美容クリニックの内装費用|坪単価の相場と施術室数で見る総額・B工事・業者の選び方【シミュレーター付き】

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美容クリニックの内装は、「医療機関としての基準」「自由診療で選ばれる意匠」「レーザー等の医療機器の設備」という性質の違う3つを同時に満たす必要があり、費用は坪単価より「施術室(個室)の数」と「ビルインならB工事の有無」で動きます。このページはその順番——施術室数→坪数→総額、立地→選べる範囲→業者、基準→動線→意匠——で、費用相場、工事区分、見られたくない動線、医療機器の電源・排熱、保健所の開設届、業者の選び方と相見積もりの分解まで一気通貫でまとめました。写真で見たい方は美容クリニックの内装デザイン事例15選へ。

30秒で結論

  • 費用:内装工事の坪単価は、内装のない区画からつくるなら坪85万〜120万円(物件の状態を分けない公表など5社の真ん中から上)、居抜きなら坪50万〜65万円(居抜き・改装の公表3社)。25坪を区画からつくると、設計・予備費を足して約2,572万〜4,140万円(消費税の前。医療機器・家具・ビル側の工事は含まない)。同じ25坪でも施術室2室と4室では間仕切り・建具・空調・防音が室数ぶん積み上がり、総額は大きく変わる。医療モール・ビルインは「選べないB工事」が別に乗る。→ 費用の章へ
  • 実案件:施工会社が手がけた美容クリニック15院・写真60枚をテイスト別に。→ 写真で見る/事例集(全15院)
  • 次の一手:工事区分表でB/Cを確認 → 導入機器リストを先に確定 → 施術室数を決めてシミュレーターで概算 → 意匠×医療基準×保健所の三点を持つ複数社に同条件で見積もり。→ 工事区分の章へ
BELINDACLINIC 柏院 千葉県 美容クリニック ダークグレー×間接照明・ラグジュアリー 受付。ダークグレーの壁と光るカウンター、オレンジの間接照明(サンリット建設(DESIGN STUDIO TEMPO))
BELINDACLINIC 柏院(千葉県)。ダークグレーの壁と光るカウンター、オレンジの間接照明。デザイン・施工:サンリット建設(DESIGN STUDIO TEMPO)

公開日:2026年8月12日|更新日:2026年10月13日|編集:店舗内装ドットコム編集部(運営:株式会社BPBコンサルティング)|掲載事例の選定基準:施工会社が公式サイトで公開している美容クリニックの実案件のみ。写真は各社の掲載写真を法人名を明記して掲載し、坪数・工期は公式に記載がある場合のみ表記します。費用は施工・設計会社が自社のページで公表している値から見込んだ目安で(出典は費用の章)、当サイト独自の統計ではありません。法令・基準は医療法、医療法施行規則、各自治体の診療所構造設備基準、医療広告ガイドライン、建築基準法・消防法と突合していますが、運用は所管保健所で異なるため図面段階での事前相談をおすすめします。特定の業者への誘導は行いません。

開業の全体像(開設の3方式・資金の内訳と回収・施術室の設備要件・医療広告GL)は美容クリニック開業ガイドへ。

施術室数→坪数→総額の逆算早見(坪単価より「個室の数」と「B工事」で読む)

美容クリニックはプライバシー確保のため一対一の個室施術が標準で、施術室を1室増やすごとに間仕切り・建具・照明回路・空調・換気・防音が積み上がります。さらに医療モール・ビルインでは、受変電・空調幹線・防排煙などのB工事がビル指定業者の単価でそのまま乗ります。だから見積もりは「坪単価×坪数」ではなく、「施術室数×1室あたりの造作」+「共用ゾーン(受付・待合・カウンセリング・パウダー)」+「B工事」+「機器の電源・排熱」で読みます。

美容クリニック以外の診療科を含む坪単価早見と見積内訳の型はクリニック・診療所の内装工事費用相場にあります。本ページは自由診療の意匠と医療基準の両立と費用を担当します。

逆算早見|構成 → 坪数の目安 → 内装工事の帯(坪単価×坪数)。設計・予備費・医療機器・什器・B工事は別枠
施術室1〜2室+カウンセリング1(約20坪)
皮膚科・脱毛・小規模
区画からつくる 1,700万〜2,400万円/居抜き 1,000万〜1,300万円
受付・待合・パウダー1・施術1〜2・カウンセリング1
施術室3〜4室+カウンセリング2(約30坪)
美容皮膚科・脱毛・注入系
区画からつくる 2,550万〜3,600万円/居抜き 1,500万〜1,950万円
パウダーは個別ブース2〜3・待合に余裕
手術室あり(30〜60坪)
美容外科・脂肪吸引・リカバリー室
区画からつくる 40坪で 3,400万〜4,800万円
無影灯・清浄・医療ガス・リカバリーが加算(手術の設備は内装工事と別に2,000万〜3,000万円の例)
坪数 ≒ 施術室数(防音・建具)+カウンセリング室+受付・待合・パウダー・スタッフ
総額 ≒ 坪数 × 坪単価(区画からつくる 85万〜120万/居抜き 50万〜65万) + 設計(別の会社なら10〜20%)・予備費(10〜15%) + B工事(ビル指定・別枠) + 医療機器の電源・排熱・什器(別枠)
坪単価は施工・設計会社の公表値の真ん中から上です(区画からつくる帯は物件の状態を分けない公表など5社〔どれも美容クリニックの値〕、居抜きの帯はクリニック全般を含む居抜き・改装の公表3社。出典は費用の章)。カードの坪数は規模の目安(小規模20〜30坪=施術室1〜2室・中規模40〜60坪・手術室ありの美容外科30〜60坪)に合わせて置いた例で、施術室3〜4室は小規模の上の端の30坪で計算しています。額は内装工事だけです(消費税・設計・予備費の前)。当サイト独自の統計ではありません。

この式が示すのは、同じ25坪でも「施術室4室をカーテンでなく扉で個室化し、パウダーブースを個別に分ける」院と、「施術室2室で待合を広く取る」院では数百万円の差が出るということです(施術室が2室多いと、防音性の高いドア・医療用の手洗い・施術ベッドだけで170万〜440万円。単価は費用の章)。だからこのページでは、まず立地で”選べる範囲”を確定し、導入機器を先に固め、施術室数を決めてから、シミュレーターで自分の数字を出す順に進みます。

施術室の数と広さの見込みが出たら、内装の見積もりを相談する(無料) →

費用と基準の話に入る前に、実際の美容クリニックの内装を見ておきましょう。ここでは事例集(15院・60枚)から、テイストの異なる6院を抜粋します。写真は各社の掲載写真を法人名を明記して掲載しています。

6院に共通するのは「受付は最初の写真(投資を1か所に集中)」「カウンセリング室は個室かカウンター席か」「施術室は機能に徹する」「パウダールームは帰りの写真」「見られたくない動線」の5つです。各院の”効いている一手”と15院全体は事例集で読み解いています。

近い院が見つかったら、その写真と施術室数の目標を添えて相談すると見積もりの精度が上がります。

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なぜ美容クリニックの内装は特殊なのか──医療基準×自由診療の意匠×医療機器の「三点持ち」

美容クリニックの内装には、他の店舗と違う二面性があります。ひとつは意匠の自由度が業種でも最上位であること。自由診療が中心で保険点数に縛られないため、ホテルのラウンジのような非日常感やラグジュアリーな空間に投資できます。来院者の多くは「特別な空間で施術を受けたい」という期待を持っており、内装そのものが集患とリピートに直結します。

もうひとつは、見た目が自由でも「診療所」である以上、構造設備の基準は保険診療のクリニックと同じく守るという制約です。清潔区域の確保、適切な換気、手洗い設備、消防・防火、バリアフリーへの配慮といった医療施設としての要件は、意匠の華やかさとは別に必須です。デザイン性を優先して基準を外すと、保健所の事前相談や確認の段階でやり直しになり、開業日が後ろにずれます。

意匠特化の店舗デザイン業者だけでは作れない

飲食店やアパレルで実績豊富な業者でも、医療施設の構造設備基準や保健所折衝に不慣れだと、図面が基準に通らず手戻りが起きます。逆に医療施工に強くても意匠が弱いと、自由診療の世界観が作れません。意匠と医療基準の両方を持つ業者かどうかが、最初の見極めです。

内装に必要な「3つの専門性」と、業者の得意分野が割れている実態

多くの記事は「内装実績が豊富な業者を選びましょう」で終わります。間違いではありませんが、これだけでは足りません。美容クリニックの内装には、本来まったく性質の異なる3つの専門性が同時に必要だからです。

美容クリニックの内装に必要な「3つの専門性」医療基準保健所の構造設備基準建築基準法集患デザイン自由診療で選ばれる空間SNS映え医療機器の設備電気容量・専用回路給排水・防火3つを満たす業者

1つ目は医療基準を満たす建築知識。美容クリニックは自由診療でも「医療機関」であり、保健所の構造設備基準(処置室の広さ・清潔と不潔の区分・手洗いの設置など)や建築基準法・消防法を満たす必要があり、満たしていないと開設の手続き(開設届の章)の中で直しを求められるとされています。2つ目は自由診療で集患するデザイン力。保険診療と違い、美容クリニックは「近いから」でなく「ここに行きたいから」で選ばれます。高級感やSNS映えする空間が、そのまま集患力になります。3つ目は医療機器の設備を織り込む知識。レーザーやHIFUなどは一般の店舗にない電源・給排水を必要とし、これを設計段階で見落とすと開業後に工事をやり直すことになります。

ここに、リストでは絶対に分からない核心があります。実態として、業者は得意分野が割れているのです。デザイン会社は2つ目に強いが医療基準や設備が手薄なことがある。医療内装専門の会社は1つ目に強いがデザインが既視感のある予定調和になりがち。店舗内装会社は幅広く対応するが医療基準の経験が浅いことがある。だから「美容クリニック実績あり」と謳う業者でも、この3つのどれが本当に強いのかを見極める必要がある。これがこの記事を通じてお伝えする見極めの背骨です。

なぜ「おすすめ業者リスト」では足りないのか、もう少し踏み込みます。リスト記事は構造上、業者を紹介して送客することが目的です。だから評価軸も「実績豊富」「アフター丁寧」という、どの業者にも当てはまる無難な言葉になりがちで、自院の事情に踏み込んだ見極め方までは示されません。当サイトは特定の会社を売る立場ではないからこそ、発注者の側に立って「あなたが業者を見抜くための物差し」を渡せます。この物差しを持てば、どんなリストを見ても、自院に必要な専門性を持つ一社かどうかを自分で判断できるようになります。

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【最重要】立地で「選べる範囲」が決まる|工事区分A/B/C

美容クリニックは集患のため、駅前ビル・商業ビル・医療モールに入居するケースが非常に多い業種です。こうしたテナント物件では、工事の費用負担と発注先がA工事・B工事・C工事という区分で線引きされており、この区分こそが「業者を選べるかどうか」を決めています。

A工事:建物躯体・共用部(ビルオーナー負担・発注者は関与しない)B工事受変電・空調幹線防排煙・スプリンクラー共用給排水 ほかビル指定業者=選べない費用はオーナー側が決めるC工事間仕切り・内装仕上げ専有部の電気・水道・空調什器・サイン ほか自分で選べる=相見積もり可ここが業者選びの主戦場

A工事は建物の躯体や共用部で、ビルオーナーが費用を負担し発注します。発注者は関与しません。問題はB工事です。受変電・空調の幹線・防排煙・スプリンクラー・共用給排水といった建物の基幹に関わる部分は、テナント側の費用負担でありながらビルが指定する業者でしか施工できません。つまり相見積もりが効かず、ビル指定の単価をそのまま飲むことになります。一方のC工事=専有部の間仕切り・内装仕上げ・専有部の電気や水道、什器やサインは、発注者が自分で業者を選べる範囲です。業者選びと相見積もりが意味を持つのは、このC工事の部分です。

内装の相見積もりをいくら頑張ってもB工事は1円も動かない

「3社相見積もりで安くなった」と喜んでも、それはC工事の話。医療モールやビルインでは、見えにくいB工事が総額を大きく押し上げます。契約前に「工事区分表」を取得し、B工事の範囲と概算を握ることが、どの業者に頼むかより先に来る最優先事項です。区分表が曖昧なまま契約すると、後から「これはB工事です」と高額な追加が出ます。

医療モール・ビルイン(最頻)

基幹設備B工事=選べない
専有部内装C工事=選べる
相見積もりC工事のみ有効
最初の行動工事区分表の取得

路面店・戸建

基幹設備自分の発注が多い
専有部内装選べる
相見積もり全体に有効
分離発注検討しやすい

クリニック居抜き

医療設備流用できる場合あり
注意自院の機器要件に合うか
相見積もり改修範囲で有効
判断流用=必ず安いではない

契約前に必ず確認するチェックリスト(立地編)

  • 工事区分表(A/B/Cの線引き)を入手したか
  • B工事の対象範囲と概算金額をビル側に確認したか
  • C工事として自分で発注できる範囲はどこまでか
  • ビル指定業者への発注が必須の項目に抜けはないか
  • 原状回復の条件(退去時のスケルトン戻し等)も契約書で確認したか

工事区分の詳しい読み方はA工事・B工事・C工事の違いと工事区分表の見方で、商業施設テナント全般の費用構造は商業施設テナントの内装費用と工事区分で解説しています。

物件タイプ別|自分で業者を選べる範囲(路面・商業ビル・医療モール・商業施設)

見極めの話に入る前に、絶対に最初に確認すべきことがあります。そもそも、あなたは内装業者を自分で選べる物件にいるのかです。テナントに入る場合、工事は誰が業者を指定するかで区分が分かれ、自分で選べる範囲が物件によって変わるからです。

物件タイプ別|自分の業者を選べるか路面店・自社ビル = 自由度◎工事区分の制約が少なく、設計から施工まで自分で業者を選べる。見極め軸がフル活用できる商業ビルのスケルトン = 自由度○専有部のC工事は自分の業者。ただし受変電・防災のB工事はビル指定の可能性→工事区分表を確認医療ビル・医療モール = 自由度△館の指定業者がいる場合あり。内装の一部は選べることが多い→どこまで選べるか契約前に確認商業施設テナント = 自由度△〜×館の指定業者・内装監理基準が厳しい→自分の業者を使えるか契約前に必ず確認

テナント工事にはA工事・B工事・C工事という区分があります。受変電設備や防災設備などのB工事はビルが施工会社を指定するため、ここは自分で業者を選べません。一方、内装の仕上げ・造作・専有部の電気などのC工事は自分で業者を選べる範囲です。美容クリニックは路面店・自社ビル・医療モール・商業施設テナントと物件タイプが多様で、この自由度が物件で大きく変わります。図のとおり、路面店や自社ビルなら自由度◎で自分の業者を入れられる一方、医療モールや商業施設は館の指定業者がいることがあり制約を受けます。

つまり、業者の見極めに入る前に「この物件で自分の業者を使えるのか、どこまで選べるのか」を契約前に確認しておくことが第一歩です。ここを知らずに物件を契約してから「指定業者しか使えなかった」と分かると、選択肢が消えてしまいます。工事区分の詳しい仕組みはA工事・B工事・C工事とは|工事区分表の見方で確認してください。なお、自分で選べる前提が成り立つ路面店・自社ビルでの開業も美容クリニックでは多く、その場合はこの先の見極め軸がそのまま役立ちます。

物件の工事区分(B工事・C工事)から相談する(無料) →

美容クリニックの空間設計で外せない要点──個室・パウダールーム・動線・清潔感・”映え”の順番

工事区分と業者の見極めが土台ですが、実際にどんな空間を作るかも当然重要です。美容クリニックの内装は「華やかにすればよい」のではなく、来院者の不安をやわらげ、リピートにつなげる設計が問われます。意匠先行で見落とされがちな要点を整理します。

プライバシーを守る個室と待合

来院者は施術内容や悩みを他人に知られたくないと考える人が多く、施術室・処置室はパーテーションではなく扉でしっかり区切るのが基本です。待合でも視線が合わないレイアウトや、カウンセリングの会話が漏れない配慮が、他院との差になります。ただしプライバシーを意識しすぎて閉鎖的になると圧迫感が出るため、明るい照明や膨張色の活用でバランスを取ります。

パウダールームと滞在時間への配慮

来院者の多くはメイクをして来院し、施術前後で化粧を落とす・直す動きが発生します。パウダールームの広さと数は満足度に直結し、混雑する時間帯を想定して計画します。施術後に一定時間院内で待機するケースもあるため、長時間でも落ち着ける待合・リカバリースペースの居心地も設計対象です。

患者とスタッフの動線分離・機器搬入

患者の動線とスタッフの動線が交差すると、双方にストレスが生じます。バックヤードや裏動線を確保し、医療機器の移動・搬入経路も含めて動線を設計します。前述の機器は重量があるものも多く、搬入扉の幅や廊下の取り回しを内装段階で押さえておかないと、後から設置できないという事態も起こりえます。

清潔感と清掃のしやすさ

医療施設として清潔感は前提条件です。見た目の高級感だけでなく、日々の清掃のしやすさ(素材・目地・角の処理)まで考えると、開業後の維持が楽になります。装飾過多は埃がたまりやすく、清潔感の維持にかえって手間がかかることもあるため、コンセプトと管理性を両立させます。

「映える内装」と医療施設の両立

SNSでの発信を意識したフォトスペースやブランドカラーの統一は集患に有効ですが、土台にあるのは清潔感・プライバシー・動線という医療施設の基本です。世界観は基本要件の上に載せるもので、順序を逆にすると、見た目は良くても使いにくいクリニックになりがちです。

見られたくない動線──入口から施術室まで他の患者と目が合わない設計

美容医療の患者が最も避けたいのは「知り合いに会う」「施術内容を知られる」ことです。待合の椅子を対面にせず、アーチ・曲面の壁・木格子で視線を切り、カウンセリング席は仕切り板か個室にし、施術後の患者が待合を通らずに出られる裏動線が取れる物件なら、それだけで選ばれる理由になります。狭い区画でも、受付から施術室への通路を待合の正面に置かないだけで印象が変わります。Olivia clinic のアーチのくぼみやおおたかの森の木格子は、この動線を意匠で解いた例です。

自由診療の単価を内装で上げる場所──受付・カウンセリング室・パウダールームに投資を集中する

施術室は機能(電源・冷却・遮光・清浄)に徹して意匠は壁紙1面とアート1点に抑え、投資は「最初の写真」になる受付正面と、意思決定が起きるカウンセリング室、帰り際の体験を決めるパウダールームに集中させます。高単価の外科系ほどカウンセリング室は個室に、回転重視の皮膚科・脱毛は仕切り板のカウンター席で席数を確保、という配分が合理的です。削り順は施術室の壁紙・床→待合の家具→通路・バックヤード→カウンセリングの個室化、削ってはいけないのが受付正面・照明計画・パウダーのミラー照明・見られたくない動線です。

打ち合わせの共通チェック項目(個室・動線・清潔感・パウダー・搬入)

三重制約や分水嶺に加えて、美容クリニックの内装で共通して押さえるべき要点も確認しておきましょう。業者と打ち合わせる際のチェック項目になります。

美容クリニック内装の共通チェック項目

  • プライバシー保護:施術室・処置室はパーテーションでなくドアで区切る。診察前のヒアリングスペースや待合も声が漏れない配慮を
  • 患者とスタッフの動線分離:両者が院内で干渉しないよう動線を分ける。バックヤードを確保しスタッフの作業効率も担保
  • 清潔感・明るさ:配色をシンプルに、照明を明るく。清掃しやすい素材・形状を選ぶ
  • パウダールームの充実:20〜30代女性が多く、施術前後のメイク直しに使う。1人あたりのスペースと鏡・照明を確保
  • 安心できる雰囲気:初診の不安を和らげる空間。圧迫感を避けつつ落ち着ける配色・配置
  • 機器の搬入経路・耐荷重:大型機器の搬入口サイズ・エレベーター・床の耐荷重を事前に確認

これらは競合記事でもよく語られる定番の要点ですが、本当に大切なのは、これらを「三重制約を満たせる業者」と一緒に実現することです。要点を知っていても、それを医療基準・設備・規制と両立して形にできる業者でなければ、絵に描いた餅になります。だからこそ、要点リストの前に業者の見極めがあるのです。

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導入機器が内装を決める|レーザー・脱毛機の電源と排熱

飲食店や物販と決定的に違うのは、導入する医療機器が内装の電気・床・空調を直接規定する点です。美容医療で使うレーザー機器・医療脱毛機・HIFU・高周波機器などは、機種によって電源条件や設置条件が大きく異なります。意匠の打ち合わせばかりが先行し、機器の要件を内装に落とし込めていないと、着工後に分電盤や配線の追加が発生し、費用も工期も膨らみます。

電源

  • 典型的に確認が必要な点機種により単相100V/単相200V/三相200V。専用回路が必要なものが多い

同時稼働

  • 典型的に確認が必要な点複数台を同じ時間帯に使う場合のブレーカー容量・幹線の余裕

排熱・空調

  • 典型的に確認が必要な点発熱の大きい機器は専用空調や換気の配慮が必要になることがある

重量・床

  • 典型的に確認が必要な点重量のある機器は設置場所の床荷重・搬入経路を確認

将来の増設

  • 典型的に確認が必要な点機器の更新サイクルは速い。回路やスペースに増設余裕を見込むか

機種を後回しにすると、内装がやり直しになる

「内装が固まってから機器を選ぶ」と、必要な電源容量や専用回路が後から判明し、分電盤の増設・壁内配線のやり直しにつながります。導入予定機器のリストを業者に先に渡し、電源計画から逆算してもらうのが、追加費用と工期延伸を防ぐ要点です。機器メーカーの仕様書(電源・寸法・重量・発熱)を内装業者と共有してください。

分水嶺①|電源・給排水を設計段階で織り込める業者か

ここからは、美容クリニックの業者選びでただの店舗内装業者と本当の医療内装業者を分ける「3つの分水嶺」を解説します。1つ目が、美容医療機器の設備要件です。

美容クリニックで使うレーザー・ピコレーザー・医療用脱毛機・HIFUなどは、一般のオフィスや店舗にない大きな電力負荷を持ちます。公開されている開業情報でも、これらの機器は専用回路が必要になるケースがあり、機器によっては冷却用の給排水も要すると指摘されています。物件の電気容量が足りなければ、幹線を引き換える工事が必要になります。

設備の見落としは「開業後の営業停止」に直結する

電気容量や給排水が機器に対して不足していると、開業の直前や直後に増設工事が発生します。すでに営業を始めていれば工事のために休業することになり、追加費用と機会損失が重なります。最悪の場合、容量不足のまま無理に使えば火災のリスクもあります。だからこそ、設備を設計段階で織り込めるかが業者選びの分水嶺になるのです。

見極め方はシンプルです。導入予定の機器リストを渡したときに、「各機器の電気容量・専用回路・給排水の要否を機器メーカーに確認して設計に反映します」と即答できる業者か。さらに「今の物件の電気容量で足りるか、幹線引き換えが必要かを契約前に試算します」と言えるか。ここを設計段階で押さえられる業者は、医療機器を扱うクリニックの実態を分かっています。逆に「内装は得意です」と言うだけで機器の電源に触れない業者は、店舗内装の発想のままで、開業後のトラブルを残すおそれがあります。

具体的にイメージしてみましょう。たとえばHIFUや大型のレーザーを2台、3台と同時に稼働させる想定なら、それぞれが必要とする電力を合算して、物件の総容量で足りるかを設計前に計算しなければなりません。脱毛機やピコレーザーで専用回路が要るなら、その回路をどこに何本引くかも設計に織り込む必要があります。こうした計算を、機器が決まる前の段階から「導入予定の機器が決まったら一緒に詰めましょう」と提案してくれる業者は、医療機器を扱うクリニックの現実を理解しています。設備を後回しにせず、内装デザインと一体で計画できるかが、ここでの分かれ目です。

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費用は「坪単価」より「施術室数」で動く──スケルトン・居抜きの坪単価とシミュレーター

美容クリニックの内装工事は、内装のない区画からつくるなら坪85万〜120万円、居抜き(前の内装・設備を一部使う)なら坪50万〜65万円が目安です。美容クリニックの坪単価を自社のページで公表している施工・設計会社の値の、真ん中から上で見込んでいます(区画からつくる帯は物件の状態を分けない公表など5社、居抜きの帯はクリニック全般を含む居抜き・改装の公表3社)。25坪を区画からつくると、内装工事が2,125万〜3,000万円、設計と予備費を足した総額が約2,572万〜4,140万円です(消費税を足す前で、医療機器・家具・ビル側の工事〔B工事〕は含みません)。坪数別の表は美容クリニックの内装デザイン事例15選の費用の章にあり、同じ帯です。

公表されている坪単価は、5社で坪40万〜180万円まで開いていて、幅だけでは予算を決められません。発注者にとって本当に効くのは「同じ坪数でも個室(施術室)の数で費用が大きく動く」という視点です。美容クリニックはプライバシー確保のため一対一の個室施術が標準で、施術室を増やすほど、各室に間仕切り・建具・照明回路・空調・換気・防音が室数ぶん積み上がります。同じ25坪でも、個室2室と4室では総額が大きく変わります。

つまり「坪単価いくら?」と業者に聞く前に、「何室構成にするか」を先に固めるほうが、相場比較が成り立ちます。下のバーは、同じ広さでも個室数で内装ボリュームが変わるイメージです(相対的な目安)。

個室2室
標準的
個室3室
+間仕切り・設備
個室4室
各室に空調・建具が増える
施術室の数で増える主な費目(坪単価の幅の中で、1室ふやすごとに増える分)
  • 防音性の高いドア:1枚20万〜40万円
  • 医療用の手洗い:1か所15万〜30万円(置く部屋の基準は自治体の運用で違うため、管轄の保健所に確かめます)
  • 施術ベッド(家具):1台50万〜150万円
  • 遮音の壁:1㎡あたり5万〜10万円の追加(1室の額は部屋の広さで変わる)
  • 空調機・換気・照明の回路:部屋ごとに増える(額は機器と物件しだい)
ドア・手洗い・ベッドだけで1室あたり85万〜220万円です(単価はどれも設計事務所1社〔KTXアーキラボ〕の目安。ドアと手洗いは坪単価の内訳に入る工事、ベッドは家具)。室数が多いほど坪単価の幅の上の方を見込みます。部屋が多く空調機を多く置いたことなどで空調工事が高くなった公表例もあります(KTXアーキラボ。75坪の美容皮膚科で約5,500万円=坪約73万円・税抜・医療機器は別。面積が小さいほど坪単価は上がる傾向ともしています)。

物件の状態ごとの坪単価(施工・設計会社の公表値の真ん中から上)は次のとおりです。室数が多いほど幅の上の方になり、ビルインならビル側の工事(B工事)が別に乗ります。

区画からつくる

85〜120万/坪
物件内装のない区画から
根拠美容クリニックの値・5社(物件の状態を分けない公表など)

居抜き

50〜65万/坪
物件前の内装・設備を一部使う
注意前が飲食・物販なら全面改修も

25坪を区画からつくる総額

約2,572〜4,140万円
中身内装工事・設計・予備費
別にかかる消費税・医療機器・家具・B工事

同じ物件の状態でも、仕上げの格で坪単価は幅の中を上下します。清潔感と機能を重視すれば幅の下の方、意匠と質感を両立させたり、石材や造作を増やして非日常やブランドを打ち出したりするほど上の方になり、帯の上の端(坪120万円)を超えることもあります(5社の上限は坪80万〜180万円)。

出典:坪単価・設計・予備費・室数で増える費目の会社と、帯の決め方を見る
5社のうち、美容クリニックの坪単価をスケルトン物件と居抜き物件の両方に分けて公表しているのはオールメイク1社(大阪府内・スケルトン物件 坪50万〜120万円・居抜き物件 坪30万〜60万円)です。
会社(所在地・時期)
状態を分けない公表など
居抜き・改装の公表
コルモデザイン大阪市・日付の表示なし
坪50万〜80万円美容クリニック・税別
坪30万〜50万円クリニックの改装
KTXアーキラボ東京都港区ほか・2026年8月更新
坪70万〜130万円20〜30坪の美容クリニック
—
ユニオンテック東京都渋谷区・2026年4月更新
坪70万〜180万円皮膚科・美容皮膚科
—
オールメイク兵庫県加古川市・2026年2月更新
坪50万〜120万円大阪府内の美容クリニック・スケルトン物件
坪30万〜60万円大阪府内の美容クリニック・居抜き物件
CDC(株式会社 ster works)大阪市・2026年
坪40万〜80万円京阪神の美容クリニック
坪40万〜65万円大阪のクリニック
「状態を分けない公表など」の列のうち、KTXアーキラボ・ユニオンテック・CDCの3社は物件の状態を分けずに出している美容クリニックの値です(コルモデザインは、クリニックの費用の記事の表でこの値を美容クリニックの「スケルトン」の目安としています)。どれも新しく内装を作るときの値としてこの列に入れて帯を取っています(KTXアーキラボは、スケルトンからの新装か既存設備の活用かで、坪単価に20万〜30万円ほどの差が出ることもあるとしています)。
区画からつくる帯(坪85万〜120万円)は、5社の下限(40万〜70万円)の中央値50万円と、上限(80万〜180万円)の中央値120万円をとり、その真ん中の85万円から120万円までとしました。上限は1社(ユニオンテックの180万円)だけが大きく上に開くため(その1社を除くと上の端は130万円)、端の値ではなく中央値を使っています。居抜きの帯(坪50万〜65万円)は、居抜き・改装の値を出している3社の幅30万〜65万円の真ん中の47.5万円を5万円単位で切り上げた50万円から、上限の65万円までです。オールメイクとCDCの値は大阪・京阪神のもので、コルモデザインのページには日付の表示がなく、ほかの会社は2025年以降の公表です。
設計の費用は、美容クリニック・クリニックの記事で、コルモデザインとKTXアーキラボが工事費の10〜15%、オールメイクとCDCが10〜20%としているので、別の会社に頼む場合は10〜20%で見込みます。同じ会社に頼む場合は、設計から施工まで1社で請け負う CDC が別途のデザイン費をとらないとしているので、工事に含む前提で0にしました(設計料を別に立てる会社もあり、コルモデザインは工事費の10〜15%程度かかるのが一般的としています)。予備費は内装工事と設計を足した額の10〜15%です。根拠は RAWMAN(飲食店の内装の記事)の「見積もり金額の10〜15%」と KIHAKU の「予算の10〜15%程度」で、美容クリニックの記事ではユニオンテックが「全体の10%〜20%程度」、KTXアーキラボが「総投資の約10%」としています。
室数で増える費目(防音性の高いドア 1枚20万〜40万円・医療用の手洗い 1か所15万〜30万円・施術ベッド 1台50万〜150万円・遮音の壁 1㎡あたり5万〜10万円の追加)、電気の幹線の工事(300万〜800万円)、消防の設備の新設・増設(200万〜500万円)、手術の設備(2,000万〜3,000万円)、美容機器(1台500万〜3,000万円)、什器・家具(全体で500万〜2,000万円)は、KTXアーキラボの美容クリニックの記事(2026年8月更新)の目安です。建具や医療設備の工事が坪単価の内訳に入ることは、ユニオンテックの20坪の見積例(建具・造作家具 100万〜200万円、医療設備工事 200万〜400万円などで合計1,350万〜2,550万円)によります。75坪の美容皮膚科の例(約5,500万円・坪約73万円・税抜・医療機器は別)と「同じ条件なら面積が小さいほど坪単価が上がる傾向」は KTXアーキラボの2024年11月の記事、B工事の公表例(歯科88坪で坪約9.1万円=スプリンクラーのみ/眼科76坪で坪約9.3万円=排煙・空調・防災設備など。税別)は同じ会社の2025年1月の記事です。規模の目安(小規模 20〜30坪程度=施術室1〜2室・カウンセリングルーム・待合の最小構成/中規模 40〜60坪=美容皮膚科と外科の両方・VIPルームやリカバリールーム)と、都心の高層のビルで1〜2割上がる場合があることは KTXアーキラボ、手術室ありの美容外科を30〜60坪・約2,200万〜5,000万円(電気・給排水・空調・換気を含む。手術設備は別)、美容皮膚科の小〜中規模を15〜30坪、カウンセリング室の広さを6〜8畳とするのはコルモデザインです。
出典:コルモデザイン(美容クリニック・美容外科の内装デザイン完全ガイド)・コルモデザイン(クリニック内装の費用相場ガイド)・KTXアーキラボ(美容クリニック内装費用の相場・2026年8月更新)・KTXアーキラボ(クリニック内装工事費用の例・2024年11月)・KTXアーキラボ(クリニック内装工事費の実績・2025年1月)・ユニオンテック(クリニック内装費用の坪単価・2026年4月更新)・オールメイク(大阪の美容クリニック内装・2026年2月更新)・CDC(費用と実績)・CDC(大阪のクリニック内装費用・2026年4月)・RAWMAN(飲食店の内装の記事)・KIHAKU(店舗内装の追加費用の記事)。どの会社も税込と書いておらず(コルモデザインの表は税別、KTXアーキラボの2024年・2025年の例は税抜・税別)、計算では税抜とみて消費税10%を足しています。会社名は数の出どころとして記したもので、当サイトの評価や紹介先を示すものではありません(各社のページは2026年10月12日に確認)。

物件の状態・坪数・施術室の数・設計の頼み方を選ぶと、内装工事・設計・予備費の合計(消費税の前と後)が出ます。あくまで概算で、金額は図面と仕様をそろえた見積もりで確かめます。

※ 坪単価と率は、施工・設計会社が自社のページで公表している値を当てはめた試算で、当サイト独自の統計ではありません。実際の費用は物件・仕様・機器・工事区分(特にビルインのB工事)で大きく変わります。正確な金額は、図面と仕様をそろえた見積もりで確かめてください。

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必要な業者の条件──意匠×医療基準×保健所の三点持ちと、4つの業者タイプ

選べる範囲(C工事)が分かったら、次は業者のタイプを見極めます。内装に関わる事業者はおおまかに4タイプあり、美容クリニックへの向き不向きが分かれます。

設計事務所(設計のみ)

  • 特徴デザイン・図面に強い。施工は別業者へ分離発注
  • 美容クリニックでの適性意匠は高いが、施工管理と保健所折衝を誰が担うか要確認
  • 向く立地路面・こだわり案件

工務店・内装会社(施工中心)

  • 特徴施工力・コスト管理が強み。設計は提携先や簡易対応
  • 美容クリニックでの適性医療施設の実績があるかで差が大きい
  • 向く立地標準的な改装

設計施工一括(ワンストップ)

  • 特徴設計から施工まで一社完結。窓口が一本化
  • 美容クリニックでの適性調整負担が小さい。医療実績の有無を必ず確認
  • 向く立地ビルイン・モール

医療・クリニック特化施工

  • 特徴構造設備基準・保健所折衝・医療機器に精通
  • 美容クリニックでの適性適性が最も高い。意匠の幅は会社により差
  • 向く立地全般

美容クリニックでは、医療モール・ビルインが多いという立地特性から、設計施工一括(ワンストップ)か医療特化施工が無難なケースが多くなります。分離発注は費用を詰めやすい反面、設計事務所・施工・医療機器業者・ビル指定業者の間の調整を発注者自身が背負うことになり、開業準備で多忙な院長には負担が重くなりがちです。ただしワンストップが常に正解ではなく、路面店で時間に余裕があれば、設計と施工を分けて相見積もりで詰めたほうが総額を抑えられることもあります。立地と、自分が調整にどれだけ関われるかで選び分けるのが現実的です。

業者を見極めるチェックリスト(条件編)

  • 美容クリニック(自由診療)の施工実績が公開されているか
  • 保健所の事前相談・図面修正を業者側が代行・同行してくれるか
  • 医療機器の電源・設備要件を内装計画に織り込めるか
  • 設計と施工の責任範囲、保証・アフターの窓口が明確か
  • 同じテイストの事例ばかりでなく、提案の幅があるか

業者タイプの比較や相見積もりの基本は店舗内装会社の選び方(総論)でも整理しています。クリニック全般(全診療科)の内装はクリニックの内装ガイド、歯科は歯科医院の内装をあわせてご覧ください。

業者の「タイプ」と得意分野の違い

業者を自分で選べるなら、次は「タイプ」を理解しましょう。会社名を覚えるより、どのタイプの業者がどの専門性に強いかを知る方が、自院に合う一社を選ぶ近道です。

デザイン会社・設計事務所

  • 医療基準△ 会社による
  • デザイン◎ 高い
  • 機器設備△ 弱いことも
  • 向くケースブランディング重視・高級路線

医療内装の専門会社

  • 医療基準◎ 強い
  • デザイン○ 予定調和になりがち
  • 機器設備◎ 強い
  • 向くケース医療基準と設備を確実に満たしたい

店舗内装会社(総合)

  • 医療基準○ 経験で差
  • デザイン○ 幅広い
  • 機器設備○ 機器は要確認
  • 向くケースコスト重視・標準的な規模

大切なのは、どのタイプが「正解」ということはなく、自院が何を最優先するかで選ぶという点です。ブランディングで勝負する都心の美容皮膚科ならデザイン力の比重を上げ、HIFUや大型レーザーを複数導入するなら設備に強い業者を軸にする。タイプの違いを知っていれば、業者の施工事例を見たときに「この会社はデザインは強いが医療基準の実績はどうか」と、足りない部分を質問で補えるようになります。リストに並ぶ会社名を、このタイプの軸で見直してみてください。

分水嶺②|医療広告ガイドラインを理解したサイン計画か

2つ目の分水嶺は、意外に見落とされがちな医療広告ガイドラインです。これは内装業者選びと無関係に思えますが、看板・サイン計画に直結します。

美容クリニックは医療機関であり、屋外看板や外に向けた広告には医療広告ガイドライン(医療法)が適用されます。公開されている厚生労働省の指針によると、ビフォーアフター写真や「絶対」「最高」といった誇大・最上級の表現、効果を保証するような表現は、外向きの広告では原則として認められません。看板にビフォーアフターは掲載できないのが原則です。一方で、院内の掲示やパンフレット(受診済みの方が見るもの)は誘引性がないため規制対象外とされており、ここを正しく線引きする必要があります。

これを知らない店舗系の業者が、集客効果だけを考えて屋外サインにビフォーアフターや誇大な表現を盛り込む計画を作ると、開業後に保健所・行政の指導で是正になります。公開情報によれば、是正命令にも従わない悪質なケースでは罰則の対象になりうるとされ、作り直しのコストと信用低下が発生します。サイン計画の段階で「医療広告ガイドラインに照らして問題ないか」をチェックできる業者かが、美容医療を理解しているかの試金石です。美容クリニックは自由診療ゆえに広告が攻めがちな分、ここを分かっている業者の価値が高いのです。

分水嶺③|保健所の構造設備基準と高級内装を両立できるか

3つ目の分水嶺は、医療機関としての構造設備基準と、自由診療の高級感の両立です。これこそ三重制約の中心にある難所です。

美容クリニックは「医療機関」なので、診療所としての構造設備基準を満たす必要があります。公開されている自治体の基準(例:東京都内の診療所構造設備基準)では、診察室は9.9㎡以上が望ましい、待合室は3.3㎡以上、診療所と廊下は明確に分ける、医師1人につき1室が望ましいといった目安が示されています。処置室の清潔・不潔の区分や手洗いの設置なども求められます。これらを満たしていないと、開設の手続きの中で直しを求められるとされています。

一方で、美容クリニックは集患のために高級感やブランド性のある内装も求められます。この「医療基準を満たしながら、自由診療で選ばれる空間を作る」という両立が、デザイン会社にも医療内装専門会社にも、それぞれ難しい。デザイン会社は基準の経験が浅く、医療内装専門会社は華美でない予定調和のデザインになりがち、と公開情報でも指摘されています。だからこそ、両方の実績を施工事例で確認すること——「医療基準を満たしたうえで、集患できる空間を作った事例」があるかを見るのが、最も確実な見極めです。

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相見積もりは「取った後」が本番|一式の分解

「相見積もりを取りましょう」とはどの記事も書きますが、取った後にどう見比べるかまで踏み込んだ記事は多くありません。美容クリニックの見積もりは、「内装工事一式」の中身が業者ごとにバラバラで、そのまま総額だけ比べると判断を誤ります。安く見える見積もりほど、医療設備や什器が「別途」になっていることがあります。

見積もりを見比べるチェックリスト

  • 「一式」表記を、項目ごとの内訳に分解してもらったか
  • 医療機器・什器・サインが工事費に含まれるのか別途か
  • 電気・空調・給排水などの設備工事が計上されているか
  • ビルインの場合、B工事費が別計上か(含まれていないのが普通)
  • 設計費・諸経費・現場管理費の有無と割合
  • 追加が出やすい項目(地中・天井裏・既存撤去)の扱い

「安い見積もり」の正体

総額が他社より明らかに安い場合、医療設備や什器、設備工事が含まれていないか、グレードや数量の前提が違うことがほとんどです。同じ前提(坪数・個室数・仕様・含む範囲)をそろえて出し直してもらうと、初めて横並びで比較できます。安さの理由を必ず確認してください。

見積もりで業者を見極める(同条件で出し直す)

業者タイプの当たりをつけたら、見積もりで具体的に見極めます。最低限、押さえるべき点を整理します。

まず複数社に同じ条件で見積もりを取ること。美容クリニックの内装は規模や機器で総額が大きく変わり、1社だけでは適正価格が分かりません。同じ図面・同じ仕様・同じ導入機器を伝えて、各社のプラン・金額・実績を横並びで比較します。「一式」表記が多い見積もりは、中身を項目ごとに出し直してもらいましょう。費用相場や坪単価の感覚はこのページの費用の章で、見積もりの見比べ方は店舗内装工事の見積もり比較ガイドで確認できます。

開業コンサル言いなりで業者を決めない

美容クリニックの開業では、開業コンサルタントが内装業者を紹介してくれることがあります。便利な一方で、言われるがままに決めると費用が相場より高くなることがある、と公開情報でも指摘されています。紹介された業者も選択肢の一つとして、必ず他社と相見積もりを取り、この記事の見極め軸(三重制約・設備・医療広告)で中身を比較してください。誰に何を頼むか(物件はコンサル、設計施工は内装会社、機器はメーカー)を自分で整理することが、割高を避ける鍵です。

美容クリニックの相見積もりでは、もう一つ気をつけたいことがあります。同じ条件で比較するとき、その「条件」に導入予定の医療機器・必要な処置室数・保健所基準を満たす広さを必ず含めることです。これらを曖昧にしたまま見積もりを取ると、各社が前提を変えて出してくるため、金額を並べても比較になりません。「機器はこれ、処置室は何室、診察室は基準を満たす広さ」と前提をそろえて初めて、各社の実力と価格が正しく見えます。条件をそろえる作業そのものが、自院の要件を整理することにもつながります。

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保健所の開設届と内装スケジュールの噛み合わせ

美容クリニックは自由診療が中心のため、保険診療を行わないなら保険医療機関の指定は必要ありません。医師個人が開設する診療所は、医療法上は開設後10日以内に保健所へ「診療所開設届」を提出する届出制で、行政の審査(許可)は不要です。一方、医療法人など医師以外が開設する場合は事前に開設許可が必要になり、手順が変わります。いずれの場合も、構造設備が基準に適合している必要があるため、図面の段階で保健所に事前相談するのが実務上の通例です。

内装工事のスケジュールは、この保健所の流れと噛み合わせて組みます。平面プランが固まった段階で事前相談に行き、基準に問題がないか確認してから着工するのが安全です。

1物件・工事区分の確定区分表でB/C確認
2平面プラン・機器計画電源逆算
3保健所へ事前相談基準適合の確認
4着工〜竣工C工事・B工事
5開設・開設届(10日以内)医師個人は届出制
6開業広告は規制に準拠

内覧の写真・SNS投稿は医療広告規制の対象になりうる

こだわった内装は宣伝したくなりますが、医療機関の広告は医療法の広告規制を受けます。施術のビフォーアフターや体験談の扱いには制約があり、内覧やSNSでの発信も例外ではありません。内装の魅力を打ち出す際は、医療広告ガイドラインの範囲内で行う前提で計画してください。詳細は厚生労働省の医療広告に関する情報や、専門家への確認が確実です。

立地タイプ別・進め方

路面店・戸建の場合

基幹設備も自分の発注になりやすいため、相見積もりと分離発注が最も効く立地です。時間に余裕があれば、設計事務所でプランを固め、施工は複数社で競わせると総額を抑えやすくなります。ただし機器の電源計画や保健所対応の責任範囲を、設計・施工のどちらが持つかを最初に明確にしてください。

医療モール・ビルインの場合

まず工事区分表を取得し、B工事の範囲と概算を先に握るのが鉄則です。C工事部分は相見積もりで詰められますが、総額の読み違いはほぼB工事で起きます。ワンストップ業者に依頼する場合も、B工事はビル指定である点を理解したうえで、C工事の内訳で各社を比較します。

クリニック居抜きの場合

前の診療所の設備を流用できれば費用を抑えられますが、流用=必ず安いとは限りません。自院で導入する機器の電源・配置に合うか、医療法の基準を満たすか、老朽化した設備の更新費がかえって高くつかないかを、現地調査で見極める必要があります。「使える前提」で契約せず、改修範囲を相見積もりで確認してください。

陥りやすい典型パターン

業界で起こりうる典型的なつまずきを、想定されるケースとして整理します。いずれも事前の確認で防げるものです。

避けたい典型パターン

  • 工事区分表を見ずに契約し、後から「これはB工事」と高額な追加が出る
  • 内装を固めてから機器を選び、電源・配線のやり直しで費用と工期が膨らむ
  • 一式の総額だけで業者を選び、医療設備や什器が「別途」だったと後で判明
  • 個室数を決めずに進め、開業後に施術室を増やせない動線になっていた
  • 意匠を優先しすぎて保健所の事前相談で図面修正となり、開業日がずれる

美容医療のなかでもメディカルダイエットのように業態が特殊な場合は、費用構造も変わります。メディカルダイエット開業の費用もあわせてご覧ください。見積もりの相談は美容クリニック内装の見積もり相談のページからも進められます。

やってはいけない業者選び

最後に、美容クリニックのオーナーが陥りがちな失敗を整理します。

避けるべき業者選びの進め方

  • 施工写真のおしゃれさだけで決める——デザインが良くても、医療基準や機器設備が伴わなければ開業後に問題が出る。三重制約で見る
  • 「美容クリニック実績あり」を額面どおり信じる——実績の中身(医療基準を満たした事例か、設備を織り込んだ事例か)を施工事例と質問で確認
  • 1社だけで即決する——規模・機器で総額が大きく変わる。必ず複数社を同条件で比較
  • 開業コンサルに丸投げ——紹介業者も相見積もりの一社として比較。誰に何を頼むかは自分で整理する

共通するのは、「美容クリニックの内装は特別な専門性が要る」という前提を持たずに、一般の店舗内装と同じ感覚で業者を選んでしまうことです。医療×自由診療×規制の三重制約を理解し、その物差しで複数社を比較すれば、自院に本当に合う一社にたどり着けます。

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よくある質問

美容クリニックの内装は坪単価いくらが目安ですか?

内装のない区画からつくるなら坪85万〜120万円、居抜きなら坪50万〜65万円が目安です(美容クリニックの坪単価を公表している施工・設計会社の値の真ん中から上。区画からつくる帯は物件の状態を分けない公表など5社、居抜きの帯はクリニック全般を含む居抜き・改装の公表3社の値)。ただし個室数とビルインのB工事費で大きく変わるため、坪単価だけでは判断できません。複数社の見積もりで確定するのが確実です。

医療モールに入れば内装は安く済みますか?

必ずしも安くなりません。専有部のC工事は標準的でも、ビル指定のB工事(受変電・空調幹線・防排煙など)が別途かかり、これが総額を押し上げることがあります。契約前に工事区分表でB工事の範囲と概算を確認してください。

ワンストップ業者と分離発注、どちらが良いですか?

立地と、調整にどれだけ関われるかで選び分けます。医療モール・ビルインで開業準備に集中したいならワンストップが無難です。路面店で時間に余裕があれば、設計と施工を分けて相見積もりで詰めたほうが総額を抑えられることもあります。

開業まで内装はどれくらいかかりますか?

規模や仕様で変わりますが、平面プランの確定、保健所への事前相談、着工から竣工まで、スケジュールには余裕を見ておくのが安全です。医療機器の選定や工事区分の確認が遅れると後ろにずれるため、早めに着手してください。

既存クリニックの居抜きは費用を抑えられますか?

設備を流用できれば抑えられ、居抜きの内装工事は坪50万〜65万円が目安です(内装のない区画からつくるなら坪85万〜120万円)。ただし、自院の機器要件や医療法の基準に合うか、老朽設備の更新費がかからないかを現地調査で確認する必要があります。流用が必ず安いとは限らないため、改修範囲を相見積もりで見極めてください。

美容クリニックの内装業者はどう探せばいいですか?

「美容クリニック 内装 業者」で検索すると会社リストが多数出てきますが、リストだけでは自院に合うか判断できません。本記事の三重制約(医療基準・デザイン・機器設備)と3つの分水嶺を物差しに、複数社の施工事例を見て、同じ条件で見積もりを取り比較するのが確実です。店舗内装ドットコムでは、一度の入力で、事務局が候補の内装会社へ1社ずつ対応できるかを確認し、対応できる会社をご紹介します。紹介先と直接相談・見積もりをして、提案を比べて自由に選べます(相談無料・会員登録不要)。

美容クリニックの内装費用の相場はどのくらいですか?

内装工事・設計・予備費を合わせて、25坪を区画からつくると約2,572万〜4,140万円、25坪の居抜きで約1,513万〜2,243万円が目安です(設計は別の会社に頼む前提・消費税を足す前)。規模・物件・導入する医療機器で大きく変わり、美容機器(1台500万〜3,000万円の例)などの医療機器・什器・ビル側の工事(B工事)は別にかかります。坪数別の目安と計算機はこのページの費用の章にあります。重要なのは、相場を知ったうえで複数社の同条件見積もりで適正価格を確認することです。

デザイン会社と施工会社、どちらに頼むべきですか?

自院が何を最優先するかで変わります。ブランディング重視ならデザイン会社、医療基準と機器設備を確実に満たしたいなら医療内装の専門会社、コスト重視なら総合的な店舗内装会社が候補です。設計施工を一社に任せる(ワンストップ)か分離するかは店舗内装の発注方式ガイドも参考にしてください。いずれもデザイン・医療基準・設備の3つを満たせるかで見極めます。

医療機器の電源は誰が確認するのですか?

内装業者が機器メーカーと連携して確認するのが理想です。導入予定の機器リストを業者に渡し、各機器の電気容量・専用回路・給排水の要否をメーカーに確認して設計に反映してもらいましょう。これを設計段階でやらないと、開業後に増設工事(営業停止+追加費用)になるおそれがあります。業者選びの際に、これに即答できるかを確認してください。

医療広告ガイドラインは内装にも関係ありますか?

はい、屋外看板や外に向けたサインに関係します。ビフォーアフター写真や誇大・最上級の表現は、外向きの広告では原則認められません(院内掲示は規制対象外)。これを知らない業者がサイン計画を作ると開業後に是正リスクがあるため、医療広告ガイドラインを理解した業者かを確認しましょう。

施術室3室の美容皮膚科は何坪必要ですか?

施術室1〜2室・カウンセリングルーム・待合の最小構成で20〜30坪程度、美容皮膚科と外科の両方に対応してVIPルームやリカバリールームも備える院で40〜60坪とする設計事務所があります(KTXアーキラボ)。美容皮膚科の小〜中規模を15〜30坪とする施工会社もあります(コルモデザイン)。施術室を3室にすると最小構成より部屋が多くなるので、カウンセリング室(個室なら6〜8畳を目安とする施工会社も)やパウダーブースの数と合わせて、図面で広さを決めます。内装工事は、区画からつくるなら坪85万〜120万円(物件の状態を分けない公表など5社の真ん中から上)なので、25坪なら2,125万〜3,000万円、30坪なら2,550万〜3,600万円、40坪なら3,400万〜4,800万円が目安で、設計・予備費・消費税、ビルインならB工事、レーザー等の電源・排熱は別枠です。逆算早見とシミュレーターをご覧ください。

写真で見られる美容クリニックの事例はありますか?

あります。施工会社が手がけた美容クリニック15院・写真60枚を、ホワイト×クラシック/ホテルライク×ダーク/ナチュラル×グリーン/ミニマル×素材感/アーチ×カラーの5テイストに分けて読み解いた美容クリニックの内装デザイン事例15選をご覧ください。

関連ガイドと次の一手──三点持ちの複数社に同条件で相談する

  • 業者を探す前に、立地と工事区分で選べる範囲(C工事)を確定する。
  • 医療モール・ビルインはB工事=選べない。工事区分表を契約前に取得。
  • 業者は意匠×医療基準×保健所の三点持ちを。立地で分離/ワンストップを選び分ける。
  • 導入機器を先に確定し、電源・床・排熱を内装に逆算。
  • 費用は個室数で動く。相見積もりは取った後の一式分解が本番。

美容クリニックの内装は「工事区分」「導入機器」「施術室数」の3つを決めてから業者に当たると、見積もりが一度で揃います。意匠×医療基準×保健所の三点を持つ会社の提案を同じ条件で比べると、費用差がどの部屋・どの工事から来ているかが見えます。店舗内装ドットコムは、店舗の内装工事の相談窓口です。一度の入力で、事務局が候補の内装会社へ1社ずつ対応できるかを確認し、対応できる会社をご紹介します。紹介先と直接相談・見積もりをして、提案を比べて自由に選べます(相談無料・会員登録不要)。

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