店舗の移転は「引っ越し」ではなく、今の店を閉める工事と、新しい店を作る工事を同時に走らせる二重プロジェクトです。旧店側では原状回復と解約予告期間の家賃が、新店側では物件取得費と内装工事費が発生し、さらに両方の契約が重なる期間には二重家賃という第三の支出が生まれます。このページでは、店舗移転にかかる費用の全内訳を「旧店を畳む費用」「新店を作る費用」「重なり期間の費用」の3つに分けて整理し、逆算スケジュールの組み方、閉店・開店それぞれの手続き、費用を現実的に抑える方法までを一気通貫で解説します。業種ごとの詳しい費用相場は、ページ後半の46業種別移転ガイドから確認できます。
目次
店舗移転の費用は「3つの財布」で決まる
移転費用の見積もりが甘くなる最大の原因は、新店の内装費だけを見て予算を組んでしまうことです。実際の支出は次の3つの財布に分かれ、それぞれ支払う相手も、削れる余地も、削り方もまったく異なります。
| 財布 | 主な中身 | 支払先 | 削り方の性質 |
|---|---|---|---|
| ①旧店を畳む費用 | 原状回復工事・解約予告期間の家賃・リース違約金・廃棄物処分 | 解体業者・貸主・リース会社 | 居抜き売却の成立可否と契約書の読み込みで大きく変動 |
| ②新店を作る費用 | 物件取得費・内装工事・設備購入・什器移設 | 不動産会社・貸主・内装会社 | 物件選び(居抜きか)と相見積もりで変動 |
| ③重なり期間の費用 | 二重家賃・休業中の運転資金・移転告知 | 新旧両方の貸主ほか | 金額交渉ではなくスケジュール設計で変動 |
3つを合算した総額は、10〜20坪クラスの店舗でおおよそ300万〜800万円が一つの目安です。旧店を居抜きで売却できれば下振れし、スケルトン戻し+スケルトンからの新装であれば上振れします。つまり移転の総額は、新店の坪数よりも先に「旧店をどう畳むか」と「新旧の契約をどう重ねるか」でほぼ決まります。
このページの要点
- 移転費用=①旧店を畳む+②新店を作る+③重なり期間、の3つの合算。②だけで予算を組むと必ず不足する
- ③の二重家賃は値引き交渉ではなく、解約通知日と新店契約日の逆算設計で削る費用
- 原状回復の高い・安いは坪単価表ではなく「自分の業種が床下・天井裏に何を埋めたか」で決まる
- 旧店の解体と新店の内装を同じ目で見てもらうと、移設できる設備の目利きが働き総額が下がる
旧店を畳む費用の内訳
閉店側の費用は開店側に比べて見落とされやすく、しかも契約書の条文に金額の根拠が書かれているという特徴があります。移転を思い立ったら、まず旧店の賃貸借契約書とリース契約書を開くところから始めてください。
原状回復工事(スケルトン戻し)
事業用テナントの多くは、退去時に内装・設備をすべて撤去し、コンクリート躯体がむき出しの状態(スケルトン)へ戻す義務が契約に定められています。工事費は一般に坪3万〜10万円程度が目安ですが、厨房の防水層やグリストラップ、排気ダクトを撤去する飲食店では坪5万〜15万円程度に達することもあります。どこまで戻すか(造作のみか、間仕切り・設備・配管までか)は契約書の原状回復条項に依存するため、範囲の確認が見積もりより先です。
解約予告期間の家賃
事業用物件では解約の3〜6ヶ月前までに書面で予告する条項が一般的です。営業を終えた後も予告期間分の家賃は満額発生し、原状回復工事も引き渡し日までに完了させる必要があります。家賃30万円・予告6ヶ月なら、通知した瞬間に180万円の支払いが確定する計算です。この「通知日」が移転費用全体の起点になります。
リース・サブスク契約の中途解約金
厨房機器や券売機、POSレジ、音響設備などのリース契約は、新店で使い続けるなら移設で済みますが、解約するなら残期間のリース料や違約金が発生します。近年は予約システムや通信回線などの解約金・データ移行費も無視できない項目になっています。契約ごとに「移設・継続・解約」を仕分けるのが先決です。
石綿(アスベスト)事前調査
解体・改修工事では石綿の事前調査が義務付けられており、2023年10月以降は有資格者による調査が必要になりました。調査費用は数万〜十数万円程度が目安で、築年数の古いビルではこの工程を飛ばせません。原状回復の見積もりに含まれているかを必ず確認してください。
原状回復費は近年高騰しています
解体工事は人手不足と廃棄物処分費の上昇の影響を強く受ける分野で、数年前の相場観のまま予算を組むと不足しがちです。金額は必ず現時点の見積もりで確認し、可能であれば貸主指定外の範囲について複数社の見積もりを取ってください。
新店を作る費用の内訳
開店側は新規開業と同じ構造ですが、移転ならではの違いが2つあります。旧店から持ち込める設備があること、そして旧店の引き渡し期限という締め切りがあることです。
| 項目 | 目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 物件取得費 | 賃料の6〜12ヶ月分 | 保証金・敷金(3〜10ヶ月)+礼金(0〜2ヶ月)+仲介手数料+前家賃 |
| 内装工事費(居抜き活用) | 坪15万〜40万円程度 | 既存設備の状態次第。業種別の詳細は後述の46業種ガイドへ |
| 内装工事費(スケルトン) | 坪30万〜60万円程度 | 設備の重い業種(飲食・医療など)は上振れ |
| 設備・什器の購入 | 業種により大きく変動 | 旧店からの移設可否で数十万〜数百万円の差 |
| 移設・引越費 | 数万〜数十万円 | 厨房機器・医療機器など重量物や精密機器は専門運搬が必要 |
| 移転告知・販促 | 数万〜数十万円 | 店頭掲示・DM・Web更新・看板 |
物件取得費は「賃料の約10ヶ月分」と覚えておくと大きく外しません。内装費は物件がスケルトンか居抜きかで倍近く変わるため、物件探しの段階が実質的に内装予算を決めるフェーズになります。候補物件の内見時に、電気容量・ガス・給排水のインフラが自分の業種に足りるかを確認しておくと、契約後の想定外の引き込み工事を防げます。物件の見極め方は店舗物件の探し方ガイド、居抜き物件の判定方法は居抜き開業ガイドで詳しく解説しています。
重なり期間の費用──二重家賃はスケジュール設計で削る
移転で最も見落とされるのが、旧店と新店の両方に家賃を払う期間の存在です。旧店は解約予告期間が終わるまで、新店は契約日から、それぞれ家賃が発生します。この重なりをどう設計するかは、原状回復の値引き交渉よりも確実に効く費用削減です。
例として、旧店家賃30万円・解約予告6ヶ月・新店家賃35万円・新店の内装工事に1.5ヶ月かかるケースを比べます。
| 設計 | 新店契約のタイミング | 二重家賃の期間 | 重なり費用 |
|---|---|---|---|
| 行き当たり型 | 解約通知と同時に契約 | 約6ヶ月 | 35万円×6ヶ月=210万円 |
| 逆算型 | 通知の3ヶ月後に契約+フリーレント1ヶ月交渉 | 実質約2ヶ月 | 35万円×2ヶ月=70万円 |
差額は140万円。同じ物件・同じ工事内容でも、契約日を旧店の引き渡し日から逆算して決めるだけでこれだけ変わります。新店側では、内装工事期間中の家賃を免除するフリーレント交渉が事業用物件でも一般的に行われており、工事期間の1〜2ヶ月分が対象になることがあります。逆算の起点は常に「旧店の解約通知日」です。
もう一つの重なり費用が、休業期間中の運転資金です。旧店を閉めてから新店を開けるまで営業できない期間の人件費・固定費と、新店の売上が安定するまでの数ヶ月分の運転資金を、移転予算とは別枠で確保しておく必要があります。月次の固定費の洗い出しは店舗運営の固定費ガイドが参考になります。
業種で移転費用の重心は真逆になる
「店舗移転の相場」を一つの数字で語れない理由は、業種によって費用の重心が旧店側と新店側で真逆になるからです。原状回復が高いか安いかは、坪単価表ではなく自分の業種が床下・天井裏・壁の中に何を埋めてきたかで決まります。
両側とも重い:重厨房の飲食
- 旧店側ダクト・グリストラップ・防水層の撤去が高額
- 新店側強火力厨房・大容量排気の新設も高額
- 該当焼肉・ラーメン・中華・焼き鳥など
新店に偏る:物販・アパレル
- 旧店側造作が軽く原状回復は比較的安い
- 新店側照明計画・什器・VMDに費用が集中
- 該当アパレル・眼鏡・雑貨・家電など
水回りが軸:美容・サロン
- 旧店側シャンプー台等の給排水撤去・床復旧
- 新店側給排水の引き直しと個室造作が中心
- 該当美容室・エステ・ネイル・整骨院など
基準と機器が軸:医療・福祉
- 旧店側X線室等の特殊構造の撤去・機器の精密移設
- 新店側構造設備基準を満たす造作+開設手続きが直結
- 該当クリニック・歯科・薬局・保育・介護など
例えば寿司店は、旧店の原状回復は比較的軽い一方で、新店の檜カウンターと冷蔵設備に費用が集中する非対称型です。逆に焼肉店は、旧店のロースター・ダクト撤去と新店の排気新設の両方が重く、移転総額が最も膨らみやすい業種の一つです。自分の業種の費用構造は、後述の46業種別ガイドで個別に確認してください。
店舗移転の流れ8ステップ(逆算スケジュール)
移転の標準的な準備期間は6〜10ヶ月です。すべての工程は「旧店の解約通知日」と「引き渡し日」から逆算して組みます。
月単位の逆算モデル(予告6ヶ月・工事1.5ヶ月の場合)は次のとおりです。
| 時期 | 旧店側 | 新店側 |
|---|---|---|
| 10〜7ヶ月前 | 契約書確認・畳み方の決定・居抜き売却なら買い手探し開始 | 物件探し・インフラ確認・資金計画 |
| 6ヶ月前 | 解約通知(ここから予告期間の家賃が確定) | 候補物件の絞り込み・内装会社の相見積もり開始 |
| 5〜4ヶ月前 | 営業継続 | 新店契約(フリーレント交渉)・設計確定・許認可の事前相談 |
| 3〜2ヶ月前 | 移転告知の開始・リースの仕分け | 内装工事・設備移設の段取り |
| 1ヶ月前 | 旧店の営業終了 | 竣工・検査・引越し・新店オープン |
| 引き渡しまで | 原状回復工事(2週間〜1ヶ月)→引き渡し | 営業安定化 |
ポイントは2つあります。第一に、解約通知(ステップ4)を出す前に畳み方(原状回復か居抜き売却か)を決めておくこと。通知後に居抜き売却へ切り替えようとしても、買い手探しの時間が足りなくなります。第二に、旧店の営業を続けながら新店を作り、開店後に旧店の原状回復へ入る順番にすると、休業期間を最小化できます。旧店の引き渡し日は原状回復工事の期間(通常2週間〜1ヶ月程度)を見込んで設定してください。開業側の全体像は店舗開業ロードマップも参考になります。
閉店・開店の手続き一覧
行政上、店舗の移転は「旧店の廃止+新店の新規開設」として扱われる手続きが多く、特に営業許可は物件に紐づくため引き継げません。主な届出先を整理します(業種・自治体により異なるため、必ず所轄へ確認してください)。
| 届出先 | 旧店(閉店側) | 新店(開店側) |
|---|---|---|
| 保健所 | 廃業届・営業許可証の返納 | 営業許可の新規申請(図面事前相談を推奨) |
| 消防署 | 防火対象物の使用廃止関連の届出 | 防火対象物使用開始届・防火管理者選任届など |
| 税務署 | 納税地・事業所の異動に関する届出(移転の場合は異動届が中心) | |
| 警察署 | 深夜酒類提供などの廃止届(該当業態) | 深夜酒類提供の届出・風俗営業許可など(該当業態) |
| 労務関係 | 従業員を雇用している場合、労働基準監督署・ハローワーク・年金事務所へ所在地変更の届出 | |
飲食店の営業許可は新店で取り直しになるため、内装の設計段階で保健所の基準(シンクの数、手洗い、区画など)を織り込んでおかないと、完成後の手直し工事が発生します。クリニック・薬局・保育・介護などの許認可業種は、構造設備基準と開設手続きが内装計画そのものに直結するため、各業種の移転ガイドで個別に確認してください。
移転費用を抑える現実的な5つの方法
1. 旧店を居抜きで売却する(造作譲渡)
次の借り手に内装・設備を譲渡できれば、原状回復費がなくなるうえ、造作譲渡料を受け取れる可能性もあります。最も効果の大きい方法ですが、貸主の承諾が必須で、買い手が見つからないリスクもあるため、解約通知の前に動き始める必要があります。詳しくは造作譲渡ガイドを参照してください。
2. 移設できる設備を見極める
厨房機器・空調・照明・什器のうち移設に耐えるものを新店で使えば、購入費を大きく削れます。ここで重要なのは、旧店の解体見積もりと新店の内装見積もりを同じ目で見てもらうことです。別々の業者に頼むと、解体側は「すべて撤去・処分」の前提で、内装側は「すべて新品」の前提で見積もりを作ります。両方を見る人がいて初めて「この製氷機とエアコンは持っていける」という判断が生まれます。
3. 旧店の原状回復と新店の内装をまとめて相談する
移設の目利きに加えて、旧店の引き渡し日と新店の着工日を業者側で連結できるため、スケジュールの断絶や二重手配の手間が減ります。ただし、原状回復はビル側が施工業者を指定するB工事扱いになっている物件も多く、その部分は一括にできません。契約書の工事区分(A・B・C工事)を確認したうえで、自由に発注できる範囲をまとめるのが現実的です。
4. 複数社の相見積もりで適正価格を確認する
内装工事も原状回復も、同じ条件で2〜3社の見積もりを取ると金額の妥当性と項目の抜け漏れが見えます。1社だけの見積もりでは、金額が高いのか安いのかを判断する基準そのものがありません。業者選びの基準は店舗内装業者の選び方ガイドで詳しく解説しています。
5. 解約通知日を新店計画から逆算して決める
前述のとおり、二重家賃は交渉ではなくスケジュール設計で削る費用です。物件候補が見えてから通知する、フリーレントを交渉する、引き渡し日から原状回復期間を逆算する。この3点だけで、値引き交渉よりも確実に数十万〜百万円単位の差が生まれます。
移転費用チェックリスト(見積もり前に確認)
- 旧店の賃貸借契約書:原状回復の範囲・解約予告期間・工事区分(A/B/C)
- リース契約:移設・継続・解約の仕分けと違約金
- 畳み方の決定:原状回復か居抜き売却か(通知前に決める)
- 新店のインフラ:電気容量・ガス・給排水が業種要件を満たすか
- 二重家賃の設計:通知日・契約日・フリーレント・引き渡し日の逆算
- 休業期間と運転資金:売上が止まる期間の固定費を別枠で確保
旧店の原状回復と新店の内装、まとめて比較しませんか
店舗内装ドットコムなら、移転の条件を一度入力するだけで複数の内装会社から見積もりが届きます。移設できる設備の目利きも含めて比較できます。
業種別の移転ガイド46本(費用相場の各論)
移転費用の実額は業種の設備構造で決まります。当サイトでは46業種それぞれについて、旧店の原状回復と新店の内装を一括で進めるための費用相場・段取り・業者の選び方を個別に解説しています。該当する業種のガイドをご覧ください。
飲食店の移転ガイド
美容・健康業種の移転ガイド
医療・クリニックの移転ガイド
物販・サービス業種の移転ガイド
教育・福祉業種の移転ガイド
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よくある質問
店舗移転の総額はいくら見ておけばいいですか?
10〜20坪クラスで300万〜800万円程度が一つの目安です。ただし総額は「旧店の畳み方」で大きく変わります。居抜き売却が成立すれば原状回復費がなくなり下振れし、スケルトン戻し+スケルトンからの新装なら上振れします。新店の内装費だけでなく、原状回復・解約予告期間の家賃・二重家賃・休業中の運転資金まで含めて資金計画を立ててください。
原状回復は必ずスケルトンまで戻すのですか?
契約書の原状回復条項によります。事業用テナントではスケルトン戻しが多数派ですが、造作の撤去のみで良い場合や、居抜きで入居した範囲は対象外となる場合もあります。まず契約書で範囲を確認し、不明瞭な条文は貸主・管理会社に書面で確認してください。範囲の解釈違いは退去時トラブルの典型です。
二重家賃はどのくらいかかりますか?減らす方法は?
設計次第で、同じ移転でも数十万円から200万円超まで変わります。減らす鍵は3つ。新店の契約日を旧店の解約通知日から逆算して遅らせること、内装工事期間分のフリーレントを交渉すること、旧店の引き渡し日を原状回復期間込みで設定することです。金額交渉より確実に効きます。
営業許可は新しい店舗に引き継げますか?
引き継げません。飲食店営業許可などは物件(施設)ごとの許可のため、移転先で新規に取得し直します。旧店では許可証の返納と廃業届が必要です。新店の内装設計の段階で保健所の施設基準を織り込み、着工前に図面相談をしておくと手戻りを防げます。
厨房機器や什器は新店に持っていけますか?
状態と新店のインフラ次第で多くは移設可能です。ただし判断には、旧店の解体と新店の内装の両方を見る目が必要です。解体業者は撤去処分前提、内装業者は新品前提で見積もるため、別々に頼むと移設の選択肢が検討されないまま進みがちです。見積もり時に「移設候補リスト」を作って両者に共有してください。
旧店の原状回復と新店の内装は同じ会社に頼めますか?
頼めるケースは多く、移設の目利きとスケジュール連結の面でメリットがあります。ただし原状回復がB工事(貸主指定業者での施工)と定められている物件では、その部分は指定業者に発注する必要があります。契約書の工事区分を確認し、自由に発注できる範囲をまとめて相談するのが現実的です。
移転にはどのくらいの期間がかかりますか?
構想から旧店の引き渡しまで6〜10ヶ月が標準です。最大の制約は旧店の解約予告期間(3〜6ヶ月)で、これより短くはできません。物件探しと畳み方の決定を通知前に済ませておくと、通知後の工程(設計・工事・許認可・引越し)を予告期間内に収めやすくなります。
居抜きで売却できれば原状回復は不要になりますか?
買い手と貸主の承諾が揃えば原状回復は不要になり、造作譲渡料を受け取れる可能性もあります。ただし貸主が居抜き退去を認めない物件や、買い手が期限までに見つからないケースもあるため、不成立の場合の原状回復費と期間は予備として確保しておくのが安全です。
まとめ──移転の総額は「畳み方」と「重ね方」で決まる
店舗移転の費用は、新店の内装費という一つの数字ではなく、旧店を畳む費用・新店を作る費用・重なり期間の費用という3つの財布の合算です。そして総額を最も大きく動かすのは、坪単価の交渉ではなく、居抜き売却の成否という「畳み方」と、解約通知日から逆算する「重ね方」の設計でした。まずは旧店の契約書を開いて原状回復の範囲と予告期間を確認し、自分の業種の費用構造を業種別ガイドで把握したうえで、複数社の見積もりで適正価格を確かめてください。
