スムージー屋開業ガイド|費用・3坪の設計・冷凍と電気容量・許可

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📋 この記事でわかること

  • スムージー屋の開業総額が、条件次第で140万円から1,200万円まで開く理由
  • 坪数を決めるのが客席ではなく冷凍庫である、という設計の順番
  • その場で作るのか、ボトルに詰めて売るのかで営業許可が変わること
  • ブレンダーが単相100Vの契約アンペアを食いつぶす構造と、その確認方法
  • 気温22℃を境に需要が反転するため、冬の商品を工事前に決めておく必要があること
  • 商業施設に出るときのB工事と、契約前に打てる手

スムージー屋が詰まるのは、味ではなく「この3つ」① 冷凍容積坪数を決めるのは客席ではなく冷凍庫0.3〜0.9坪を占有② 電気容量動力ではなく単相100Vで詰まる主幹45〜110A③ 冬22℃を切ると需要が反転するHOTの有無=排気3つとも「工事の前」にしか決められない冷凍の置き場も、分電盤の容量も、加熱の排気も、図面が固まったあとでは足せない。だから設計段階で潰す。

スムージー屋は、飲食店のなかでは開けやすい部類に入ります。油を使わないのでグリストラップも大型の排煙ダクトも原則いりませんし、3坪から4坪の小さな区画でも成立します。個人で始めた人が実際に増えている業態です。

ただ、検索して出てくる情報のほとんどはフランチャイズの募集案件か、キッチンカーの手順解説です。テナントを借りて自分で内装を発注する人が知りたいこと、つまり「この物件で本当に作れるのか」に答えているページが、ほとんど見当たりません。

この記事は、そこだけを書きます。費用の相場を並べるのではなく、図面を確定する前に決めなければならないことを、順番に潰していきます。

1. つまずくのは味ではない|冷凍・電気・冬の3点

スムージー専門店の廃業理由として語られがちなのは「ブームが去った」「立地を外した」といった話です。それも事実ではありますが、開業準備の段階で防げるのは別の3つです。

① 冷凍容積が、坪数より先に決まっている

スムージーの原価の大半は果実です。そして果実は、冷凍か冷蔵かで保管の設計がまるごと変わります。冷凍フルーツ主体で組むなら、1日に出る杯数と仕入れの頻度から必要な冷凍庫の容積が決まり、その容積が置ける床面積が確保できるかどうかで、成立する坪数が決まります。

つまり「3坪で開けますか」という問いへの答えは、面積ではなく立方メートルで出ます。ここを先に計算せずに物件を決めると、厨房に冷凍庫が入り切らないという、後から動かしようのない状態になります。

② 電気は動力ではなく、単相100Vで詰まる

重飲食の開業では、三相200Vの動力を引けるかどうかが最初の関門です。ところがスムージー屋の主要機器は、ほぼすべて単相100Vです。業務用ブレンダーは1台で1,000W前後、大型モデルなら1,300W級。それを2台同時に回しながら、製氷機、冷凍ストッカー、冷蔵ショーケース、エアコンが並行して動きます。

結果として、動力はいらないのに電灯側の契約容量が足りない、という珍しい形の不足が起きます。「ドリンク屋だから電気は軽いですよ」と言われたら、その業者は計算していません。

③ 冬に売上が構造的に落ちる

気象庁が全国清涼飲料連合会の協力を得て行った調査では、東京都内の屋外自販機のホット飲料は販売数が10月頃から増加し、22℃を大きく下回ったタイミングで増えることが示されています。同じ調査では、22℃を大きく下回った時期にコールド飲料の販売数が大きく減少したことも記録されています。冷たい飲み物だけで組んだ店は、この裏返しの曲線を描きます。

冬をどう埋めるかは商品開発の話に見えますが、実際には工事の話です。ホットスープや加熱を伴うメニューを出すなら排気設備が必要になり、内装費が跳ねます。開店後に思いついても、追加工事の見積もりを取り直すことになります。

この3つに共通しているのは、工事の前にしか決められないということです。

冷凍庫の置き場も、分電盤の主幹容量も、加熱設備の排気も、図面が固まってからでは足せません。だから「開業費用はいくら」より先に、この3つを潰します。

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スムージースタンドは、まず「どう作られているか」を見るのが早いです。当サイトに掲載しているジュース・ドリンク業態の施工事例から、レイアウトと投資配分の実際を確認できます。

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2. 開業費用シミュレーター|「入るか・足りるか」を判定する

金額だけを出す計算機ではありません。入力した坪数と杯数で冷凍庫が物理的に入るか、その構成で契約アンペアが足りるか、そして選んだ売り方でどの営業許可が必要になるかを同時に判定します。

特に⑧のボトル販売を「する」に切り替えてみてください。総額と必要な許可が同時に動きます。この差が、後から足せない工事の差です。

① 出店タイプ
② 都道府県
③ 坪数

6

④ 1日の想定杯数

150

⑤ 物件の状態

⑥ 原料の主体

⑦ 冬のホット商品

⑧ ボトル販売・EC

開業総額の目安 〜 万円

坪数 × 1日の杯数|総額の中央値(現在の他条件のまま)

※坪単価は当サイトのジュース・ドリンク業態の相場帯(居抜き坪8〜30万円/スケルトン坪30〜45万円)を基準に、47都道府県の地域係数で調整しています。厨房機器は業務用ブレンダー・製氷機45kgクラス・冷凍ストッカー・冷蔵庫・シンク什器の実売帯から積み上げた概算です。実際の金額は物件の現況、ビル側の設備余力、指定業者の有無で変わります。

その坪数・その物件で本当に作れるか、施工会社に確かめませんか。業種・坪数・物件の状況を一度入力すると、テイクアウト業態に対応できる内装会社を事務局が1社ずつ確かめてご紹介します。

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3. 開業費用の全体像|4坪スタンドの積み上げ

まず基準線を置きます。日本政策金融公庫総合研究所の2025年度新規開業実態調査によると、業種を問わない開業費用は平均975万円、中央値600万円です。250万円未満が20.1%、250万〜500万円未満が21.7%で、4割以上が500万円を下回っています。

スムージースタンドは、この分布のなかでは軽い側に入ります。4坪のテイクアウト専門で、居抜きを拾えれば200万円台から、スケルトンから作っても300万〜550万円あたりが現実的な帯です。

4坪・テイクアウト専門・スケルトンの内訳

項目 目安(万円) 中身
物件取得費 40〜80 保証金6〜10カ月・仲介手数料・前家賃。小区画は保証金の月数が重い
内装工事 120〜140 坪30〜35万円。床・壁・天井・カウンター・給排水・電気
厨房機器 90〜160 ブレンダー・製氷機・冷凍ストッカー・冷蔵庫・シンク什器
電気の増設 0〜60 分電盤・幹線。物件の現況次第でゼロにも数十万にもなる
看板・販促・備品 20〜60 看板・写真付きメニューボード・受渡カウンター・カップ類
運転資金 20〜50 家賃・仕入・人件費の2〜3カ月分
合計 300〜550 公庫の中央値600万円を下回る帯に収まる

「電気の増設 0〜60万円」の幅が、この業態の見積もりが割れる最大の理由です。

物件の現況契約に余裕があればゼロ。足りなければ分電盤の交換と幹線の引き直しが発生します。同じ4坪・同じ設計でも、物件が違うだけで数十万円動きます。だから「坪単価いくら」だけで会社を比べても意味がありません。

飲食店より軽い部分と、重い部分軽くなる(油を使わない)・グリストラップが原則不要・大型フード・排煙ダクト不要・ガス設備・ガス配管が不要・防火区画の要求が下がる・厨房面積が小さくて済む=坪単価が下がる主因重くなる(冷やす・回す)・単相100Vの容量と回路数・冷凍ストッカーの設置面積・ブレンダーの騒音と振動対策・果肉繊維による排水詰まり・冷凍機の排熱と空調負荷=見落とすと追加工事になる「ドリンク屋だから工事は軽い」は半分正しく、半分危ない。軽いのは排気と油まわり。重いのは電気と冷凍。ここを分けて見積もる。

逆に、飲食店として見たときに軽くなる部分もはっきりしています。油を扱わないため、グリストラップの設置も、大型フードと排煙ダクトの敷設も原則不要です。ガス配管も引かずに済みます。厨房が小さく収まるのもここが理由で、スケルトンからでも坪30万円台に収まるのはこの構造のおかげです。

資金調達|自己資金をいくら用意するか

開業資金の調達は、自己資金と借入の組み合わせが基本形です。飲食業の創業では、日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金が最初の選択肢になります。自治体の制度融資は、信用保証協会と金融機関を経由するぶん手続きに時間がかかりますが、利子補給や保証料補助が付く自治体もあります。

調達先 特徴 準備するもの
自己資金 審査の土台になる。通帳で積立の経緯を見られる 通帳のコピー。急に用意した資金は評価されにくい
日本政策金融公庫 創業時に使いやすい。設備資金と運転資金を分けて申し込む 創業計画書・見積書・物件資料
自治体の制度融資 保証協会付き。利子補給などの支援がある自治体も 公庫と同様+自治体所定の様式
リース・割賦 厨房機器を分割に回して初期投資を圧縮できる 機器の型番と見積書

創業計画書で説得力を持たせるコツは、この記事で扱ってきた数字をそのまま使うことです。1日の想定杯数、そこから逆算した冷凍容積と必要な機器、必要な電気容量、冬の谷を越えるための運転資金。設備投資の根拠が物理量で説明できる計画書は、「人気だから売れます」と書かれた計画書よりはるかに通ります。

なお、厨房機器をすべて新品で揃える必要はありません。ブレンダーは消耗品として新品を推奨しますが、冷蔵庫やシンク什器は中古で十分機能します。ただし冷凍ストッカーだけは、省エネ性能の差が毎月の電気代に直結するため新品の省エネモデルを検討してください。

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4. 5つの出店タイプ|同じ看板でも中身は別物

「スムージー屋を開きたい」と言っても、どの形で出すかで設計も許可も投資額も変わります。まず自分がどれをやるのかを決めてください。

タイプ 坪数 効いてくるもの 総額の目安
路面スタンド(テイクアウト専門) 3〜6坪 電気容量・冷凍容積・受渡口の位置 150〜550万円
イートイン併設 8〜15坪 客席への騒音・トイレ・空調負荷 500〜1,200万円
商業施設インショップ 4〜10坪 B工事。特に電気の増設 450〜1,000万円
ボトル販売・EC併設 6〜12坪 清涼飲料水製造業の区画 600〜1,100万円
キッチンカー — 車両・仕込み場所の確保 250〜600万円

どれから始めるか

資金に余裕がないなら、路面スタンドか居抜きの小区画から入るのが定石です。イートインを付けると席数の分だけ坪数が増え、空調とトイレと客席の騒音対策が同時に乗ってきます。スムージーは撹拌音が大きいので、席の近くにブレンダーを置く設計は最初から避けるべきです。

ボトル販売は最後に足すのではなく、やるかどうかを最初に決めます。理由は次章のとおりです。移動販売から始めたい場合はキッチンカーの開業ガイドに、業態全体を比較したい場合はジュース・ドリンク開業ガイドにまとめています。

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5. 許可の分岐|その場で作るか、密封して売るか

ここがこの記事でいちばん伝えたい部分です。スムージーの提供には、売り方によってまったく別の営業許可が必要になります。

許可の分岐|「その場で渡す」か「密封して売る」かスムージーを提供する売り方で必要な許可が変わる注文を受けてその場で作る店頭でカップに注いで渡す飲食店営業新規 18,300円/更新 8,900円※喫茶店営業は廃止・統合済みボトルに詰めて日持ちさせるEC・サブスク・卸・小分け清涼飲料水製造業新規 25,200円/更新 12,600円飲食店営業とは別に必要施設基準に「区画」が加わる原材料の保管・調合・製造をする室または区画された場所が必要区画は工事で作るもの。図面が固まったあとでは足せない。

その場で作って渡すなら、飲食店営業

注文を受けてブレンダーで作り、カップに注いで渡す。この形なら飲食店営業の許可で足ります。かつての喫茶店営業は法改正で飲食店営業に統合されて廃止されているため、「喫茶店営業でいい」という説明は現在は正しくありません。

手数料は自治体によりますが、東京都の特別区では新規18,300円・更新8,900円です。これに食品衛生責任者の資格が必要で、資格がなければ各都道府県の食品衛生協会が実施する養成講習会を受講します。会場に行く形式のほか、eラーニングでの受講も選べるようになっています。

ボトルに詰めて日持ちさせるなら、清涼飲料水製造業

問題はこちらです。作ったスムージーやジュースを密封容器に詰め、日持ちさせて販売する、通信販売で送る、定期便として届ける、小分けして卸す。こうした売り方は「清涼飲料水の製造」にあたり、飲食店営業とは別に清涼飲料水製造業の許可が必要になります。手数料は新規25,200円・更新12,600円です。

ただし重要なのは手数料の差ではありません。施設基準が変わることです。清涼飲料水製造業の基準では、飲食店営業と同じ基準に加えて、原材料の保管、調合、製品の製造を行う室または場所を持つことが求められます。室として独立させない場合でも、作業の区分に応じて区画されていることが必要です。

区画は「工事で作るもの」です。図面が固まってからでは足せません。

しかも清涼飲料水製造業は取得のハードルが高く、保健所との協議が長引いたり、基準を満たせず断られたりする例があります。基準の運用は自治体の条例によって差があり、同じ県内でも市によって判断が分かれることがあります。「まず店を開けて、売れてきたらボトルも出そう」という順番だと、そのときには壁の位置が決まっています。

その他に必要になるもの

  • 食品衛生責任者:施設ごとに1名。養成講習会は6時間程度、受講料は協会により異なりおおむね1万円前後
  • 防火管理者:収容人員30人以上(従業員を含む)で必要。4〜6坪のテイクアウト専門なら通常は不要
  • 個人事業の開業届:税務署へ。法人化する場合は登記
  • 深夜酒類提供の届出:スムージーだけなら不要。アルコールを扱うなら別途

無許可で営業した場合、食品衛生法上は2年以下の懲役または200万円以下の罰金が定められています。判断に迷ったら、必ず所管の保健所に確認してください。

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許可の分岐と区画の要否は、図面を描く前にしか決められません。将来のボトル販売まで含めて、対応できる施工会社を事務局が1社ずつ確かめてご紹介します。

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6. 物件選び|家賃より先に電気と排水を見る

スムージー屋の物件選びで最初に見るのは、坪数でも家賃でもありません。電気と排水です。この2つは後から変えるのに最もお金と時間がかかり、場合によっては変えられません。

① 電気:契約容量と分電盤の空き回路

内見のときに、次の4点を必ず確認してください。管理会社に聞けば答えが返ってきます。

物件確認チェックリスト(電気)

  • 現在の契約種別と契約容量(従量電灯Bなら何アンペアか)
  • 単相2線式か単相3線式か。200Vが取れるか
  • 分電盤の主幹容量と、空いている回路の数
  • 増設したい場合、ビルの幹線と受電設備(キュービクル)に余力があるか

4つ目が最も重要です。店舗の電気容量・電気工事の考え方でも触れていますが、ビル全体の受電設備が容量の限界に達していると、テナント側がいくら払っても増設できません。この場合は物件そのものを諦めることになります。契約書に判を押す前に確認してください。

② 排水:油ではなく繊維の詰まり

スムージー屋の排水にはグリストラップが原則不要です。油を使わないので、油脂分を分離する必要がないからです。これは内装費が飲食店より軽くなる大きな理由になります。

ただし別の問題があります。果肉の繊維、皮、種、コールドプレスを併設するなら大量に出るパルプ。これらが排水に流れ込むと配管が詰まります。設計段階でストレーナーの目を細かくし、パルプは排水に流さず固形ごみとして処理する運用を前提に、ごみの保管場所を確保しておく必要があります。

③ 立地:人が「歩いている」場所であること

スムージーは目的来店より通りがかりの購入が多い商品です。ジムの前、オフィスビルの1階、駅の改札近く、大学の門前、商業施設の通路沿い。共通するのは、決まった時間に決まった方向へ人が歩いている場所です。逆に車での目的来店に依存する郊外ロードサイドは、この業態では相性がよくありません。

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7. 内装・設備の5大論点

ここからが工事の中身です。スムージー屋の内装は、この5つで決まります。

論点①:冷凍容積が坪数を決める

冷凍フルーツ主体で組む場合、必要な冷凍庫の容積は「1日の杯数 × 1杯あたりの使用量 × 在庫日数」で決まります。日販150杯、1杯250g、仕入れ5日分なら約188kgです。

ここからが見落とされる部分です。バラ凍結のフルーツは空隙が多く、重量から容積に直すときのかさ密度は0.55kg/L程度。188kgなら約341Lです。さらに、冷凍ストッカーのカタログに書かれている「定格内容積」は、日本産業規格に基づき、食品収納スペースと冷気循環スペースを含めて算出されています。つまり375ℓと書いてあっても、375ℓ分のフルーツは入りません。

坪数は「客席」ではなく「冷凍」から逆算する日販150杯×250g×5日→188kg冷凍在庫の重量→341L÷0.55kg/L(バラ凍結)→定格524L÷0.65(冷気循環分)→ 542ℓクラス×1台(設置1.15㎡)+開閉クリアランス1.6倍= 1.84㎡(約0.56坪)を冷凍だけで使うJISの「定格内容積」は食品収納スペースと冷気循環スペースの合計375ℓと書いてあっても、375ℓ分のフルーツは入りません。生果実主体に振ると冷凍は減るが、冷蔵容積・発注頻度・ロス率(5〜12%)が上がる。どちらを選ぶかは味の話ではなく、厨房の面積配分の話。

実装填率を65%とすると、341Lを収めるには定格524L相当が必要になります。ラインアップは150ℓから750ℓクラスまでありますが、542ℓクラス1台で設置面積は約1.15㎡。上開きの扉を開けるクリアランスを1.6倍で見ると1.84㎡、坪に直して約0.56坪です。4坪の店なら床の14%を冷凍だけで使うことになります。

生果実主体に振れば冷凍は減りますが、代わりに冷蔵容積が増え、仕入れ頻度が上がり、ロス率が跳ね上がります。冷凍主体なら1〜3%程度で収まるロスが、生果実主体では5〜12%になることも珍しくありません。どちらを選ぶかは味の好みではなく、厨房の面積配分と日々のオペレーションの選択です。

冷凍フルーツ主体

ロス 1〜3%

  • 冷凍容積大きい(542ℓ級が要る)
  • 仕入れ頻度週1〜2回で回る
  • 味の再現性年間を通して安定
  • 原価読みやすい
  • 弱点差別化しにくい

生果実主体

ロス 5〜12%

  • 冷凍容積小さい(302ℓ級で足りる)
  • 仕入れ頻度2〜3日に1回は必要
  • 味の再現性旬と産地で振れる
  • 原価相場変動を受ける
  • 強みディスプレイが強くなる

実務上は、ベースを冷凍で組み、店頭に見せる果実と季節の限定メニューだけ生果実にする折衷が最も回ります。ディスプレイの効果は生果実でしか出せませんが、全量を生でやると発注とロス管理に人手を取られます。

論点②:単相100Vのピーク合算

業務用ブレンダーの消費電力は、標準的なモデルで975W、大型モデルで1,300W級です。ピーク時間帯に2台同時に回すと、それだけで2,000〜2,600W。ここに製氷機45kgクラスが260〜285W、冷凍ストッカーが120〜200W、冷蔵庫が250W、POSと照明と決済端末で400W、エアコンが1,500W前後乗ります。

電気は「動力」ではなく「単相100V」で詰まる6坪スタンド・日販150杯・冬HOTなしのピーク同時使用(概算)ブレンダー2台 1,950W975W×2。1台1,300W級もある空調 1,500W4〜6坪の店舗用400POS・照明・決済・音響 400W280製氷機45kg 260〜285W250縦型冷蔵庫 250W200冷凍ストッカー 120〜200W合計 約4,580W → 46A → 余裕率1.25で 必要主幹 約57A従量電灯Bの上限は60A。HOTを足すと、この時点で超える。

合計すると4,500W前後、電流にして46A。安全率を1.25で見ると必要な主幹は約57Aです。従量電灯Bの上限が60Aですから、標準的なスタンドですでに上限ぎりぎりということになります。ここに冬のホット商品を足すと、あっさり超えます。

この計算を自分でできる内装会社かどうかは、見積もり段階で判別できます。機器リストを渡したときに合計ワット数と必要な回路数を出してくる会社は信頼できます。

論点③:騒音と振動

高性能ブレンダーは毎分数万回転で回ります。市販の業務用モデルに消音カバー付きの仕様や静音設計モデルがラインアップされていること自体が、この騒音が実務上の課題である証拠です。

対策は3層です。ひとつは機器選定で消音カバー付きを選ぶこと。ふたつめはレイアウトで、ブレンダーを客席や隣接テナントとの共有壁から離すこと。みっつめは建物側で、上階が住居の物件では防振ゴムと二重床を検討すること。イートインを併設するなら、この設計を最初にやらないと、開店後に客席側からクレームが来ます。

論点④:排熱と空調

冷凍ストッカーも製氷機も、庫内を冷やすぶんだけ庫外に熱を出します。4坪の密閉された空間に冷凍2台と製氷機を置けば、夏場は室温が上がります。エアコンの能力を1ランク上げるか、機器の背面に排熱スペースを確保するか、どちらかは必要です。カタログ記載の設置寸法どおりに壁付けすると、冷却効率が落ちて電気代が上がります。

論点⑤:見せ方は装飾ではなく販促什器

スムージーは、店頭で見た果実の色で買うかどうかが決まる商品です。ディスプレイは内装の飾りではなく、売上を作る設備として予算を取ります。目安は、看板が5〜30万円、写真付きの外向きメニューボードが3〜15万円、受渡カウンターが5〜25万円。合計で20〜60万円台を見ておくと形になります。

4坪スタンドの型|「見せる面」と「作る面」を前後に分ける見せる面(客に向く)生果実ディスプレイ/メニュー写真/受渡口買う理由はここで作る。装飾ではなく販促什器。冷凍ストッカー上開き開閉スペース必要計量・仕込作業台冷蔵庫ブレンダー2台+消音製氷機洗浄・手洗い2槽シンク+手洗い専用油を使わないのでグリストラップ不要作業は「冷凍→計量→撹拌→受渡」の直線1.8〜2.2m。1人オペが成立する幅。※図は典型パターンの概念図。実寸は物件の間口・柱位置で変わります。

レイアウトの型はシンプルです。客に向く面に果実のディスプレイと受渡口を置き、その背後に「冷凍→計量→撹拌→受渡」の作業を直線で並べる。この直線が1.8〜2.2mに収まると、1人でオペレーションが回ります。前後に分離するのが、3〜6坪で成立させる唯一の解です。

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冷凍の置き場と受渡口の作り方は、写真で見るのが最短です。ジュース・ドリンク業態の施工事例から、小さな区画をどう組み立てているかを確認できます。

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8. 冬の設計|22℃を切ると需要が反転する

スムージー屋の事業計画で最も甘くなりがちなのが、季節変動です。夏の売上をそのまま12倍して年商を出した計画書は、たいてい冬に破綻します。

気象庁が全国清涼飲料連合会の協力を得て行った調査では、東京都内の屋外自販機のデータから、ホット飲料の販売数は10月頃から増加し、22℃を大きく下回ったタイミングで増えることが示されています。同じ調査では、22℃を大きく下回った時期にコールド飲料の販売数が大きく減少したことも記録されています。

22℃を境に、需要は入れ替わる販売数量22℃を上回る22℃を下回る1月4月7月10月12月COLD(スムージー)HOT(温かい飲み物)HOTは10月頃から増え、22℃を大きく下回るとCOLDは大きく減る。※気象庁「清涼飲料及び家電流通分野の気候リスク管理調査」をもとにした概念図

つまり、冷たい飲み物だけで組んだ店は、10月から4月にかけて構造的に沈みます。これは立地や商品力の問題ではなく、気温の問題です。

冬を埋める3つの選択肢と、それぞれの工事

選択肢 必要な設備 工事への影響
冬は割り切って営業時間を短縮 なし 追加工事ゼロ。ただし固定費は変わらない
ホットドリンク・焼き菓子(電気式) 電気ケトル・保温ショーケース 工事は5〜15万円程度。ただし電気容量を1,400W前後圧迫する
スープ・温かいボウル(加熱調理) 加熱機器・フード・排気ダクト 60〜180万円。防火区画の要求も上がる

3つ目を選ぶなら、それは「メニューの追加」ではなく「業態の変更」です。

加熱調理を入れた瞬間に排気設備が必要になり、内装費の構造が変わります。開店後に思いついた場合、店を閉めて工事をやり直すことになります。どれを選ぶかは、図面を描く前に決めてください。

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9. 商業施設・駅ナカに出るなら|A工事B工事C工事

スムージー屋は駅ナカやショッピングセンターのインショップと相性がよく、実際に出店の選択肢に入ってきます。ただし商業施設の工事は、路面店とはルールが違います。

商業施設に出るなら、B工事の輪郭を先に掴むA工事発注:オーナー費用:オーナー所有:オーナー躯体・共用部・建物本体の設備B工事発注:オーナー費用:テナント所有:オーナー電気容量の増設・給排水分岐・排気・防災設備C工事発注:テナント費用:テナント所有:テナント内装仕上げ・什器看板・厨房機器スムージー屋は「電気容量の増設」がB工事に落ちやすい発注者はオーナー、払うのはテナント、業者は指定。価格競争が働かない。対抗策は、契約前にC工事会社を確保して対抗見積もりを持っておくこと。

3つの区分

  • A工事:建物本体・共用部。オーナーが発注し、オーナーが負担し、所有権もオーナー
  • B工事:テナントの要望で建物側の設備に手を入れる工事。オーナーが発注し、テナントが負担し、所有権はオーナー
  • C工事:内装仕上げ・什器・厨房機器。テナントが発注し、テナントが負担し、所有権もテナント

スムージー屋がB工事で刺される理由

ここまで読んでいただければ想像がつくと思います。この業態が最も必要とする電気容量の増設は、建物側の設備に手を入れる工事なので、ほぼ確実にB工事に分類されます。給排水の分岐も同様です。

B工事の厄介さは金額そのものではなく構造にあります。発注するのはオーナー、業者はオーナーの指定、しかし払うのはテナント。この三者関係では価格競争が働かないため、見積もりが高止まりしやすくなります。

契約前に打てる唯一の手

実務上有効なのは、賃貸借契約を結ぶ前に、自分側のC工事会社を先に確保しておくことです。B工事の見積もりが出てきたときに、同じ内容をC工事会社に積算してもらい、その根拠を持って施設側と交渉する。これが減額査定の基本形です。

契約後に「この金額はおかしい」と言っても、そのときにはもう交渉の材料がありません。商業施設への出店を考えているなら、物件を押さえる前に施工会社に相談してください。工事区分表と施設側の内装監理基準を、契約前に見せてもらうところから始まります。

フードコートへの出店を検討している場合はフードコートの内装・出店の考え方もあわせて確認してください。

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商業施設に出るなら、契約前に対抗見積もりを持ってください。工事区分表を読める施工会社を、事務局が1社ずつ確かめてご紹介します。相談は無料です。

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10. 収支の考え方|1日何杯で家賃が消えるか

スムージー屋の収支は、坪効率でも回転率でもなくピーク時間に何杯さばけるかで上限が決まります。席がないので回転という概念がなく、通勤・昼休み・ジム帰りといった山の時間に処理できる杯数が、そのまま売上の天井になるからです。

原価の考え方

カフェのドリンク全般のなかで、スムージーは原価が高い部類に入ります。1杯あたりの原価はおおむね180〜300円、原価率にして25〜40%が目安です。幅が出るのは、生果実を多く使うか冷凍フルーツを主体にするかで仕入れ単価が変わるためです。業務用の冷凍フルーツは1kgあたり1,000〜2,600円程度の帯で流通しています。ベリー類のように単価の高い品目を250g使えば、それだけで材料費が600円を超えてしまいます。原価率を30%前後に収めている店は、バナナやマンゴーなど安価な品目をベースに置き、単価の高い果実は少量の差し色として使う組み立てをしています。

1日あたりの損益分岐を出す

項目 4坪スタンドの想定
客単価 650円(スムージー1杯+トッピング)
原価率 32%(冷凍主体で組んだ場合)
粗利/杯 約440円
家賃 月20万円
人件費 月35万円(オーナー+アルバイト)
水道光熱費 月8万円(冷凍・製氷が常時稼働)
その他固定費 月7万円
月間固定費 合計 約70万円
損益分岐の日販 約53杯(70万円÷440円÷30日)

数字の上では1日53杯で固定費が消えます。ただしこれは平均の話で、夏に90杯出て冬に30杯という分布なら、冬は毎月赤字を出しながら夏の貯金を食うことになります。年間で見て黒字なら問題ない、と言い切れるかどうかは手元資金次第です。

だから運転資金は「3カ月分」ではなく「冬を越せる額」で見ます。

4月開店なら夏の売上を貯めてから冬に入れますが、10月開店なら開店直後から需要の谷に突っ込みます。開店月をいつにするかは、資金計画そのものです。

杯数別の月間損益|試算の型

同じ前提(客単価650円・粗利440円・固定費70万円)で、日販が変わると月の損益がどう動くかを並べます。数字は試算の型であり、実際の値は物件と季節で変わります。

日販 月の営業利益(借入返済前) 月の売上 月の粗利 固定費
50杯 −4.0万円 97.5万円 66.0万円 70万円
80杯 +35.6万円 156.0万円 105.6万円 70万円
120杯 +88.4万円 234.0万円 158.4万円 70万円
160杯 +126.2万円 312.0万円 211.2万円 85万円※

※160杯はピーク時2人体制が前提で、人件費を月15万円上乗せしています。ブレンダーも2台以上が必要になり、第7章の電気容量に跳ね返ります。

この表で見るべきは金額そのものより、50杯と80杯のあいだにある段差です。損益分岐の53杯を少し超えたところから利益が出始めますが、冬に50杯を割る月があれば、その月は赤字です。夏に120杯出る店でも、年間で均せば月80杯前後に落ち着くという見方で、資金計画を組んでください。

客単価を上げる3つの手

杯数の天井がブレンダーの台数で決まる以上、売上を伸ばす現実的な方向は客単価です。効くのは次の3つです。

  • トッピングの設計:プロテイン、チアシード、グラノーラ、ナッツ。原価数十円で100〜150円を乗せられます。冷蔵を必要としない乾物系はロスも出ません
  • サイズ展開:Sを置かずMとLの2本立てにすると、Lの選択率が上がります。カップと蓋の単価差はわずかで、粗利はほぼそのまま増えます
  • セット化:焼き菓子やベーグルとの組み合わせ。加熱を伴わない常温商品なら追加工事も不要です

逆に、値引きによる回転増はこの業態では機能しません。ピーク時に処理できる杯数が物理的に決まっているため、単価を下げても捌ける量が増えないからです。ブレンダーを1台増やせば処理能力は上がりますが、そのぶん電気容量を1,000W前後追加で食います。ここでも設備の話に戻ってきます。

電気代を軽く見ない

冷凍ストッカーは24時間動き続けます。省エネモデルでも400ℓクラスで年間585kWh程度を消費し、これが2台になれば倍です。製氷機と冷蔵ショーケースも同様に常時稼働。スムージー屋の水道光熱費が同規模の物販店より重くなるのは、この構造が理由です。開業時に多少高くても省エネ性能の高い機種を選ぶ判断は、数年で回収できます。

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11. 開業までの流れ|保健所は図面のあいだに挟む

標準的な期間は3〜4カ月です。ただし順番を間違えると、この期間は簡単に倍になります。

保健所は「工事のあと」ではなく「図面のあいだ」に挟む物件探し電気容量を確認設計・見積複数社に依頼★事前相談保健所へ図面着工前に持参着工・工事4〜6週間検査・開店完成10日前に申請施設基準に適合しなければ、許可は出ない不適事項を改善して再検査になる。その間も家賃だけは発生し続ける。だから図面段階で相談する。標準3〜4カ月、ボトル販売ならさらに前倒し。

1物件を探す電気容量と排水を先に確認
2設計・見積もり複数社に同条件で依頼
3保健所へ事前相談着工前に図面を持参
4着工・工事4〜6週間
5許可申請完成予定の10日ほど前
6施設検査営業者が立ち会う
7許可交付・開店スタッフ研修と試作

3番目が動かせない理由

保健所の案内では、施設の工事着工前に設計図等を持参して事前に相談することが求められています。そして施設検査で基準に適合しない場合、許可は交付されません。不適事項を改善したうえで、改めて検査を受け直すことになります。

この「改めて検査」の期間、店は開けられませんが家賃は発生し続けます。内装会社への追加工事費も乗ります。事前相談は形式的な手続きではなく、この事故を避けるための工程です。平面図と設備図の読み方を押さえておくと、相談の場で担当者の指摘を正しく持ち帰れます。

ボトル販売を計画しているなら、この事前相談はさらに前倒しします。清涼飲料水製造業は協議に時間がかかるうえ、施設基準を満たせるかどうかで間取りが変わるからです。

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12. 集客とオープン|販促の半分は工事で決まる

スムージーは、味を試す前に写真で選ばれる商品です。販促の主戦場はSNSの投稿画面で、その投稿の背景になるのは店の受渡口とディスプレイです。つまり集客の半分は、開店後の告知ではなく、図面を描く段階で決まっています。

① 撮られる面を、設計で先に作る

カップを受け取った客が写真を撮る位置は決まっています。受渡口の正面です。そこに映り込む壁とカウンターが、そのまま店の広告になります。看板の色、果実のディスプレイ、ロゴの位置は、この1枚の画角のなかで組み立ててください。第7章で述べた「見せる面」は、来店客への販促什器であると同時に、SNSで拡散される背景でもあります。

逆に、受渡口の背後に冷凍ストッカーやゴミ箱が映る配置は、それだけで投稿されにくくなります。撮られる面と作る面を前後に分ける理由は、オペレーションの効率だけではありません。

② 開店の時期を、気温に合わせる

第8章のとおり、冷たい飲み物の需要は気温22℃を境に立ち上がります。開店直後の話題性が最も高い時期を、需要が伸びる4〜6月に重ねるのが定石です。逆に10〜11月の開店は、口コミが広がる前に需要の谷に入ります。工事の着工日は、この開店時期から逆算して決めてください。

③ 商圏は「歩いている人」で作る

第6章で触れたとおり、スムージーは通りがかりの購入が多い商品です。候補物件の前で、朝・昼・夕の3回、通行人を数えてください。ジム帰り、昼休みのオフィスワーカー、下校の学生。どの時間帯にどの層が歩いているかで、営業時間とメニューの組み立てが決まります。

近隣のジムやオフィスに置いてもらう割引券や、会員向けの提携は、この業態で最も効きやすい販促です。ただし「会員に配るボトルを作る」方向に進むと、第5章の清涼飲料水製造業の話に戻ります。店頭で作って渡す前提で組んでください。

④ デリバリーとモバイルオーダーの扱い

席がないぶん、デリバリーやモバイルオーダーとの相性は悪くありません。ただし冷たいスムージーは配達距離が伸びるほど品質が落ちるため、配達範囲は絞ることになります。加えて、専用の容器と蓋で1杯あたり数十円、配達アプリの手数料で売上の3割前後が消えます。客単価650円の商品でこれを吸収するには、デリバリー用の価格を店頭と分けておく必要があります。

⑤ オープン直後の販促費を、運転資金と分けて取る

開店前の告知、初回特典、試飲、店頭の写真付きメニューボード。ここに使う費用は10〜30万円が目安で、運転資金とは別枠で確保しておきます。開店直後は話題性で来店が集中しやすい期間で、この時期に撮られた写真が、その後の集客を左右します。

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13. 内装業者の選び方|電気容量を自分で判断できる会社か

スムージー屋の内装は、意匠のセンスよりも設備の読みで差がつきます。判断材料は次の4つです。

① 機器リストからワット数を計算するか

使う予定の機器を一覧で渡したときに、合計消費電力と必要な回路数、必要な主幹容量を出してくるかどうか。「電気は足りると思います」で済ませる会社は、後から追加工事の請求書を出してきます。逆に内見に同行して分電盤を開けてくれる会社は、この業態を分かっています。

② 冷凍機器の設置条件を聞いてくるか

冷凍ストッカーの台数と型番、上開きか前開きか、開閉方向はどちらか。ここを図面に落とし込まずにレイアウトを描く会社は、現場で「開かない」が起きます。排熱スペースの確保についても、聞かれなければこちらから伝えてください。

③ テイクアウト業態の施工経験があるか

受渡口の高さ、待機列の作り方、ファサードの見せ方は、イートインの飲食店とは別のノウハウです。同業態の施工事例を写真で見せてもらうのが早い確認方法です。

④ 商業施設の工事区分に慣れているか

インショップを狙うなら必須です。工事区分表を読んで、どこまでがB工事に落ちるかを事前に指摘できる会社かどうか。これができる会社が入るだけで、総額が数十万円変わることがあります。

相見積もりで揃えるべき条件

  • 坪数・スケルトンか居抜きか・工期の希望
  • 使用予定の厨房機器のリスト(型番まで)
  • 1日の想定杯数と、冷凍主体か生果実主体か
  • 冬にホット商品を出すかどうか
  • 将来ボトル販売をやる可能性があるか

この5点を揃えて出せば、返ってくる見積もりは比較可能になります。逆にこれを渡さずに「4坪のスムージー屋です」とだけ伝えると、各社バラバラの前提で積算するので、金額を並べても意味を持ちません。費用の相場感はジュース・ドリンクショップの内装費用に、会社選びの観点はジュース・ドリンク店の内装会社の選び方にまとめています。

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機器リストを渡して、必要な電気容量を計算できる会社を探しませんか。坪数・想定杯数・機器の条件を一度入力すると、条件に合う内装会社を事務局が1社ずつ確かめてご紹介します。

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14. よくある質問

3坪でスムージー屋は開けますか?

開けます。ただし成立するかどうかは面積ではなく冷凍容積で決まります。日販80杯・冷凍主体・仕入れ5日分なら300ℓクラス1台で収まり、3坪でも回ります。ところが日販がおおむね110杯を超えると542ℓクラスが要るようになり、開閉クリアランスを含めて約1.8㎡を占有します。3坪では厨房が成立しません。仕入れを週2回に増やして在庫日数を短くすれば圧縮できますが、その分だけ発注と検品の手間が増えます。

スムージー屋は儲かりますか?

原価率25〜40%で、席がないぶん坪あたりの家賃負担も軽いため、単月の利益率は出やすい業態です。ただし夏と冬で売上が大きく振れるため、年間で均すと見え方が変わります。1日53杯で固定費が消える計算でも、冬に30杯まで落ちる月があれば赤字月が発生します。「儲かるか」は月次ではなく年次で判断してください。

フランチャイズと個人開業のどちらがいいですか?

レシピと仕入れルートを持っていない状態から始めるならフランチャイズは合理的です。一方で加盟金とロイヤリティが乗るため、同じ規模でも総額は個人開業より高くなる傾向があります。すでに飲食の経験があり、内装と機器を自分で選べる人は個人開業のほうがコストを圧縮できます。判断軸は資金ではなく、レシピ開発と仕入れ交渉を自分でやれるかどうかです。

作ったスムージーをボトルで販売したいのですが

密封して日持ちさせる形で販売するなら、飲食店営業とは別に清涼飲料水製造業の許可が必要です。施設基準に原材料の保管・調合・製造をする室または区画された場所が加わるため、間取りの段階で織り込む必要があります。取得のハードルは高く、基準の運用も自治体によって差があります。やる可能性があるなら、図面を描く前に所管の保健所へ相談してください。

グリストラップは必要ですか?

油を使わないスムージー専門店では原則不要です。これが内装費を軽くする大きな要因になっています。ただし所管の保健所や物件の設備条件によって判断が異なる場合があるため、事前相談で確認してください。なお油の問題がない代わりに、果肉の繊維やパルプによる配管詰まりへの対策は必要です。

ブレンダーの音は近隣トラブルになりますか?

なり得ます。高性能モデルは毎分数万回転で回るため、上階が住居の物件や、客席・隣接テナントとの壁が薄い物件では対策が要ります。消音カバー付きモデルや静音設計モデルを選ぶ、共有壁から離してレイアウトする、防振対策を入れる、の3層で考えてください。イートインを併設するなら設計段階で必須の検討事項です。

居抜き物件を使えばどのくらい安くなりますか?

ドリンク店からドリンク店への居抜きなら、坪8〜25万円まで落ちます。スケルトンの坪30〜35万円と比べると半分以下です。ただしシンクの数や位置が施設基準に合っているか、分電盤の容量が足りるかは必ず確認してください。造作を引き継いだつもりが、電気の引き直しで結局スケルトンと変わらなかったという例は少なくありません。ジュース・ドリンク店の居抜き物件の見方も参考にしてください。

開業までどのくらいかかりますか?

物件契約から開店まで、標準で3〜4カ月です。内訳はおおむね設計と見積もりで3〜4週間、保健所の事前相談を挟んで着工、工事が4〜6週間、検査と許可交付で1〜2週間。ボトル販売を併設するなら、保健所との協議に時間がかかるためさらに1〜2カ月を見込んでください。

冬はどうやって売上を作りますか?

選択肢は3つで、営業時間を短縮して固定費を抑えるか、電気式のホットドリンクや焼き菓子を足すか、加熱調理を伴うスープなどを入れるかです。3つ目は排気設備が必要になり内装費が60〜180万円上振れするので、やるなら最初の工事に織り込んでください。開店後に追加すると、休業して工事をやり直すことになります。

アルコールやアサイーボウルも出したいのですが

どちらも飲食店営業の範囲で提供できます。アサイーボウルは冷凍パルプを使うため、冷凍容積の計算に加算してください。1杯あたりの使用量がスムージーより多くなることが一般的で、冷凍庫のクラスが1段上がる場合があります。アルコールは店内で提供するだけなら追加の許可は不要ですが、深夜0時以降も酒類を主に提供するなら深夜酒類提供飲食店営業の届出が必要です。

内装業者にはどこまで伝えればいいですか

最低限、坪数、物件がスケルトンか居抜きか、1日の想定杯数、冷凍主体か生果実主体か、冬にホットを出すか、将来ボトル販売をやる可能性があるか。この6点です。特に想定杯数を伝えないと冷凍庫のサイズが決まらず、レイアウトが後から総崩れになります。使う予定の機器は型番まで出せると精度が上がります。

1人で運営できますか

テイクアウトスタンドで日販100杯程度までなら、ピーク時間に1名を追加する形で回せます。作業が「冷凍から取り出す・計量する・撹拌する・注いで渡す」の4工程しかなく、直線1.8〜2.2mに収まる設計にできるためです。ただしワンオペは仕込みと発注と清掃が営業時間外に集中するので、労働時間としては軽くありません。

開業資金はいくら用意すればいいですか?

4坪のテイクアウトスタンドをスケルトンから作る場合で300〜550万円、居抜きを拾えれば200万円台からが目安です。ただしこれとは別に、冬の谷を越えるための手元資金が要ります。日本政策金融公庫の調査では開業費用の中央値は600万円ですから、スムージースタンドは軽い側の業態といえます。

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15. まとめ|レシピの前に、設計で決まる

スムージー屋は、飲食店のなかでは開けやすい業態です。油を使わないので排気もグリストラップもガス配管も原則不要で、3〜4坪から始められます。だからこそ、失敗するとしたら味やレシピではなく、設計段階の判断ミスで起こります。

図面を確定する前に決めておく5つ

  • 1日の想定杯数と仕入れ頻度:ここから冷凍容積が決まり、成立する坪数が決まる
  • 物件の契約容量と分電盤の空き:ビルの受電設備に余力がなければ、増設は物理的に不可能
  • 冬にホットを出すかどうか:加熱調理を入れるなら排気が要る。後から足せない
  • ボトル販売をやる可能性:やるなら清涼飲料水製造業の区画を最初から織り込む
  • 商業施設ならB工事の範囲:契約前にC工事会社を確保して対抗見積もりを持つ

この5つは、どれも工事が始まってからでは動かせません。逆に言えば、ここさえ設計段階で潰しておけば、あとは商品と接客の勝負に持ち込めます。

候補の物件が決まっているなら、内見のときに分電盤の写真を撮っておいてください。それを持って複数の施工会社に相談すれば、「この物件で作れるか」の答えは見積もりより先に返ってきます。

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