照明の
業態・席数・物件の状態を伺い、照明の計画と工事まで対応できる会社を、事務局が1社ずつ確認してご紹介します。
飲食店の照明は、席の配置と一緒に決めます。
- 配置:料理・メニューを照らす光と、顔・通路・背景の光を分ける。多灯照明は灯数より役割が先です。
- 器具代・工事代の参考:調光スポット1台27,700円・税抜の希望小売例。工事の比較開始値は、配線込みレール6,000円/m、間接照明の造作30,000円/mです(公表幅の上側・税未記載・光源等別)。条件と単価を変えて比較する
- 選ぶ軸:卓面の明るさ/色温度・演色性/座った目線のまぶしさ。実際の皿とメニューで確認します。
1. レストランの多灯照明は、テーブルと通路を分けて配置する
落ち着いた飲食店では、空間の明るさを抑え、テーブル面に光を集める二層の設計が選択肢になります。ただし、料理だけを照らして客の顔・足元・段差を暗くしないこと。配膳する人の影が皿に落ちないかも、着席位置から確認します。
多灯照明の効果は、場所ごとに光を調整しやすい点です。まず平面図にテーブル、椅子、配膳通路を書き、次に「卓面」「背景」「通路」の器具と点灯グループを重ねます。灯数を増やすだけでは、光源が目に入りやすくなる場合があります。
多灯配置の模式図〈上から見た考え方〉
料理
メニュー
椅子・客の顔も確認
足元
段差
人の影
料理
メニュー
椅子・客の顔も確認
寸法・灯数・照度を指定する設計図ではありません。実際の配光と家具位置を図面に重ねて調整します。
配光角は「狭角ならよい」で決めない
同じ器具でも狭角は光を集め、広角は広い範囲を照らします。高い天井、長いテーブル、席を連結する店では、皿の端や隣の席まで届くかが変わります。器具の配光データと取付高さを使って、卓面の照度分布を確認してください。ワット数や坪数だけで台数を決めず、客席の顔・通路との明暗差も見ます。Panasonicの照度計算の解説も、作業面・室条件・保守率などを含めて検討しています。
2. 色温度は2700〜3000Kを候補に、料理と内装で比べる
色温度は光の色味を表し、数値が低いほど暖かい色に、高いほど白っぽい色に見えます。暖かい雰囲気をつくりたい客席では、電球色2700〜3000Kを比較の出発点にできます。昼の採光、壁や木部の色、料理の盛り付けによって見え方は変わるため、この範囲だけを正解にしません。
白い器・赤い食材・緑の野菜と、印刷したメニューを同じ位置に置き、候補の照明を比べましょう。昼も営業する店は昼光が入る状態でも確認します。異なる色温度を組み合わせる場合は、壁・卓面など役割を分け、隣の器具との色の違いが意図した見え方か確認します。
キッチンの電球色は、雰囲気だけで選ばないこと。厨房では包丁作業・盛り付け・汚れの見つけやすさを優先し、客席から見えるオープンキッチンでも作業面の明るさと色の確認を省きません。色温度の定義と、同じ色温度でも色味が異なる点はPanasonic「光色・演色性」で確認できます。
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業態・席数・物件の状態を伺い、照明の計画と工事まで対応できる会社を、事務局が1社ずつ確認してご紹介します。
3. 演色性Raと明るさは別々に確認する
Raは、基準の光に対して色をどれだけ忠実に見せるかを示す平均演色評価数です。料理を照らすLEDではRa90以上も候補として比較し、色温度・配光・価格と合わせて選びます。Raが高いことと、好ましい色・おいしそうな見え方は同じ意味ではありません。
Raは中程度の彩度の試験色による平均値で、赤色の評価R9とは別です。刺身や肉の赤を重視する場合は、R9などのメーカー資料と現物を確認します。「高演色なら器具代がほとんど変わらない」とは限らないため、同じ条件の型番で見積を比べてください。定義の出典:Panasonic「演色性」。
飲食店の明るさはどこで測るか
照度(lx)は、光を受ける面の明るさです。卓面・メニューを読む位置・厨房の作業面・通路では確認する面が異なります。設計者に場所別の目標照度、計算条件、調光時の確認位置を示してもらい、完成時に照度計と目視で確かめます。平均値だけで、暗い席やまぶしい席がないとは判断できません。
4. 器具は席替え・目線・清掃の条件から選ぶ
ペンダント・ダウンライト
固定する席で検討。ペンダントは卓面と店の表情をつくりやすく、ダウンライトは天井に納められます。吊り高さは一律に決めず、立ち座り・対面の顔・光源の見え方・清掃時の手の届き方で調整します。
レール・スポットライト
席を動かす店で検討。レール上で位置や照射方向を調整できます。レールの位置、器具の可動範囲、耐荷重・電気容量・適合器具を確認し、移動後に皿と顔への光を見直します。
高級感のあるテーブルランプを置く場合も、デザインだけでなく飲食店のレイアウトに合わせます。大皿・グラス・メニューの場所を確保し、向かいの顔が隠れないか、光源が目に入らないかを着席して確認。充電式は点灯時間・充電場所・予備の運用、コード式は配膳や清掃時の引っ掛かりを確かめます。
間接照明は、天井を照らすコーブ、壁を照らすコーニス、棚の背面・下部、足元、植栽などへの下からの光で役割が異なります。天井の反射は全体の補助、壁・棚は背景、足元は通行の補助と分けて検討します。光源を隠す納まり、反射面の色、清掃と電源装置の交換口まで見積図面に入れてください。
5. カフェ・居酒屋・バーで確認する場面を変える
- カフェ:昼の窓際と奥の席、夜の卓面を比較。読書・作業を想定する席では手元の光を確認します。カフェの内装計画も合わせて検討します。
- 居酒屋・焼き鳥店:カウンターとテーブルで配膳位置が違います。焼き台まわりは熱・油煙への適合と清掃性を確認。提灯や裸電球を見せる演出も、客の目線からのまぶしさを確かめます。居酒屋の内装計画。
- バー・隠れ家レストラン:棚や卓上の小さな光を生かしつつ、メニュー・足元・段差・会計時の視認性を確保。営業形態に応じた管轄確認も先に行います。
- 和食・和モダン:行灯・間接光と、料理を照らす光を組み合わせます。木・塗り壁・器の反射で見え方が変わるため、仕上げ見本と同時に比較します。和モダンの内装計画。
- 食堂・ファストフード・ラーメン店:券売機、メニュー、料理の受け渡し、清掃時の見え方を優先。湯気に光を当てる場合は、対面の客やスタッフにまぶしさが出ない方向を試します。
6. 調光と工事区分は、レイアウトを決める段階で確認する
照明計画はテーブル位置と並行して進めます。①家具配置→②卓面・背景・通路の配光→③昼夜の点灯グループ→④器具と配線・制御方式→⑤見積と試点灯の順に条件をそろえます。後から位置を変えると、天井開口や配線の補修が必要になる場合があります。
客席・カウンター・間接照明を別々に調整するには、回路分けや対応する制御方式を検討します。既存店では無線制御なども選択肢ですが、既設配線と器具の条件次第です。「調光器対応」と書かれたLEDでも、どの調光器にも使えるわけではありません。器具・ランプ・調光器の型番の組み合わせ、接続台数、最低調光時のちらつきを施工会社と確認してください。根拠:日本照明工業会のLEDランプと調光器の注意事項、Panasonicの無線調光の説明。
テナントでは、照明・配線が借主の選べるC工事か、ビル指定のB工事かを管理会社の工事区分表で確認します。指定業者、電源容量、天井への取付条件、原状回復まで見積前にそろえましょう。詳しくはA工事・B工事・C工事の違い。配線・取付に必要な資格や作業範囲は、電気工事業者へ確認します。
非常用照明・誘導灯は、演出照明と分けて確認します。要否や位置は建物・区画・避難経路の条件で変わるため、工事前に非常用照明は管理会社・建築士、誘導灯は所轄消防へ図面を示して相談してください。参考:国土交通省の非常用照明の解説、東京消防庁のテナント工事・消防設備の案内。
7. メニュー・看板・入口は、夜に読む位置から見る
卓上が明るくても、光沢のあるメニューが反射して読みにくい場合があります。文字サイズだけでなく、座って手に持つ角度、スタッフが説明する位置、会計端末の画面を確認します。鏡やガラスに光源が映り込む席も点検してください。
入口・ファサード・看板は、店内の照明と同じ図面で計画。歩道から文字と入口の段差が見えるか、窓越しに客席がどう見えるか、近隣や道路へ強い光が向かないかを確認します。屋外用器具の適合や看板・外観の条件は、管理会社と管轄窓口に確認してから発注します。
8. 窓際・西日・閉店後も含めて点灯を試す
昼光の入る窓際と奥の席では必要な補助光が変わります。西日が入る店は、ブラインドやシェードの有無で、目線のまぶしさと料理の見え方を比べます。昼の写真だけで夜の照明を決めないことが大切です。
昼・夜・清掃の点灯状態を決め、調光や調色が必要な範囲を絞ります。スタッフが迷わないスイッチ表示やシーン設定も依頼してください。LEDの寿命表示だけで保守不要とは考えず、高い天井の交換方法、厨房側の油汚れ、器具の清掃、電源装置の交換を運用に含めます。営業中の雰囲気と閉店後の作業性を両方確かめます。
9. 見積は器具代と工事代を分け、同じ条件で比べる
器具代の公開例:Panasonic NTS01009BLG1は、希望小売価格1台27,700円・税抜。2700K・Ra95のLEDスポットです。2026年10月8日にメーカーの型番情報を確認しました。販売価格や飲食店全体の相場を示す金額ではなく、レール・調光器・別売フード等・配線取付工事はこの金額に含めません。
下の単価は、施工会社が公表する幅の上側を当ページの比較開始値として選んだものです。単価は見積に合わせて変更できます。台数・長さ・系統数は実際の図面から入力してください。数量の初期値は置いていません。
小計は入力した費目だけの参考額です。原典に工事価格の税表記がないため、税込の工事総額は計算しません。器具を上記型番で選ぶ場合の本体小計は27,700円×採用台数(税抜)。別の「器具込み設置価格」に重ねて足さず、見積の包含範囲を確認します。
案A:席替えに対応するレール計画
レール位置と必要長さを図面に重ねて比較。公表幅は配線込みレール3,000〜6,000円/m、既設照明の撤去2,000〜4,000円/台です。
出典:店舗電気工事の費目別公表例(江東区の店舗を対象にした2026年8月12日の記事。10月8日確認)。税未記載。撤去の処分費は「含む場合あり」で、天井クロス補修は追加です。レールの価格を、器具・調光器・補修を含む一式と扱いません。
配線込みのダクトレール
この費目の参考小計:
既設照明の撤去
この費目の参考小計:
見積で足す条件:採用器具・調光器、天井への固定と補強、撤去後の補修、処分、高所・夜間作業。新装で撤去がなければ、その数量を0にします。
案B:固定席に間接光を足す計画
器具だけでなく光源を隠す造作を分けます。公表幅はLED本体3,000〜8,000円/m、折り上げ・幕板の造作10,000〜30,000円/m、配線・回路分け15,000〜30,000円/系統です。
出典:間接照明の費目別公表例(2026年10月8日確認)。税未記載。高演色の光源や複雑な造作は上振れし、調光導入は加算とされています。配線費を調光込みの価格にしません。
LEDテープライト本体
この費目の参考小計:
間接照明の造作
この費目の参考小計:
電気配線・回路分け
この費目の参考小計:
見積で足す条件:調光器と対応電源装置、交換口、天井開口・仕上げ復旧。造作する長さとLEDを入れる長さが同じとは限らないので別々に入力します。
調光と配線は、同じ工事名で比較します。電気工事の料金表には「調光スイッチ取付14,130円」「分電盤からの最初の1回路用配線31,500円」が別々に載っています(2026年10月8日確認)。同料金表には、雑費・諸経費・工具・消耗部材等として小計の5%も掲示されています。適用する小計の範囲、出張費・駐車場代、調光器本体の包含、配線長と税の適用を見積で確認してください。これらの取付・配線の金額を、調光回路一式の単価には換算していません。器具との適合を確認し、調光器・回路配線・試点灯調整を区別して見積を依頼しましょう。
上の2案は、異なる費目の予算を整理するための比較です。一方の小計が小さいだけで割安とは判断できません。レールの計画でも間接光を併用できます。照らす場所と工事範囲を合わせて、採用する項目を決めてください。
両案で卓面の目標照度、色温度、演色性、調光範囲、試点灯・調整の有無をそろえて比べます。既存器具の撤去処分、高所作業、閉店後の施工が必要なら、その金額と営業への影響も別項目に。施主支給を考える場合は、適合確認・不足品の手配・不具合時の対応範囲を注文前に決めます。
席の配置図、天井高、候補器具、昼夜の営業形態を用意すると相談内容を整理できます。一度の入力後、事務局が候補会社へ1社ずつ対応可否を確認し、対応可能な会社をご紹介します。紹介先と直接相談・見積もりを進め、提案を比べて自由に選べます。相談無料・会員登録不要です。
10. 発注前に潰したい照明の失敗3つ
- 明暗差が大きく、メニューや通路が見えない:料理だけでなく顔・足元・段差を、昼夜それぞれで試す。スタッフが横に立ったときの影も確認。
- 器具を足したら色やまぶしさが合わない:既存器具と候補を同時に点灯し、実際の皿・メニュー・内装見本で比較。席替え後も確認する。
- 調光が効かない、交換できない:型番の適合表と制御方式を確認。最低照度からの点灯、清掃・交換口、完成時の照射方向の調整まで依頼に含める。
飲食店の照明でよくある質問
飲食店の照明は何色・何Kがよいですか?
暖かい雰囲気の客席では2700〜3000Kを比較の出発点にできます。料理・内装・昼光で見え方が変わるので、実物で確認します。厨房は作業性も別に確認してください。
暗い雰囲気と食事のしやすさは両立できますか?
卓面の光と空間の光を分けて検討できます。ただし手元だけでなく、客の顔・メニュー・通路・段差の見え方を確認し、営業形態に応じた基準は管轄へ確認します。
レールとダウンライトはどちらがよいですか?
席を動かすなら位置や向きを調整できるレールが候補です。固定席ならダウンライトやペンダントも比較できます。天井条件、まぶしさ、照度分布、清掃性、工事範囲をそろえて判断します。
照明はいつ決めればよいですか?
テーブルと配膳動線を決める段階から並行して進めます。器具だけを先に購入せず、点灯グループ、調光の適合、工事区分と見積を確認してから発注します。
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