【2026年版】焼き鳥屋 居抜き開業の完全ガイド|6業態×坪単価×収益シミュレーター

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3行サマリー

  • 炭火焼き鳥は「焼き台直上フード+高熱・高油煙対応ダクト」が命。前テナントが焼き鳥・焼肉以外だと流用率は40%以下に落ちる
  • 坪単価レンジは居抜き25〜55万円・スケルトン40〜80万円・高級内装80〜120万円。差は排気経路の再工事有無で決まる
  • 悪臭防止法の受忍限度・深夜酒類届の10日前ルール・保健所事前相談の3点を契約前に整理しないと開業後クレームで営業時間短縮になりかねない

本記事のご利用について

本記事は2026年4月時点の一般的な参考情報であり、特定の物件・事業に対する法的助言ではありません。各種法令(食品衛生法・旅館業法・消防法・風営法・建築基準法・都道府県条例等)は改正や解釈の変更があり、また自治体ごとに運用が異なる場合があります。実際の開業にあたっては、必ず弁護士・行政書士・建築士・消防設備士・所轄保健所/消防署/警察署等に個別にご相談のうえ、最終判断をお願いいたします。本記事の内容に基づく判断・行動の結果について、当サイトは責任を負いかねます。

3分でわかる|焼き鳥屋居抜き開業の結論・坪単価・業者見極め

🍢 結論:焼き鳥屋居抜き開業で押さえる5項目

  • 焼き鳥屋居抜きで本当に価値があるのは「炭火対応の排気フード+ダクト系」。高級・大衆・焼き鳥居酒屋・テイクアウト・チェーン・串焼き専門の6業態で、炭火排気・焼き台・カウンター動線の要件が大きく異なる
  • 坪単価レンジは居抜き18〜50万円/スケルトン35〜80万円客単価1,500〜15,000円の10倍幅と、業態幅が極めて広い
  • 焼き鳥業の成否は「炭火対応排気・悪臭防止法・深夜酒類届出」の3点で決まる。カフェ居抜きを安さで選ぶと排気系全交換で数百万円の追加投資リスク
  • 失敗の9割は「排気系全交換・近隣クレーム・深夜酒類届忘れ・電気容量不足」の4点に集中。深夜酒類届出は営業開始10日前までの厳格ルール
  • 業者選定の失敗は開業後3年の収益を1.5〜2倍変動させる。炭火排気フード3種・ダクト清掃計画・悪臭防止法対応の3点が選定の要

📊 業態別 坪単価早見表(居抜き標準条件)

業態 5〜15坪(小) 15〜25坪(中) 25〜40坪(大)
高級焼き鳥(おまかせ) 30〜40万円 35〜45万円 40〜50万円
大衆焼き鳥(街中) 22〜30万円 25〜35万円 30〜38万円
焼き鳥居酒屋 28〜38万円 32〜40万円
テイクアウト型 18〜25万円 22〜30万円
チェーン系(鳥貴族モデル) 28〜35万円 30〜40万円
串焼き専門(もつ焼き等) 22〜30万円 25〜35万円

※ 居抜きで前テナントが焼き鳥屋・炭火系飲食だった場合の標準レンジ。スケルトンは概ね1.5〜2倍。物件タイプ・立地で大きく変動するため、本記事中盤の5次元シミュレーターで実態に近い試算が可能。

✅ 焼き鳥業者見極めチェック5ポイント

  • 焼き鳥6業態×坪数の類似事例:自店業態(高級/大衆/居酒屋/テイクアウト/チェーン/串焼き)の類似事例を直近1年で複数施工しているか
  • 炭火排気フード3種類の経験:給排気バランス型・上方排気型・下引き型の選定経験、業態別ダクト経路設計の実務
  • 悪臭防止法・近隣協議対応:近隣説明資料作成、排気経路設計、苦情予防策の経験
  • 深夜酒類届出10日前ルール対応:保健所・警察協議のスケジュール管理、開業日逆算の実務
  • 見積もり内訳の透明性:内装・炭火排気フード・焼き台・カウンター造作の分離見積もり、「一式」表記の少ない業者

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焼き鳥居抜きで本当に価値があるのは「炭火対応の排気フード+ダクト系」

焼き鳥業態の居抜きで見落とされがちなのは、評価の重心が「客席の雰囲気」や「厨房機器の点数」ではなく、炭火に対応した排気フードとダクトの系統に置くべきだという点です。焼き鳥屋の排気は、油煙・高温・一酸化炭素・臭気の4つが同時に発生します。これに耐える設計が残っているかどうかで、居抜き費用は数百万円単位で変わります。

一般的に飲食店の居抜き工事費相場は坪15〜30万円前後と案内されますが、これは排気系に大きな手を入れない前提です。焼き鳥屋は排気の要求水準が高く、前テナントがカフェや雑貨店だった物件では、フードもダクトも屋外のファンも全て付け直しに近い状態になるため、この相場には収まりません。逆に、直前まで焼き鳥・焼肉・串カツ業態が営業していた物件では、フード+ダクト+グリスフィルター+屋外ファン+防音ボックスまで含めて流用できる可能性があり、スケルトンから造るよりも250〜500万円以上のコスト圧縮余地が生まれます。

前テナント別の排気系流用率の目安

焼き鳥・串焼き90〜95% フード/ダクト/ファンほぼ活用可
焼肉店75〜85% 排気風量は十分、ロースター系は撤去
中華料理45〜60% 中華鍋用は容量OKだが油脂の種類が違う
居酒屋(揚げ物主体)40〜55% ダクト流用可だが炭火対応は要追加
ラーメン・鍋業態30〜45% 湿気主体で油煙耐性が弱い
寿司・和食20〜30% 排気系はほぼ作り直し
カフェ・喫茶10〜15% 換気扇レベル、全交換

覚えておきたいポイント

前テナントが焼き物系だったとしても、排気経路が屋上まで独立して立ち上がっているか近隣住戸の窓より2m以上高い位置に吹出しがあるかの2点は事前に現地で目視確認を推奨します。風量が十分でも排気口の位置が悪ければ、開業後の近隣クレームで営業時間の短縮やダクト延長工事を求められる事案が起こります。

排気系の流用判定は現地条件で差が大きく、図面だけでは読めません。炭火排気に明るい施工会社を含めた複数見積もりで比較すると、流用範囲と追加工事の切り分けが明確になります。

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向く人・向かない人の判定

焼き鳥屋の居抜きは「安くスタートできる選択肢」として紹介されがちですが、物件と業態の組み合わせによっては、スケルトンから新築した方が結果的に安くつくケースも多くあります。自分がどちらの方針に向いているかを、先に整理しておきましょう。

居抜きが向く人

  • 前テナントが焼き鳥・焼肉・串カツ業態で、直前まで営業していた物件を見つけられる人
  • カウンター10〜15席規模の専門店志向で、焼き台の位置と客席配置を大きく動かさない人
  • 開業まで3〜4カ月以内にオープンしたい人(工期の圧縮が最大の利点)
  • 炭火排気に慣れた施工会社とダクト清掃業者の繋がりがある人
  • 商業地・繁華街での出店で、近隣に住宅が少ない立地を選べる人

スケルトンが向く人

  • 大箱(30坪超・20席以上)で個室・半個室中心のレイアウトを組みたい人
  • 正面焼き・カウンター越しの焼き場を軸に内装コンセプトを強く作り込みたい人
  • 立地が住宅地寄りで、排気経路の高さと位置を設計段階から組み立てる必要がある人
  • 焼き台を2台以上並べる複数焼き場運用を想定し、電気容量とガス容量を余裕持って引きたい人
  • 前テナントが焼き物系でない物件しか出ていない地域で店を構える人

なお、前テナントがラーメン・カフェ・物販の物件を「立地の良さ」だけで選び、居抜きを理由に格安で契約してしまうのは、焼き鳥業態では特に危険な意思決定です。排気系の再工事で300〜600万円を要し、結局スケルトン並みの投資になった上に、既存内装を壊す解体費と産廃処分費が二重にのしかかります。

前テナント業種別の流用率マトリクス

「居抜き」と一口に言っても、何がどの程度流用できるかは前テナント業種で全く違います。焼き鳥屋に必要な設備カテゴリごとに、流用率の目安を整理します。

排気フード・ダクト・屋外ファン

焼き鳥→95% / 焼肉→80% / 中華→55% / 居酒屋→50% / ラーメン→40% / 寿司→25% / カフェ→15%

焼き物系からの居抜きでも、油煙累積による内部閉塞は必ず点検。グリスフィルター交換だけで済む場合と、ダクト内部洗浄まで要する場合で費用差10〜40万円。

焼き台・グリル本体

焼き鳥→60% / 焼肉→20% / 中華→10% / それ以外→0%

前オーナーが持ち帰る場合も多く、造作扱いで譲渡されるのは一部。焼き台は業務用で20〜80万円、自家製注文で100万円超もあり、流用可否は初期投資を左右。

カウンター・焼き場造作

焼き鳥→85% / 寿司→50% / バー→45% / 居酒屋→30% / その他→10%

焼き台前のカウンター寸法・高さ・耐熱処理は焼き鳥特有。寿司屋からの居抜きは寸法が近くても耐熱材が入っていないため、焼き台設置には追加加工が必要。

冷蔵・冷凍・製氷・流し・給排水

焼き鳥→70% / 焼肉→65% / 居酒屋→75% / 中華→55% / 寿司→50% / カフェ→30%

冷蔵庫・製氷機は設置後3〜5年が流用判断の分岐点。保守部品の供給期限が切れる前に更新計画を立てる。

空調・エアコン

ジャンル不問で設置5年以内→70% / 5〜10年→40% / 10年超→15%

焼き鳥屋は油煙でフィルター・熱交換器が汚れやすく、前オーナーが洗浄せず引き渡した場合は初期洗浄費2〜5万円。交換時期が近い機種は更新前提で予算化。

客席什器・照明・内装

居酒屋・焼き鳥→50% / バー→45% / 和食→40% / 寿司→30% / カフェ→20%

焼き物系の内装は壁・天井に煤やヤニが付着しており、クロス・塗装のやり直しは想定。造作テーブル・椅子は状態次第。

炭火排気フードの3種類と流用判定

焼き鳥屋で使われる排気フードは、大きく分けて天蓋型・煙突型・カウンターSKY型の3種です。居抜きで見るべきは、前テナントで採用されていた型がそのまま自分の営業スタイルに合うかどうかです。

天蓋型(上引きフード)

焼き台直上に大型のフードを被せる、もっとも一般的なタイプです。広い焼き台・多数の焼き場を持つ大箱店でよく見られます。流用判定のポイントは、フード前面までの吸込距離(フードエッジから焼き台中心まで500mm以内が目安)、ファン能力(焼き台1m幅あたり風量1,500〜2,500㎥/h)、給気バランスの3点です。

前テナントが焼き肉店の場合、焼き肉用の天蓋フードがそのまま使えるケースが多い一方、炭火焼き鳥は焼肉ロースターより排気温度が高いため、フード内面のステンレスが歪んでいないか、グリスフィルターの枚数が足りているかの確認を欠かせません。

煙突型(上方排気)

焼き台の背面に煙突状のダクトを立ち上げ、店内天井裏を経由して屋外へ排出するタイプです。天井高が3m以上ある古い建物や、焼き台を壁沿いに配置する設計で採用されます。排気経路が短く、ファン騒音を焼き場に近づけられる利点がある一方、煙突外装の熱影響と壁内蓄熱のリスク管理が必要です。

カウンターSKY型(カウンター下引き)

焼き台のすぐ手前・カウンター側から下向きに排煙を吸引する専用フードです。従来の天蓋型・煙突型に比べて排煙量が約1/3に抑えられ、店内滞留煙と近隣への臭気排出の両方が軽減できると案内されています。カウンター越しに焼き場が見える焼き鳥専門店で採用が増えています。

天蓋型

  • 適合規模:大箱・多焼き場
  • 初期費用:中〜高
  • 流用元:焼肉◎ 焼き鳥◎ 中華○
  • 店内煙滞留:中
  • 近隣臭気:中〜高

煙突型

  • 適合規模:中型・壁沿い焼き場
  • 初期費用:低〜中
  • 流用元:焼き鳥◎ 焼肉△
  • 店内煙滞留:低
  • 近隣臭気:中

カウンターSKY型

  • 適合規模:カウンター10〜15席
  • 初期費用:中〜高(専用機)
  • 流用元:同型のみ
  • 店内煙滞留:低
  • 近隣臭気:低

覚えておきたいポイント

カウンターSKY型は専用フードなので、天蓋型・煙突型の物件を見つけても流用できません。逆にSKY型の物件を見つけた場合、これを取り外して天蓋型に変えるよりは、店のコンセプトをSKY型に合わせる方が費用も抑えられます。物件の排気型を先に決めて、メニュー設計と客席レイアウトを合わせる発想も検討の価値があります。

排気フードの選定は煙滞留と近隣クレームの両方に直結します。炭火排気に対応した複数社の見積もりを比較することで、型の適合判断と費用の適正レンジを同時に把握できます。

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ダクト清掃履歴と油詰まりの現地チェック

居抜きの排気系で事故を起こしやすいのが、外観は使えそうに見えるのに内部が油脂で閉塞しているケースです。表面から見える箇所だけでなく、以下の順で確認します。

1グリスフィルター取り外して油脂付着の厚みと目詰まりを確認
2フード内面拭き取って褐色〜黒色の油脂が移るかテスト
3ダクト接続部点検口の有無と油だれ跡の確認
4屋外ファン羽根の油塊と異音・振動の確認
5排気口位置近隣窓との距離・高さ・風向きの確認
6清掃履歴前オーナーに年何回実施したかヒアリング
7専門業者点検契約前にダクト洗浄業者の事前見積もり取得

ダクト内部の油脂堆積は、排気能力の低下だけでなくダクト火災の直接原因にもなります。特に前テナントが焼き物系で、居抜きで譲渡される際に清掃が行われていないケースでは、営業開始前に一度は内部洗浄を入れておくべきです。ダクト洗浄の相場は、屋内5〜10m規模で8〜20万円、屋上までの立ち上げを含めると20〜40万円が目安です。

注意点

ダクトクリーニング業者の一部記事では、焼肉・焼き鳥店の吹出口網が油詰まりで排気能力が落ちていた事例が紹介されています。外観からは判断しにくいので、点検口が物件内に用意されているかの確認も忘れないでください。点検口がない場合は、ダクトを一部解体して確認することになり、費用が跳ね上がります。

焼き台の種類と電源・ガス・炭の要件

焼き台は業態の中核で、流用可否が初期投資に直結します。主な種類と居抜きでの扱いを整理します。

炭火専用の上焼き台

備長炭や雑炭を熾して、串を直接炭の上に並べる伝統型です。電気・ガス不要で炭のみで稼働し、火力は最強、焼き色・香りも最も評価されます。一方で着火に30〜60分を要し、火力調整は炭の配置と量で行うため経験が必要です。居抜き譲渡価格は中古で15〜40万円、新品で30〜80万円。

ガス+炭火併用型

下部ガスバーナーで予熱・火力補助を行いつつ、上部の炭で焼き色と香りを付けるハイブリッド型。開店準備時間の短縮と火力の安定性が利点で、チェーン系や多店舗展開の焼き鳥店で採用が多いタイプです。ガスは都市ガス・LPGともに対応モデルがあり、口径13A〜20Aで足りる機種が中心。居抜き譲渡で15〜35万円。

ガス焼き(赤外線)/電気焼き

炭を使わない焼き台で、赤外線セラミックや電気ヒーターで焼きます。煙・臭気が少なく、排気系の要求も低いため、住宅地立地や商業ビル内で採用されます。ただし「炭火焼き」の表記はできないため、商品コンセプトと整合させる対象となる場合があります。

焼き台タイプ別の月次ランニングコスト試算(1台あたり・1日6時間稼働25日)

炭火専用備長炭6〜15万円/月
ガス+炭火炭3〜7万+ガス1〜2万=4〜9万円
ガス焼きガス1.5〜3万円/月
電気焼き電気1.5〜3.5万円/月

電気容量の目安

焼き台自体は炭火なら電気不要ですが、冷蔵庫・製氷機・IH補助・換気ファン・空調を合わせると、10〜15坪の焼き鳥店で単相200V 30A+三相200V 20〜30A程度の容量が必要です。居抜き物件の分電盤と引込容量が足りているかは、契約前に電気工事店に図面と照らし合わせて確認してもらいます。

備長炭と雑炭の月次コスト試算

炭火焼き鳥の変動費の中で、最も重く、かつ見落とされやすいのが炭のコストです。前オーナーの帳簿を見せてもらっていても、炭の仕入れ先・銘柄・消費ペースが変わると月次10万円単位でブレます。

備長炭(馬目)

火持ち抜群、火力安定、爆跳少ない。kg単価1,200〜2,500円。専門店志向の焼き鳥屋で主力。1日6時間稼働で8〜15kg消費、月次25日で5〜12万円。

備長炭(細丸)

太めの備長炭の補助として着火・火熾しに使う。kg単価1,500〜2,800円。単独使用は少なく、馬目割と組み合わせて月次1〜3万円。

オガ炭

おがくずを成形した炭で、火持ち・火力とも備長炭より1ランク下。kg単価400〜900円。雑炭としてチェーン系・居酒屋型焼き鳥で採用。月次2〜5万円。

黒炭(ナラ・クヌギ等)

伝統的な広葉樹炭。火付きは良いが火持ちは短く、爆跳しやすい。kg単価300〜800円。補助的に使用、月次1〜2万円。

1日の炭消費量は、焼き台1台・串100本/日ペースで備長炭5〜10kgが目安とされます。火熾し用の消し炭・着火材を含めると、月次合計8〜18万円を見込んでおくと安全です。炭は湿気を吸うと火力が落ちて消費量が増えるため、乾燥した保管スペースの確保も初期設計の要素になります。

覚えておきたいポイント

備長炭は紀州・日向・土佐・中国産で品質と価格が大きく違います。居抜きで営業を継承する場合、前オーナーが使っていた銘柄と仕入れルートを引き継げるかを確認してください。銘柄を変えると火力と味が変わり、常連客の体感にも影響します。

カウンター寸法と焼き場の作業動線

焼き鳥カウンターは、焼き台を軸に作業動線を組み立てます。居抜きで引き継ぐ場合も、寸法が自分の体格・営業スタイルに合うかを現地で事前に確認を推奨します。

1焼き台前焼き手の立ち位置から焼き台中央まで450〜500mm
2串置き台焼き台手前に幅300〜400mmの作業台
3カウンター幅客側テーブル幅350〜450mm
4カウンター高床から900〜1,050mm(椅子高との連動)
5焼き台高焼き面が腰〜胸の高さ(床から900〜1,000mm)
6バック通路焼き手背後の通路幅700〜900mm
7客席間隔カウンター客1席あたり600〜650mm
8焼き場全長焼き台1台あたり1,200〜1,500mm幅が標準

居抜き物件で、前テナントが寿司屋・バーだった場合、カウンター寸法が近くても耐熱材が入っていないケースがあります。焼き台を設置すると、カウンター手前の木口・ステンレス板が熱変形することがあるため、焼き台回り600mm範囲は耐熱処理が施されているかを確認してください。

悪臭防止法と近隣クレームのリスク設計

焼き鳥業態は、排気経由の臭気が近隣クレームの原因になりやすい業種です。悪臭苦情の業種別統計では、焼肉・ホルモン、惣菜・弁当、ラーメンに次いで焼き鳥店が7.7%程度を占めると案内されており、都市部での出店ではリスク設計を欠かせません。

悪臭防止法の規制枠組み

悪臭防止法(昭和46年法律第91号)は、事業活動に伴って発生する悪臭の規制を定めた法律で、都道府県知事または市長が指定した規制地域内の事業場から排出される悪臭について、特定22物質の濃度規制または臭気指数による規制が適用されます。焼き鳥店も「その他の事業場」に含まれ、規制対象となります。

参考:環境省「悪臭防止法について」e-Gov法令検索「悪臭防止法」

受忍限度と慰謝料請求の可能性

弁護士ドットコム等で解説されているとおり、飲食店の煙・臭いによる不快感が受忍限度を超えると判断された場合、近隣住民から平穏生活権侵害を理由とする慰謝料請求・差止仮処分などが起こされる可能性があります。行政指導や営業時間短縮・排気設備改善命令(食品衛生法55条・56条等)のリスクも考慮して、開業前から対策を組み込んでおくべきです。

実務上の対策

  • 排気口は近隣住戸の窓・ベランダから水平距離6m以上・垂直方向2m以上離す
  • 排気方向は住宅地と反対側・風下側に向ける
  • 脱臭装置(水フィルター・アクアフィルター・電気集塵・光触媒)の導入を検討
  • 開業前に周辺住戸・テナントへ挨拶と連絡先を渡しておく(クレーム窓口の明確化)
  • 営業時間・排気ファンの稼働時間を深夜0時以降は段階的に絞る運用設計
  • グリスフィルター週1回洗浄・ダクト年1〜2回内部洗浄のメンテナンス契約
  • クレームが入った場合の初期対応フロー(即謝罪訪問・原因調査・改善計画書提出)を用意

覚えておきたいポイント

居抜きの物件で前テナントが既にクレーム対応を経験している場合、周辺住民が悪臭に対する心象を持っていることがあります。契約前に不動産会社・前オーナー・隣接テナントに対して、過去のクレーム有無と対応履歴を確認しておくと、開業後の対応を前倒しで設計できます。

排気・脱臭設備の選定は近隣リスクを下げる最重要ポイントです。悪臭対策まで視野に入れた複数社見積もりで比較すると、過剰投資と不足投資の両方を避けられます。

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深夜酒類提供飲食店営業届の10日前ルール

焼き鳥屋は酒類提供がメインになることが多く、深夜0時以降も営業する場合は、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)に基づく深夜における酒類提供飲食店営業の届出が必要になります。

届出が必要な条件

  • 深夜0時以降に酒類を提供する営業を行うこと
  • 酒類の提供が主たる営業形態であること(居酒屋・焼き鳥屋・バー等)
  • 店舗所在地を管轄する警察署の担当窓口を通じて公安委員会に提出

提出期限と必要書類

営業開始の10日前までに届出を行う対象となる場合があります。具体的な書類は、深夜における酒類提供飲食店営業開始届出書、営業の方法を記した書類、営業所の平面図・求積図、客室・調理場求積図、音響照明設備配置図、住民票(法人の場合は役員全員分)、定款・法人登記事項証明書(法人)、飲食店営業許可証の写し、店舗賃貸借契約書等が挙げられます。様式は警視庁ホームページからダウンロードできます。

参考:警視庁「性風俗関連特殊営業、深夜における酒類提供飲食店営業の届出」

居抜きで注意すべき点

居抜きで前テナントが既に深夜酒類届を出していたとしても、届出は営業者ごとに必要です。前オーナーの届出をそのまま引き継ぐことはできません。また、物件の用途地域が住居系の場合は深夜酒類届が受理されないため、契約前に用途地域と営業所の位置が規制地域に該当しないかの確認を入れてください(商業地域・近隣商業地域・準工業地域では原則可能、住居系用途地域では届出不可)。

覚えておきたいポイント

深夜酒類届の図面作成は、客席求積図・調理場求積図など求積計算が複雑で、不動産会社が持っている平面図では足りないことが多くあります。行政書士に依頼する場合の相場は10〜25万円、自力で行う場合は平面図の再測量を含めて工数30〜50時間程度を見込んでください。開業日から逆算して30〜45日前には準備着手します。

保健所の事前相談と飲食店営業許可

焼き鳥屋は食品衛生法上の飲食店営業に該当し、保健所への営業許可申請が必要です。居抜きで施設がそのまま使える場合でも、許可は営業者ごとに改めて取得します。

事前相談の2段階

保健所との相談は、物件契約前・内装工事前の2段階で行うのが定石です。

  • 物件契約前:用途地域・給排水・手洗い設備・床構造の条件を確認し、現状の施設で許可が下りそうかの初期判断
  • 内装工事前:図面を持参し、シンク数・手洗い位置・床材・排気系・グリストラップ・冷蔵庫容量の詳細を確認
  • 工事完了後:施設検査を受ける。不備があれば修正工事後に再検査
  • 許可書交付:通常、検査合格から1〜2週間で交付

参考:e-Gov法令検索「食品衛生法」

居抜きで許可が下りにくいケース

  • 手洗い設備が客席側・調理場側に分かれていない(二槽シンク+専用手洗いが必要)
  • 調理場と客席の間が完全に区画されていない(扉または仕切り壁が必要)
  • 床・壁の素材が清掃できる材質でない(タイル・樹脂・ステンレス等が標準)
  • 排気系が近隣との距離・高さ要件を満たしていない
  • 給湯設備がない、または温度管理ができない

覚えておきたいポイント

2021年6月の食品衛生法改正で、HACCPに沿った衛生管理の実施が全飲食店の義務となりました。居抜きで営業を引き継ぐ場合も、衛生管理計画書の作成と記録保管を新規営業者として行う対象となる場合があります。前オーナーの計画書はそのまま使えませんが、業態が同じなら雛形として参考にできます。

坪単価と初期投資レンジ(10〜20坪モデル)

焼き鳥居抜きの投資レンジを、物件の状態と内装グレード別に整理します。坪数は10〜20坪のカウンター中心の専門店を想定しています。

居抜き物件の内装工事費レンジ(坪単価)

ライト改修25〜35万円/坪
標準改修35〜45万円/坪
深い改修45〜55万円/坪
スケルトン並55〜80万円/坪

10坪の焼き鳥居抜きで、排気系が流用できる標準改修パターンなら350〜450万円、15坪で525〜675万円、20坪で700〜900万円が工事費の目安です。これに厨房機器追加・什器・サイン・保健所対応・設計費を加えると、初期投資の総額が概ね見えてきます。

10坪・居抜き標準改修

380万円

工事費+什器・機器追加

15坪・居抜き標準改修

600万円

工事費+什器・機器追加

20坪・居抜き深い改修

900万円

工事費+什器・機器追加

10坪・スケルトン標準

550万円

工事費+什器・機器

15坪・スケルトン標準

800万円

工事費+什器・機器

20坪・スケルトン高級

1,600万円

工事費+什器・機器

覚えておきたいポイント

上記レンジには、物件取得費(保証金・礼金・仲介手数料)、什器備品、初期運転資金(3〜6カ月分)は含まれていません。店舗全体の開業資金は、上表に加えて300〜800万円を別途準備するのが通常です。

同じ『居抜き標準改修』でも、排気系の扱い・造作譲渡範囲・施工会社の得意領域で最終見積りは200〜400万円レンジで動きます。複数社比較が費用の適正判断の近道です。

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焼き鳥屋居抜き 5次元シミュレーター|内装費・月商・営業利益・回収期間

業態・坪数・物件状態・物件タイプを選ぶだけで、入居時の内装工事費月商目安月額家賃月営業利益3年営業利益累計投資回収期間を一気に試算できます。係数は業界実態データ(IDEAL/USEN canaeru/テンポス/居抜き店舗ABC等の焼き鳥業界権威メディア集約)と三鬼商事2026年1月家賃統計をベースに、業態係数・物件状態係数・物件タイプ係数で補正しています。

🍢 焼き鳥屋居抜き 5次元シミュレーター(収益試算)





入居時 内装工事費

月商目安

月額家賃(目安)

月営業利益(家賃後)

投資回収期間(営業利益ベース)

3年営業利益累計(参考)

※ 月額家賃は都心5区平均22,000円/坪(三鬼商事2026年1月公式統計)を基準に物件タイプ係数で動的補正。営業利益は月商×業態別貢献利益率(25〜32%・原価35%/人件費25%/販管10-12%控除後)−家賃で算出。備長炭の月次コスト(5〜15万円)は販管費に含む。実際の収益は立地・運営力で±30%程度変動。

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2社以上の比較で適正価格と業者の良し悪しが見えてきます

居抜き造作譲渡相場マップ|焼き台・串打ち作業台・カウンター造作の中古市場

焼き鳥屋の居抜き交渉では、造作譲渡料の妥当性が大きな論点になります。譲渡側にとっては「資産の換金」と「廃棄費の削減」の二重便益、譲受側にとっては「初期投資の圧縮」と「リスクの引き受け」の二重影響があり、設備別の中古相場感を持って臨むことが交渉の起点になります。焼き鳥業態は炭火焼き台・串打ち作業台・特殊な排気フード等の特化型設備が中心で、譲渡対象としての交渉余地が大きい構造的特徴があります。

焼き鳥屋特有設備の新品・中古市場相場の目安

設備 新品参考価格 中古市場目安
業務用炭火焼き台(小型・1〜2人前) 30〜80万円 10〜30万円
業務用炭火焼き台(大型・複数人前) 80〜250万円 30〜100万円
業務用ガス焼き台(小型) 15〜50万円 5〜20万円
業務用ガス焼き台(大型) 50〜150万円 20〜60万円
業務用電気焼き台(赤外線・遠赤) 30〜100万円 10〜40万円
串打ち作業台(ステンレス・専用台) 10〜40万円 3〜15万円
備長炭保管庫(湿気管理付き) 10〜30万円 3〜12万円
業務用冷蔵庫(鶏肉低温保管) 40〜100万円 15〜40万円
業務用冷凍庫(仕入れストック) 30〜80万円 10〜30万円
排気フード+ダクト(炭火対応大型) 80〜300万円 撤去せず減価ベース算定
カウンター造作(焼き場目前型10〜15席) 50〜200万円 20〜80万円
カウンター造作(標準カウンター10席) 30〜100万円 10〜40万円
テイクアウト窓口造作・包装作業台 15〜60万円 5〜25万円
客席テーブル・椅子造作(20席分) 30〜120万円 10〜50万円

造作譲渡で重視される評価軸

  • 残耐用年数:炭火焼き台は10〜15年、ガス焼き台は8〜12年、電気焼き台は10〜15年、冷蔵庫は10〜15年が目安
  • 動作確認:契約前の試運転と保証範囲の合意。焼き台は炭の収まり・火力均一性、ガス焼き台は温度精度の検証必須
  • 炭の堆積・グリル網の状態:炭火焼き台は炭粉の蓄積・グリル網の摩耗が早く、状態次第で交換費5〜15万円が必要
  • 排気フードの内部状態:炭火業態は油煙+タール質の蓄積が早く、清掃前提の改修費を見込む必要
  • カウンター造作の状態:焼き場目前型カウンターは熱対策の経年劣化が見えやすい

炭火焼き台 vs ガス焼き台の譲渡判断

焼き鳥屋の焼き台は炭火・ガス・電気の3方式に大別され、業態と価格帯によって採用が分かれます。本格的な焼き鳥屋では備長炭による炭火焼きが標準で、新品の業務用炭火焼き台は30〜250万円、中古市場でも10〜100万円で取引される高価値資産です。一方、ガス焼き台は焼き場の操作が比較的容易で人材難業態に向き、初期投資も低めです。譲受時に同じ熱源方式を継承する場合は流用率が高いですが、炭火→ガスへの転換、あるいはその逆の場合は焼き台の入れ替えコストを譲渡価格交渉に織り込むことが現実的です。

串打ち作業台と備長炭保管庫の特殊性

焼き鳥屋特有の設備として、串打ち作業台と備長炭保管庫があります。串打ち作業台は自家串打ちを行う店舗で必須の設備で、ステンレス製の専用台(10〜40万円)に串・鶏肉・包丁の動線を集約します。自家串打ちは原価率を25〜30%まで圧縮できる重要な経営施策で、譲受時にこの作業台が残存していれば即時運営に入れる価値があります。備長炭保管庫は湿気管理付きの専用保管庫で、火付きの良い乾燥状態を維持します。前テナントが本格炭火焼き鳥屋だった物件では、これらの設備が良質に残存していることが多く、譲渡価格交渉の評価対象になります。

譲渡価格の交渉余地が大きい設備

  • 排気フード・ダクト:移転先で再利用しづらく、譲渡側にとって撤去費削減効果が大きい
  • カウンター造作(焼き場目前型):店舗コンセプトに合わなければ撤去対象
  • テイクアウト窓口造作:業態を継承する場合は高評価、しない場合は撤去対象
  • 大型業務用冷蔵庫・冷凍庫:搬出費用が高く、譲渡で双方便益

焼き鳥業態の居抜きは「炭火排気フード」が最大の価値

焼き鳥業態の最大の壁は、炭火による強い油煙と臭気を処理できる大型排気フード+ダクトの新設で、新規でゼロから揃えると工事込みで200〜500万円かかります。前テナントが焼き鳥屋だった居抜き物件は、この排気フードが既設のため、開業初期投資を大幅に圧縮できます。逆に、前テナントが焼き鳥屋以外だった物件で新たに焼き鳥屋を開業する場合、排気フードの新設費を必ず初期投資に織り込む必要があります。

造作譲渡契約書で明文化すべき項目

  • 譲渡対象設備の個別リスト(型番・購入年・状態)
  • 譲渡価格の内訳(焼き台・串打ち作業台・カウンター造作・客席造作の分離)
  • 引渡し時の動作保証範囲と期間(特に焼き台のガス・電気機器の安全性)
  • 譲渡後のトラブル時の修理費負担区分
  • 譲渡対象外の設備(撤去責任の所在)
  • 残置物の所有権移転日
  • 消費税の取扱い

物件タイプ別注意点マトリクス|駅前路面/ロードサイド/商業施設/雑居2階/地下

焼き鳥屋の居抜き物件は炭火対応の排気経路悪臭防止法対応が物件選定の最重要軸です。高級焼き鳥は雑居ビル2階・地下の隠れ家系、大衆・居酒屋は駅前路面店、チェーン系はロードサイドと、業態ごとに最適立地が異なります。物件タイプを正しく見極めることで、開業後3年の収益を1.5〜2倍変動させられます。

7物件タイプ × 内装費補正 × 家賃補正 × 推奨業態マトリクス

物件タイプ 内装費補正 家賃補正 主なメリット 主な注意点 推奨業態
駅前路面店
(都心繁華街)
+5% +60% 視認性最強・夜営業集客・SNS拡散 家賃高・看板規制・近隣苦情リスク 高級/テイクアウト
駅前路面店
(商業地)
±0% +20% 主要動線・帰宅客取込・接待 競合多 大衆/焼き鳥居酒屋
駅前路面店
(住宅地)
±0% -20% 常連型・家賃低・家族客取込 SNS拡散弱 大衆/テイクアウト
ロードサイド
(駐車場有)
+5% -10% 駐車場で広域集客・家族客 大型ダクト工事費 チェーン系(鳥貴族モデル)
商業施設テナント
(モール/駅ビル)
+10% +40% 集客力安定・運営インフラ 炭火可否要確認・営業時間制約 チェーン系(炭火対応物件のみ)
雑居ビル2階以上
(隠れ家系)
-5% -10% 賃料低・隠れ家感・接待向き 視認性低・サイン制約 高級焼き鳥/串焼き専門
地下店舗
(排煙超高難度)
+15% -10% 防音・大人向け・隠れ家 排煙ダクト工事最高難度・湿気 高級焼き鳥/焼き鳥居酒屋

焼き鳥物件選定の最重要論点「炭火排気経路」

焼き鳥屋の居抜き・スケルトン物件選定で最も重要なのが炭火排気ダクトの屋上アクセス経路です。焼き台の上方に設置される排気フードから、油脂・煙・炭火の熱気を屋上へ排出する必要があり、この経路が確保できない物件は、いくら家賃が安くても焼き鳥屋としての営業は困難です。雑居ビル2階以上では既存のシャフトの有無、地下店舗では建物外部への独立配管経路が必要で、これらが確保できない場合は数百万円のダクト追加工事が発生します。

高級焼き鳥は「雑居ビル2階・地下」の隠れ家系が最適立地

高級焼き鳥業態は、客単価8,000-15,000円の高額帯で接待・記念日・常連の予約客が中心のため、駅前繁華街路面店ではなく、雑居ビル2階以上や地下店舗の隠れ家系が成功率が高い物件タイプです。家賃を路面店の60-85%に抑えられれば、家賃比率10%以下の健全経営が可能。10-25坪のコンパクトなカウンター8-12席の構成が標準で、職人技を見せるカウンター動線、和の意匠、静かな環境(防音)が重要な物件要件です。

大衆焼き鳥は「駅前商業地・住宅地」の路面店

大衆焼き鳥業態は駅前商業地・住宅地ロードサイドの路面店が最適立地です。客単価2,500-4,500円のカジュアル価格帯で、サラリーマン・常連客のリピート構造を組みやすい立地。12-30坪のテーブル+カウンター混在配置で、夕方〜深夜の営業時間帯にピーク売上を作ります。家賃比率8〜10%、月商200-400万円が標準的な収益構造です。

チェーン系(鳥貴族モデル)はロードサイドの大型店

チェーン系焼き鳥業態は20-40坪の中〜大規模物件×駐車場確保が必須です。客単価1,500-2,500円×回転率2.5-4.0回×60-100席で、家族客・若年層を取り込む高回転型業態。ロードサイド・商業施設テナントが居抜き候補として相性良いです。内装費は大型ダクト・電気容量・配膳動線で+5〜10%の補正が必要。FC本部のノウハウ活用と規模の経済で原価率を抑制します。

商業施設テナント・地下店舗の炭火対応

商業施設テナント(モール内・駅ビル)は、本部審査で炭火使用がNGの場合ありのため、契約前に必ず確認します。OKの場合でも本部指定業者制度により坪単価は外注より10〜30%高くなるのが一般的です。地下店舗は建物外部への独立排気経路が必須で、これが確保できない物件は焼き鳥屋として営業できません。一方で、地下店舗の家賃が安く(路面店の60-90%)、防音性が高い特性は、高級焼き鳥業態と相性が良いです。

6業態のビジネスモデル比較|高級・大衆・焼き鳥居酒屋・テイクアウト・チェーン・串焼き専門の収益構造

焼き鳥業態は客単価1,500〜15,000円の10倍幅と業態モデルの幅が極めて広い特徴があります。高級焼き鳥(おまかせ)の接待・記念日需要から、チェーン系(鳥貴族モデル)の高回転・ファミリー需要まで、業態によって最適立地・客層・厨房設計が全く異なります。どの業態モデルを選ぶかで居抜き物件選定の評価軸も大きく変わるため、コンセプト設計と物件適合性を契約前に一致させることが、開業後3年の収益を左右します。

6業態の収益構造比較

項目 高級焼き鳥 大衆焼き鳥 焼き鳥居酒屋 テイクアウト型 チェーン系 串焼き専門
客単価レンジ 8,000〜15,000円 2,500〜4,500円 3,500〜5,500円 1,500〜3,000円 1,500〜2,500円 3,000〜5,000円
回転率/日 0.8〜1.5回 1.5〜2.5回 1.5〜2.5回 3〜5回(配達主体) 2.5〜4回 1.5〜2.5回
営業利益率(家賃前) 30% 28% 30% 32% 25% 30%
必要坪数の目安 10〜25坪 12〜30坪 15〜30坪 5〜12坪 20〜40坪 10〜25坪
客席タイプ カウンター中心 テーブル+カウンター テーブル+カウンター 客席最小 テーブル+ボックス席 カウンター中心
主要客層 接待・記念日・40〜60代 サラリーマン・常連 20〜40代・カジュアル 家庭・帰宅前需要 ファミリー・若年層 30〜50代・大人客
営業時間帯 夕方〜23時 夕方〜深夜 夕方〜深夜 夕方〜夜 夕方〜23時 夕方〜深夜
初期投資の目安 1,500〜3,000万円 800〜1,800万円 1,000〜2,000万円 500〜1,200万円 1,500〜3,000万円 800〜1,800万円
主要差別化軸 地鶏・職人技・接客 立地・常連獲得・コスパ 夜営業・酒類・カジュアル 立地・配達品質 規模・FCノウハウ・均一料金 もつ焼き等専門・カウンター

高級焼き鳥(おまかせ)に向く居抜き物件

  • 10〜25坪の小〜中規模物件、カウンター8〜12席の配置が可能
  • 雑居ビル2階以上・地下店舗の隠れ家系、駅前商業地の上層階
  • 前テナントが高級焼き鳥・割烹・小料理屋だった物件
  • 銘柄地鶏(比内地鶏・名古屋コーチン等)の冷蔵庫充実
  • 静かな環境(防音・隠れ家性)、上質な内装、和の意匠
  • カウンター高さ・奥行きの最適化(職人と客の距離設計)

大衆焼き鳥(街中)に向く居抜き物件

  • 12〜30坪の中規模物件、テーブル+カウンター混在配置
  • 駅前商業地・住宅地ロードサイド、サラリーマン動線
  • 前テナントが焼き鳥屋・居酒屋・大衆酒場だった物件
  • 強力な炭火排気フード・ダクト、常連向けの落ち着いた内装
  • テーブル席での宴会・歓送迎会対応、座敷の有無

焼き鳥居酒屋に向く居抜き物件

  • 15〜30坪の中規模物件、テーブル+カウンター+バックバー
  • 都心繁華街・駅前商業地・雑居ビル1〜2階
  • 前テナントが居酒屋・焼き鳥屋・バルだった物件
  • 夜営業対応の照明設計、20〜40代向けカジュアルな内装
  • 酒類保管庫(ハイボール・サワー・日本酒等)、立ち飲みカウンター

テイクアウト型に向く居抜き物件

  • 5〜12坪の小規模物件、受渡しカウンター中心の配置
  • 駅前繁華街・商業地・住宅地、サラリーマン帰宅動線
  • 前テナントが弁当店・焼き鳥テイクアウト店だった物件
  • 焼き台+包装ライン+配達バイク駐車場の確保
  • 初期投資500-1,200万円で開業可能(他業態の半額程度)

テイクアウト型は「夕方〜夜の通勤動線」が成否を分ける

テイクアウト型焼き鳥は、夕方17-20時の帰宅サラリーマン・OL需要が売上の60-70%を占めます。駅出口から徒歩2-3分圏内、駅から自宅への通勤動線上の物件が理想。客単価1,500-3,000円×配達3.5-5回相当で坪あたり月商25-30万円を狙えます。客席を最小化することで賃料・人件費を抑え、回収期間6-12ヶ月の短期回収業態として注目されています。

チェーン系(鳥貴族モデル)に向く居抜き物件

  • 20〜40坪の中〜大規模物件、テーブル+ボックス席で60-100席
  • ロードサイド(駐車場20台以上)、商業施設テナント、駅前繁華街
  • 前テナントがチェーン外食・ファミレスだった物件
  • 大型ダクト・焼き台複数台・配膳動線の効率設計
  • FC本部のノウハウ活用、均一料金で価格訴求

串焼き専門系(もつ焼き等)に向く居抜き物件

  • 10〜25坪の小〜中規模物件、カウンター中心の配置
  • 駅前商業地・路地裏・横丁、大人向け立地
  • 前テナントが焼き鳥屋・もつ焼き屋・カウンター業態だった物件
  • もつ・つくね・豚串等の特化食材冷蔵庫、専門食材の仕入れルート
  • 30〜50代男性客中心、酒類客単価UPで収益安定

業態モデル別の収益最大化のポイント

  • 高級焼き鳥:常連リピート率・職人技・銘柄地鶏差別化・予約制
  • 大衆焼き鳥:宴会需要・忘年会/歓送迎会・サラリーマン常連獲得
  • 焼き鳥居酒屋:夜営業比率60%超・酒類客単価UP・カジュアル演出
  • テイクアウト型:通勤動線・帰宅前需要・配達範囲最適化
  • チェーン系:FC本部ノウハウ・規模の経済・均一料金訴求
  • 串焼き専門:もつ焼き等の特化食材・大人客常連獲得・夜営業

焼き鳥屋 居抜き開業の関連ガイド

焼き鳥屋の居抜き開業を進めるうえで、本記事と併せて参照しておきたい関連ガイドを以下にまとめます。

関連する深掘りガイド

契約前チェックリスト15項目

焼き鳥居抜き物件を見る際、契約前に確認しておきたい項目を15個まとめます。現地内見の当日に持ち込んで、一つずつ潰してください。

  • 前テナント業種と閉店日(閉店後3カ月以上空いている物件は排気系の油脂固着に注意)
  • 排気フードの型(天蓋型/煙突型/カウンターSKY型)と製造年
  • ダクト経路と屋上立ち上げの有無、点検口の位置
  • 屋外ファンの設置場所と音量、防音ボックスの有無
  • 排気口と近隣住戸・窓・ベランダまでの距離と高さの実測
  • 過去のダクト清掃頻度と最終実施日(前オーナーにヒアリング)
  • 用途地域(住居系は深夜酒類届不可、臭気クレームリスクも高い)
  • 電気容量(単相200V・三相200V・アンペア数)
  • ガス種(都市ガス・LPG)とメーター口径、配管到達口
  • 給排水口の位置と管口径、グリストラップの有無と清掃履歴
  • カウンター寸法・焼き場の位置・耐熱材の有無
  • 空調機の設置年と稼働状態、フィルターの汚れ具合
  • 近隣クレームの過去履歴(不動産会社・前オーナー・隣接テナントに確認)
  • 造作譲渡品のリスト(焼き台・冷蔵庫・製氷機・カウンター)と状態
  • 原状回復条件(退去時にスケルトンに戻す必要があるか)

覚えておきたいポイント

このリストで1〜2項目不明・未確認のまま契約を進めると、開業後に追加工事で100〜300万円の出費が発生するケースがあります。内見1回では全て確認しきれないので、排気系に強い施工会社に同行してもらう2回目の内見を組み込むのが推奨です。

よくある失敗7パターンと回避策

パターン1:立地優先でカフェ居抜きを選び、排気系を全交換

カフェ・雑貨店の居抜きは坪単価が安く見えますが、焼き鳥屋には排気能力が全く足りず、フード・ダクト・屋外ファンの全交換で300〜600万円の追加工事となります。結果、スケルトンから造るより高くつくことが多い。

パターン2:ダクト内部の油脂堆積を見落として営業開始

焼き鳥・焼肉の居抜きで、前オーナーがダクト清掃を長期間怠っていた物件を引き継ぎ、営業開始1〜2カ月でダクト火災警報・排気能力低下が発生。営業停止して緊急洗浄(30〜50万円)となる事例。

パターン3:近隣クレームで深夜営業の時短を余儀なくされる

排気口の位置が近隣住戸の窓に近く、開業後1〜3カ月で臭気クレームが複数件発生。行政指導や民事調停で、23時以降の排気ファン稼働停止=深夜営業の実質停止に追い込まれる。

パターン4:深夜酒類届の提出漏れで罰則対象に

居抜きで営業を引き継いだ際、前オーナーの届出で足りると誤認し、自分の名義で届出を出さないまま深夜営業を継続。警察の一斉立入で風営法違反として指導・行政処分の対象とを受けるケース。

パターン5:保健所の施設基準不適合で開業延期

手洗い設備の位置・床材・区画が基準を満たさず、施設検査で不合格。追加工事と再検査で開業が2〜4週間遅れ、カラ家賃が積み上がる。

パターン6:焼き台・備長炭の仕入れルートを引き継がず売上低下

居抜きで造作を受けたものの、前オーナーの炭の仕入れ先や焼き台のメンテナンス業者との関係を引き継がず、常連客の「味が変わった」という評価で客足が落ちる。

パターン7:電気容量不足で焼き台と冷蔵庫の同時稼働ができない

前テナントが焼き鳥以外で電気容量が少ない物件。稼働時間帯に冷蔵庫・製氷機・空調・換気が同時に回ると分電盤が落ちる。幹線引込工事の追加で50〜200万円の追加投資となる。

覚えておきたいポイント

これら7パターンの共通点は、契約前の現地チェックと専門会社の助言を省略したことにあります。排気系・電気系・法令手続の3領域だけでも、内見時に専門会社へ相談しておくと、後のトラブルの8割は回避できます。

焼き鳥居抜きは排気・電気・近隣合意の3点突破が成否を決めます。複数の施工会社に同じ条件で見積もり依頼し、各社の提案を横並びで比較することで、抜け漏れの少ない計画を組めます。

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よくある質問

Q居抜きとスケルトン、どちらがトータルで安く済みますか?

A前テナントが焼き鳥・焼肉系で、排気フードとダクトが流用可能な物件に当たれば、居抜きの方が300〜500万円安くなります。逆にカフェ・物販・事務所居抜きは排気系の全交換でスケルトンと同等以上になるため、業態のマッチが最大の判断基準です。

Q炭火の焼き台は何年使えますか?

A上焼き台は炉内の耐火煉瓦・天板の消耗で7〜15年が更新目安です。居抜きで10年超の焼き台を譲渡される場合、数年以内の更新を予算化しておいてください。ガス+炭火併用型は、バーナー部分が先に劣化するため5〜10年が目安となります。

Q備長炭の仕入れコストはどのくらい見込めば良いですか?

A焼き台1台・1日6時間稼働・25日営業で、備長炭主体なら月5〜12万円、オガ炭との併用で月3〜7万円が目安です。炭種・銘柄・産地で価格幅が大きいため、開業前に2〜3社から見積もりを取って比較してください。

Q深夜酒類届はどうしても出す対象ですか?

A深夜0時以降に酒類を主として提供する営業形態なら届出が法律上求められます。0時で閉店する営業なら不要です。23時半ラストオーダー・24時閉店の運用なら届出なしで営業可能ですが、実営業が24時を超える場合は届出が必要となります。

Q悪臭クレームを防ぐ一番効果的な方法は何ですか?

A排気口の位置と高さを、近隣住戸の窓より水平6m以上・垂直2m以上離して設置することが最も効果的です。次に脱臭装置(電気集塵・水フィルター)の導入、そしてグリスフィルターの週次洗浄とダクトの年次洗浄というメンテナンス契約が三大対策となります。

Q小さな10坪カウンターで開業する場合の総資金は?

A居抜き標準改修で工事費350〜450万円、什器・機器追加50〜100万円、物件取得費300〜500万円、初期運転資金200〜300万円で、合計900〜1,350万円が目安です。炭・食材の最初の仕入れと数カ月の赤字想定を含めると、1,000〜1,500万円の準備が安心です。

Q居抜き物件の情報はどこで探せば良いですか?

A居抜き専門の物件サイトと、飲食店向けの事業用不動産サイトの両方をチェックするのが基本です。焼き鳥・焼肉系の物件は公開前に関係者経由で決まることも多いため、複数の不動産会社・施工会社・フランチャイズ本部に並行して声をかけておくと情報が入りやすくなります。

Q開業までの期間はどのくらい見れば良いですか?

A物件決定から開業まで、居抜き標準改修で2〜3カ月、スケルトン新装で3〜5カ月が標準です。深夜酒類届・飲食店営業許可・ガス・電気引込のリードタイムがボトルネックになりやすいので、契約と同時に行政手続の準備を始めることが重要です。

Q前オーナーの常連客はそのまま引き継げますか?

A居抜きで外観・内装・屋号を引き継いでも、味・接客・メニュー構成が変わると常連客の継続率は3〜6カ月で3〜5割に低下するとされます。焼き台・炭・仕入れ先・主力メニューのレシピを前オーナーから引き継げる場合は、継続率が高くなります。

Q一人経営の焼き鳥屋に居抜きは向いていますか?

Aカウンター8〜12席の小規模店なら、居抜きは向いています。ただし一人で焼き場・仕込み・会計・清掃を回す場合は、焼き台の位置・冷蔵庫までの距離・ドリンクカウンターの配置を自分の動作に合わせて調整が求められる場合があります。前オーナーのレイアウトが自分に合わない場合、部分改修の予算を別途計上してください。

Qグリストラップは焼き鳥屋でも必要ですか?

A焼き鳥屋は揚げ物が少ないため、居酒屋・中華のような大型グリストラップは不要なケースが多い一方、自治体条例で設置義務がある地域もあります。保健所の事前相談で、店舗所在地の基準を確認してください。小型のオイルトラップでも足りる場合があります。

最終確認のお願い

上記は2026年4月時点の一般情報としてまとめたものです。法令・条例は随時改正され、解釈や運用も自治体ごとに差があります。物件固有の条件によって結論が変わるため、実際の契約・開業判断の前に、所轄自治体の窓口および弁護士・行政書士・建築士・消防設備士等の専門家にご相談いただき、書面で確認を取ることを強く推奨します。

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