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このガイドは、患者さんに移転先を案内する話ではなく、クリニック・医院を運営する院長・事業者が、医院を別の物件へ移転するときの内装と段取りの話です。クリニックの移転は、診察台や医療機器を新しい場所に運ぶ引っ越しではなく、旧院を原状回復し、新院で診察室と処置室と待合と動線を作り直す二重工事です。一般クリニックには歯科や美容クリニックと決定的に違う特徴があります。核となるのは医療法の構造設備基準と、診察室・処置室・待合の3室、患者動線とスタッフ動線の分離、そして診療所開設届と保険医療機関の指定の二段階です。このガイドは、クリニック移転の総額・構造設備基準と動線と感染対策・診療科別・居抜き・行政手続き・構造設備基準と動線を読めるクリニック系業者の選び方を、旧院の廃止と新院の開設・指定を一つにつないで整理します。
30秒でわかる結論
- 移転の正体:旧院の原状回復(診察室・処置室・X線室の戻し)+新院の内装(診察室・処置室・待合・動線・感染対策)=二重工事
- 医療法の構造設備基準が核:満たさないと開設許可が下りない。診察室9.9㎡以上・待合室3.3㎡以上が望ましく、診療所と廊下は明確に分け、診察室は医師1人につき1室
- 診察室・処置室・待合の3室+動線分離:患者動線(入口→受付→待合→診察室→会計→出口)とスタッフ動線を交差させない。感染対策で発熱患者の専用動線・別入口
- 診療科別で全く違う:内科(待合広い)/皮膚科(カーテン複数空間)/整形外科(X線・リハビリ・バリアフリー)/小児科(隔離・キッズ)/眼科(暗室・検査)で設備も動線も別
- 許認可が二段階:診療所開設届(医療法・保健所)+保険医療機関の指定(地方厚生局)。指定は遡及されないため指定日と開院日の空白に注意。移転=廃止届+開設・指定
クリニックの移転は「構造設備基準と診察室と動線と感染対策の作り直し」——歯科/美容/動物と別の人の一般保険診療軸
移転は「旧院の原状回復」と「新院の内装」の二つ
クリニックの移転は、旧院を契約どおりの状態に戻す原状回復と、新院をゼロまたは居抜きから立ち上げる内装が並行します。世の中の情報は、退院側だけの原状回復・解体の解説か、開院側だけのクリニックの内装の解説のどちらか一方に偏りがちですが、それでは移転の半分しか見えません。クリニックは構造設備基準と3室と動線が工事の土台なので、両側を合わせて初めて総額と工事の重さが見えてきます。なお診療を続けながら直すクリニックの改装とも、別物件へ移す移転は段取りが違います。
医療法の構造設備基準(診察室9.9㎡・待合3.3㎡・廊下と明確に分ける)+診察室/処置室/待合の3室
一般クリニックは歯科や美容クリニックと決定的に違います。核となるのは医療法の構造設備基準で、各自治体の保健所が定めるこの基準を満たさないと診療所としての開設許可が下りません。具体的には診察室は9.9㎡以上・待合室は3.3㎡以上が望ましく、診療所と廊下は明確に分け、1室で複数の診療科を担当することは好ましくなく、診察室は医師1人につき1室が望ましいとされます。クリニックは患者が待機する待合室・医師が診察する診察室・採血や点滴を行う処置室の3つが基本構成で、診察室はプライバシー保護のため他の部屋と壁で仕切られていることが厳格に求められます。歯科がユニット3配管、美容クリニックがブランド意匠で間取りが決まったのに対し、一般クリニックは構造設備基準と3室で建物がそもそも選べるかが決まります。移転先選びは、想定する診療科の構造設備基準を満たせるかが入口です。
原状回復への影響は、X線室や処置室の戻しでこれだけ変わります(公開相場の目安。クリニックは放射線防護・処置室の戻しで重い)。
クリニックを”歯科のようにユニットを移す”で見ると外す
歯科はユニット3配管、美容クリニックはブランド意匠が核ですが、一般クリニックは構造設備基準と3室と動線分離と診療科別が核です。診察室は9.9㎡で壁で仕切り、患者とスタッフの動線を分け、診療科で設備が変わります。歯科や美容の感覚で見積もると合いません。
クリニック移転の費用相場——旧院の原状回復・新院の内装を1つの予算表で見る
クリニック移転の総額は「旧院をいくらで畳むか」と「新院の内装をいくらでつくるか」の合算です。なお医療機器(X線装置・検査機器・レーザーなど)は内装と別調達で高額です。まず3つの要素を押さえます。
旧院の原状回復費用
内訳は、診察台・什器の撤去(搬出)/診察室・処置室の造作の撤去/X線室の放射線防護(鉛板)の解体/待合・受付の撤去/内装(床・壁・天井)の撤去や修繕/原状確認の立会いです。原状回復の範囲はスケルトン戻しか居抜き退去かで変わりますが、整形外科などでX線室の放射線防護(鉛板)を作り込んでいた場合や、処置室の給排水を引いていた場合は、その戻しで原状回復が坪5〜10万円程度まで重くなりやすいです。X線のない内科系の小規模なら軽く済みます。処置室の撤去は給排水工事の費用も参考になります。
新院の内装費用
新院の主役は診察室と処置室と待合です。診察室(9.9㎡・壁で仕切る)、処置室(採血・点滴・給排水)、待合(3.3㎡・感染対策)、X線室(整形等・放射線防護)、受付・会計、バリアフリー、感染対策の動線が必要です。坪単価は35〜70万円が目安で、診療科と導入する医療機器で大きく変わります(X線・特殊設備の科は上振れ)。医療機器は内装と別調達で高額です。設計やグレード別の坪単価はクリニックの内装ガイド、処置室の給排水は給排水工事の費用ガイドが参考になります。
移転総額の考え方とシミュレーション
総額=旧院の原状回復+新院の内装+医療機器(別調達)+付帯(引越・機器移設・造作譲渡)です。下のシミュレーターは内装工事分の概算で、旧院の規模と原状回復の区分、新院の規模と診療科、診察室の数、X線室の有無を入れるとレンジが出ます(医療機器本体は別調達)。診療科・診察室数・X線室の有無で上がるのが分かります。
旧院の坪数:坪 / 新院の坪数:坪
新院の診療科: / 診察室数:室
X線室:
旧院の原状回復:
規模別の目安は次のとおりです(処置の多い科・診察室2室・X線室なし・公開されている坪単価の目安で機械的に計算した内装工事の概算。医療機器本体・付帯費用は含みません)。
| 規模(旧院/新院) | 旧院の原状回復 | 移転総額の目安(新院内装込み) |
|---|---|---|
| 20坪/20坪 | 約60〜100万円 | 約920〜1,420万円 |
| 30坪/30坪 | 約90〜150万円 | 約1,350〜2,070万円 |
| 40坪/40坪 | 約120〜200万円 | 約1,780〜2,720万円 |
| 50坪/50坪 | 約150〜250万円 | 約2,210〜3,370万円 |
新院を元クリニックの居抜きにできれば総額は下限側、X線・特殊設備の科や診察室数の増で上限側に振れます。これに医療機器(別調達・高額)が加わります。新院の診療科・診察室数・X線室の有無別の内訳は上のシミュレーターで確認できます。
見落としやすい付帯費用と敷金の扱い
総額には工事費以外の付帯も乗ります。旧院からの引越し・医療機器の移設・新院の医療機器(別調達)・新院の保証金や敷金・患者への移転告知などです。新院を居抜きにする場合は造作譲渡(前借主や所有者に内装・設備の利用料として支払う費用)も関わります。医療機器は、技術の進歩が早いもの(検査機器)はリース、進歩が遅いもの(X線)は中古で初期コストを抑える方法もあります。さらにX線室の放射線防護・処置室の給排水・電気容量の増設といった費用が乗ることがあります。旧院の敷金(保証金)は償却として解約時に差し引かれる契約が一般的ですが、X線室の放射線防護の解体で原状回復が膨らむこともあるので注意します。新院契約でフリーレント(賃料無料期間)を取れれば、その期間を診察室・処置室の工事に充てることで実質的な二重家賃を圧縮できます。
構造設備基準と3室と動線が施設を決める——居抜きは元クリニックか・医療配管/診察室/X線が使えるか
クリニック移転で総額と物件選びを最も大きく動かすのが、構造設備基準と3室と動線です。構造設備基準は開設許可を、医療配管は処置室を、動線は感染対策を縛るため、これらが新物件で成立するかがそのまま物件の可否を決めます。
医療法の構造設備基準(診察室9.9㎡・待合3.3㎡・3室)と面積配分
構造設備基準は、診察室9.9㎡以上・待合室3.3㎡以上が望ましく、診療所と廊下を明確に分け、診察室は医師1人につき1室です。クリニックは待合室・診察室・処置室の3室が基本構成で、診察室はプライバシー保護のため壁で仕切ります。一般的な30坪程度のクリニックでは、待合・受付が全体の30〜40%、診察・処置室が40〜50%、バックヤード・トイレが10〜20%が理想的な面積配分の目安です。だから移転先選びでは、想定する診療科の構造設備基準(診察室の面積・室数)を満たせる広さか、廊下と診療所を分けられる間取りかを、内装より先に確認します。これを満たさない物件では、そもそも開設許可が下りません。
患者動線とスタッフ動線の分離(ゾーニング)と感染対策(発熱患者の動線分離)
もう一つの核が動線の分離です。理想は患者さんの動線とスタッフの動線が極力交差しないレイアウトで、患者動線は入口→受付→待合室→中待合→診察室→会計→出口を一筆書きのようにし、スタッフ動線は受付→バックヤード→処置室→診察室を最短で結びます。院内をパブリック(待合室)・セミパブリック(診察室・処置室)・プライベート(院長室・休憩室)のゾーンに分けます。さらに人の保険診療に固有なのが感染対策で、発熱患者専用の待機スペースや専用動線、別の入口を組み込みます。下の比較で新院の作り方を整理します。
スケルトンで作る
元クリニック居抜き
構造設備基準・X線の放射線防護・動線分離を満たさない物件は内装前に判明させる
診察室の面積・室数(構造設備基準)、X線室の放射線防護(整形等)、患者とスタッフの動線分離は、内装の設計に入る前に確認すべき物件の前提です。契約してから「構造設備基準を満たせず開設許可が下りない」「X線の放射線防護が施工できない」「発熱患者の別動線が取れない」と判明すると、計画が大きく狂います。内見・契約の段階で、構造設備基準と動線を業者に確認してください。
見えない急所——診療科別の設備・保険医療機関指定の空白・電気容量と、相見積もりのB/C工事
クリニック移転で見落とされがちなのが、診療科別の設備と保険医療機関の指定です。診療科で必要な設備も動線も全く違い、さらに保険医療機関の指定は移転で取り直しになり、指定日と開院日の空白に注意が要ります。だから比較すべきは「診療科別の設備と動線と許認可を読める業者か」です。
診療科別の設備・保険医療機関指定の空白・電気容量
診療科別では、内科(最も患者が多い・待合を広く・キッズスペース)/皮膚科(プライバシー・カーテンで複数空間・保険は効率/自費はレーザー大型機器)/整形外科(バリアフリー・車椅子・松葉杖・リハビリ室・X線・患者多い)/小児科(保護者同席・点滴は待合から距離・隔離・キッズ)/眼科(検査工程が多い・暗室・バリアフリー)で、必要な部屋もX線の有無も全く違います。保険医療機関の指定は原則として遡及されない(指定日前の診療は保険請求できない)ため、開院日と指定日の空白期間に特に注意します。医療機器(X線・検査機器・レーザー)の電気容量も確保します。これらは診療の質と保険診療の継続を支えるもので、クリニックの施工実績がない業者だと診療科別や許認可で詰まることがあります。
A・B・C工事の基本(クリニックでの例)
A工事は躯体・共用部・防災設備など建物側(貸主負担)、B工事は専有部でも給排水竪管・電気本管容量・換気など建物に関わる部分(ビル指定業者)、C工事は専有部の診察室・処置室・待合・X線室・動線・内装(自由に選定可)です。移転での相見積もりの効きは次のとおりです。
| 工事区分 | 業者を選べるか | 相見積もりの役割 |
|---|---|---|
| A工事 | 選べない(貸主手配) | 基本は対象外 |
| B工事 | 選べない(指定業者) | 給排水竪管・電気本管・換気の金額の妥当性を検証して交渉 |
| C工事 | 選べる(自由選定) | 診察室・処置室・待合・動線込みでクリニック系業者を競わせる |
工事区分の詳細はA工事・B工事・C工事の違いで確認できます。医療機器の電気容量を増やす幹線工事はB工事に関わることが多いので注意します。
旧院は診察室・X線室撤去の数量検証用、新院は構造設備基準・動線・診療科別設計込みの業者選定用
旧院の原状回復は共用設備のB工事が混じり業者を選べない部分があり、X線室の放射線防護解体で重くなりやすいため、相見積もりは指定業者の金額が妥当かを検証する用途です。新院の診察室・処置室・待合・動線はC工事=自由選定なので、複数のクリニック系業者を競わせ、構造設備基準・給排水・動線分離・感染対策まで含めて選ぶ主戦場になります。
一般内装業者に頼むと構造設備基準・動線分離・保険医療機関指定のノウハウがずれる
クリニックは医療法の構造設備基準、患者とスタッフの動線分離、診療科別の設備という固有のノウハウが要ります。一般の内装業者に頼むと、診察室の面積基準を満たせなかったり、感染対策の動線や診療科別の設備で詰まることがあります。クリニック・診療所の施工実績があり、構造設備基準を踏まえて設計できる業者かを、見積もり段階で確認してください。
患者・カルテを切らさない移転——段取りと二重家賃スケジュール
移転で資金を最も無駄にするのが、旧院と新院の家賃が重なる二重家賃です。クリニックは新院の診察室・処置室・待合・動線で工期がかかり、旧院もX線室の放射線防護解体で時間がかかるうえ、医療機器の搬入や保険医療機関の指定もあるため、両側を設計しないと重複が膨らみます。あわせて患者・カルテを新院へ移行するタイミングも絡みます。
工期の非対称と、新院竣工からの逆算
新院は診察室・処置室・待合・動線で工期がかかり、旧院もX線室の放射線防護解体で数日〜2週間ほどかかります。旧院を先に畳めば二重家賃はほぼ回避できますが診療の空白で患者が離れやすく、新院を先に作れば診療の空白は最小ですが二重家賃が発生します。理想は、新院の竣工日を起点に開院→数日〜2週間で旧院の原状回復→明渡し、と重ねる形で、賃貸借契約の解約予告(3〜6ヶ月前が一般的)はこの逆算カレンダーの出発点になります。診察室・処置室の工事は規模次第で工期が変わり、医療機器の搬入や保険医療機関の指定(指定日と開院日の空白)もあるので、見積もりと指定のスケジュールが固まってから予告を出すのが安全です。あわせて患者・カルテを新院へスムーズに移す告知も組み込みます。
逆算の流れと、押さえるチェックリストは次のとおりです。
- 移転先が診療科の構造設備基準(診察室9.9㎡・待合3.3㎡など)を満たす広さかを確認した
- 移転先でX線室の放射線防護・処置室の給排水・発熱患者の別動線が取れるかを確認した
- 解約予告の期限を賃貸借契約書で確認した
- 保険医療機関の指定(指定日と開院日の空白)と医療機器の搬入を踏まえて開院日を逆算した
- 旧院家賃と新院家賃の重複期間を最小化できているか試算した
クリニック移転の進め方・行政手続きと「構造設備基準と動線と診療科別を読めるクリニック系業者」
移転は、旧院の契約確認から新院の開院、旧院の明渡しまでが一本の流れです。全体像を押さえると、相見積もりと工程の重ね方を判断しやすくなります。
届出は「旧院の廃止」+「新院の開設・指定」——診療所開設届と保険医療機関の指定の二段階
移転は同じ屋号でも、行政上は「旧院を廃止し、新院を新規に開設する」扱いになります。クリニックは診療所の開設届(医療法・保健所)に加え、保険診療を行うには保険医療機関の指定(地方厚生局)が必要で、指定は原則として遡及されないため、開院日と指定日の空白に注意します。X線装置を備える場合はX線備付届、医療法人の場合は定款変更・都道府県の認可も絡みます。これはこのガイドで扱う業種の中でも手続きが多い部類です。期限のあるものもあるので、漏れと遅れに注意してチェックリストで管理します。
旧院の廃止で必要な手続き
- 診療所の廃止届(医療法・保健所)/保険医療機関の廃止届(地方厚生局)/X線装置の廃止届
- 医療法人の場合は定款変更・都道府県の認可/税務署へ廃業届(個人)・法人は別途
- テナントの解約予告(3〜6ヶ月前が一般的)と原状回復(X線室・処置室の戻し)
- 医療機器のリース契約の精算/機器の売却・移設
- 電気・ガス・水道などライフラインの解約
- 患者への移転告知/カルテ・予約の引き継ぎ
新院の開設で必要な手続き
- 診療所の開設届(医療法・保健所・開設後10日以内)
- 保険医療機関の指定(地方厚生局・遡及されないため指定日と開院日の空白に注意)
- X線装置を備える場合はX線備付届(放射線)
- 構造設備基準・動線・診療科別の設備が計画どおりか確認
- 医療法人の場合は定款変更・都道府県の認可/税務署へ開業届
- 患者の予約システム・電話の移転手続き
許認可は診療所開設届と保険医療機関の指定の二段階で、保険指定の空白に注意が要ります。退院側の手続き全般は閉店・撤退の手続きも参考になります。
「構造設備基準と動線と診療科別を読めるクリニック系業者」の評価軸
移転では旧院の解体業者と新院の内装業者を別々に頼みがちです。だが旧院の診察室・X線室の撤去と新院の診察室・処置室・待合・動線を1社(クリニック系)が握ると、構造設備基準・給排水・動線分離・感染対策のズレと、医療機器の搬入計画の抜けを一気通貫で防げます。次の観点で複数社を比較します。
- クリニック・診療所の内装実績があるか
- 医療法の構造設備基準・診察室/処置室/X線室を扱えるか
- 患者とスタッフの動線分離・感染対策・診療科別を読めるか
- 旧院の原状回復と新院の内装の工程を重ねて管理できるか
- 旧院の原状回復から新院の内装までを一括で見積もれるか
複数のクリニック系業者に「旧院の原状回復から新院の内装まで」をまとめて見積依頼すると、各社の総額・工程・構造設備基準や動線・診療科別の提案・責任分界点の考え方が横並びで比較でき、価格の安さでなく「構造設備基準と動線と診療科別を読んで作り込む能力」で選べます。新院の設備設計はクリニックの内装ガイド、処置室の給排水は給排水工事の費用ガイドも参考になります。
診察室・X線と内装を分けると構造設備基準と動線がずれる
診察室・X線室を担う業者と内装の業者を別に動かすと、構造設備基準と動線分離、感染対策が噛み合わないことがあります。さらに旧院のX線室・配管の図面が新院の業者に渡らず、放射線防護や動線を一から検討し直すロスも起きやすくなります。
よくある質問
設備次第です。X線のない内科系の小規模なら軽いですが、整形外科などでX線室の放射線防護(鉛板)の解体や、処置室の給排水の戻しが加わると坪5〜10万円程度まで上がります。放射線防護の解体で敷金を超えることもあるので注意してください。
医療法の構造設備基準で目安があります。診察室は9.9㎡以上、待合室は3.3㎡以上が望ましく、診療所と廊下は明確に分け、診察室は医師1人につき1室が望ましいとされます。これを満たさないと保健所の開設許可が下りないため、想定する診療科の基準を満たせる物件かを最初に確認します。
患者とスタッフの動線を交差させないのが基本です。患者動線は入口→受付→待合→中待合→診察室→会計→出口を一筆書きのようにし、スタッフ動線は受付→バックヤード→処置室→診察室を最短で結びます。さらに感染対策として、発熱患者専用の待機スペースや専用動線、別の入口を組み込むケースが増えています。
使えます。X線・検査機器・レーザーなどは内装と別調達で、移設できます。ただし電気容量と搬入経路を確認します。技術の進歩が早い機器(検査機器)はリース、進歩が遅い機器(X線)は中古で初期コストを抑える方法もあります。X線は放射線防護の施工が要ります。
設備も動線も全く違います。内科は待合を広く、皮膚科はカーテンで複数空間(自費はレーザー)、整形外科はX線・リハビリ・バリアフリー、小児科は隔離・キッズスペース、眼科は暗室・検査機器が要ります。診療科に合った物件と内装かを確認します。
二段階です。診療所の開設届(医療法・保健所・開設後10日以内)に加え、保険診療を行うには保険医療機関の指定(地方厚生局)が必要です。指定は原則として遡及されないため、開院日と指定日の空白に注意します。X線装置を備える場合はX線備付届、医療法人は定款変更・都道府県の認可も要ります。
前院が元クリニックなら、医療用の配管・電気設備・診察室や待合のレイアウトが整っていることが多く、必要最低限の改修で開業でき大きく安くなります(坪30〜50万円)。ただし前院の診療科・レイアウト・スタッフ動線が自院に合うかを確認します。条件が合わないと逆にコスト増になることもあります。
クリニック・医院の移転は、構造設備基準と診察室と動線と感染対策を新院で作り直すことで総額が決まります。歯科や美容クリニックと違い、医療法の構造設備基準と診察室・処置室・待合の3室、患者とスタッフの動線分離、診療所開設届と保険医療機関の指定の二段階が要なので、旧院の原状回復と新院の内装を別々に頼まず、まず移転先が診療科の構造設備基準と動線を満たせるかを確認したうえで、構造設備基準と動線と診療科別を読めるクリニック系の業者にまとめて相見積もりを出すところから始めるのが、最も無駄の少ない進め方です。
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