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このガイドは、これから個人で開業する人向けの話ではなく、ネットカフェ・漫画喫茶を運営する事業者が、店舗を別の物件へ移転するときの内装と段取りの話です。ネットカフェ・漫画喫茶の移転は、PCや漫画を新しい場所に運ぶ引っ越しではなく、旧店を原状回復し、新店で個室ブースと配線とシャワーを作り直す二重工事です。ネットカフェ・漫画喫茶にはカラオケや飲食店と決定的に違う特徴があります。核となるのは個室ブースと席タイプと、風営法の区画席飲食店、各席への配線、そしてシャワーです。このガイドは、ネットカフェ・漫画喫茶移転の総額・個室ブースと配線とシャワー・漫画棚・風営法区画席・居抜き・行政手続き・個室ブースを読めるネットカフェ系業者の選び方を、旧店の廃業と新店の開業を一つにつないで整理します。
30秒でわかる結論
- 移転の正体:旧店の原状回復(ブース・配線の戻し)+新店の内装(ブース・配線・シャワー)=二重工事
- 個室ブースと席タイプが核:オープンスペース・半個室・完全個室・カプセル・女性専用・ペアマットなど席タイプを並べる。各席に適した設備・什器が要る
- 風営法の区画席飲食店:他から見通し困難で広さ5㎡以下の客席は区画席飲食店(3号営業)に該当。多くは床面積5㎡超・扉を透明・見通せる構造で風俗営業許可を不要とするスキームを組む
- 配線とシャワーと漫画棚:各席にPC・電源・LAN・高速回線の重配線(PC1席15万)。宿泊利用のシャワー(給排水)。大量の漫画蔵書と書棚の床荷重
- 許認可:飲食提供なら飲食店営業許可(保健所)、区画席飲食店なら風営法、深夜0時以降の酒類提供は深夜酒類の届出。移転=廃業届+開業+許認可
移転費用の全体像を先に知りたい方へ
旧店の原状回復+新店の内装工事+二重家賃まで合算した総額の内訳と進め方は、店舗移転の費用と流れ 完全ガイドにまとめています。
ネットカフェ・漫画喫茶の移転は「個室ブースと配線とシャワーの作り直し」——カラオケ/飲食と別の個室ブース軸
移転は「旧店の原状回復」と「新店の内装」の二つ
ネットカフェ・漫画喫茶の移転は、旧店を契約どおりの状態に戻す原状回復と、新店をゼロまたは居抜きから立ち上げる内装が並行します。世の中の情報は、退店側だけの原状回復・解体の解説か、開店側だけのネットカフェ・漫画喫茶の改装の解説のどちらか一方に偏りがちですが、それでは移転の半分しか見えません。ネットカフェは個室ブースと配線が工事の土台なので、両側を合わせて初めて総額と工事の重さが見えてきます。同じく個室を扱うカラオケの移転とも、PCの配線と多数の席ブースを扱うネットカフェは設備が別物です。
個室ブース・席タイプ(オープン/半個室/完全個室/カプセル/女性専用/ペア)+風営法の区画席飲食店
ネットカフェ・漫画喫茶はカラオケや飲食と決定的に違います。核となるのは個室ブースと席タイプで、顧客が読書やネットに集中できるよう一般的に半個室や完全個室がレイアウトされ、オープンスペース・半個室・カプセルブース・女性専用ブース・ペアマットブース・鍵付き完全個室・マット席・リクライニングチェア席など各部屋に適した設備・什器が要ります。そして個室を持つがゆえに固有なのが風営法です。風営法では、他から見通すことが困難でかつ広さが5㎡以下である客席を設けて営むものは区画席飲食店(3号営業)と定義され、これに該当すると風俗営業許可が必要になります。そのため多くのネットカフェは、各客室の床面積を5㎡超にする・客室扉を撤去又は透明にする(小窓を設ける)・客室の高さを下げて見通せる構造にする、という対策で風俗営業許可を不要とするスキームを組みます。カラオケが防音D値で間取りが決まったのに対し、ネットカフェは個室ブースの構造と風営法の区画席で建物と設計がそもそも決まります。物件選びは、想定する席タイプと風営法の区画席をどう扱うかが入口です(所轄警察署や行政書士に相談が無難)。
原状回復への影響は、配線やシャワーの給排水の戻しでこれだけ変わります(公開相場の目安。ネットカフェは配線・シャワーの戻しで重い)。
ネットカフェを”カラオケのように個室を移す”で見ると外す
カラオケは防音D値と音響が核ですが、ネットカフェは個室ブースの席タイプ、各席への重配線、シャワー、大量蔵書、そして風営法の区画席が核です。個室の構造で風営法の該当が変わり、多数の席に電源と通信を届けます。カラオケや飲食の感覚で見積もると合いません。
ネットカフェ・漫画喫茶移転の費用相場——旧店の原状回復・新店の内装を1つの予算表で見る
ネットカフェ・漫画喫茶移転の総額は「旧店をいくらで畳むか」と「新店の内装をいくらでつくるか」の合算です。なおPC・漫画蔵書・ドリンク機器は内装と別調達です。まず3つの要素を押さえます。
旧店の原状回復費用
内訳は、什器・PC什器の撤去(搬出)/個室ブース造作の解体/各席への配線の撤去/シャワー(給排水・排気)の撤去/書棚・厨房の撤去/内装(床・壁・天井)の撤去や修繕/原状確認の立会いです。原状回復の範囲はスケルトン戻しか居抜き退去かで変わりますが、多数の個室ブース・各席への配線・シャワーの給排水を作り込んでいた場合は、その戻しで原状回復が坪5〜8万円程度まで重くなりやすいです。シンプルな席中心の小規模なら軽く済みます。シャワーの撤去は給排水工事の費用も参考になります。
新店の内装費用
新店の主役は個室ブースと配線です。個室ブース(席タイプ)、各席への配線(PC・電源・LAN・高速回線)、シャワー(給排水・排気)、書棚(大量蔵書)、厨房・ドリンクバーが必要です。坪単価は内装工事で25〜30万円、スケルトンからの開業で40〜80万円が目安で、席タイプとシャワーの有無で大きく変わります。PC(1席15万円程度)・漫画蔵書・ドリンク機器は内装と別調達です。設計やグレード別の坪単価はネットカフェ・漫画喫茶の改装ガイド、シャワーの給排水は給排水工事の費用ガイドが参考になります。
移転総額の考え方とシミュレーション
総額=旧店の原状回復+新店の内装+PC・漫画蔵書・ドリンク機器(別調達)+付帯(引越・什器移設・造作譲渡)です。下のシミュレーターは内装工事分の概算で、旧店の規模と原状回復の区分、新店の規模と店舗タイプ、席数、シャワーの有無を入れるとレンジが出ます(PC・蔵書は別調達)。店舗タイプ・席数・シャワーの有無で上がるのが分かります。
旧店の坪数:坪 / 新店の坪数:坪
新店の店舗タイプ: / 席数:席
シャワー:
旧店の原状回復:
規模別の目安は次のとおりです(個室ブース中心・シャワーなし・席数は坪数に応じた目安・公開されている坪単価の目安で機械的に計算した内装工事の概算。PC・漫画蔵書・付帯費用は含みません)。
| 規模(旧店/新店) | 旧店の原状回復 | 移転総額の目安(新店内装込み) |
|---|---|---|
| 20坪/20坪(約15席) | 約60〜100万円 | 約880〜1,470万円 |
| 40坪/40坪(約30席) | 約120〜200万円 | 約1,760〜2,940万円 |
| 60坪/60坪(約45席) | 約180〜300万円 | 約2,640〜4,410万円 |
| 100坪/100坪(約75席) | 約300〜500万円 | 約4,400〜7,350万円 |
新店を元ネットカフェの居抜きにできれば総額は下限側、フル装備(シャワー・アミューズメント)や席数の増で上限側に振れます。これにPC・漫画蔵書・ドリンク機器(別調達)が加わります。新店の店舗タイプ・席数・シャワーの有無別の内訳は上のシミュレーターで確認できます。
見落としやすい付帯費用と敷金の扱い
総額には工事費以外の付帯も乗ります。旧店からの引越し・什器の移設・新店のPCや漫画蔵書(別調達・漫画は1冊150円前後で1万冊なら150万円前後)・新店の保証金や敷金・顧客への移転告知などです。新店を居抜きにする場合は造作譲渡(前借主や所有者に内装・設備の利用料として支払う費用)も関わります。PCは中古やリースで初期コストを抑える方法もあります。さらに多数のPCの電気容量・シャワーの給排水・通信回線の増設といった費用が乗ることがあります。旧店の敷金(保証金)は償却として解約時に差し引かれる契約が一般的ですが、配線・シャワーの戻しで原状回復が膨らむこともあるので注意します。新店契約でフリーレント(賃料無料期間)を取れれば、その期間をブース・配線の工事に充てることで実質的な二重家賃を圧縮できます。
個室ブースと配線とシャワーが施設を決める——居抜きは元ネットカフェか・ブース/配線/シャワーが使えるか
ネットカフェ・漫画喫茶移転で総額と物件選びを最も大きく動かすのが、個室ブースと配線とシャワーです。個室ブースは風営法を、配線は席数を、シャワーは給排水を縛るため、これらが新物件で成立するかがそのまま物件の可否を決めます。
個室ブース・席タイプ(オープン/半個室/完全個室/カプセル/女性専用/ペア)+風営法の区画席飲食店の回避スキーム
個室ブースは、オープンスペース・半個室・完全個室・カプセルブース・女性専用ブース・ペアマットブース・鍵付き完全個室・マット席・リクライニングチェア席など、ターゲットに合わせて席タイプを並べ、各席に適した設備・什器を置きます。ここで必ず確認するのが風営法の区画席飲食店です。他から見通すことが困難でかつ広さが5㎡以下である客席は区画席飲食店(3号営業)に該当し、風俗営業許可が必要になるため、多くのネットカフェは各客室の床面積を5㎡超にする・客室扉を撤去又は透明にする・客室の高さを下げて見通せる構造にする、という回避スキームを組みます。これは個室の構造・面積・見通しに直結するので、設計の前提として最初に決めます(所轄警察署や行政書士に相談)。だから移転先選びでは、想定する席数と席タイプを成立させられる広さか、風営法の区画席をどう扱うかを、内装より先に確認します。
配線(PC・電源・LAN・高速回線・各席への重配線)+漫画棚(大量蔵書・床荷重)
もう一つの核が配線と蔵書です。パソコンなどの設備導入には1席あたり15万円程度かかり、多数の席それぞれにPC・電源・LAN・高速回線を届ける重配線と、電気容量・サーバーが要ります。eスポーツやゲーミングPCを置く店ではさらにハイスペックな電源・通信が要ります。漫画喫茶は20坪程度でも12,000冊程度の漫画をそろえる必要があり、大量の蔵書を置く書棚と床荷重を設計します。下の比較で新店の作り方を整理します。
スケルトンで作る
元ネットカフェ居抜き
席数・風営法区画席・配線・シャワーを満たさない物件は内装前に判明させる
想定する席数と席タイプ、風営法の区画席(5㎡超・見通し)、各席への配線の電気容量、シャワーの給排水は、内装の設計に入る前に確認すべき物件の前提です。契約してから「席数が取れない」「風営法の区画席に抵触する」「配線の電気容量が足りない」「シャワーの給排水が引けない」と判明すると、計画が大きく狂います。内見・契約の段階で、席数と風営法と配線とシャワーを業者に確認してください。
見えない急所——シャワー・フード・24時間営業・電気容量と、相見積もりのB/C工事
ネットカフェ・漫画喫茶移転で見落とされがちなのが、シャワーとフードと24時間営業です。シャワーは宿泊需要を、フードは収益を、24時間営業は防犯を左右します。だから比較すべきは「シャワーとフードと24時間運営を読める業者か」です。
シャワー(給排水・宿泊利用)・フード/ドリンク・24時間営業・電気容量
シャワーは、24時間営業で宿泊目的の利用が増えたため一般的になり、ガスや水道の配管工事と、通常よりかかる水道代が要ります。排気も設けます。フード/ドリンクは、軽食を提供する厨房設備(100万円前後)やドリンクバー(1台50万円前後)、フリードリンクを設けます。24時間営業では、長時間・宿泊滞在を前提に防犯・本人確認・避難経路を整えます。多数のPCの電気容量も確保します。これらは長時間・宿泊滞在の体験と収益を支えるもので、ネットカフェの施工実績がない業者だとシャワーの給排水やフード動線、避難経路で詰まることがあります。
A・B・C工事の基本(ネットカフェでの例)
A工事は躯体・共用部・防災設備など建物側(貸主負担)、B工事は専有部でも電気本管容量・空調・換気・給排水竪管(シャワー)など建物に関わる部分(ビル指定業者)、C工事は専有部の個室ブース・配線・シャワー・書棚・厨房(自由に選定可)です。移転での相見積もりの効きは次のとおりです。
| 工事区分 | 業者を選べるか | 相見積もりの役割 |
|---|---|---|
| A工事 | 選べない(貸主手配) | 基本は対象外 |
| B工事 | 選べない(指定業者) | 電気本管・空調・給排水竪管の金額の妥当性を検証して交渉 |
| C工事 | 選べる(自由選定) | 個室ブース・配線・シャワー・書棚込みでネットカフェ系業者を競わせる |
工事区分の詳細はA工事・B工事・C工事の違いで確認できます。多数のPCの電気容量やシャワーの給排水竪管を増やす幹線工事はB工事に関わることが多いので注意します。
旧店はブース・配線撤去の数量検証用、新店は個室ブース・配線・風営法区画席設計込みの業者選定用
旧店の原状回復は共用設備のB工事が混じり業者を選べない部分があり、配線・シャワーの戻しで重くなりやすいため、相見積もりは指定業者の金額が妥当かを検証する用途です。新店の個室ブース・配線・シャワーはC工事=自由選定なので、複数のネットカフェ系業者を競わせ、席タイプ・配線・給排水・風営法区画席まで含めて選ぶ主戦場になります。
一般内装業者に頼むと個室ブース・配線・風営法区画席のノウハウがずれる
ネットカフェは個室ブースの席タイプ、各席への重配線、風営法の区画席という固有のノウハウが要ります。一般の内装業者に頼むと、席タイプや配線の電気容量、風営法の区画席で詰まることがあります。ネットカフェ・漫画喫茶の施工実績があり、個室ブースと風営法の区画席を踏まえて設計できる業者かを、見積もり段階で確認してください。
営業・顧客を切らさない移転——段取りと二重家賃スケジュール
移転で資金を最も無駄にするのが、旧店と新店の家賃が重なる二重家賃です。ネットカフェは新店の個室ブース・配線・シャワーで工期がかかり、旧店も配線・シャワーの戻しで時間がかかるうえ、多数のPC・漫画蔵書の搬入や通信の開通もあるため、両側を設計しないと重複が膨らみます。あわせて顧客への移転告知も絡みます。
工期の非対称と、新店竣工からの逆算
新店は個室ブース・配線・シャワーで工期がかかり、旧店も配線・シャワーの戻しで1〜数週間ほどかかります。旧店を先に畳めば二重家賃はほぼ回避できますが営業の空白で顧客が離れやすく、新店を先に作れば営業の空白は最小ですが二重家賃が発生します。理想は、新店の竣工日を起点にPC・漫画蔵書の搬入と通信の開通→開店→旧店の原状回復→明渡し、と重ねる形で、賃貸借契約の解約予告(3〜6ヶ月前が一般的)はこの逆算カレンダーの出発点になります。個室ブース・配線・シャワーの工事は規模次第で工期が変わり、多数のPC・漫画蔵書の搬入と通信回線の開通、飲食併設の許認可もあるので、見積もりと許認可のスケジュールが固まってから予告を出すのが安全です。あわせて顧客への移転告知も組み込みます。
逆算の流れと、押さえるチェックリストは次のとおりです。
- 移転先が想定する席数と席タイプを成立させられる広さかを確認した
- 移転先で風営法の区画席(5㎡超・見通し)・配線の電気容量・シャワーの給排水が取れるかを確認した
- 解約予告の期限を賃貸借契約書で確認した
- 多数のPC・漫画蔵書の搬入と通信の開通・飲食併設の許認可を踏まえて開店日を逆算した
- 旧店家賃と新店家賃の重複期間を最小化できているか試算した
ネットカフェ・漫画喫茶移転の進め方・行政手続きと「個室ブースと配線を読めるネットカフェ系業者」
移転は、旧店の契約確認から新店の開店、旧店の明渡しまでが一本の流れです。全体像を押さえると、相見積もりと工程の重ね方を判断しやすくなります。
届出は「旧店の廃業」+「新店の開業」——飲食併設なら飲食店営業許可、区画席飲食店なら風営法
移転は同じ屋号でも、行政上は「旧店を廃業し、新店を新規に開業する」扱いになります。ネットカフェは飲食を提供するなら飲食店営業許可(保健所)、他から見通し困難で5㎡以下の個室を設ける場合は区画席飲食店(3号営業)として風俗営業許可(公安委員会)が必要になることがあり、多くは5㎡超・扉を透明・見通せる構造の回避スキームを組みます。深夜0時以降に酒類を提供するなら深夜における酒類提供飲食店営業の届出(警察署)も要ります。個室の構造で風営法の該当が変わるため、漏れと遅れに注意してチェックリストで管理します(所轄警察署や行政書士に相談)。
旧店の廃業で必要な手続き
- 飲食店営業の廃業届(保健所・飲食併設の場合)/風俗営業の廃止届(区画席飲食店で許可を取っていた場合)
- 深夜における酒類提供飲食店営業の廃止届(深夜酒類の場合)/税務署へ廃業届(個人)・法人は別途
- テナントの解約予告(3〜6ヶ月前が一般的)と原状回復(配線・シャワー給排水の戻し)
- PC・漫画蔵書・ドリンク機器の移設・処分/什器の売却
- 電気・ガス・水道・通信回線の解約
- 顧客への移転告知・会員情報や予約の引き継ぎ
新店の開業で必要な手続き
- 飲食店営業許可(保健所・飲食併設の場合)
- 区画席飲食店(5㎡以下+見通し困難の個室)に該当すれば風俗営業許可(3号営業・公安委員会)or回避スキーム(5㎡超・扉透明・見通し)
- 深夜0時以降に酒類を提供する場合は深夜における酒類提供飲食店営業の届出(警察署)
- 個室ブース・配線・席タイプが計画どおりか確認
- 税務署へ開業届
- 通信回線の開通・PC/漫画蔵書の搬入/顧客への開店案内
個室の構造で風営法の該当が変わります。退店側の手続き全般は閉店・撤退の手続きも参考になります。
「個室ブースと配線を読めるネットカフェ系業者」の評価軸
移転では旧店の解体業者と新店の内装業者を別々に頼みがちです。だが旧店のブース・配線の撤去と新店の個室ブース・配線・シャワーを1社(ネットカフェ系)が握ると、席タイプ・配線・給排水・風営法区画席のズレと、PC・漫画蔵書の搬入計画の抜けを一気通貫で防げます。次の観点で複数社を比較します。
- ネットカフェ・漫画喫茶の内装実績があるか
- 個室ブース・席タイプ・風営法区画席を扱えるか
- 各席への配線・電気容量・シャワーの給排水を読めるか
- 旧店の原状回復と新店の内装の工程を重ねて管理できるか
- 旧店の原状回復から新店の内装までを一括で見積もれるか
複数のネットカフェ系業者に「旧店の原状回復から新店の内装まで」をまとめて見積依頼すると、各社の総額・工程・個室ブースや配線・風営法区画席の提案・責任分界点の考え方が横並びで比較でき、価格の安さでなく「個室ブースと配線を読んで作り込む能力」で選べます。新店の設計はネットカフェ・漫画喫茶の改装ガイドも参考になります。
個室ブース・配線と内装を分けると席タイプと配線がずれる
個室ブース・配線を担う業者と内装の業者を別に動かすと、席タイプと各席への配線、風営法の区画席が噛み合わないことがあります。さらに旧店のブース・配線の図面が新店の業者に渡らず、席タイプや配線を一から検討し直すロスも起きやすくなります。
よくある質問
設備次第です。什器撤去中心なら軽いですが、多数の個室ブース・各席への配線・シャワーの給排水を作り込んでいた場合は、その戻しで坪5〜8万円程度まで上がります。配線・シャワーの戻しで敷金を超えることもあるので注意してください。
オープンスペース・半個室・完全個室・カプセルブース・女性専用ブース・ペアマットブース・鍵付き完全個室・マット席・リクライニングチェア席などがあります。ターゲットに合わせて席タイプを並べ、各席に適した設備・什器を置きます。
個室の構造によります。他から見通すことが困難でかつ広さが5㎡以下である客席を設けて営むものは区画席飲食店(3号営業)に該当し、風俗営業許可が必要になります。多くのネットカフェは各客室の床面積を5㎡超にする・客室扉を撤去又は透明にする・見通せる構造にするという回避スキームを組みます。所轄警察署や風営法に詳しい行政書士に相談するのが無難です。
多数の席それぞれにPC・電源・LAN・高速回線を届ける重配線と、電気容量・サーバーが要ります。パソコンの設備導入は1席あたり15万円程度です。eスポーツやゲーミングPCを置く店では、さらにハイスペックな電源・通信を確保します。
給排水と排気次第です。24時間営業で宿泊利用が増えたためシャワーは一般的になり、ガスや水道の配管工事と排気、通常よりかかる水道代が要ります。移転先でシャワーの給排水と排気が施工できるかを内見段階で確認します。シンプルな席中心の店なら不要です。
業態によります。飲食を提供するなら飲食店営業許可(保健所)、区画席飲食店(5㎡以下+見通し困難の個室)に該当すれば風俗営業許可(3号営業・公安委員会)か回避スキーム、深夜0時以降に酒類を提供するなら深夜における酒類提供飲食店営業の届出(警察署)が要ります。個室の構造で風営法の該当が変わります。
前店が元ネットカフェなら、個室ブース・配線・シャワーが整っていることが多く、必要最低限の改修で開店でき大きく安くなります(坪25〜45万円)。ただし前店の席タイプ・風営法の区画席・配線が自店に合うかを確認します。異業種の居抜きだとブースも配線も一からになり利点が薄れます。
ネットカフェ・漫画喫茶の移転は、個室ブースと配線とシャワーを新店で作り直すことで総額が決まります。カラオケや飲食と違い、席タイプを並べる個室ブースと各席への重配線、風営法の区画席、シャワーの給排水が要なので、旧店の原状回復と新店の内装を別々に頼まず、まず移転先が想定する席数と席タイプ、風営法の区画席を成立させられるかを確認したうえで、個室ブースと配線を読めるネットカフェ系の業者にまとめて相見積もりを出すところから始めるのが、最も無駄の少ない進め方です。
