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「店が古くなってきた」「炭火に変えて味で勝負したい」「大衆店から落ち着いたカウンターに変えたい」——営業中の焼き鳥屋を改装するとき、多くのオーナーがまず費用を調べます。ですが、すでに営業している店の改装は、ゼロから作る開業とは別物です。同じ”焼く”でも、焼肉と焼き鳥は核心が違います。焼肉は客が各卓で焼くから全卓ロースター+個別排気が核心でしたが、焼き鳥は焼き手が焼き場(カウンター内/厨房)で焼くから、焼き場の焼き台(炭火/ガス/電気)と、店全体の強力な排気ダクト・排気給気バランスが核心です。だから判断の核心は「焼き台・排気ダクトを残すか/やり直すか(炭火⇔ガス⇔電気の変更含む)」、そして「カウンター(焼きを見せる)かテーブル/座敷か、どんな客層に向けるか」の二軸です。本記事は、この視点から、費用相場・営業しながらの可否・発注自由度までをまとめた発注者向けガイドです。テイスト・世界観・客層別の詳細は焼き鳥店の内装デザインガイド、工事区分はA/B/C工事区分ガイドもあわせてご覧ください。
この記事の要点
- 焼き鳥改装の止める分かれ目は焼き台・排気ダクト。やり直すなら休業が前提
- 焼肉の各卓排気と違い、焼き鳥は焼き手が焼き場で焼く=焼き台と店全体の強力排気が核心
- 焼き台(炭火/ガス/電気)の選択が、排気ダクトの規模・費用・味・消防をまとめて決める
- 油煙が非常に多いため、排気と給気のバランス設計が最重要(給気不足で逆流・壁面排気で近隣クレーム)
- カウンター(焼きを見せる・高級)⇔テーブル/座敷(大衆・宴会)で客層と収益が変わる
目次
- 焼き鳥改装の止める分かれ目は焼き台・排気ダクト。焼肉の各卓排気と別で”焼き場に集中”
- 焼き鳥改装の費用相場・坪単価【物件・目的別】
- 【無料】焼き鳥改装 費用シミュレーター
- 営業しながら改装できる?客席・照明はOK・焼き台や排気ダクトは休業
- 焼き台は炭火?ガス?電気?=排気・費用・味・消防をまとめて決める
- 排気と給気のバランスは大丈夫?(油煙・近隣クレーム・逆流)
- あなたの店は業者を選べる?(発注自由度・排気とガス/不燃化)
- 改装で押さえる:カウンター(焼きを見せる)か座敷か・照明(オレンジ)・串打ち場
- 焼き鳥改装の目的別 進め方
- 改装の流れと工期・リニューアル
- 失敗しない業者の選び方(焼き鳥改装版)
- 改装の法令チェック(飲食店営業許可・消防・悪臭/近隣)
- よくある質問(FAQ)
焼き鳥改装の止める分かれ目は焼き台・排気ダクト。焼肉の各卓排気と別で”焼き場に集中”
営業中の焼き鳥屋を改装するとき、最初に置くべき判断軸は「どんな内装にするか」ではありません。「焼き台・排気ダクトをやり直す改装か、それとも残す改装か」という段取りの設計です。同じ”焼く”でも、焼肉と焼き鳥は核心が違います。焼肉は客が各卓で焼くから、全卓ロースター+個別排気が核心でした。焼き鳥は焼き手が焼き場(カウンター内/厨房)で焼くから、焼き場の焼き台(炭火/ガス/電気)と、店全体の強力な排気ダクトが核心です。
焼き台・排気ダクトに触れる改装は、火と排気・防火・給排気が連動するため休業が前提になります。とくに炭火⇔ガス⇔電気を変える改装は、焼き台だけでなく排気・消防・不燃化まで連動します。一方、客席・照明・世界観の刷新なら、店を閉めずに進められることが多い。だから最初の判断は「焼き台・排気ダクトを残せるか」。残せば営業しながら、やり直すなら休業——この線引きが、工期と費用を分けます。焼肉は各卓ごとの排気でしたが、焼き鳥は焼き場の焼き台と店全体の強力排気が固有です。
焼き鳥改装の費用相場・坪単価【物件・目的別】
公開されている各社の情報を整理すると、焼き鳥改装の工事費はおおむね次のレンジが目安として共通して示されています。坪単価は20〜40万円(30万円前後)、スケルトン物件で40〜60万円、居抜き物件はその約半額が一つの目安です。20坪なら、空調100万円弱・排気ダクト80万円弱・厨房機器150〜200万円・家具50万円ほどで、800〜1,000万円ほど見込んでおくこともあります。15坪のスケルトンで600万円以上、焼き鳥の居抜きなら15坪で約220万円が最低ラインという目安もあります。
ここで焼き鳥ならではの注意点があります。焼き台そのものは比較的安い(ガス式は1台1〜10万円ほど)一方、コストが大きく動くのは排気ダクトと、炭火を選んだ場合の消防・不燃化です。焼き鳥は油煙が非常に多く強力な専用ダクトが要り、炭火なら炭置き場・消火用砂・内装の不燃化が加わります。だから「焼き台が安いから設備は安い」と考えると、見積もりで大きく外します。
内訳を読むときのコツは、項目を「①解体・原状回復」「②内装・造作」「③強力排気ダクト・給排気」「④焼き台・不燃化(炭火なら炭置き場・消火砂)」「⑤諸経費」に分けて見ることです。開業の見積もりと違い、改装では①が必ず乗り、③④が焼き台・排気をやり直すかどうかで大きく動きます。見積書を受け取ったら、まず③と④がどこまで含まれているかを確認すると、各社の金額差の理由が見えてきます。
なお、部分改装で内装材だけを張り替える場合の単価の目安(公開情報)は、壁紙(クロス)が1,000〜2,000円/㎡、床のクッションフロアが2,000〜5,000円/㎡、床タイルが3,000〜8,000円/㎡、天井クロスが1,500〜3,000円/㎡、壁の塗装が1,000〜3,000円/㎡ほどです。「客席の壁だけ」「床だけ」といった部分的な改装では、この㎡単価から概算できます。
部分改装(焼き台残す)
全面・焼き台やり直し
費用の全体像は店舗内装の費用ガイド、テイスト別の坪単価・5年メンテの目安は焼き鳥店の内装デザインガイドでも扱っています。
【無料】焼き鳥改装 費用シミュレーター
業態・広さ・立地・改装レベルに加えて、改装する部位ややり直す造作(焼き台のやり直し・炭火⇔ガス⇔電気の変更、強力排気ダクト・排気給気の更新など)を選ぶと、あなたの状況に合わせて工事費の概算・内訳・想定休業・注意点までその場で変わります。焼き鳥の改装は焼き台・排気ダクトを残すか・やり直すかで大きく振れるため、予算の当たりをつけるための目安としてお使いください。
営業しながら改装できる?客席・照明はOK・焼き台や排気ダクトは休業
焼き鳥店でも、営業しながら改装できる範囲があります。客席・座敷・カウンターの意匠・照明・世界観といった内装であれば、区画を分けて・営業時間外に進めることで、営業を止めずに改装できることが多いです。落ち着いた雰囲気や和の世界観を整えるだけなら、店を閉めずに少しずつ進められます。
一方で、すべての改装が営業しながらできるわけではありません。焼き台のやり直し・炭火⇔ガス⇔電気の変更、強力排気ダクト・給排気の更新は、火と防火・給排気が連動するため休業が前提になります。とくに炭火化は、ダクトの作り直しに加えて炭置き場・消火用砂・内装の不燃化が連動し、火を止めることになります。継続できる工事と休業が要る工事の線引きを押さえておきましょう。
- 【営業しながら可】客席・座敷・カウンターの意匠、照明・世界観の刷新
- 【営業しながら可】区画を分けて・営業時間外に進める範囲の客席工事
- 【休業が前提】焼き台のやり直し・炭火⇔ガス⇔電気の変更(排気・消防が連動)
- 【休業が前提】強力排気ダクト・排気給気の更新(油煙・防火が連動)
- 【段取りが要る】串打ち場・冷蔵・鶏の熟成庫の更新(仕込みを止めなければ)
そして見落とされがちなのが常連客への告知設計です。焼き鳥店は地域の常連・行きつけ商売の色が濃いため、休業期間や再開日を事前に告知し、常連に個別に伝えます。SNS・店頭を更新し、「リニューアル予告」としてポジティブに発信すれば、休業の不便を期待感に変えられます。長く通う常連を切らさない段取りが重要です。
焼き台は炭火?ガス?電気?=排気・費用・味・消防をまとめて決める
焼き鳥改装で最も大きな分岐が、焼き台の種類です。炭火・ガス・電気のどれを選ぶかで、排気ダクトの規模・費用・味・消防対応がまとめて変わります。改装で焼き台を入れ替える・燃料を変えるなら、焼き台単体でなく、排気・消防・不燃化まで連動することを押さえましょう。
炭火焼き台
ガス焼き台
電気焼き台
整理すると、味にこだわるなら炭火、コスト重視なら電気、バランス型はガス。ただし席数の多い店では焼くスピードの速い炭火かガスが向きます。そして改装ならではの注意が、炭火⇔ガス⇔電気を変えると焼き台だけで済まないことです。たとえば「ガスから炭火に変えて味で勝負したい」という改装は、煙量が一気に増えるため排気ダクトの作り直し・炭置き場・消火用砂・内装の不燃化が連動し、費用も工期も大きくなります。逆に「炭火から電気に変えて手間と排気を減らしたい」なら、ダクト・耐火対策を縮小できます。焼き台の選択は、味だけでなく排気・費用・消防・商業施設の可否までを含めた改装判断です。焼き台ごとの特徴やテイストとの相性は焼き鳥店の内装デザインガイドで詳しく扱っています。
排気と給気のバランスは大丈夫?(油煙・近隣クレーム・逆流)
焼き台と並ぶもう一つの核心が、排気給気バランスです。焼き鳥は油煙が非常に多いため、性能の高い専用ダクトが必須。そして見落とされがちなのが、排気だけでなく給気とのバランスです。改装で焼き台や席配置を変えると、排気の経路や量が変わり、次のような問題が起きやすくなります。
- ダクト径が細い → 煙を吸いきれず、店内が白くなる
- 壁面排気 → 煙やニオイが近隣に漏れて、クレームに発展することがある
- 給気が不足 → 煙が店内に逆流したり、ドアが開きにくくなったりする
- 排気量が不足 → 店内が煙だらけになり、臭いを嫌う客足が遠のく(売上に直結)
- 排気の向き → 改装で席を増やす・焼き台を動かすと、近隣への影響が変わる
つまり、焼き鳥にとって排気と給気のバランス設計は最重要項目です。とくに改装で焼き台を増やす・席を増やす・焼き場を動かす場合は、ダクト径・排気の向き(近隣配慮)・給気量をセットで見直す必要があります。排気だけ強化しても給気が追いつかなければ逆流し、給気だけ増やしても排気が弱ければ店内が煙る。「排気と給気を一対で設計する」のが、焼き鳥改装で煙とニオイの問題を起こさないコツです。排気・脱煙の考え方は焼き鳥店の内装デザインガイドも参考になります。
あなたの店は業者を選べる?(発注自由度・排気とガス/不燃化)
意外に知られていませんが、改装で「業者を自由に選べるか」は店舗の立地条件で変わります。路面店や独立した建物は、排気・ガス・不燃化まで自由に選べるため、複数社で相見積もりを取って価格と提案を比較できます。とくに焼き鳥は焼き台・排気ダクトのやり直しの範囲で金額差が出やすく、相見積もりで比較する価値が大きい業態です。
一方、ビルや空中階のテナントは、内装造作は自由でも、排気・ガスの幹線がビル指定(B工事)になりがちで、さらに強力排気ダクトの経路・屋上排気・近隣配慮・炭火の不燃化に制約が出ることが多いです。とくに注意したいのが、商業施設ではそもそも炭火が禁止の場合があること。炭火に変える改装を考えているなら、まず物件・施設で炭火が使えるかの確認が出発点です。焼き鳥の居抜きなら、既存の焼き台・ダクトを流用して圧縮でき、同業だった物件は近隣との関係で営業許可が下りやすい利点もあります。工事区分A/B/Cの考え方はA/B/C工事区分ガイドで詳しく扱っています。
路面店・独立
ビル・空中階
もう一つ、改装ならではの落とし穴が原状回復義務の境界です。営業中ということは賃貸借契約の途中です。改装で焼き台や排気ダクト・不燃化を足すと、退去時に「もともと借りたときの状態」に戻す義務に加えて、自分が新たに足した設備・造作の分まで原状回復を負うことがあります。焼き鳥は排気ダクトや不燃化・炭火設備が多いため、原状回復の範囲が読みにくくなりがち。改装の契約段階で、どこまでを誰が戻すのかを切り分けておきましょう。原状回復の費用相場や契約の読み方は店舗の原状回復ガイドが参考になります。
改装で押さえる:カウンター(焼きを見せる)か座敷か・照明(オレンジ)・串打ち場
焼き台・排気のような大きな設備だけでなく、焼き鳥ならではのカウンターと座敷の比率、照明、串打ち場も、改装で必ず押さえたいポイントです。
カウンター主体(焼きを見せる)
テーブル・座敷主体
- カウンター⇔テーブルの比率:焼きを見せる高級カウンターか、宴会向けテーブル/座敷か
- 可動式・セパレート:テーブルを可動式にすれば、客数に応じて席を調整できる
- 照明:白色だけだと焼き鳥が美味しく見えない。オレンジ系の電球で美味しく見せる
- 串打ち場:仕込みの効率と衛生を左右する。動線を確保する
- 鶏の熟成庫・冷蔵:鮮度・熟成の管理に合わせた保管
これらは「焼き鳥を美味しく見せ、心地よく過ごせる」という焼き鳥店の体験を左右します。とくにカウンターとテーブルの比率は、客層と収益性を直接決めるため、改装で見直したいポイント。テイスト・世界観の作り方や8テイストの比較は焼き鳥店の内装デザインガイドで詳しく扱っていますので、あわせてご覧ください。
焼き鳥改装の目的別 進め方
改装で失敗する典型は、目的が曖昧なまま「とりあえずきれいにする」ことです。目的を一つに絞ると、予算・範囲・工期・営業継続の可否まで自然に決まります。焼き鳥改装でよくある目的を比べておきましょう。
① 老朽更新
② 焼き台・排気の刷新
③ 業態シフト
注意したいのは、常連がついていて売上が安定しているなら、無理に大きく変えない判断もあるということです。「今の店の何を、誰のために変えるのか」を先に言語化しましょう。改装で起こりがちな後悔とその回避は店舗改装の失敗防止ガイドも参考になります。なお、同じ”焼く”でも焼肉は核心が違います(各卓ロースター+個別排気)。焼肉の改装は焼肉改装ガイド、焼き鳥居酒屋として席ミックスを見直すなら居酒屋改装ガイドもどうぞ。別の物件へ移る場合は焼き鳥屋の移転ガイドが参考になります。
改装の流れと工期・リニューアル
焼き鳥改装は、おおむね次の流れで進みます。改装は現況勝負のため、見積もりの前の現地調査(とくに焼き台・排気ダクト・給排気・近隣の確認)がとりわけ重要です。
工期の目安は、客席・照明中心の部分改装で数日〜数週間、焼き台・排気のやり直しや全面改装で数週間以上を見ておくこともあります。焼き台・排気ダクト・給排気がボトルネックになりやすいため、休業期間と家賃負担に加え、炭火化なら不燃化・近隣配慮の段取りを見込んだ計画が必要です。再開時は、常連への告知やリニューアルの発信をセットで計画すると立ち上がりがスムーズです。改装全体の進め方は店舗改装の流れガイドでも整理しています。
失敗しない業者の選び方(焼き鳥改装版)
焼き鳥改装で業者を選ぶときは、開業の内装業者選びとは少し見るべき点が違います。改装は現況に左右され、とくに焼き鳥は焼き台・強力排気ダクト・排気給気バランス・炭火の不燃化の設計力が問われるため、次のような観点で確認しましょう。
- 焼き鳥・串焼きの改装実績があるか(新装だけでなく改装の経験)
- 焼き台(炭火/ガス/電気)と強力排気ダクトの設計経験があるか
- 排気と給気のバランス設計・近隣配慮の知見があるか
- 炭火の不燃化・消防対応の経験があるか(炭火化を考えるなら必須)
- 既存の焼き台・ダクトの流用可否を提案できるか
そして相見積もりは必須です。改装は現況依存で各社の見方が割れやすく、とくに焼き鳥は焼き台・排気ダクト・不燃化の提案で金額も仕上がりも大きく変わるため、1社だけでは妥当かを判断できません。複数社を比べることで、適正価格と相性の良い会社が見えてきます。見積もりの読み方は店舗の見積もり比較ガイド、業者のタイプ別の選び方は店舗内装会社の選び方を参考にしてください。
改装の法令チェック(飲食店営業許可・消防・悪臭/近隣)
改装では、開業時に済ませたはずの法令確認が再び必要になることがあります。焼き鳥でとくに見落としやすいのが、飲食店営業許可と、炭火・油煙に関わる消防・近隣の手続きです。
いずれも物件や自治体によって判断が分かれます。早い段階で、所管の保健所・消防署や、専門家・施工会社に確認してください。営業許可・排気・近隣配慮の基礎は焼き鳥店の内装デザインガイドにも解説があります。
よくある質問(FAQ)
まとめ|まずは「焼き台・排気を残すか」と焼き台の種類から
焼き鳥改装は、内装の見た目より先に「焼き台・排気ダクトを残すか/やり直すか(炭火⇔ガス⇔電気)」「カウンター(焼きを見せる)かテーブル/座敷か、どんな客層に向けるか」から考えるのが成功の近道です。同じ”焼く”でも焼肉と核心が違い、焼き鳥は焼き手が焼き場で焼く=焼き台と店全体の強力排気が要。焼き台・排気ダクトをやり直すなら休業が前提で、客席・照明・世界観だけなら営業しながら進められます。焼き台の種類(炭火/ガス/電気)は、味だけでなく排気・費用・消防・商業施設の可否までをまとめて決め、油煙が多い焼き鳥は排気と給気のバランス設計が最重要です。いずれも現況を見なければ判断できません。まずは「焼き台・排気を残すか」と「焼き台の種類」を切り分け、焼き台・排気・給気・近隣まで見る現地調査を受け、焼き鳥経験のある複数社の見積もりを比較することから始めましょう。
