そば・うどん専門店の移転|製麺・打ち場と茹で釜の蒸気換気を作り直す——旧店原状回復+新店内装の費用相場

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そば・うどん専門店の移転は、ほかの飲食店の移転とは勝手が違います。多くの飲食店が厨房で調理して提供するのに対し、そば・うどん店は「製麺・打ち場」と「茹で釜・強力な換気」が厨房の核であり、とくに茹で釜から立ちのぼる大量の蒸気を逃がす換気は一般の飲食店の1.5〜2倍ともいわれ、移転先の物件で確保できるかが物件選びを左右するからです。さらに、そば粉・うどん粉のでんぷん質で配管が詰まりやすいため排水も特殊で、自家製麺なら製麺室(保健所の指導で部屋にすることが多い)も要ります。これらを旧店の原状回復と新店の内装を一つの予算表・スケジュールで段取りするのが、そば・うどん移転の難しさです。本記事は、そば・うどん店のオーナーが移転を成功させるために、製麺・打ち場の作り直し・茹で釜と蒸気換気・排水・客席・費用構造・行政手続き・業者選びまでを、できるだけ深く整理した発注者向けのガイドです。移転ではなく現店の改装はそば・うどん改装ガイドもあわせてご覧ください。

30秒でわかる結論

そば・うどん移転の要点

  • そば・うどん移転=「製麺・打ち場」と「茹で釜・強力な換気」を、旧店原状回復+新店内装と一括で作り直す
  • 茹で釜から大量の蒸気が出るため、換気は一般の飲食店の1.5〜2倍ともいわれる。移転先で換気・ガス容量を確保できるかが最重要
  • そば粉・うどん粉のでんぷん質で配管が詰まりやすく、排水管は太め・グリストラップの清掃頻度も高い
  • 自家製麺(製麺機50〜200万円)か仕入れ麺かで初期費用が大きく変わる。手打ちなら製麺室(保健所対策)が要る
  • 移転先では飲食店営業許可の再取得が必要。製麺・茹で釜・蒸気換気を読める麺類業態の実績がある業者を複数社で比較する
⚠️ ご注意:本記事は一般的な情報提供を目的としており、正確性・完全性・最新性を保証するものではありません。記載の費用相場・設備費などはあくまで一般的な目安で、業態(職人型/セルフ型/立ち食い型)・地域・規模・自家製麺の有無・物件条件によって大きく異なります。飲食店営業許可の再取得や製麺室・生麺販売の取り扱い、消防への届出などの手続きは、所管の保健所・消防署・自治体の運用によって異なります。具体的な費用は複数社の見積もりで、手続きは所管の保健所・消防署で、必ずご確認ください。

そば・うどんの移転は「製麺・打ち場と茹で釜・蒸気換気の作り直し」——一般の飲食移転と別

そば・うどんの移転が他の飲食店と違うのは、「製麺・打ち場」と「茹で釜・強力な換気」という二つの要素を同時に作り直す点です。

そば・うどん移転=「製麺・打ち場」と「茹で釜・蒸気換気」の作り直し茹で釜の大量の蒸気・1日中のガスが、物件選びを左右する① 製麺・打ち場製麺機(50〜200万円)or 手打ち手打ちは製麺室(保健所指導)「見せる化」で客単価UP仕入れ麺なら製麺機は不要② 茹で釜・蒸気換気そば釜・うどん釜・大量の湯換気は一般飲食店の1.5〜2倍結露・カビ対策・排水管は太めガス代・水道代が高い業態この二つを旧店原状回復+新店内装と一括で作り直す

一般的な飲食店の移転は、厨房設備と客席の作り直しが主役です。ですがそば・うどん店は、それに加えて、自家製麺なら製麺機や手打ちの打ち場、そして麺を茹でる釜から立ちのぼる大量の蒸気を逃がす強力な換気が、厨房の中心になります。茹で釜は1日中ガスを使い続けるため、ガス代・水道代が他の飲食業態より高くなりやすいのも特徴です。

一般の飲食移転

主役厨房設備・客席の作り直し
換気標準的な厨房換気
排水標準的な排水

そば・うどんの移転(本記事)

主役製麺・打ち場+茹で釜
換気蒸気が多く一般の1.5〜2倍
排水でんぷん質対策で太め

このため、そば・うどんの移転は「製麺・打ち場を作り直し、茹で釜と強力な換気・特殊な排水を物件に合わせて再構築し、つゆ・だしの厨房と客席を整える」という、麺類業態ならではの段取りが核心になります。なお、同じ麺類でもスープが主役のラーメン店の移転はラーメン移転ガイド、そば・うどん店でよく併設する天ぷらを主役にした専門店の移転は天ぷら移転ガイドも参考になります。

そば・うどん移転の費用相場——旧店の原状回復・新店の内装を1つの予算表で

そば・うどん移転の費用は、「旧店の原状回復」「新店の内装」「製麺機・茹で釜等の設備移設」の3つを、一つの予算表で見るのが基本です。

そば・うどん移転の費用=旧店+新店+設備の”3つ”製麺・茹で釜・強力換気・排水で費用が積み上がる(規模で変動・目安)① 旧店の原状回復製麺室・茹で釜・換気ダクト・客席の撤去契約の原状回復義務に従う② 新店の内装製麺室・茹で釜・強力換気・排水・客席・打ち場換気・排水の比重が大きい③ 厨房等の設備移設製麺機・茹で釜・石臼・軟水器・什器の移設移設か新設かの判断①+②+③を1つの予算表・1つのスケジュールで管理旧店と新店を別業者に分けると、責任の境目で抜け漏れ・割高に具体的な金額は業態・規模・自家製麺の有無・物件で変動。複数社の見積もりで把握を

  • ① 旧店の原状回復:賃貸契約の原状回復義務に従い、製麺室・茹で釜・換気ダクト・客席などを撤去してスケルトンに戻す
  • ② 新店の内装:製麺室・茹で釜・強力な換気・特殊な排水・客席・打ち場を新設。換気・排水の比重が一般の飲食店より大きい
  • ③ 製麺機・茹で釜等の設備移設:製麺機(自家製麺の場合)・茹で釜・石臼・軟水器・什器の移設・再設置。これらを移設するか、移転を機に新設するかの判断も必要

新店の費用は、店の業態によって大きく変わります。自家製麺か仕入れ麺かで、製麺機の有無による初期費用の差が大きくなります。

業態で設備・客席・費用が変わる(目安)業態設備・客席の重心初期費用の目安職人型(手打ち)製麺室・打ち場・座敷・高単価1,000万円以上もセルフ型券売機・回転・テーブル中価格帯立ち食い型仕入れ麺・回転重視・省スペース200〜450万円も自家製麺(製麺機)か仕入れ麺かで初期費用が大きく変わる。狙う業態を先に決める※数値は公開資料・一般的な目安。詳細は業者見積もりで

具体的な金額は業態・規模・自家製麺の有無・物件で大きく変わります。本記事で示す費用はあくまで公開資料に基づく一般的な目安です(出典:日本政策金融公庫「2024年度新規開業実態調査」、J-Net21「そば・うどん店」など)。製麺機は自家製麺の場合に必要で、仕入れ麺(製麺所からの仕入れ)を選べば製麺機が不要になり初期費用を抑えられます。旧店・新店・設備を一つの予算表にまとめ、複数社の見積もりで実際のレンジを把握することをおすすめします。旧店と新店を別々の業者に分けると、責任の境目で抜け漏れが起きたり割高になったりするため、一括で見られる業者に相談すると安全です。

茹で釜の蒸気・換気と排水が物件を決める——製麺室・釜セットと居抜き判定

そば・うどん移転で、物件選びと費用を最も大きく左右するのが茹で釜の蒸気・換気と排水です。麺を茹でる釜からは大量の蒸気が出るため、これを逃がす強力な換気が欠かせません。

そば・うどんの厨房は「釜セット」を中心に組む製麺室・打ち場製麺機 or 手打ち約1坪・保健所対策茹で釜・シンクそば釜/うどん釜締め用の冷水・軟水器つゆ場・中台かえし・だし・つゆ天ぷら・丼物の調理客席カウンター/テーブル座敷・立ち食い関東は、提供カウンターに釜セット(釜・シンク・麺棚)を中央配置し、近くに中台かえし(つゆの原液)をだしで割る。本枯節・昆布の出汁にこだわる店も※構成は地域・業態(手打ち/セルフ/立ち食い)により異なる目安

そば・うどんの厨房は、用途ごとに次のような設備で構成されます。

  • 製麺室・打ち場:自家製麺なら製麺機、手打ちなら打ち場。手打ちや生麺販売では、保健所の指導で製麺室を独立した部屋にし、手洗いを設けることが多い(打ち場は約1坪が一つの目安)
  • 茹で釜・シンク:そば釜(丸い釜)・うどん釜(角型で反転かご)など。茹で上がった麺の粗熱をとるシンク、夏場に麺を締める冷水・軟水器も要る
  • つゆ場・中台:かえし(つゆの原液)をだしで割ってつゆをつくる。本枯節・昆布などの出汁にこだわる店も。天ぷら・丼物を作る中台を併設することが多い
  • 客席:カウンター・テーブル・座敷など。立ち食いは回転重視、手打ちはゆったりした客席

そして、茹で釜の蒸気・換気と排水が、移転先の物件選びを左右します。

茹で釜の蒸気・排水が、物件と費用を左右する換気は一般飲食店の1.5〜2倍茹で釜から大量の蒸気→強力な換気フード結露・カビ対策、ダクトの排気量に注意排気距離が長いと費用増排水管は太めに設計そば粉・うどん粉のでんぷん質で配管が詰まりやすいグリストラップの清掃頻度も高い茹で釜は1日中ガスを使う→ガス容量・ガス代、茹で水・洗い水で水道使用量も多い物件契約前に、換気・ガス容量・排水・給水を業者と現地確認※換気・排水の要件は規模・物件により異なる。業者に確認を

換気・排水・ガス容量を物件契約前に確認:茹で釜から大量の蒸気が出るため、換気は一般の飲食店の1.5〜2倍ともいわれ、強力な換気フードと、結露・カビ対策が要ります。排気ダクトの排気量や排気距離によって費用が変わります。また、そば粉・うどん粉のでんぷん質で配管が詰まりやすいため、排水管は太めに設計し、グリストラップの清掃頻度も高くなります。茹で釜は1日中ガスを使うためガス容量・ガス代、茹で水・洗い水で水道使用量も多くなります。これらを物件契約前に業者と現地で確認することが重要です。要件は規模・物件で異なるため、業者に確認してください。

居抜き判定——前テナントがそば・うどん/麺類か、製麺室・茹で釜・換気が使えるか

居抜き(前テナントが麺類)

流用製麺室・茹で釜・換気・排水の躯体
確認自店の業態・自家製麺に設備が合うか
コスト抑えやすい(合えば)

スケルトン

自由度製麺室・釜・客席を理想で設計
確認換気・排水・ガスを一から構築
コスト高くなりやすい

居抜きでも「そば・うどんの製麺室・茹で釜・換気・排水に使える設備か」を見極めることが大切です。元そば・うどん店・元麺類店の居抜きで設備が残っていても、自店の業態(手打ち職人型かセルフ型か)や自家製麺の有無に合わなければ、結局は大きな作り直しが必要になります。「居抜きだから安い」と早合点せず、自店の製麺・茹で釜・換気・排水の要件に物件が合うかを、麺類業態に詳しい業者に確認してもらいましょう。旧店の原状回復については原状回復ガイドも参考になります。

見えない急所——手打ちの「見せる化」・つゆ/だしの厨房・客席と、相見積もりのB/C工事

そば・うどん移転で、費用や集客を大きく左右するのに見落とされやすいのが、次の急所です。

手打ちの「見せる化」:手打ちを看板にする店では、打ち場をガラス越しに見せる「見せる化」が付加価値になります。麺を打つ実演が見えると客単価アップやSNS拡散につながりやすく、投資に値するとされます(ガラス越し実演型で80〜250万円程度の追加が一つの目安)。一方、手打ちを看板にするなら、打ち場のスペースはコスト削減の対象外と考えるのが基本です。移転は、この「見せる化」を新店で設計し直す好機です。自家製粉にこだわるなら石臼(電動石臼製粉機)の設置も検討します。
つゆ・だしの厨房と中台(天ぷら・丼物):そば・うどんの味を決めるのが、かえし(つゆの原液)とだしです。本枯節・昆布・煮干しなどの出汁にこだわるほど、つゆ場の設計が重要になります。また、天ぷら・丼物・一品料理を出す店では、釜セットの近くに中台(天ぷらのフライヤー・ガステーブルなど)を配置するのが一般的です。提供メニュー(冷たいそば・温かいそば・丼物・天ぷら)に合わせて、釜セットと中台の動線を設計することが、回転と品質を両立する鍵です。
業態に合わせた客席設計:立ち食い・セルフ型は回転重視で省スペース・券売機が中心、手打ち職人型はゆったりした客席・座敷で滞在時間と客単価を重視します。「回転重視か、客単価重視か」を業態に合わせて設計で選ぶことが大切です。移転は、ターゲットと業態を見直して客席の構成を作り直す機会でもあります。

さらに、ビルやテナントに入る場合は、ビルオーナーが施工業者を指定する「B工事」と、自分で発注できる「C工事」の見極めも重要です。とくに茹で釜の強力な換気・排気ダクト、ガス容量の増設、特殊な排水は、そば・うどん店に欠かせない一方で費用も大きいため、どの工事区分に入るかを契約前に確認し、C工事の部分は相見積もりで適正価格を引きましょう。工事区分や見積もりの比較は見積もり比較ガイドが参考になります。

常連・予約を切らさない移転——飲食店営業許可・製麺室の保健所対策・二重家賃スケジュール

そば・うどん移転で常連客を守るには、営業を切らさないスケジュール設計が欠かせません。とくに地元密着の常連が多い業態のため、移転先・告知の設計が重要です。

移転先では飲食店営業許可の再取得が必要:店舗の移転では、移転先の店舗について改めて飲食店営業許可を取得する必要があります(保健所の施設検査などを経て許可されます)。あわせて、自家製麺で生麺を店頭販売する場合などは、製麺室を独立させ手洗いを設けるなど、保健所の指導に応じた対応が必要になることがあります。消防への防火対象物使用開始届なども含め、業態・営業形態に応じた手続きが必要になります。これらは所管の保健所・消防署の運用によって異なるため、早めに確認してください。
二重家賃を抑えつつ、切れ目をなくす:旧店の営業を続けながら新店を工事し、新店の準備が整ったら切り替えるのが理想ですが、その間は旧店と新店の二重家賃が発生します。一方で、旧店を早く閉めすぎると営業の空白期間ができ、地元の常連を失うおそれがあります。工事期間・許可取得の期間を見込んで、二重家賃を最小限にしつつ営業の切れ目をつくらないスケジュールを組むことが重要です。とくに換気・排水のダクト工事や製麺室の設置は時間がかかることがあるため、余裕を持った工程を組みます。
物件選定(換気・ガス容量・排水)蒸気・排水を確保できるか現地確認
新店の製麺室・茹で釜・換気・客席の設計業態・自家製麺・動線
営業許可・製麺室・消防の手続き飲食店営業許可の再取得など
旧店原状回復+新店工事・設備移設切れ目ないスケジュールで
開店・常連の引き継ぎ地元・常連への移転告知

あわせて、地元の常連への移転告知も計画します。そば・うどん店は地域に長く愛される常連の比重が大きいため、移転先・移転時期を丁寧に告知し、手打ちや味を引き継いだことを伝えると、常連を引き継ぎやすくなります。

そば・うどん移転の進め方・行政手続きと「製麺・茹で釜・蒸気換気を読める麺類業態の業者」

そば・うどん移転は、行政手続きと工事を並行で進めるのが基本です。そして工事の業者選びで重要なのが、「製麺・打ち場」「茹で釜と強力な換気・特殊な排水」「つゆ場・中台と客席」を読める、麺類業態(そば・うどん)の実績がある業者を選ぶことです。

  • 茹で釜の大量の蒸気を逃がす強力な換気(一般の1.5〜2倍)と、結露・カビ対策を設計できるか
  • でんぷん質で詰まりやすい排水(太め・グリストラップ)と、ガス容量を設計できるか
  • 自家製麺なら製麺室(保健所対策)・手打ちの「見せる化」、釜セットと中台の動線を設計できるか
  • 業態(職人型/セルフ型/立ち食い型)に合わせて、客席(回転か客単価か)を設計できるか
  • 旧店の原状回復と新店の内装を、一つの予算表・スケジュールで一括管理できるか

業者選びでは相見積もりが必須です。そば・うどん店は強力な換気や特殊な排水、製麺設備など麺類業態ならではの設備が多く、各社の提案も金額も差が出ます。とくに換気ダクトの排気量と製麺スペースの造作費で見積もりに差が出やすいため、複数社を比べてはじめて適正と相性が見えてきます。移転ではなく現店の改装を検討する場合はそば・うどん改装ガイド、スープが主役のラーメン店の移転はラーメン移転ガイド、併設する天ぷらの専門店の移転は天ぷら移転ガイドも参考になります。

よくある質問(FAQ)

そば・うどん店の移転費用はどれくらいかかりますか?
「旧店の原状回復」「新店の内装(製麺室・茹で釜・強力な換気・特殊な排水・客席)」「製麺機・茹で釜等の設備移設」の3つの合計で、業態(職人型/セルフ型/立ち食い型)・規模・自家製麺の有無・物件によって大きく変わります。とくに製麺機(自家製麺の場合)・茹で釜・強力な換気・特殊な排水の比重が大きいのが特徴です。本記事では固定の坪単価は示していません。旧店・新店・設備を一つの予算表にまとめ、複数社の見積もりで実際のレンジを把握することをおすすめします。
移転先の物件選びで、最も注意することは何ですか?
「茹で釜の大量の蒸気を逃がす換気と、特殊な排水を確保できるか」です。麺を茹でる釜から大量の蒸気が出るため、換気は一般の飲食店の1.5〜2倍ともいわれ、強力な換気フードと結露・カビ対策が要ります。また、そば粉・うどん粉のでんぷん質で配管が詰まりやすいため排水管は太めに設計します。茹で釜は1日中ガスを使うためガス容量も重要です。これらを物件契約前に業者と現地で確認することが重要です。
自家製麺と仕入れ麺で、費用はどれくらい変わりますか?
大きく変わります。自家製麺の場合は製麺機(50〜200万円程度が一つの目安)や、手打ちなら打ち場・製麺室が必要になり、設備費が積み重なります。一方、仕入れ麺(製麺所からの仕入れ)を選べば製麺機が不要になり、初期費用を大幅に抑えられます。手打ちを看板にするか、自家製麺か仕入れ麺かは、店のコンセプトと費用のバランスで決めます。移転を機に、自家製麺の方針を見直すこともできます。
茹で釜の換気・排水は、何に注意すればいいですか?
茹で釜から大量の蒸気が出るため、換気は一般の飲食店の1.5〜2倍ともいわれ、強力な換気フードが必須です。蒸気による結露・カビ対策、排気ダクトの排気量・排気距離にも注意が必要で、排気距離が長いと費用が増えます。排水は、そば粉・うどん粉のでんぷん質で配管が詰まりやすいため太めに設計し、グリストラップの清掃頻度も高くなります。これらは麺類業態の施工経験がある業者に設計してもらうのが安全です。
手打ちの「見せる化」は、移転でどう考えればいいですか?
手打ちを看板にする店では、打ち場をガラス越しに見せる「見せる化」が付加価値になります。麺を打つ実演が見えると客単価アップやSNS拡散につながりやすく、投資に値するとされます(ガラス越し実演型で80〜250万円程度の追加が一つの目安)。手打ちを看板にするなら、打ち場のスペースはコスト削減の対象外と考えるのが基本です。移転は、この「見せる化」を新店で設計し直す好機で、自家製粉にこだわるなら石臼の設置も検討します。
ラーメン店の移転と、何が違いますか?
同じ麺類でも、ラーメン店はスープ(寸胴での炊き出し)が主役で、その仕込みと設備が核になります。一方、そば・うどん店は、製麺・打ち場と、麺を茹でる釜から出る大量の蒸気を逃がす強力な換気、でんぷん質で詰まりやすい特殊な排水が核になります。かえし(つゆの原液)とだしの設計、天ぷら・丼物の中台の併設なども、そば・うどん特有です。スープが主役のラーメンの移転についてはラーメン移転ガイドを参照してください。
移転先で必要な手続きは何ですか?
店舗の移転では、移転先について改めて飲食店営業許可を取得する必要があります(保健所の施設検査などを経て許可されます)。自家製麺で生麺を店頭販売する場合などは、製麺室を独立させ手洗いを設けるなど、保健所の指導に応じた対応が必要になることがあります。消防への防火対象物使用開始届なども含め、業態・営業形態に応じた手続きが必要です。これらは所管の保健所・消防署の運用によって異なるため、工事のスケジュールと並行して早めに確認してください。
業態(職人型/セルフ/立ち食い)で、移転の進め方は変わりますか?
変わります。職人型(手打ち)は製麺室・打ち場・ゆったりした客席・座敷に投資し、客単価を重視します(手打ち蕎麦は1,000万円以上を見込むことも)。セルフ型は券売機・回転・テーブルが中心、立ち食い型は仕入れ麺・回転重視・省スペースで、立ち食い+居抜き+仕入れ麺なら200〜450万円程度で開業できる例もあります。移転先の物件規模も予算も業態で大きく変わるため、まず狙う業態と自家製麺の方針を固めてから物件・業者を検討するのが順序です。
そば・うどん店の移転は、どんな業者に頼めばいいですか?
製麺・打ち場、茹で釜と強力な換気(一般の1.5〜2倍)・でんぷん質で詰まりやすい特殊な排水、つゆ場・中台と客席を、業態に合わせて設計・施工でき、旧店の原状回復と新店の内装を一つの予算表・スケジュールで一括管理できる、麺類業態(そば・うどん)の実績がある業者が理想です。とくに換気ダクトの排気量と製麺スペースの造作費で見積もりに差が出やすいため、麺類業態の施工経験がある会社を選ぶことが重要です。1社だけでは判断が難しいため、複数社に相見積もりを取り、実績と提案内容・段取り力を比較して選びましょう。

まとめ|そば・うどん移転は「製麺・打ち場」と「茹で釜・蒸気換気」を一括で段取りする

そば・うどん専門店の移転は、製麺と、麺を茹でる釜から出る大量の蒸気という特性ゆえに、一般の飲食移転とは別の段取りが要ります。①製麺・打ち場(自家製麺なら製麺機、手打ちなら製麺室・打ち場・「見せる化」)の作り直し、②茹で釜と強力な換気(一般の1.5〜2倍)・でんぷん質で詰まりやすい特殊な排水・ガス容量の再構築(移転先で確保できるかが物件選びの最重要制約)、③かえし・だしのつゆ場と中台(天ぷら・丼物)、業態に合わせた客席の作り直し——これらを、旧店の原状回復・新店の内装と一つの予算表・一つのスケジュールで段取りします。移転ではなく現店の改装はそば・うどん改装ガイドへ。製麺・茹で釜・蒸気換気を読める、麺類業態の実績がある業者に、複数社で相見積もりを取ることが、そば・うどん移転を成功させる第一歩です。費用は複数社の見積もりで、手続きは保健所・消防署に必ずご確認ください。

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