店舗内装を
業種・地域・工事のご希望を伺い、1社ずつ対応を確認してご紹介します。
成約時の成果報酬のみで、登録料・月額費は0円。得意業種・エリアをもとに、元請け案件の概要をメールでご案内します(受注義務なし)。1件あたりの紹介社数は中央値3社です(2026年5月18日〜9月15日のご相談のうち、紹介まで進んだ55件)。
※登録は無料/成約時のみ報酬発生(率・条件は登録案内で確認)/審査あり
「問い合わせは来るのに、見積を出しても決まらない」「相見積もりで毎回負ける」「見積を送ったあと連絡が途絶える」。内装業の受注率は、営業の才能だけで決まる数字ではありません。問い合わせから契約までの手順を見直すことで、自社で変えられる部分がある数字です。この記事では、内装会社・施工会社が、いま届いている商談の受注率を上げるための実務を、測り方から失注理由の記録まで順に整理します。見積提出後の連絡の文例、発注者に渡す「見積の比べ方シート」、受注率と失注理由の記録シート(CSV)も用意しました。
この記事の結論
- 受注率は、分母を決めてから比べます。店舗内装では「現地調査まで進んだ案件」を分母にし、問い合わせから現調までは別の指標(現調化率)で追うと、集客の問題と商談の問題を分けて改善できます。
- 店舗内装は、比べられる前提で動く仕事です。先に現地に入り、見積を比べる物差しを先に渡すと、その物差しで比べてもらいやすくなります。
- 値引きより、範囲・仕様・工程・支払い条件の調整で応えます。見積提出後の連絡は、物件の審査や資金の手当て、ビル側の回答、見積の有効期限といった発注者の予定に合わせて、次の連絡日を先に決めます。失注は理由を6分類で記録し、翌月の打ち手に変えます。
目次
受注率の測り方:分母を決めて、毎月同じ物差しで見る
「うちの受注率は何%」という数字は、何を分母にしているかで意味が変わります。同じ月に、問い合わせ10件→現地調査6件→見積提出5件→契約2件(仮の数)なら、問い合わせ分母で20%、現調分母で33%、見積提出分母で40%です。受注率の解説や調査でも、商談件数を分母にするものと見積提出件数を分母にするものがあり、他社や記事の数字と自社の数字を並べても比べられません。
おすすめの分母:現地調査まで進んだ案件
問い合わせ分母は、予算が合わない・情報収集だけ・エリア外といった案件が混ざり、集客の問題と商談の問題が混ざります。見積提出分母は「現調したが見積を出さずに見送った」判断が数字から消えます。現調分母なら、本気の商談に対する勝率が測れます。
運用ルールは3つ
①分母の定義を社内で1つに固定し、毎月同じ物差しで比べる。②問い合わせから現調までは「現調化率」という別の指標で追う(一次対応と案件の相性の指標)。③現調のあとに自社から見送った案件も分母に残す。見送りが多いなら、合わない案件を追っているサインかもしれません。
目標から必要な問い合わせ数を逆算する
受注率は、単体で眺めるより、売上目標から逆算した「必要な商談量」に翻訳すると打ち手が決まります。4つの数字を入れてください(受注率は現調ベース)。計算はブラウザの中だけで行い、入力した数字を送信するボタンや仕組みはありません。
必要な商談量の逆算(自社の数字を入れてください)
数字を入れると、ここに結果が出ます。
※件数は切り上げです。受注率が5ポイント上がった場合の必要件数もあわせて表示します。単価が目標月商を上回る場合は受注1件で達成です。
店舗内装は「比べられる前提」で動く
店舗の発注者は、複数の会社に相談して比べることがよくあります。初めて店舗を持つ発注者は、見積のどこを見比べればよいかの物差しを持っていないこともあります。先に現地に入り、「見積で見るべき点」を先に渡すと、その物差しで以後の見積が比べられることがあります。
案件の規模にかかわらず、まず返信の速さと見積の分かりやすさを整えます。小さな案件で利益を残す考え方は内装工事の小規模案件で利益を出す方法にまとめています。
相見積もりを取る発注者の心理は「安く買いたい」だけではありません。信頼できる会社を知らず、選ぶこと自体が不安、という発注者もいます。返信の速さ、質問への答え方、見積書の分かりやすさは、その不安に答えているかどうかという目でも見られます。
受ける案件を先に選ぶ:予算・時期・決裁者・比較状況
受注率を上げる最初の手は、勝てない商談に時間を使わないことです。初回の連絡で、次の4点を確かめます。
- 予算:おおよその上限と、その中に含めたいもの(設備・什器・看板を含むか)。予算が決まっていない場合は、決め方を一緒に考える相談から始めます。
- 時期:開業や改装の希望日と、物件の引渡し日。物件が決まる前の場合は、時期が動く前提で進めます。
- 決裁者:最終的に決める人(本人、共同経営者、本部、家族)と、その人が商談に同席できるか。
- 比較状況:他に相談している会社の有無と社数、比べる観点(価格か、実績か、工期か)。率直に聞いてかまいません。答えにくそうなら、比べたい観点だけを聞きます。
4点のうち、予算と時期が自社の条件に合わない案件は、早い段階で見送るか、条件を伝えたうえで提案するかを決めます。受けるかどうかの下限(1件あたりに必要な粗利額)の決め方は内装会社が単価と粗利を上げる方法にまとめています。小さな案件ほど、打合せ・現調・見積の手間に見合う下限を先に決めておくと、受注率と利益の両方を見ながら受けるかどうかを判断できます。
初動48時間:返信、日程、現地調査、要点の書面
初動は、費用をかけずにすぐ変えられる部分です。返信が遅れると、その間に他社との話が先に進むことがあります。
- 受付の一次返信(できるだけ早く、当日中):担当者名、いつまでに改めて連絡するか、確認したい点を1〜2つ。夜間・休日は自動返信でも構いませんが、翌営業日の連絡を必ず入れます。
- 担当者からの個別連絡(翌営業日まで):現地調査の候補日を3つ以上出し、所在地・広さ・希望時期・予算感・決裁者・比較状況を短く聞き取ります。長電話にしません。
- 現地調査(できるだけ早い日程で):他社より先に現地に入れれば、比べる基準(下の3点)を先に示せます。施工事例、会社案内、費用の考え方が分かる資料を持参します。
- 要点の書面(現調の当日か翌日):現地で伺った要点と、費用が動く条件(B工事の範囲、既存設備、別途工事)を書面で送ります。正式な見積が数日後になっても、この1枚があれば発注者の検討が止まりにくくなります。
48時間以内に動けないときは、いつ動けるかを最初に正直に伝えます。黙って遅れるより、信頼を損ねにくくなります。初動で渡す「比較の物差し」は、まず3つです。仮設・養生が計上されているか、下地の想定(既存を活かすか、やり直すか)、別途工事の範囲(B工事・看板・厨房機器・什器)です。見積を出すときは、項目を増やした見積の比べ方シートを添えます。
現地調査で聞くこと
現地調査を「採寸の場」にすると、見積が一般論になりがちです。発注者の判断軸を引き出す場にします。
- 開業日・引渡し日と、逆算した着工の希望
- 予算の上限と、含めたいもの・含めなくてよいもの
- 譲れない条件(席数、動線、個室性、音、ブランドイメージ)と、妥協できる条件
- ビル側の工事区分(B工事の範囲)、指定業者の有無、管理規約(工事時間・搬入経路)
- 既存設備(空調・給排水・電気容量)の再利用の可否と、動作確認の範囲
- 他社に相談しているか、その会社はどこまで提案したか、何を比べたいか
- 決裁者と、決める時期
- 施主支給の予定(照明・什器・厨房機器)
寸法・設備容量・物件種別ごとの確認項目は店舗内装の現場調査(現調)ガイドにまとめています。
見積書は「読み手の物差し」で作る
相見積もりで負ける理由は、金額だけとは限りません。比べにくい見積書は、それだけで不利になりえます。発注者が読んで、含まれるもの・含まれないもの・変わる条件が分かる見積書にします。
- 「一式」を減らし、数量と単位で書く。一式を使う行には、含むものを備考に書きます。
- 含まない工事を書く:B工事、看板、厨房機器、什器、施主支給品の取付け、解体後に判明する下地補修など。
- 有効期限と、期限を過ぎたときの扱いを書きます。建設業法・施行令・施行規則には見積書の有効期限の定めがないので、日数は資材価格の動きと発注者の検討期間を見て自社で決め、期限を過ぎたら出し直すことを書き添えます。天災その他不可抗力による主要な資機材の供給の不足・遅延や価格の高騰、または特定の工事の種類での労務の供給の不足や価格の高騰(建設業法施行規則第13条の16第2項)が起きるおそれがあると認めるときは、建設業者は契約を結ぶまでに、その旨を状況の把握に必要な情報とあわせて注文者に通知しなければならないとされています(建設業法第20条の2第2項。見積書を作るときは、その書面を見積書に添えて交付します。施行規則第13条の17第2項)。書き方は見積書の書き方の「有効期限」の章にまとめています。
- 支払い条件(着手金・中間金・完成時)と、追加・変更が出たときの進め方(書面で合意してから着手)を書きます。
- 専門用語には短い補足を付けます(例:LGS下地=軽量鉄骨の壁・天井の骨組み)。
- 適格請求書発行事業者なら登録番号を記載しておくと、契約後の請求までの確認が減ります。
詳細な見積に時間がかかるときは、先に「概算の幅」を当日〜翌日に伝え、正式見積を数日後に出す2段階にします。遅れるときは、期限が来る前に連絡します。
発注者に渡す「見積の比べ方シート」
発注者が複数の見積を並べたとき、同じ項目でそろえて比べられるように、確認する項目の一覧を見積書に添えます。当社の見積のどこに書いてあるか(ページと行)を添えると、読み手の手間が減ります。他社を悪く言う資料にはせず、どの会社の見積にも同じ物差しを当てる資料にします。
コピーすると、見出しと13項目が1行ずつの文章になります。CSVには、項目ごとに「当社(ページ・行)」「A社」「B社」「メモ」の記入欄が入っています。Excelなどで開いて印刷できます。
⑧と⑨(工程ごとの日数)は、建設業法で、建設業者は見積書に工事の種別ごとの材料費・労務費と、法定福利費・安全衛生経費・建設業退職金共済の掛金(施行規則第13条の12)などの内訳、工程ごとの作業と準備に必要な日数を記載するよう努めることとされている点にもとづく項目です(第20条第1項)。見積書そのものの記入例は内装工事の見積書のひな形(記入例)にあります。
項目の組み立て方、労務費の内訳、改正建設業法(令和6年法律第49号)で見積書に求められることは内装工事の見積書の書き方で詳しく扱っています。
提案書と見積プレゼン
見積書(金額の内訳)とは別に、A4で数ページの提案書を用意すると、プレゼンの場で金額だけが議論になる展開を避けやすくなります。作る時間がなければ、Step1〜2だけをA4 1枚で見積書に添えるところから始めます。
- 発注者の理解を示す要約:「実現したい店づくりの要点を、当社はこう理解しています」を数行で。現調のヒアリングを再構成します。
- 課題と優先順位:解決したい課題を3〜5点に絞り、優先順位を付けます。後で仕様を削るときの議論が楽になります。
- プランの提示(できれば3パターン):予算優先、おすすめ、デザイン優先などを、費用・工期・期待できる効果で対比します。選ぶ側に回ってもらうためです。
- 近い業態の事例:写真・坪数・工期・費用の幅。着工前・施工中・完成の3点セットで足ります。
- 契約までの進め方と窓口:契約→発注→着工→中間確認→引渡し→引渡し後の点検までの流れと、担当者の連絡先・対応時間。
プレゼンで押さえる4つのこと
- 冒頭で、発注者が話した内容を自分の言葉で繰り返す(「こう理解しました」「優先順位はこの順と伺いました」)。
- 3パターンを、費用・工期・効果の3軸の表で見せ、1択を押しつけない。
- うまくいった事例だけでなく、当初の課題をどう解決したかが分かる事例を1つ混ぜる。工期や追加費用のリスクは先に開示する。
- その場で契約を迫らず、次に連絡する日時だけをその場で決める。
提案書の構成と見せ方は店舗内装の提案書・プレゼン資料の書き方に、コピーして使える提案書のひな形(記入例)とあわせてまとめています。対面が難しいときは、見積書を画面で示しながら要点を説明する短い動画を添える方法もあります。
価格提示のタイミングと値引きへの対応
価格は、概算の幅(現調の当日〜翌日)→正式見積(数日後)→仕様確定後の最終金額、の3段階で示します。現地で確定額を口頭で言うと、後の調整がしにくくなります。
「もう少し安くならないか」
金額だけを下げず、「範囲・仕様・工程・支払い条件のどれを変えるといくら下がるか」で返します。同じ内容で金額だけ下げると、最初の見積への不信につながったり、追加工事の交渉で不利になったりすることがあります。
「他社は〇〇万円だった」
金額で勝負せず、他社の内訳を見せてもらい、範囲・仕様・数量・別途工事をそろえて比べます。差が、仕様・数量・範囲の違いから来ていることもあります。見積の比べ方シートの項目でそろえると、話が早くなります。そろえたうえで同じ仕様なら、工期の確実性、施工体制、保証、追加工事の進め方で違いを示します。
工期の確かさも比べてもらう
開業が遅れると、賃料の発生日から開業日までの家賃や人件費など、売上のないまま出ていく費用が増えます。発注者に、開業が1日遅れると何が起きるか(賃料、スタッフの人件費、開業の告知のやり直しなど)を見積もってもらい、工程表の確かさと並べて比べてもらいます。工程表には前提(物件の引渡し日、ビル側の承認、設備・資材の納期など)を書き、開業日を約束する書き方は避けます。改装なら、休業する日数も比べる項目です。
値引きを求められたときの手順、受けるかどうかの下限の決め方、改正建設業法で見積書と契約に求められること(通常必要と認められる材料費・労務費等の額を著しく下回る見積もりの禁止など)は内装会社が単価と粗利を上げる方法で詳しく扱っています。
見積提出後の追客:予定と文例
見積書を送って発注者の連絡を待つだけでは、受注の主導権を相手に預けることになります。連絡の予定を先に決め、売り込みにならない短い連絡を重ねます。
発注者の予定に合わせて、次の連絡日を決める
店舗内装の発注者は、見積のほかにも決めることを抱えています。物件の審査や資金の手当ての結果が出る前に連絡を重ねても、発注者は答えにくいことがあります。見積を送るときに発注者の予定を聞き、次の連絡日をその予定に合わせて決めます。
表は横にスクロールできます。
予定が見えないときの目安
発注者の予定がまだ分からないときは、次の日数を目安にします。
追客の文例(メールは件名つき)
どの文例も、次の連絡日か、発注者が答えやすい問いを1つ入れて終えます。〇〇の部分は案件に合わせて書き換えてください。
決められない理由を、予算、仕様、社内や家族の了承、他社との比較の4つに分けて聞くと、足す材料を選びやすくなります。次の連絡日を相手と決めておくと、連絡が売り込みになりにくくなります。
事例や案内をメールで定期的に送るとき:見積の送付や日程の相談といった取引の連絡とは別に、施工事例や新しいサービスの案内などを定期的にメールで送るときは、特定電子メール法(特定電子メールの送信の適正化等に関する法律)の対象になるかを確かめます。同法は、事業者が営業の広告・宣伝のために送るメール(特定電子メール、第2条第2号)について、送ってよい相手(第3条第1項)と、送信者の氏名・名称や、受信拒否の連絡を受けるメールアドレスなどの表示(第4条)を定め、送らないよう求められたら原則としてその意思に反して送ってはならないとしています(第3条第3項)。条文はe-Gov法令検索の特定電子メール法で確認できます。
契約までの取り逃しを防ぐ
「お願いします」の返事のあと、契約書のないまま日が空くと、他社の再提案や家族の反対で白紙になることがあります。返事から数営業日で契約書を送れるよう、ひな形を用意しておきます。
- 書面での契約:建設業法第19条では、建設工事の請負契約の当事者は、工事内容・請負代金の額・工期・支払いの時期と方法などを書面に記載し、署名または記名押印をして相互に交付しなければならない、とされています(相手方の承諾を得て電子的な方法によることもできます)。工事の金額による区別は条文にありません(e-Gov法令検索の建設業法)。
- 着手金と支払い条件:着手金の有無と割合、中間金、完成時の支払いを契約書に書きます。材料の先行発注が必要な工事では、着手金が資金繰りを守ります。割合は工事の内容と自社の資金繰りから決めます。
- キャンセル時の扱い:発注者の都合で中止になったときの、発注済み材料の実費や経費の扱いを契約書に書きます。
- 追加・変更の進め方:変更は書面で合意してから着手する、と契約時に伝えます。
契約書に書く事項の一覧は店舗内装の請負契約書のガイド、追加工事の見積と合意は追加工事・変更工事のガイドを参照してください。個別の契約の適否は、弁護士や許可行政庁の窓口で確認してください。
業態別の発注者の判断軸
同じ提案書でも、業態によって刺さる点が違います。提案書に足す資料を業態で変えると、他社との違いを示しやすくなります。
飲食店
厨房動線と客席数、開業日、保健所の基準、居抜きでの費用圧縮。足す資料:厨房動線図と工程表。
美容・治療系
ブランドの世界観、施術スペースの個室性と音、機器の電源・給排水、業法上の設備要件。足す資料:施術室の配置案と音対策。
物販・セレクトショップ
什器・照明・陳列動線、ファサード、季節ごとの什器変更。足す資料:陳列棚のモジュール案。
フィットネス・クリニック
床荷重・防音・空調容量、機器の搬入動線、法人の決裁プロセス、複数店舗の想定。足す資料:機器配置図と搬入計画。
得意な業態を2〜3つに絞り、事例写真と提案書をその業態に寄せると、「何でも対応」より、「なぜ当社か」を説明しやすくなります。
案件ミックスで読む:勝率と構成比
全体の受注率は「経路ごとの勝率 × 経路の構成比」の合計です。仮の数で考えると、紹介の勝率が新規の相見積もりより高い場合、新規の相見積もりが8割で紹介が2割の会社と、新規6割・紹介4割の会社では、経路ごとの勝率が同じでも全体の受注率は変わります(数字は仮の例で、平均や実測ではありません)。
打ち手は二層に分かれます。第一層は、各経路の勝率を上げること(初動・見積書・提案・価格提示・追客)。第二層は、勝ちやすい経路の構成比を上げること(既存顧客の再発注、引渡し後の点検からの紹介、得意業態・エリアの案件が届く入口)。既存顧客からの再発注と紹介はアフターサービス・保証のガイドと多店舗展開オーナーからのリピート受注、集客の全体設計は内装業者の集客方法を参照してください。
失注理由の記録と月次レビュー
受注率の改善は、精神論では進みません。毎月同じ項目を追い、失注の理由を分類して記録することで、翌月の打ち手が決まります。
失注理由の6分類(記録のひな形)
月次レビューで見る項目
- 問い合わせ件数、現地調査件数(現調化率)、見積提出件数、契約件数(受注率=契約÷現調)
- 問い合わせから契約までの日数、受注案件の平均契約金額と粗利
- 失注案件の理由(上の6分類)、流入経路別・業態別・担当者別の受注率
教えてもらえた失注理由は、費用をかけずに手に入る市場の声です。
受注率・失注の記録シート(CSV)
月次レビューの数字は、1件ごとの記録から出します。1行に1件、次の列を埋めていくと、受注率と失注理由の内訳が計算式で出る表をCSVで用意しました。
CSVの上の方に、受付件数・現調件数・見積提出件数・受注件数、現調化率、受注率(現調ベースと見積提出ベース)、次の連絡日を過ぎた商談中の件数、受注案件の平均契約金額、失注理由の6分類ごとの件数が計算式で出ます。集計は全行の累計です。月ごとに見るときは、受付日で絞り込むか、月ごとにシートを分けます。商談中の案件も分母に入るため、直近の月の受注率は低めに出ます。記入例の3行は、案件番号の列が「(記入例)」の行として集計から外しています。Excelで開いたら、ブック形式(.xlsx)で保存し直してください(CSVのまま保存すると計算式が消えます)。
結果と失注理由の列は、決めた言葉のどれかでそろえます(集計は言葉が一致した行だけを数えます)。件数が増えて、表では次の連絡日を追いきれなくなったら、顧客管理のツールに移すことも考えます。列はそのまま移せます。
よくある質問
内装業の受注率の平均は何%ですか?
内装業の受注率を公表した公的な統計は確認できていません。解説や調査によって分母(商談件数か、見積提出件数か)も違うため、他社や記事の数字と自社の数字は比べられません。自社で分母を1つに決め、毎月同じ物差しで前月・前年と比べることをおすすめします。
受注率は何を分母に計算すべきですか?
店舗内装の実務では「現地調査まで進んだ案件」を分母にするのが分かりやすい方法です。問い合わせ分母は予算不一致や情報収集の案件が混ざり、見積提出分母は現調後に見送った判断が消えます。問い合わせから現調までは「現調化率」として別に追います。
相見積もりでは何社と比べられていますか?
案件によって異なります。発注者が自分で相談している会社もあるため、他に相談している会社の有無と、比較したい観点を初回に確認します。複数社と比べられる前提で、初動と見積書を組むのが実務的です。
値引きを求められたら応じるべきですか?
同じ内容で金額だけを下げるのは避け、範囲・仕様・工程・支払い条件のどれを変えるといくら下がるかで返します。下げた分だけ中身も変えれば、最初の見積への不信や、追加工事の交渉での不利を招きにくくなります。受けるかどうかの下限は、自社の販売費及び一般管理費と目標の営業利益から逆算して決めておきます。
提案書と見積書は分けた方がよいですか?
分けることをおすすめします。見積書は金額の内訳、提案書は発注者の判断を助ける資料と役割が違い、プレゼンの場で金額だけが議論になる展開を避けやすくなります。時間がなければ、発注者の理解を示す要約と課題の優先順位だけをA4 1枚で見積書に添えるところから始めます。
見積を送ったあと、連絡がないときはどうしますか?
送付の翌日に受領を確かめ、その後は発注者の予定(物件の審査の結果、資金の手当て、ビル側の工事区分の回答、見積の有効期限など)に合わせて次の連絡日を決めます。予定が分からないときは、3日後に感触の確認、1週間後に判断材料の追加、その後は月1回程度の近況確認を目安にします。「検討します」と言われたら、気になっている点を聞き、次の連絡日を相手と決めます。それでも返信がない案件は「連絡不通」として失注理由に記録します。
見積書の有効期限は、何日にすればよいですか?
建設業法・施行令・施行規則には、見積書の有効期限の定めはありません。資材価格の動きと発注者の検討期間を見て自社で日数を決め、期限を過ぎたら出し直すことを見積書に書き添えます。天災その他不可抗力による主要な資機材の供給の不足・遅延や価格の高騰、または特定の工事の種類での労務の供給の不足や価格の高騰が起きるおそれがあると認めるときは、建設業者は契約を結ぶまでに、その旨を状況の把握に必要な情報とあわせて注文者に通知しなければならないとされています(建設業法第20条の2第2項、同法施行規則第13条の16第2項)。
他社の見積がかなり安いと言われたら、どう説明しますか?
まず、工事の範囲・仕様・数量・別途工事をそろえて比べます。差の理由が、含まない工事や仕様の違いにあることもあります。そろえたうえで同じ内容なら、工期の確かさ、施工体制、保証、追加工事の進め方の違いを示します。なお建設業法では、建設業者が材料費・労務費・法定福利費などの内訳を記載した見積書を作るとき、そこに書くそれらの額は、その工事を施工するために通常必要と認められる額を著しく下回ってはならないとされています(第20条第2項)。他社の見積を悪く言わず、比べる項目をそろえることに徹します。
商談の手順を整えたら、得意な店舗内装の案件で提案の機会を増やす
店舗内装ドットコムは、店舗の新規出店や改装を考える発注者と、内装・デザイン会社をつなぐサービスです。登録(審査あり)のあと、登録内容に合うご相談があるときに、事務局から案件概要をメールでご案内します(案内の頻度や開始時期は条件により異なります)。「提案希望」「提案不可」でご返信いただき、紹介後は発注者と直接、現地調査・提案・見積もりを進めていただきます。登録料・月額費用は0円で、受注義務はありません。成約した場合のみ成果報酬がかかります(料率は紹介時に提示)。
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店舗内装ドットコム編集部/更新:2026年9月26日。法令に関する説明は、建設業法・同法施行規則・特定電子メール法の条文をもとに作成しています。文例・確認表・記録シートは当サイト作成のひな形で、効果を保証するものではありません。法令の個別の判断は、許可行政庁の窓口や専門家に確認してください。
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