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内装工の日当の目安は、公的基準と民間の実勢の2本立てで見ます。公的基準=国土交通省「公共工事設計労務単価」(令和8年3月適用)の内装工は47都道府県の単純平均32,000円/日、東京都34,400円、最高は静岡県40,400円、最低は沖縄県26,300円。民間の実勢は、全建総連東京都連の調査で常用(応援・日当)の全職種平均1万8,131円・手間請2万3,659円・一人親方2万3,049円(2024年調査)、内装は常用で1.8万円超(2024年調査)、厚労省job tagの内装工の時給は2,161円(年収466.9万円)です。労務単価は法定福利費相当額を含む「賃金」の概念なので、手取り日当より広い数字であることを踏まえて読んでください。
本記事は、公的統計と業界団体の調査を出典付きで整理した一般的な目安です。個別の単価交渉・契約・税務は、実際の現場条件と専門家への確認を前提にしてください。
自分の日当が高いのか安いのかは日当→年収・時給・労務単価比の換算シミュレーターでその場で確かめられます。年収の全体像(会社員・一人親方・社長)は内装業の年収ガイド、一人親方の案件の取り方は一人親方の案件獲得ガイドで解説しています。
1. 内装工の日当には「3つの基準」がある——労務単価・民間の実勢・時給換算
「日当の相場」がブレるのは、人によって指している基準が違うからです。公共工事の積算に使う労務単価、現場で実際に支払われる民間の実勢、賃金統計の時給換算の3つを並べると、自分の位置が見えます。
① 公共工事設計労務単価
- 出典国交省・農水省(毎年2月公表)
- 内装工(令和8年3月〜)全国単純平均32,000円/東京34,400円
- 性格所定内8時間の賃金+法定福利費相当
- 使い方単価交渉の「根拠」に使う上限目安
② 民間の実勢(業界団体調査)
- 出典全建総連東京都連 賃金調査
- 常用(全職種平均)1万8,131円(2024年調査)
- 手間請/一人親方2万3,659円/2万3,049円(同)
- 内装(常用・2024年)1.8万円超(職種別上位6職種)
③ 賃金統計の時給換算
- 出典厚労省 job tag「内装工」
- 時給(一般労働者)2,161円=8時間で約1万7,300円
- 年収(全国平均)466.9万円(令和7年賃金構造基本統計調査を加工)
- 求人賃金・倍率月28.4万円・4.3倍(令和7年度)
3つを重ねると、常用の手取り日当はおおむね1.7万〜2.3万円、一人親方の応援・常用単価は2万〜2.8万円が一般的な目安で、労務単価(東京34,400円)はその上限側に位置します。労務単価に届かない日当が多いのは、法定福利費・経費・下請け階層の取り分が差し引かれるからです(第6章)。
出典:令和8年3月から適用する公共工事設計労務単価表(農林水産省・国土交通省)/全建総連東京都連「賃金対策について」(2024年賃金調査報告書:常用18,131円・手間請23,659円・一人親方23,049円の全職種平均日額)/同「2025年度賃金討議」(2024年調査:平均年収533万5,809円、内装は常用1.8万円超)/厚生労働省 job tag「内装工」(2026年9月閲覧)。
2. 都道府県別の内装工・労務単価一覧(令和8年3月適用・47都道府県)
国土交通省と農林水産省が毎年公表する公共工事設計労務単価から、内装工の47都道府県の値を抜き出しました(令和8年3月適用・令和8年2月公表)。上位は静岡県40,400円・三重県36,700円・愛知県36,300円、下位は沖縄県26,300円・島根県27,700円・広島県27,700円で、最高と最低の差は14,100円です。右列にはjob tagの都道府県別の年収(賃金構造基本統計調査を加工)を並べました。
47都道府県の一覧(内装工・労務単価と年収)
出典:令和8年3月から適用する公共工事設計労務単価表(別紙)の「内装工」列。全国平均比は当編集部が47都道府県の単純平均(32,000円)で割った値。年収はjob tag「内装工」の都道府県別表示(令和7年賃金構造基本統計調査を加工・サンプル数が少ない県は変動が大きい)。労務単価は公共工事の積算用で、民間工事の日当を拘束するものではありません。
労務単価は全職種の単純平均で25,834円・前年比+4.5%と14年連続で引き上げられており(国交省・令和8年2月公表)、内装工も同じ流れにあります。日当の交渉では「自分の県の労務単価」を根拠として示すのが、感覚論にしない一番の近道です。
出典:国土交通省「令和8年3月から適用する公共工事設計労務単価について」。
3. 働き方別・経験別の日当レンジ——常用・手間請・一人親方、見習いから親方まで
同じ「内装工」でも、雇われて日給をもらう常用、施工量に単価を掛けて請ける手間請、自分で受けて自分で施工する一人親方では、日当の意味も水準も変わります。全建総連東京都連の2024年調査(全職種平均)では、常用(応援・日当)1万8,131円・手間請2万3,659円・一人親方2万3,049円と、請け形態のほうが約5,000円高い一方、経費・社会保険・段取りの手間を自分で負う分が上乗せされている構造です。
見習い・1〜2年目
- 常用の目安1.0万〜1.5万円
- 収入の決まり方日給または月給。技能より稼働日数
- 次の一手工種を1つ確実に(クロス/ボードなど)
職人・3〜9年
- 常用の目安1.7万〜2.3万円
- 収入の決まり方技能検定・段取り力で単価交渉
- 次の一手多能工化・応援先を複数持つ
親方・職長・一人親方
- 単価の目安2.0万〜2.8万円(条件次第で3万円超)
- 収入の決まり方日当+元請け案件の粗利(㎡単価×施工量)
- 次の一手月1〜2件の元請け案件で天井を外す
上のレンジは公的統計(労務単価・job tag)と業界団体調査を土台にした一般的な目安で、地域・工種・現場(ゼネコン/町場/施主直)で上下します。全建総連東京都連が「標準賃金」として掲げる目標は日額2万9,000円・年収720万円(諸経費・法定福利費は別枠)で、これは内装業の年収ガイドで扱う「独立後に年収1,000万円が視野に入る」水準の手前に位置します。
4. 工種別の単価の考え方——クロス・軽天/ボード・床・塗装は「日当」より「手間請の㎡単価」で決まる
内装の仕上げ工事は、常用の日当ではなく手間請(施工量×単価)で動く場面が多い職種です。手間請の収入は「1日に施工できる量×㎡(または枚・m)当たりの単価」で決まるため、同じ㎡単価でも施工スピードで日当換算が変わります。
手間請を日当に換算する式
日当換算 = ㎡単価 × 1日の施工量(㎡)− 自己負担の材料・副資材・移動
例(想定):㎡単価が1,000円・1日80㎡施工なら8万円ではなく、養生・下地処理・移動・手直しを含めた実働で1日40〜60㎡に落ち着けば4万〜6万円、そこから副資材・車両を引いた額が実質の日当です。㎡単価そのものは地域・元請け・物件の種類で大きく違うため、自分の1日の施工量を先に把握してから単価交渉するのが基本です。
店舗内装では、これらの工種を束ねて元請けとして1件を受けると、日当ではなく粗利率(25〜40%が目安)で収入が決まります。工種別の見積もりの作り方は内装工事の見積もり実務ガイド、粗利の確保は内装工事の利益率ガイドを参照してください。
5. 日当→年収・時給・労務単価比の換算シミュレーター
日当・稼働日数・実労働時間・自己負担の経費を入れると、年収(額面・経費控除後)、時給換算、選んだ都道府県の労務単価に対する比率、job tagの平均年収との差を一度に計算します。常用と一人親方で「手残り」を比べる用途にも使えます。
日当の天井を外すのは「元請け案件の粗利」
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6. 労務単価と実際の日当が違う理由——法定福利費・経費・下請け階層
「労務単価は3万円台なのに、自分の日当は2万円」というズレには理由があります。第一に、労務単価は基本給相当額・基準内手当・臨時給与・実物給与を所定内8時間の日額に換算し、法定福利費相当額を反映した数字で、手取りの日当より広い概念です。第二に、事業主が負担する必要経費(法定福利費の事業主負担分・研修訓練・安全管理費など)は労務単価に含まれず、国土交通省は積算上これらを現場管理費等として別に見込む前提を示しています。第三に、民間工事では元請け→一次→二次と階層が深くなるほど職人に届く額が減ります。
労務単価に「含まれる」もの
- 基本給相当額所定内8時間分
- 基準内手当通常の作業条件の手当
- 臨時給与・実物給与賞与等の日額換算
- 法定福利費相当額労働者負担分を反映
労務単価に「含まれない」もの
- 事業主負担の法定福利費現場管理費等で別計上
- 時間外・休日・深夜割増別途積算
- 安全管理費・研修費諸経費
- 元請け・上位下請けの利益階層ごとに控除
したがって一人親方が「労務単価並み」を目指すなら、日当ではなく元請けからの直接受注で階層を減らし、法定福利費・経費を見積もりに明示することが現実的な手段になります。国土交通省も、事業主が下請代金に必要経費分を計上しない、または下請代金から必要経費を値引くことは不当行為だとしています。
出典:国土交通省「令和8年3月から適用する公共工事設計労務単価について」および同 労務単価表(別紙)の注記。
7. 内装職人が日当を上げる4つのルート——最後は「日当」から「粗利」へ
①〜③は日当の範囲内での改善で、上限は労務単価の水準です。④は収入の決まり方そのものを「日当×日数」から「粗利率×受注額」に変えるルートで、下請け脱却・元請け化ロードマップと受注企業登録のメリット・デメリットで手順を解説しています。
日当の天井を外すのは「元請け案件の粗利」
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8. よくある質問(FAQ)
公的な基準として、国土交通省の公共工事設計労務単価(令和8年3月適用)は内装工で47都道府県の単純平均32,000円、東京都34,400円、最高は静岡県40,400円、最低は沖縄県26,300円です。これは法定福利費相当額を含む賃金の概念で、民間の常用の手取り日当はこれより低く、全建総連東京都連の2024年調査では常用(応援・日当)の全職種平均が1万8,131円、手間請2万3,659円、一人親方2万3,049円で、内装は常用で1.8万円超です。厚労省job tagの内装工の時給は2,161円(8時間換算約1万7,300円)です。
常用は「日当×日数」で収入が決まり、経費(車両・工具・保険)は雇い主負担が基本です。一人親方は日当が高めでも経費を自己負担するため、手残りで比べる必要があります。全建総連東京都連の2024年調査では全職種平均で常用(応援・日当)1万8,131円に対し一人親方2万3,049円と約4,900円の差があり、この差が経費と社会保険料の自己負担に相当します。本記事のシミュレーターで経費控除後の年収と時給を比べてください。
公共工事設計労務単価は公共工事の予定価格を積算するための賃金基準で、基本給相当額・基準内手当・臨時給与・実物給与を所定内8時間の日額に換算し、法定福利費相当額を反映しています。事業主が負担する必要経費(法定福利費の事業主負担分・安全管理費など)は含まれず、国土交通省はこれらを上乗せした水準を別途示しています。民間工事では元請け・一次・二次と下請け階層が深くなるほど職人に届く額が減るため、労務単価より低い日当になりがちです。
①内装仕上げ施工技能士などの技能検定と職長経験で常用の日当を交渉する、②軽天・ボード・クロス・床の多能工化で年間稼働日を増やす、③応援先を複数持って単価の高い現場を選べる状態にする、④月1〜2件の元請け案件を粗利ベース(㎡単価×施工量)で受け、日当の天井を外す、の4ルートが基本です。日当だけを追うと労務単価が上限になるため、独立後の伸びしろは④にあります。
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作成・検証の方法:本記事の数値は、国土交通省・農林水産省「公共工事設計労務単価」(令和8年3月適用)、厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)、全建総連東京都連の賃金調査(公開資料)を一次出典として整理し、レンジ表記の目安は公的統計と業界団体調査を土台にした一般的な水準です。単価は毎年改定されるため、公表後に本欄を更新します。
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