な発注方式は変わります。分かれ目は設備の重さと、関わる専門業者の数です。設備が重く専門業者が多い業態ほど施主支給や部分分離のハイブリッドが効き、設備が軽く意匠が中心の業態ほどワンストップ一括が扱いやすくなります。

飲食店(重飲食)

厨房の電気・ガス・給排水・排気ダクト・グリストラップ・防火など、関わる専門業者が最も多い業態です。厨房機器は規格品が多く施主支給で機器代を抑えやすい反面、据付と設備の取り合いが複雑です。現実的には「内装は一括に任せつつ、厨房機器は施主支給、または厨房専門業者を別途」というハイブリッドが主流になります。設備が重いぶん、工事区分(B工事の排気・給排水)の確認も特に重要です。

カフェ・喫茶

重飲食より設備は軽く、内装の世界観づくりが集客に直結します。エスプレッソマシンや製氷機など一部の機器負荷はあるものの、基本はワンストップ一括がスムーズです。内装に強いこだわりがあり、指名したいデザイナーがいる場合だけ分離を検討する、という整理で十分なケースが多くなります。

物販・アパレル

設備工事が軽く、什器・ディスプレイ・照明など意匠とレイアウトが主役の業態です。設備の取り合いが少ないため、窓口一本のワンストップ一括が最も扱いやすく、こだわりの什器や照明だけを施主支給で足す程度で足ります。多店舗展開で内装を標準化したい段階になって、初めて分離(設計標準化+施工を競わせる)が効いてきます。

美容室・サロン・クリニックなど

シャンプー台の給排水、施術設備、医療なら構造設備基準など、専門要件が業態固有です。この領域は「その業態の施工実績がある一括会社」に任せるか、要件を理解した設計事務所で分離するかの二択になりやすく、実績の有無が一括/分離以上に効きます。

このように、業態が決まれば発注方式の方向性はかなり絞り込めます。設備が重く工種が多い飲食では一括+部分的な施主支給、意匠が中心の物販・カフェではワンストップ一括、専門要件のあるサービス業ではその業態の実績がある会社、というのが大まかな指針です。あとは規模とこだわりの強さで微調整する、という順で考えると迷いにくくなります。

結局どれ?|診断ツールで判定

原則はシンプルです。店舗は基本ワンストップ一括、分離が本当に効くのは次の3条件のときです。下の診断ツールに立地・規模・こだわり・施主支給・あなたの状況を入れると、一括/分離/ハイブリッドのどれが向くかを判定します。判定はその場で切り替わるので、条件を変えながら、自分のケースで何が効くのかを確かめてみてください。

分離が効く条件①

指名したい設計事務所・デザイナーがいる。設計を切り出して任せたい。

分離が効く条件②

大規模・多店舗で設計を標準化し、施工を相見積もりで競わせたい。

分離が効く条件③

施主支給を大量に組み、支給品と工事の取り合いを管理したい。

診断結果はあくまで方向性です。たとえば「ワンストップ一括」と出ても、それは一括会社を比較しなくてよいという意味ではありません。むしろ「設計施工を一括で請ける会社を、複数社そろえて比較する」のが次の一手です。逆に「分離」と出た場合は、まず設計事務所を選び、確定した図面で施工会社の相見積もりに進みます。どちらの結果でも、最終的な判断材料は各社の具体的な提案と見積もりです。

立地タイプ別の進め方

発注方式の選択は、立地タイプによって出発点が変わります。なぜなら立地によって「そもそも自分で何を発注できるか」(=工事区分の構図)が違うからです。ビルインなら基幹設備はビル指定で動かせず、路面・戸建なら基幹も自分の発注になります。下の3タイプ別に、現実的な進め方を整理します。

ビルイン・モール

基幹B工事=選択外
推奨ワンストップ一括
理由B工事の取り合い調整

路面・スケルトン

基幹自分の発注
推奨分離も一括も可
条件こだわり/大規模なら分離

居抜き

改修範囲が小さい
推奨一括で即決
施主支給流用設備と兼ね合い

立地で最初に決まるのは「そもそも何を自分で発注できるか」です。商業施設テナントの費用構造は商業施設テナントの内装費用と工事区分、業者タイプの比較は店舗内装会社の選び方(総論)もあわせてご覧ください。

どの方式でも「複数社比較」が鍵

一括でも分離でも、共通して失敗を避ける鍵は複数社を比較することです。方式によって比較の仕方が変わります。

1社だけの見積もりでは、その金額が高いのか妥当なのかを判断できません。複数社をそろえて初めて、相場観と、各社の提案の違い(プランの質・含まれる範囲・対応の丁寧さ)が見えてきます。ここで大切なのは、各社に同じ条件を渡すことです。坪数・仕様・含む範囲・施主支給の有無をそろえないと、安く見える見積もりが実は範囲が狭いだけ、という比較ミスが起きます。

発注方式別・比較の仕方

  • 一括:設計施工会社を複数社に同条件で出し、プラン総額・実績・対応を比較
  • 分離:設計事務所を複数社で選び、確定図面で施工を相見積もり
  • ハイブリッド:一括の見積もりから施主支給分を切り出して調整
  • いずれも「同じ前提」をそろえないと横並び比較にならない

見積もりの取り方・項目別の見比べ方は店舗内装工事の見積もり比較ガイド、費用相場の全体像は店舗内装の費用相場ガイドで詳しく解説しています。

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発注方式でつまずく典型パターン

発注方式の選択でよく起こるつまずきを、想定されるケースとして整理します。いずれも事前の理解で防げるものです。

避けたい典型パターン

  • 工事区分表を見ずに一括契約し、後から「これはB工事」と高額な追加が出る
  • 安さだけで分離を選び、調整しきれず工期が遅延、責任の所在も曖昧になる
  • 施主支給を欲張り、取付不良や納期遅延で工程全体が止まる
  • 設計を軽視した一括で、できあがりが想定と違い、やり直しになる
  • 「1社一括だから」と相見積もりを諦め、相場より高い金額で契約してしまう

共通するのは、「方式を決める前の前提(工事区分)」と「方式を決めた後の比較(複数社)」を飛ばしていることです。順序さえ守れば、どの方式を選んでも大きな失敗は避けられます。

よくある質問

一括(ワンストップ)は相見積もりできないのですか?

できます。施工単価では比較できませんが、設計施工会社を複数社に同条件で出し、プラン総額・実績・対応を横並びで比較すればよいだけです。「一括=1社しか選べない」という誤解で比較を諦める必要はありません。

施主支給は本当に安くなりますか?

規格品の機器などは機器代を抑えられます。ただし取付不良・納期遅延・現場との不整合の責任がオーナーに移るため、管理コストとリスクを含めると「必ず安い」とは限りません。一部の規格品に絞るのが現実的です。

小規模な店舗はどちらが向きますか?

数百万〜の小規模店舗は、設計料が独立計上されにくく、ワンストップ一括の方が総額で有利になりやすい帯です。居抜きで改修が小さいなら、なおさら一括での即決が合理的です。

デザインに強くこだわりたい場合は?

指名したい設計事務所・デザイナーがいるなら、設計を切り出せる分離が向きます。ただし発注者の調整負担が増えるため、時間と手間を取れることが前提です。

工期を最優先したい場合は?

窓口が一本化され、設計と施工が社内連携する一括が工期では有利です。施工者選定の期間が不要になるため、開業日が決まっている場合は一括が無難です。

設計だけ別の事務所に頼んで、施工は一括会社に任せられますか?

できます。これは実質的に分離発注の一形態です。指名したいデザイナーで設計を固め、その図面で施工を複数社に相見積もりする流れです。ただし設計と施工の間の橋渡し(仕様の伝達、現場での調整)は発注者か設計事務所が担うことになるため、その役割分担を最初に決めておくことが重要です。

ビルインの店舗で発注方式を選ぶ前にやることは?

工事区分表を取得し、B工事(ビル指定で選べない範囲)とC工事(自分で発注する範囲)を確定することです。発注方式を選べるのはC工事だけなので、ここを先に握らないと総額を読み違えます。

まとめ

  • 発注方式を選べるのはC工事だけ。まず工事区分表でB/Cを確定する。
  • 選択肢は一括/分離/施主支給の3軸。現実はハイブリッドが主流。
  • 店舗は基本ワンストップ一括。分離が効くのは指名設計・大規模多店舗・施主支給大量の3条件。
  • 中間マージンは調整代行の対価。多忙なオーナーには評価が逆転する。
  • どの方式でも複数社比較が成功の鍵。

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