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30秒でわかる結論
坪単価の目安:居抜き(前がバー・飲食)で坪20〜50万円、スケルトンで坪40〜80万円。ショットバーは下限側、オーセンティック・ホテルバー仕様は上限側〜それ以上
総額の目安:10坪ショットバー・標準仕様で400〜800万円、15坪オーセンティックで600〜1,200万円、高級ホテルバー仕様は1,500万円以上(厨房機器・什器は別枠)
最大の分岐:カウンター・バックバーの造作(天板素材と長さで30〜150万円超)と、防音の要否(簡易で坪3〜8万円、本格仕様で坪20〜40万円)。厨房ではなく「席と光」に費用が集まる
判断の順番:①物件の状態(居抜きかスケルトンか)→②業態(ショット/オーセンティック/ダイニング/スポーツ/カラオケ)→③カウンター仕様→④防音の要否。この順で決めると、見積もりのブレが「条件の違い」として読める
このページの役割:バーの内装費用の正典(相場・内訳・シミュレーター・見積書の読み方)。写真で見る設計と事例11選はバーの内装ガイド、テイスト別の選び方はバーの内装デザインガイドで役割を分けています。開業の手順・許認可・資金はバー開業ガイド、業者の見極めはバーの内装業者の選び方、複数社への見積もり依頼はバー内装の見積もり主頁へ。試算は下のシミュレーターへ
A. 店舗内装ドットコム(tenponaiso.com)の利用が選択肢の一つです。無料・公開事例7,000件超・全国47都道府県対応で、フォーム入力後に対応可能な内装会社から直接見積もり・提案が届きます。会員登録不要・しつこい営業なし。バーはカウンター造作・酒棚・照明演出・防音・製氷機・冷蔵庫・深夜営業届など専門要件が多いため、施工実績がある業者を3社以上比較するのが安全です。
目次
- 30秒でわかる結論
- バー内装費シミュレーター
- バー内装費用の全体像──何で費用が決まるのか
- バー5業態別の坪単価・総費用比較テーブル
- 坪数・業態別モデル予算と費用内訳例
- 費用が変動する5大要因──カウンター・照明・防音・設備・立地
- 相場の俯瞰──主要な公開情報を横に並べて読む
- カウンター徹底解剖──バーの費用の「主役」
- 厨房・冷機の「設備床」──小さいバーほど坪単価が上がる理由
- 面積→席数→投資回収の逆算式
- バーの「暗さ」には法的下限がある──照度と深夜営業の構造要件
- 「カウンター越しならOK」は都市伝説──接待の線と内装計画
- ダーツ・ビリヤードを置くなら「10%ルール」
- 見積書の読み方──10カテゴリで内訳を確認する
- 追加費用が出やすい5つのパターンと回避策
- コストダウン戦略──削れる箇所・削ってはいけない箇所
- 開業資金の全体設計(融資・自己資金)
- 原状回復・退去時コストの注意点
- バー開業に必要な許認可・届出の全体像
- DIY──バーで自分でできる作業・プロに任せるべき作業
- バー内装の工期目安と全体スケジュール
- バー内装でよくある失敗パターン3つと回避策
- バー内装の一括見積もりサービス比較
- バー内装に強い施工会社の選び方
- バー開業前の内装準備チェックリスト
- 公開事例の写真で見る「お金がかかる場所」(追加6枚)
- 地域による違い──都市別の目安
- バー内装のモデルケースで見る費用感──規模・業態別の想定例
- バー内装費用についてよくある質問(FAQ)
- バー開業の内装費用を把握したら次にすること
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坪数・物件・業態・カウンター仕様を選ぶと、概算総額と内訳、カウンター周り比率、深夜営業の構造チェック、ダーツの10%ルール試算まで一度に出ます。
バー内装費用の全体像──何で費用が決まるのか
照明を落とした空間でカウンター越しに一杯が注がれる──バーの内装は「雰囲気」そのものが商品です。他の飲食業態と比べると、バーは大型厨房が不要な反面、カウンター造作・バックバー・照明計画・防音対策・深夜営業の防犯設備といった特有のコストが積み上がる構造になっています。「5坪の隠れ家ショットバー」と「20坪の防音付きラウンジバー」では内装費が3〜5倍以上開くケースも珍しくありません。まず開業前に5つの要因を正しく押さえることが重要です。
バーの内装費用を正確に把握するには、まず「どの業態で何坪の規模にするか」を確定させ、防音の要否・物件条件(居抜きかスケルトンか)を整理することがスタートラインです。店舗開業費用の全体像もあわせて確認すると、内装費以外のコストも見通せます。
バーは他の飲食業態と異なり、「食材・調理設備への投資」よりも「空間の雰囲気・体験価値への投資」が収益に直結する業態です。お客様がバーに支払う対価の多くは「このカウンターで飲む体験」「この照明の中にいる時間」「この空気感」に向けられています。だからこそ、カウンター天板の素材選び・照明の配光設計・バックバーの演出に投資が集中します。一方で、飲食店として避けられない厨房設備(製氷機・シンク・冷蔵設備)や防音・換気といったインフラ投資も並行して必要です。開業前の資金計画では「雰囲気投資」と「インフラ投資」の両方を漏れなく見積もることが、予算超過を防ぐ最大のポイントです。また、BtoB向けの接待・会食を主な客層とする高級バーと、BtoC向けの一般客をターゲットにするカジュアルバーでは、内装グレードへの要求水準が大きく異なるため、ターゲット客層の設定が内装費用の方向性を決める重要な要素になります。
バー5業態別の坪単価・総費用比較テーブル
バーといっても業態によって必要な設備・内装グレードが大きく異なります。ショットバーからカラオケバーまで5業態の坪単価と総費用の目安を一覧で比較します。
ショットバー
- 坪単価目安(スケルトン)30〜60万円/坪
- 標準規模5〜12坪
- 総費用目安200〜700万円
- 内装の特徴カウンター中心。厨房極小。照明・バックバーへの集中投資型
ダイニングバー
- 坪単価目安(スケルトン)40〜70万円/坪
- 標準規模15〜30坪
- 総費用目安600〜2,100万円
- 内装の特徴テーブル席多め。フード提供のため厨房設備が必要。排気ダクト必須
ワインバー
- 坪単価目安(スケルトン)45〜80万円/坪
- 標準規模8〜20坪
- 総費用目安400〜1,600万円
- 内装の特徴ワインセラー(50〜200万円)が大型投資。落ち着いた照明・素材にこだわる
スポーツバー
- 坪単価目安(スケルトン)35〜65万円/坪
- 標準規模20〜50坪
- 総費用目安700〜3,000万円超
- 内装の特徴大型モニター・プロジェクター(100〜500万円)が主要投資。防音が重要
カラオケバー
- 坪単価目安(スケルトン)50〜90万円/坪
- 標準規模15〜40坪
- 総費用目安800〜3,500万円超
- 内装の特徴防音室仕様(坪20〜40万円追加)が必須。個室ごとの音響・照明設備が大きなコスト
業態別の費用差を生む主な要因を補足します。ショットバーはカウンター中心で厨房が極小のため総投資額は小さくなりますが、カウンター天板・バックバー・照明という「見せ場」への集中投資が求められます。ダイニングバーはテーブル席を多く設けフードを提供するため、飲食店内装に近い構成になり、排気ダクト・食洗機・グリル設備などが加わります。ワインバーはワインセラーという大型設備投資が特徴で、温湿度管理のための電気工事も必要です。スポーツバーは大型映像設備と防音が最大のコスト要因。カラオケバーは個室ごとの防音・音響・照明が必要で、坪単価が5業態の中で最も高くなりやすい業態です。業態を選ぶ段階から「自分が投資できる金額」と「必要な設備の最低ライン」を照らし合わせて判断することが重要です。
エリア別の坪単価差(同業態・同グレードでの比較)
東京・六本木・赤坂・銀座
- 坪単価の目安(標準ショットバー・スケルトン)60〜100万円超/坪
- 主な特徴高級仕様が前提。搬入制限・工事時間制限でコスト割増。物件保証金も高額
東京・渋谷・新宿・池袋
- 坪単価の目安(標準ショットバー・スケルトン)50〜80万円/坪
- 主な特徴競合が多く内装グレードへの要求水準が高い
大阪・心斎橋・北新地
- 坪単価の目安(標準ショットバー・スケルトン)45〜75万円/坪
- 主な特徴関西圏の人件費・材料費は東京比10〜20%安いケースが多い
名古屋・札幌・福岡
- 坪単価の目安(標準ショットバー・スケルトン)35〜60万円/坪
- 主な特徴地方中核都市。繁華街と郊外で差がある
地方都市・郊外
- 坪単価の目安(標準ショットバー・スケルトン)25〜45万円/坪
- 主な特徴人件費が抑えやすい反面、バー専門内装会社が少ない
公開事例で見る費用感──施工会社のバー(坪数・工期が公開の店を含む)
工事費の実額は各社が公開していないため載せていません。かわりに施工会社が公式に公開している坪数・工期と写真で、「この規模・この仕様でこの期間」を掴んでください。写真は施工会社の公開事例(各社公式サイトの公開事例・出典明記)です。
6枚の写真から費用について何を読むか
①BAR EMETH(6.4坪・オーセンティック)=小箱ほど設備床で坪単価が上がる典型。バックバーの照明と酒棚の造作に費用が集中する ②BAR MARCO(ダーク×バックバー)=暗さは照度20ルクスの下限を守った上で間接照明で作る。壁の色より照明回路の数が費用 ③il Nero(木の一枚カウンター)=天板の素材と長さでカウンター造作が30〜150万円超まで動く例 ④SEA CAVE(洞窟モチーフ)=特殊造作・左官は上限側。テーマ性は「一点物」の配分で決める ⑤BAN×KARA ZONE-HS(ダイニングバー)=フードを出すと厨房・ダクト・グリストラップの設備床が乗る ⑥ダーツバーD.D(青のライン照明)=遊技機器は什器枠で「10%ルール」の面積計画が先、ライン照明は電気工事で表情を作る低コストの手法。共通して、坪単価に効くのはカウンター・冷機・防音・照明回路の4つで、壁の仕上げは見た目ほど効きません。
写真70枚・11事例のテイスト別解説とカウンター設計はバーの内装ガイドへ。
坪数・業態別モデル予算と費用内訳例
バーの規模別・業態別にモデル予算を示します。開業計画の初期段階での概算把握にお役立てください。
5〜8坪
- ショットバー(居抜き)100〜250万円
- ショットバー(スケルトン)200〜480万円
- ダイニングバー(スケルトン)(狭小のため非推奨)
- ワインバー(スケルトン)350〜600万円
10〜15坪
- ショットバー(居抜き)200〜400万円
- ショットバー(スケルトン)350〜800万円
- ダイニングバー(スケルトン)500〜1,000万円
- ワインバー(スケルトン)600〜1,200万円
20〜30坪
- ショットバー(居抜き)300〜600万円
- ショットバー(スケルトン)600〜1,500万円
- ダイニングバー(スケルトン)900〜2,000万円
- ワインバー(スケルトン)1,000〜2,400万円
30〜50坪
- ショットバー(居抜き)(大規模のため非推奨)
- ショットバー(スケルトン)900〜2,500万円
- ダイニングバー(スケルトン)1,500〜3,500万円
- ワインバー(スケルトン)1,500〜4,000万円
10坪スケルトン・ショットバー(関東圏)の費用内訳例
最も一般的なバーの開業パターンとして、10坪スケルトン物件でショットバーを開業する場合の費用内訳例を示します。
仮設・解体工事
- 費用目安20〜50万円
- 補足養生、廃材処分、スケルトン状態への解体
カウンター・バックバー造作
- 費用目安80〜200万円
- 補足天板素材・長さ・バックバー仕様による。バー最大の投資項目
内装仕上げ工事(床・壁・天井)
- 費用目安80〜180万円
- 補足床材(タイル・フローリング・コンクリート)、壁材、天井仕上げ
照明工事
- 費用目安50〜120万円
- 補足調光システム・間接照明・バックバー照明・ペンダントライト・配線工事込み
電気・給排水設備工事
- 費用目安60〜130万円
- 補足分電盤・コンセント増設・シンク配管・製氷機給水・食洗機配管
空調・換気工事
- 費用目安30〜80万円
- 補足エアコン、換気扇。調理ありの場合は排気ダクト追加で+50〜100万円
防音工事(必要な場合)
- 費用目安0〜200万円
- 補足物件構造・近隣環境・BGM音量による。テナントビル地上階は要確認
ファサード・看板
- 費用目安20〜60万円
- 補足入口サイン・外観演出。外観デザインガイドも参照
設計・デザイン費
- 費用目安40〜100万円
- 補足図面作成・照明計画・素材選定・現場監理。バーは照明設計費が他業態比高め
諸経費・管理費
- 費用目安30〜70万円
- 補足現場管理費・産廃処分費・交通費・保険料
合計
- 費用目安410〜1,190万円
- 補足坪単価換算:約41〜119万円/坪
モデル予算の注意点として、上記の数字はあくまで「標準的な施工」の参考値です。実際の費用は物件の状態(配管位置・電気容量の余力・解体が必要な既存内装の量)や、使用する素材のグレード、そして依頼する施工会社によって変動します。特に「カウンターをどの素材で何mつくるか」「照明に調光システムを入れるか否か」「防音工事の有無・グレード」の3点が最も費用を左右するため、見積もり依頼時には必ずこの3点の仕様を明確に伝えることが重要です。また、バーの内装は高級飲食店と同様に「設備費よりも空間演出費の比率が高い」傾向があります。10坪のショットバーでも、照明・カウンター・バックバーに全予算の40〜60%を投じる設計は珍しくありません。この配分の考え方こそが、バーの内装費用計画の核心です。
目安をつかんだら、実際の金額は複数社の見積もりで確かめるのが確実です。
「バーの内装工事の金額」を1枚で──10坪スケルトン(17席)と6坪居抜き(10席)のモデル見積書
上の内訳例のレンジに数量と単価を当てはめ、1点の金額に置いたのがこの2枚です。左は10坪・スケルトン・ショットバー・カウンター12席+テーブル5席・簡易防音・関東圏、右は6坪・前テナントもバーの居抜き・カウンター10席・既存の水回りと空調を活用。金額は本ページのレンジの中央付近で置いた目安で、実際は現地調査と図面数量で決まります。
10坪スケルトン:内装工事費
- 仮設・解体約35万円
- カウンター(7m・無垢集成)+バックバー造作・棚下照明約140万円
- 内装仕上(床タイル・壁塗装・天井)約130万円
- 照明(調光・間接・ペンダント・配線)約85万円
- 電気・給排水(分電盤・製氷機給水・シンク配管)約95万円
- 空調・換気約55万円
- 簡易防音(坪3〜8万×10坪)約50万円
- ファサード・看板約40万円
- 設計・デザイン+諸経費約120万円
10坪:別枠と1席あたり
- 製氷機(新品14〜19万台)+冷蔵庫+グラス・什器約90万円
- ボトル初期在庫・運転資金別途
- 坪単価換算約75万円/坪=内訳例の帯(41〜119万)の中央
- 1席あたり(17席)約44万円
6坪居抜き:内装工事費
- 仮設・撤去(残置物・不要造作)約15万円
- カウンター補修・バックバー照明の更新約40万円
- 内装仕上(塗装の塗り替え・床の部分張替)約30万円
- 照明(器具交換+調光の固定化)約30万円
- 電気・給排水(既存流用+製氷機給水)約20万円
- 空調(既存点検・清掃)約10万円
- ファサード・看板の付け替え約20万円
- 設計+諸経費約30万円
6坪居抜き:別枠と1席あたり
- 製氷機・冷蔵・グラス・什器(中古併用)約60万円
- 坪単価換算約32.5万円/坪=居抜き帯(坪15〜35万)の上側
- 1席あたり(10席)約20万円
- 注意前店の防音・照度が深夜営業の構造要件を満たすか先に確認
2枚の差=約555万円の正体
坪数の差(4坪)で説明できるのは一部で、残りはスケルトンで新設するカウンター造作(一枚天板か集成材か)・照明回路の数・給排水と空調の新設・防音です。居抜きは安く見えますが、前店の照度が20ルクス未満の調光仕様なら深夜営業の届出に合わせて固定化工事が要り、カウンター高さや席割りが自店のオペレーションに合わなければ結局造り直しになります。「席と光」に配分し、冷機と防音は数量で決める——これがバーの見積書の読み方です。
費用が変動する5大要因──カウンター・照明・防音・設備・立地
同じ坪数のバーでも、内装費用が倍以上変わることがあります。その主な理由は5つの要因にあります。それぞれを具体的な費用とともに解説します。
① カウンター・バックバーの造作(バー最大の投資項目)
カウンターはバーの「顔」であり、お客様が最も長く触れ、眺め続ける場所です。天板の素材・長さ・形状・幕板の仕上げで費用が大きく変わります。バックバー(カウンター背面のボトル棚・ミラー・LED棚照明)も含めて計画を立てることが重要です。
シンプル(集成材・メラミン天板)
- 費用目安(カウンター造作)30〜60万円
- バックバー造作追加費用+10〜30万円
- 適した業態カジュアルバー・スタンディングバー
ミドル(無垢材一枚板・人工大理石)
- 費用目安(カウンター造作)60〜120万円
- バックバー造作追加費用+20〜60万円
- 適した業態標準的なショットバー・ワインバー
L字型への変更
- 費用目安(カウンター造作)+20〜40万円(追加)
- バックバー造作追加費用バックバーが2面になると+30〜80万円
- 適した業態バーテンダーと会話しやすい配置
ハイエンド(天然大理石・無垢厚板・金属)
- 費用目安(カウンター造作)150〜300万円以上
- バックバー造作追加費用+50〜150万円以上
- 適した業態オーセンティックバー・ホテルバー
バックバーはボトルを美しく見せるLED棚照明・ミラー仕上げ・ガラス棚などを組み合わせることで、バックバー単体で50〜150万円かかるケースもあります。カウンターとバックバーをセットで計画し、素材の統一感を出すことが空間演出の基本です。
カウンター設計で見落とされやすいのが「バーテンダーの作業動線」です。シェーカーを振るスペース・氷を取り出す動作・グラスの収納位置・シンクまでの距離など、作業者の動きを考慮したカウンター設計は、内装の美観だけでなくサービス品質にも影響します。造作前に「カウンター内でどのような動作が発生するか」を施工会社に伝え、作業動線と収納を設計段階で盛り込んでもらうことを強くすすめます。また、カウンターの高さは標準95〜105cmが一般的ですが、バーテンダーの身長・作業しやすさ・客席からの見え方を総合して決定することが理想的です。
② 照明計画(バーの雰囲気を決定づける最重要設備)
バーにおける照明の推奨基準は以下の通りです。業態によって微調整しますが、基本的に「暗め・温かみ・演色性重視」がバー照明の鉄則です。スポーツバーのように「画面を明確に見せたい」場合は例外的に明るさを確保する設計になりますが、カクテルバー・オーセンティックバーでは下記の基準を参考にしてください。
- 色温度:2,700K以下(電球色〜アンバー系)。数値が低いほど赤みがかった温かい光になります
- 演色性(Ra値):Ra80以上推奨。グラスや酒の色を美しく見せるために演色性の高い光源を選ぶことが重要です
- 照度:カウンター席40〜80ルクス、テーブル席30〜60ルクスが目安。深夜酒類提供営業の届出基準である「客室20ルクス以上」は必ず守ること
調光システム(DMX・スマート調光)
- 費用目安15〜40万円
- 効果・特徴時間帯・シーンで明るさを変える。バーの演出に不可欠
間接照明(コーブ・建築化照明)
- 費用目安20〜60万円
- 効果・特徴カウンター下・天井コーブ・足元に仕込む。空間に奥行きと高級感が出る
バックバー棚照明(LED・スポット)
- 費用目安10〜40万円
- 効果・特徴ボトルを美しくライティング。バーの視覚的なシンボル
ペンダントライト・装飾照明
- 費用目安10〜50万円
- 効果・特徴器具1個数千〜数万円×個数。ヴィンテージ・デザイナーズ品は高額
スポットライト(ダウンライト)
- 費用目安10〜30万円
- 効果・特徴カウンター天板・アート・装飾品のハイライティング
③ 防音・遮音対策
深夜営業やBGMを大音量で流すバーでは、防音工事が内装費の大きな変数になります。特にテナントビルの地上階・住宅密接エリアでは施工前に近隣環境と建物構造を必ず確認してください。
簡易防音
- 坪あたり費用3〜8万円/坪
- 施工内容遮音シート貼り+吸音材充填
- 想定ケースBGM程度の音量。RC造で隣室が少ない環境
標準防音(二重壁・浮き床)
- 坪あたり費用8〜15万円/坪
- 施工内容二重壁・浮き床・天井遮音処理
- 想定ケースやや音量のあるBGM・賑やかな会話。テナントビル標準
本格防音(防音室仕様)
- 坪あたり費用20〜40万円/坪
- 施工内容防音ドア・完全浮き床・多重遮音壁
- 想定ケースライブ演奏・DJ・カラオケバー。住宅密接エリア
④ 冷蔵設備・バー専用機器(業態別の必須投資)
バーのドリンク品質を支える設備にも一定の投資が必要です。厨房設備ガイドも参考にしながら、業態に合わせて計画しましょう。冷蔵設備は内装工事と並行して機器の選定・発注を進めないと、設置スペース・電源容量・給排水の配管位置が確定できません。特に製氷機・ワインセラーは設置場所の床耐荷重・振動対策も考慮が必要で、施工会社と設備業者が連携して設計する必要があります。
製氷機(業務用)
- 費用目安30〜100万円
- 業態別必要性全バー共通で必須。容量により価格差大
ワインセラー(業務用)
- 費用目安50〜250万円
- 業態別必要性ワインバー必須。ダイニングバーでも導入が多い
ビールサーバー(生ビール樽)
- 費用目安20〜80万円
- 業態別必要性ダイニングバー・スポーツバーで重要
冷蔵ショーケース(ドリンク)
- 費用目安20〜80万円
- 業態別必要性ビール瓶・ソフトドリンクの冷蔵展示
大型モニター・プロジェクター
- 費用目安50〜500万円
- 業態別必要性スポーツバー必須。台数・サイズにより大きく変動
音響設備(スピーカー・アンプ)
- 費用目安20〜200万円
- 業態別必要性全バー共通。ライブバー・カラオケバーは高額化
防犯カメラ・セキュリティ
- 費用目安10〜50万円
- 業態別必要性深夜営業のバーは防犯設備が実質必須
⑤ 立地条件・物件特性
同じ設計でも、立地・物件の条件で最終的な工事費が大きく変わります。
- 六本木・銀座・赤坂:ビルの工事時間制限(深夜工事禁止等)・搬入制限で割増費用が発生しやすい。高級仕様が前提で坪単価が都内最高水準
- ビル地下物件:バーに多い立地。家賃が低めで防音面でも有利(地下はもともと遮音性高)。ただし搬入が大変で追加工賃が発生することも
- 住宅密接エリア:防音グレードを上げる必要がある。深夜営業は近隣配慮が特に重要で、用途地域の確認も必須
- 地方都市・郊外:人件費は抑えやすいが、バー専門の内装会社が少ない。遠方業者に依頼すると出張費・交通費が加算される
設備別の実額まとめ──バーの見積もりを動かす4つ
バーは厨房ではなく「席と光」に費用が集まる業態です。本ページの各章と同じ目安で、見積もりを動かす4項目を並べました。
カウンター・バックバーの造作
- 決め手天板の素材と長さ(m単価)
- 要点バックバーの照明・棚は造作と一体で見積もる
防音
- 簡易仕様坪3〜8万円
- 本格仕様(音楽・カラオケ)坪20〜40万円
製氷機・冷機(設備床)
- 製氷機25kg級実売新品14〜19万円台・中古8万円前後
- 要点貯氷量は製氷能力の半分=ピークの氷切れ対策
シンク・給湯・給排水(設備床)
- 構造固定設備は5坪でも25坪でもほぼ同額
- 効き方固定100万円なら5坪で+20万/坪・25坪で+4万/坪
カウンター造作と冷機の「バー特有の2大加算」が、多数派レンジ(居抜き坪15〜35/スケルトン30〜60万円)と実績中央値(坪64万円)の差の正体です。見積書はこの2つを分解して比べてください。
相場の俯瞰──主要な公開情報を横に並べて読む
バーの坪単価は媒体によって数字が違って見えますが、横に並べると構造が読めます。以下は主要な公開情報の整理です(一次情報は各公開元、時点により変動)。
見積比較系ポータル(複数)
- 居抜き坪15〜35万円
- スケルトン坪30〜60万円
- 備考「約2倍差」を明記する媒体が多数派
実績データ公開型の大手事例サイト
- 居抜き—
- スケルトン坪36〜92万円
(中央値64万円) - 備考設備・設計費込みの実績集計。中央坪数15坪
高級バー特化の施工会社公開値
- 居抜き坪50〜100万円超
- スケルトン坪100〜150万円超
- 備考素材グレードで別世界になる
読み方は2つです。第一に、多数派レンジ(居抜き15〜35/スケルトン30〜60万円)は「標準仕様のカジュアル帯」の話であること。第二に、実績集計の中央値が64万円と多数派レンジより高いのは、実際の発注ではカウンター造作と冷機設備という「バー特有の2大加算」が乗るためです。この2つを分解して見積もるのが本記事の骨子で、下のシミュレーターもこの構造で計算しています。
カウンター徹底解剖──バーの費用の「主役」
バーは全業態でもっとも小さい規模で成立する業態です(実績公開型データの中央坪数は15坪)。だからこそ、1点物の造作であるカウンターが総額に占める割合=カウンター周り比率が全業態で最も高くなります。ここを制すれば見積もりの大半を制せます。
標準
- 天板の例集成材・メラミン化粧板
- m単価の目安6〜9万円/m
- 10席(約6m)での概算40〜55万円
こだわり
- 天板の例無垢材(タモ・ナラ等)
- m単価の目安12〜20万円/m
- 10席(約6m)での概算75〜120万円
特注
- 天板の例銘木一枚板・御影石・R形状
- m単価の目安25〜40万円/m
(総額100万円超も) - 10席(約6m)での概算150〜240万円
単価にはバックバー(酒棚)・腰壁・フットレストの連動造作が2〜4割乗ります。席割りは600mm/席、バーテンダーの作業通路は900〜1200mmが基準線で、この寸法を先に固定すると「入る席数」と「カウンター長さ」が決まり、費用が逆算できます。高さは会話重視のハイカウンター1050mm前後が定番です。
厨房・冷機の「設備床」──小さいバーほど坪単価が上がる理由
製氷機・冷蔵庫・シンク・給湯といった最低限の設備は、5坪でも25坪でもほぼ同じだけ必要です。この「坪数に比例しない固定費」を本記事では設備床(せつびゆか)と呼びます。設備床があるため、小箱ほど坪単価は構造的に高くなります。
設備床の主役は製氷機です。10〜15席のバーなら日産25kgクラス(幅395×奥行450mmのアンダーカウンター型)が定番で、公開されている販売価格の目安はメーカー標準価格49〜54万円に対し、実売の新品14〜19万円台、中古は8万円前後の相場観です。見落としやすいのは貯氷量が製氷能力の半分程度(25kg機で8.5〜14kg)という点で、ピークタイムに氷が切れる店は能力でなく貯氷で詰まっています。オーセンティックバーでは、かち割り・ロック用に純氷を仕入れる運用(1kgあたり90円前後)と機械製氷の併用が定石で、初期費用と月次コストのバランスで決めます。
面積→席数→投資回収の逆算式
バーの席数は1坪あたり1.5〜2席が目安です(本記事の試算は1.7席/坪)。10坪なら約17席、うち7割をカウンター席にすると12席×600mm=約7mのカウンターが必要、という順序で内装仕様が決まります。客単価は一般に3,000〜4,000円帯とされ、席数×回転×客単価で月間売上の上限が見えるため、「内装にいくらまで掛けてよいか」は面積を決めた瞬間にほぼ決まります。内装費を先に決めて物件を探すのではなく、物件の坪数から逆算して内装予算の天井を引くのが、回収不能な過剰投資を防ぐ唯一の順序です。
バーの「暗さ」には法的下限がある──照度と深夜営業の構造要件
意外に知られていませんが、バーの暗さは法律で挟まれています。客席を10ルクス以下で営業すると風営法の「低照度飲食店」(2号営業)に該当し許可が必要になり、逆に深夜0時以降に酒類を提供するなら「深夜酒類提供飲食店営業」の届出が必要で、こちらは客席20ルクス以上が構造要件です。つまり深夜営業するバーの照明計画は「20ルクスを下回れない」前提で組みます。
深夜酒類提供届・構造要件チェック
- 客席照度20ルクス以上を常時維持できる構造(調光器スライダックスは原則NG。撤去または固定化工事で対応)
- 客室の床面積9.5㎡以上(客室が1室のみの場合は面積制限の適用外=小箱バーの多くはここで救われる)
- 高さ概ね1m以上の、見通しを妨げる仕切り・衝立を客室内に設けない
- 客室の出入口に施錠設備を設けない(外部に直接通じる出入口を除く)
- ショー等で客を遊興させない/騒音・振動は自治体条例の数値内
- 営業開始の10日前までに、所轄警察署経由で届出(音響・照明配置図を提出)
※構造要件の適合判断は所轄警察署や行政書士など専門家への確認を前提にしてください。判断は所轄により幅があります。
設計への含意は2つです。①調光でムードを作る発想は深夜営業と両立しない場合があるため、「暗く見えて20ルクスある」照明設計(間接照明の重ね方・色温度)が腕の見せ所になること。②個室・半個室で仕切る発想は1m見通し要件と衝突するため、視線は抜けるが空気は分かれる「腰高・素材の切替」でゾーニングすることです。
「カウンター越しならOK」は都市伝説──接待の線と内装計画
スタッフが客の隣に付いて継続的に談笑・お酌をする営業は風営法の「接待」に当たり、1号営業(社交飲食店)の許可の世界に変わります。よく言われる「カウンター越しなら接待にならない」は正確ではありません。解釈運用基準では行為の内容で判断され、カウンター内で注文に応じて酒類を提供し、社交儀礼の挨拶や若干の世間話をする程度なら接待に当たらない一方、特定の客の前に継続して付いて談笑すれば、カウンター越しでも接待と判断され得ます(昭和39年の法改正で「客席で」の文言が削除された経緯があります)。
接待に当たらない(バーの通常営業)
- 例1酌をして速やかにその場を離れる/注文対応+挨拶・短い世間話
- 例2不特定の客に向けた生演奏・BGM
接待に当たり得る(1号許可の世界)
- 例1特定の客のそばで継続して談笑・お酌
- 例2スタッフが客と一緒に歌う・ゲームをする
内装計画への影響は決定的です。接待型(1号)は深夜0時までの営業制限と別の構造基準(客席照度5ルクス超・16.5㎡基準など)が適用されるため、「バーとして作るか、接待の店として作るか」は着工前に決めるべき最初の分岐です。迷う場合はホストクラブ・キャバクラ・ラウンジ側の費用構造をまとめたホストクラブ・キャバクラ・ラウンジの内装費用相場も参照してください。
ダーツ・ビリヤードを置くなら「10%ルール」
遊技設備が客席面積の10%を超えると、風営法の4号・5号営業に該当するおそれがあります。数える範囲は機器本体だけでなくプレイヤーの立ち位置・観戦スペースまで含むため、ダーツ1レーンの実効面積は3〜3.5㎡が目安です。
「ちょっとしたダーツコーナー」のつもりが、台数を増やした途端に10%を超えるのが典型です。計画段階で客席面積×10%の枠を図面に落とし、増設時は必ず再計算してください。下のシミュレーターでも設置可能レーン数を試算できます。
目安をつかんだら、実際の金額は複数社の見積もりで確かめるのが確実です。
見積書の読み方──10カテゴリで内訳を確認する
バーの内装見積書を受け取ったとき、以下の10カテゴリを意識して内訳を確認すると、複数社の比較がしやすくなります。バーは「照明工事」「防音工事」が独立した大きな項目として計上されるのが他業態との違いです。また、見積もり比較ガイドでさらに詳しく解説しています。
① 仮設・解体費
- 主な含まれる項目養生、既存内装の撤去、廃材処分
- チェックポイント廃材処分費が別途計上かどうか確認
② カウンター・バックバー造作
- 主な含まれる項目カウンター天板・幕板、バックバー棚・ミラー・LED照明、ボトルディスプレイ台
- チェックポイント素材の品番・仕様が明記されているか確認
③ その他造作工事
- 主な含まれる項目ベンチシート・ソファ台座、パーテーション、ファサード造作
- チェックポイント家具購入か造作かの区別を確認
④ 仕上げ工事
- 主な含まれる項目床材(フローリング・タイル・石材・コンクリート)、壁材(塗装・レンガ・板張り)、天井
- チェックポイント材種・グレードが仕様書に記載されているか。床材ガイドも参照
⑤ 照明工事
- 主な含まれる項目調光システム、間接照明、バックバー照明、ペンダントライト、スポットライト、配線工事
- チェックポイント調光システムのメーカー・型番、器具の仕様を確認
⑥ 電気・給排水設備
- 主な含まれる項目分電盤・コンセント増設、シンク配管、製氷機給水、食洗機配管、ビールサーバー配管
- チェックポイントアンペア数の変更が必要な場合は電力会社工事費が別途発生
⑦ 空調・換気工事
- 主な含まれる項目エアコン(機器+取付)、換気扇、排気ダクト(調理ありの場合)
- チェックポイントフード提供開始時の追加ダクト工事は高額になる
⑧ 防音・遮音工事
- 主な含まれる項目遮音壁・浮き床・天井遮音処理、防音ドア、吸音材施工
- チェックポイント防音性能の数値(dB低減量)まで確認すると比較しやすい
⑨ 設計・デザイン費
- 主な含まれる項目図面作成、照明計画書、素材選定、現場監理費
- チェックポイント照明計画が設計費に含まれるかどうか確認する
⑩ 諸経費・管理費
- 主な含まれる項目現場管理費、産廃処分費、交通費、各種保険料
- チェックポイント率計上の場合、工事費総額の何%かを確認
追加費用が出やすい5つのパターンと回避策
バーの内装工事で「想定外の出費」が発生しやすいパターンを整理します。事前に把握することで回避できるものがほとんどです。
防音工事の後付け
- なぜ起こるか開業後に近隣から騒音クレームが入り、営業しながらの防音工事が必要に
- 追加費用の目安新設時の2〜3倍(100〜400万円追加も)
- 回避策設計段階で防音の必要性を判断。施工会社に現地の建物構造・近隣環境を確認してもらう
電気容量不足
- なぜ起こるか製氷機・ワインセラー・冷蔵設備・音響・照明の同時使用でブレーカーが落ちる
- 追加費用の目安電力会社の受電設備工事費10〜50万円追加
- 回避策使用機器リストを作成し、設計前にアンペア試算を施工会社に依頼する
排気・換気の不足
- なぜ起こるか後からフードメニュー提供を始めたが排気設備がなく、客席に臭いが充満
- 追加費用の目安後付けダクト工事80〜200万円
- 回避策将来のフード提供の可能性を考慮して換気を設計。後付けは天井・壁をやり直す大工事になる
ビル管理規約との不整合
- なぜ起こるか深夜営業OKと思っていたがビル管理規約で制限があり、高仕様の防音追加工事を求められた
- 追加費用の目安追加工事30〜200万円
- 回避策物件契約前にビル管理規約を確認。深夜営業・音出しの可否、防音の要求レベルを把握
カウンター天板の仕様変更
- なぜ起こるか施工途中でグレードアップを希望。天板の再発注・製作のやり直しが発生
- 追加費用の目安追加費用20〜100万円+工期延長
- 回避策設計段階で天板の素材・仕様を最終決定してから発注。見本材の実物確認を必ず行う
居抜きバー特有の初期費用──造作譲渡料
前店のカウンター・バックバー・冷機を引き継ぐ居抜きでは、賃料とは別に造作譲渡料が発生するのが一般的で、100〜300万円程度のケースが多く見られます。金額そのものより重要なのは範囲の特定です。譲渡対象の明細を書面で特定し、引き渡し時には動作確認に同席すること。年式の古い冷機は引き継いでも1〜2年で更新費が来るため、「譲渡料+更新見込み」の合計を新品・リース調達と比べてから判断すると失敗しません。
コストダウン戦略──削れる箇所・削ってはいけない箇所
バーの内装費用を抑えるには、「お客様の体験に直結する部分」と「見えない・触れない部分」のメリハリが不可欠です。バーは雰囲気そのものが商品なので、削る箇所を間違えると客単価・集客力に直接響きます。店舗内装コストダウンのコツもあわせてご覧ください。
バーのコスト削減を考えるとき、「どこを削るか」よりも「どこに集中投資するか」を先に決めることが重要です。予算が限られている場合ほど、全体を均等に節約しようとすると全てが中途半端になり、「雰囲気が出ない」「チープに見える」という結果を招きます。例えば10坪・500万円の予算であれば、カウンター・バックバー・照明の3項目に200〜250万円(全体の40〜50%)を集中させ、床・壁・天井は「塗装+スケルトン天井」でコストを抑えるという配分が、バーとして最も成功しやすいコスト構造です。「雰囲気を生む場所」に資金を集中させ、それ以外を合理化するという逆算の発想で予算を配分してください。
- バーからバーへの居抜き物件を選ぶ:カウンター・バックバー・照明配線を流用できれば最大の削減効果。スケルトン比30〜50%削減も
- 天井スケルトン仕上げ:コンクリートや配管をあえて見せるスタイルはバーに人気でコスト削減にもなる
- 壁の一部を塗装仕上げに:ダークトーンの塗装はバーの雰囲気に合い、コストも抑えやすい。DIYも可能
- テーブル・椅子は中古・ヴィンテージ品を活用:むしろ雰囲気に合うことが多い。業務用家具のオークションサイトも有効
- 照明器具は安価に、配光計画はプロに:器具代より「どこを照らすか」の設計に投資するのがバーの照明の鉄則
- ファサードはシンプルに:バーは「目立たない隠れ家感」が集客につながるケースも多い
- カウンター天板の素材・質:お客様が直接触れ、何時間も目にする場所。安い素材は客単価・リピート率に影響する
- 照明計画(設計):器具を減らしすぎると一気にチープになる。設計費だけは削らないこと
- 防音工事(必要なケース):後付けは2〜3倍のコスト。近隣トラブルで営業停止になれば取り返しがつかない
- 製氷機・冷蔵設備:バーの根幹。「氷が足りない」「ドリンクがぬるい」は致命的なクオリティ問題
- 入口から席までの動線・雰囲気:最初に目に入るエリア。「非日常感」の演出が最初の印象を決める
コストダウン策の優先順位まとめ
★★★ 最優先
- 施策バーの居抜き物件を選ぶ
- 削減効果の目安スケルトン比30〜50%削減
- 注意点カウンター・設備の状態確認が必須
★★★ 最優先
- 施策複数社への相見積もり
- 削減効果の目安適正価格把握で10〜25%のコスト管理
- 注意点3社以上が推奨。同一仕様で比較を
★★☆ 有効
- 施策天井スケルトン+壁塗装仕上げ
- 削減効果の目安仕上げ工事費20〜40%削減
- 注意点バーのコンセプトに合うか要確認
★★☆ 有効
- 施策家具・装飾品の中古・ヴィンテージ活用
- 削減効果の目安家具代50%以上削減
- 注意点寸法・状態の事前確認が重要
★☆☆ 補助的
- 施策DIYで塗装・装飾
- 削減効果の目安10〜30万円削減
- 注意点施工会社への事前相談が必要
開業資金の全体設計(融資・自己資金)
内装費のほかに物件取得費(保証金が家賃の6〜12か月分になる繁華街も多い)・酒類の初期在庫・運転資金が必要です。日本政策金融公庫の創業融資や自治体の制度融資など、資金調達の選び方と手順は店舗開業の資金調達・融資ガイドにまとめています。内装費は「総開業資金の中で何割を配分するか」から逆算するのが失敗しない順序です。
原状回復・退去時コストの注意点
バーの内装費用を考えるとき、見落とされやすいのが退去時の「原状回復費用」です。バーは防音工事・カウンター造作の撤去を含むため、他の飲食業態より原状回復費が高くなりやすい傾向があります。開業時から退去コストも含めた費用の全体像を把握しておきましょう。また、賃貸借契約を結ぶ前に「原状回復の範囲」を契約書で確認し、不明点は書面で確認することが後のトラブルを防ぐ最大の手段です。
- 原状回復の範囲は賃貸借契約書で決まる:「スケルトン返し」か「現状返し」かで費用が大きく異なる。バーの物件は「スケルトン返し」を求められるケースが多い
- 費用の目安:バーの原状回復は坪あたり5〜15万円程度が相場。防音工事の撤去が含まれるとさらに高額になる
- 防音材の撤去コスト:浮き床・二重壁・防音ドアなどの撤去は一般的な内装撤去より手間がかかり費用が上がる。本格防音施工の物件は特に注意が必要
- 大型カウンターの撤去:天然大理石や無垢材の大型カウンターは撤去・運搬にも費用がかかる。総費用30〜100万円になることも
- 「居抜き退去」で大幅削減の可能性:次のテナントにカウンターや設備をそのまま引き渡せれば原状回復費をカットできる。バーからバーへの居抜きは需要が一定ある
- 造作譲渡料の可能性:質の良いカウンターやバックバーは次のテナントへの有償譲渡も可能なケースがある
バー開業に必要な許認可・届出の全体像
バーの開業には保健所の「飲食店営業許可」に加えて、深夜営業を行う場合は警察署への届出も必要です。届出基準が内装設計に直接影響するため、設計段階から確認が必要です。
飲食店営業許可
- 届出先保健所
- タイミング工事完了後・開業前
- バー特有のポイントカウンター内の手洗い設備・シンク・床壁の材質が審査対象。設計段階で保健所に事前相談を
深夜酒類提供飲食店営業届出
- 届出先管轄警察署
- タイミング営業開始の10日前まで
- バー特有のポイント客室の照度20ルクス以上・高さ1m超の仕切りなし等の基準あり。照明計画・レイアウトに直接影響
防火対象物使用開始届
- 届出先消防署
- タイミング工事着工の7日前まで
- バー特有のポイント内装材の制限あり(不特定多数が利用する施設)。特に地下物件は基準が厳しい
食品衛生責任者
- 届出先保健所(講習受講)
- タイミング開業前
- バー特有のポイント調理師・栄養士免許があれば不要。なければ1日の養成講習で取得可能
酒類販売業免許(持ち帰り販売の場合)
- 届出先税務署
- タイミング販売開始前
- バー特有のポイント店内飲食での提供のみの場合は不要。ボトルの持ち帰り販売をする場合は必要
なお、風俗営業許可(接待を伴う)が必要になるケースは届出でなく「許可」となり、審査期間が60〜90日程度かかります。ホステスが接待サービスを行う形態はこちらが必要です。バーとして純粋にお酒を提供する形態は、原則として「深夜酒類提供飲食店営業届出」の範囲です。
届出・許可申請に関して特に重要なのは、保健所・警察署・消防署への事前相談のタイミングです。図面が確定する前の段階(コンセプトと間取りが固まった段階)で事前相談に行くと、設計のやり直しを防げます。特に警察署の深夜酒類提供届出は「照度20ルクス以上・高さ1m超の仕切りなし」という基準が照明計画とレイアウトに直接影響するため、照明設計と並行して確認を進めることが鉄則です。また、複数の届出先が同じ物件の図面を確認する形になるため、施工会社に標準的な「届出用平面図」の作成を依頼しておくとスムーズです。
DIY──バーで自分でできる作業・プロに任せるべき作業
バーはDIYで「自分だけの世界観」をつくる楽しさがある業態です。ただし、防音・電気・給排水などは専門資格が必要または施工精度が品質に直結する領域のため、やって良い範囲と任せるべき範囲を明確にすることが重要です。
- 壁の塗装:ダークグレー・ネイビー・ブラックの塗装はバーの定番。DIYで10〜25万円のコスト削減効果
- ボトル棚・ディスプレイ棚の設置:壁に取付けるボトル棚、アート・装飾品のディスプレイ台
- 家具の塗装・リメイク:ヴィンテージのテーブル・椅子をリメイクして統一感を出す
- 看板・サイン・黒板メニューの制作:手書きの雰囲気はバーのキャラクターに合う
- グリーン・ドライフラワー・装飾品の設置:アンティーク小物、観葉植物など
- カウンターへのワックス・オイル仕上げ:無垢材カウンターのメンテナンスとして
- 電気工事・照明配線:電気工事士の資格が必須。バーの命である照明は配線からプロに
- 防音工事:遮音性能は施工精度で大きく変わる。素人施工では効果がほとんど出ない
- 給排水工事:シンク・製氷機・ワインセラー・ビールサーバーの配管。水漏れリスクに直結
- カウンター造作:耐久性・仕上がりの精度がプロとアマチュアで大きく差が出る。特に天板の接合部
- 空調・換気工事:エアコン設置・換気扇の配管工事
- 消防設備の設置:自動火災報知設備・誘導灯などは資格者による施工が必須
DIYを計画する際の重要なポイントとして、施工会社との事前合意があります。「どこをDIYするか」を施工会社に伝えずに工事を進めると、後でDIY箇所と業者施工箇所の境界が不自然になったり、電気配線やパテ処理が必要な箇所にDIYの塗装が重なって問題が生じたりすることがあります。DIY範囲を契約前に書面で確認し、施工会社にDIY後の仕上がりに関して責任範囲を明確にしておくことが、仕上がりの品質を守ることにつながります。なお、開業後の営業中に自分でメンテナンスできる「塗装の補修・装飾品の入れ替え・照明器具の電球交換」は、ランニングコストを抑える観点でも積極的に活用しましょう。
バー内装の工期目安と全体スケジュール
バーの内装工期は、防音工事の有無と規模によって大きく変わります。防音なしのシンプルなショットバーは短め、本格防音付きのカラオケバーやラウンジバーは長くなります。
要件整理・コンセプト確定
- 目安期間1〜2週間
- 主な作業・決定事項業態・席数・ドリンク構成・ターゲット客層の確定。物件の状態確認(居抜き/スケルトン)
施工会社の選定・相見積もり
- 目安期間2〜3週間
- 主な作業・決定事項3社以上に相見積もり依頼。バー内装の実績・照明計画力・防音の得意不得意を確認
設計・デザイン確定
- 目安期間2〜4週間
- 主な作業・決定事項図面確定、照明計画書作成、カウンター素材・仕様決定、防音設計。保健所・警察署への事前相談もこの段階で
施工(本工事)
- 目安期間3〜8週間
- 主な作業・決定事項解体→防音工事→配管・電気→カウンター造作→仕上げ→照明取付→音響設置→クリーニング
届出・許可申請
- 目安期間1〜3週間
- 主な作業・決定事項保健所の営業許可申請・検査、深夜酒類提供届出、防火対象物使用開始届
トライアル期間(軟装・DIY)
- 目安期間数日〜1週間
- 主な作業・決定事項装飾・棚取付・什器配置の最終調整。スタッフトレーニング
合計(目安)
- 目安期間2〜5か月
- 主な作業・決定事項防音なし居抜き:最短1〜2か月。本格防音スケルトン:4〜6か月が現実的な目安
工期を短縮するために覚えておきたいのは、「設計→見積もり→発注→施工」の各フェーズの間に生じる「待ち時間」の管理です。設計が完成してから相見積もりを依頼すると2〜3週間かかり、施工会社が確定してから材料を発注するとさらに1〜3週間かかることがあります。これらの待ち時間を削減するために、施工会社の選定は設計フェーズと並行して進め、主要材料(カウンター天板・照明器具・防音材)の仕様を早期に確定させることが有効です。特にカウンター天板の天然石・無垢材は入荷までに数週間かかることがあるため、設計確定後は即座に発注することを強くすすめます。また、カラオケバーや防音仕様のバーは工事のフェーズが多く(防音→配管・電気→造作→仕上げ→音響)、各工程の完了確認に時間がかかるため、余裕を持ったスケジュール設定が開業日の遅延を防ぎます。
バー内装でよくある失敗パターン3つと回避策
業界で繰り返し語られる典型パターンを整理します。いずれも「設計段階なら安く済んだものを、開業後に高く払い直す」構図です。
パターン①:防音を後回しにして、開業後に割増工事
ビル上層階のバーで起こりがちなのがこの型です。設計時に防音をコスト面から見送り、開業後に近隣クレームで後付け工事になるケースでは、営業を止めない夜間・時間外施工の割増が乗り、設計段階なら35万円前後で済む範囲が80万円級に膨らむ試算になります。BGM主体でも、深夜営業では自治体条例の騒音基準が構造要件として効く点に注意してください。
パターン②:特注カウンターの搬入・床荷重を確認せず、現場で仕様変更
無垢一枚板や石天板は重量物です。エレベーターや階段の搬入経路、既存床の補強要否を確認しないまま発注すると、現場で分割加工・クレーン搬入・床補強が追加になり、カウンター費が計画の1.3〜1.5倍に振れる典型があります。特注仕様は「搬入経路の実測」を見積もり前提に含めるのが回避策です。
パターン③:電気容量と製氷機の排水を見落とし、開業直前に追加工事
小箱物件は電気容量が住宅並みのことがあり、製氷機・冷蔵・エスプレッソ等を足すと容量増設(引込改修)が必要になります。また製氷機は給水だけでなく排水経路が必須で、カウンター下に排水が取れない配置だと床上げやポンプ追加が発生します。「冷機の型番リストを先に確定→設備業者に容量・給排水を照合してもらう」順序が最小コストです。
バー内装の一括見積もりサービス比較
バーの内装工事を依頼する際、複数の内装会社から見積もりを取る「一括見積もりサービス」を活用するのが一般的です。代表的なサービスの特徴を比較表で整理しました。
店舗内装ドットコム(tenponaiso.com)
- 料金無料
- 公開事例数7,000件超
- 対応エリア全国47都道府県
- 主な特徴会員登録不要/しつこい営業なし/相談・見積もりどちらでもOK/バーの施工実績豊富な会社から提案
大手比較サイトA
- 料金無料
- 公開事例数—
- 対応エリア全国
- 主な特徴店舗のデザイン・施工実績を持つ会社が登録
大手比較サイトB
- 料金無料
- 公開事例数—
- 対応エリア全国
- 主な特徴地域・物件情報・予算入力で複数社一括資料請求
大手比較サイトC
- 料金無料
- 公開事例数—
- 対応エリア全国
- 主な特徴厳選した数社を絞り込んで紹介する形式
- バーの施工実績:カウンター造作・酒棚・照明演出・防音・製氷機・冷蔵庫・深夜営業届など、業態特有の設備・要件に対応できる業者か。
- 連絡頻度のコントロール:しつこい営業がない/会員登録不要のサービスを選ぶと精神的負担が少ない。
- 対応エリアの広さ:地方の出店でも対応できる業者が登録されているか。
- 料金体系:依頼者側に費用が発生しない、無料で使えるサービスを選ぶ。
店舗内装ドットコムは上記4点を満たすマッチングサービスで、バーの施工実績が豊富な内装会社から提案を受けられます。フォーム入力後に運営事務局が条件を整理し、対応可能な内装会社から店舗オーナーへ直接連絡が届く仕組みのため、検討の出だしを軽くしながら比較検討のスピードを上げられます。同一条件で3社以上から見積もりを取り、本記事の坪単価相場・見積内訳・チェックリストと照合することで、バーに強い業者を効率的に絞り込めます。
店舗内装ドットコムの無料一括見積もりを使う
フォーム入力3分/公開事例7,000件超/条件に合う3社以上を無料で紹介/会員登録不要/しつこい営業なし/全国47都道府県対応
バー内装に強い施工会社の選び方
バーの内装は、照明計画力・カウンター造作の技術・防音設計の経験が必要な専門性の高い分野です。一般的な飲食店内装会社に依頼すると「バーらしい照明が出せなかった」というケースもあります。以下の4つのポイントで選定しましょう。
施工会社を選ぶ際にもう一つ重要なのが、アフターフォロー体制の確認です。バーは照明システム・防音設備・音響機器など、開業後も調整が必要な設備が多い業態です。「調光の設定を変えたい」「バックバーのLED棚照明の明るさを調整したい」といった小さな要望に開業後もスムーズに対応してもらえる会社を選ぶことで、長期的な運営コストを抑えられます。契約時に「開業後の微調整対応はどのように行いますか」と確認し、アフターサービスの内容を書面で確認しておくことをすすめます。また、バーの施工実績が多い会社は「バーの内装がどのように劣化するか」「何年後にどの部位が補修が必要になるか」を経験上把握しており、長期的なメンテナンスコストを考慮した素材・施工方法を提案してくれることも多いです。
バー開業前の内装準備チェックリスト
バーの内装工事を進める前に確認すべき項目をまとめました。抜け漏れがあると設計のやり直し・追加費用・工期遅延につながります。
- 業態コンセプトの確定:ショットバー/ダイニングバー/ワインバー/スポーツバー/カラオケバーのどれか。ターゲット客層と客単価の設定
- 物件の確認:居抜き or スケルトン。用途地域(深夜営業が可能か)。ビル管理規約(音出し・深夜営業の制限)
- 防音の要否判断:建物構造(RC/S/木造)・隣室の状況・想定BGM音量から施工会社に現地確認を依頼
- 照明計画の方向性:調光の要否、色温度の方向性(2700K以下推奨)、バックバー演出の方針
- カウンター仕様の確定:天板素材・長さ・形状(一直線型/L字型)・バックバーとのセット設計
- 設備リストの作成:製氷機・ワインセラー・ビールサーバー・音響・モニター等の機器リストを早めに作成し電力容量を試算
- 届出先への事前相談:保健所・警察署(深夜営業の場合)・消防署へ設計段階で事前相談
- 資金計画の確認:内装費+物件費+酒類仕入+運転資金の合計と自己資金・融資の割合を確認
- 相見積もりの実施:3社以上に依頼。同一仕様・同一条件で比較できるよう要件を揃えて依頼
- 工期と開業日の逆算:物件契約日から開業日まで余裕を持ったスケジュールを組む。届出期間も含めて計算
- DIY範囲の確定と施工会社への事前通知:DIYを行う箇所を施工会社に伝え、接合部の施工方法を確認
- 予備費の確保:総内装費の10〜15%(防音あり・高リスク物件は15〜20%)を予備費として計上
公開事例の写真で見る「お金がかかる場所」── 3社4案件・写真6枚(追加)
上の6枚に加えて、内装会社が公式サイトで公開しているバーの事例からさらに6枚。掲載条件は公式サイトで法人名と事例が確認できること。工事金額は公式非公開のため、読み方は本ページの相場帯に基づく整理です。写真の続きはバーの内装ガイド(事例11選)へ。

費用の読み方:6.4坪の小箱は「設備床」で坪単価が上がる典型で、費用はカウンター(天板の素材と長さ)とバックバー(酒棚+棚下の間接照明)に集中します。本ページの造作30〜150万円超の帯の中で、天板の一枚板か集成材か・棚のガラス面の有無で金額が動きます。

費用の読み方:ハイカウンターは高さ1,050mm・席割り600mm/席が標準で、6.4坪で何席取れるかはこの寸法で決まります。席数=売上の上限なので、カウンター造作費は「1席あたり」に割り戻して投資判断をします。

費用の読み方:ソファ席主体のラウンジ型は、カウンター造作の代わりにソファ・テーブル(什器枠)と照明回路の数に費用が寄ります。接待に当たり得る営業なら風営法1号の構造要件(照度など)が内装計画を縛るため、業態の線引きを着工前に決めます。

費用の読み方:曲面の左官仕上げは「一点物」の造作で上限側の費用です。テーマ性に投資する店は、カウンターの長さ(席数)と左官の面積を先に固定して、照明で陰影を作るほうが総額を抑えられます。

費用の読み方:フードを出すダイニングバーは、バーの「席と光」に加えて厨房・ダクト・グリストラップの設備床が乗ります。個室席はパーティション(天井到達なら防災の増移設)とモニター配線が費用項目になります。

費用の読み方:遊技機器は什器枠で、面積は「客席の10%ルール」で先に計画します。ライン照明(LEDテープ)は電気工事で空間の表情を作る低コストの手法で、壁を仕上げるより安く「らしさ」を出せます。
地域による違い──都市別の目安(スケルトン・標準仕様の10坪/15坪)
同じ工事でも職人単価・搬入条件・ビルの規定で地域差が出ます。本ページの坪単価(スケルトン坪40〜80万円)を、当サイト共通の都道府県係数(東京都=1.0)で都市別に置き換えた工事費の目安です。厨房機器・什器・防音・原状回復は別枠です。
東京23区
- 10坪400万円〜800万円
- 15坪600万円〜1,200万円
横浜・川崎(神奈川)
- 10坪380万円〜770万円
- 15坪580万円〜1,150万円
大阪
- 10坪380万円〜760万円
- 15坪570万円〜1,140万円
名古屋(愛知)
- 10坪380万円〜750万円
- 15坪560万円〜1,130万円
札幌(北海道)
- 10坪370万円〜750万円
- 15坪560万円〜1,120万円
福岡
- 10坪370万円〜740万円
- 15坪560万円〜1,110万円
仙台(宮城)
- 10坪350万円〜700万円
- 15坪520万円〜1,050万円
地方都市の目安
- 10坪320万円〜640万円
- 15坪480万円〜960万円
係数の外で動く条件
繁華街の雑居ビルは搬入時間と養生の制約で仮設費が上がり、地下・2階以上は防音と避難の要件が加わります。地方でも仕様差(カウンター素材・防音・照明回路)のほうが地域差より大きく、係数は「桁合わせ」に使ってください。
バー内装のモデルケースで見る費用感──規模・業態別の想定例
規模・業態別の代表的な想定モデルで、内装投資の効き方と学ぶべきポイントを整理します(実在の特定案件ではなく、公開相場と本記事の費用構造から組み立てた試算例です)。
東京・渋谷エリア/8坪ショットバー/居抜き活用で内装費350万円に抑制
バーからバーへの居抜き物件を活用し、カウンター・バックバーを流用。照明計画とカウンター天板(無垢材に貼り替え)に集中投資したことで、居抜きでありながら「造り込まれた雰囲気」を実現。照明設計費に40万円をかけたことで、スポットライトと間接照明の配光が格段に良くなり、SNS映えする配光は、それ自体が集客装置になります。スケルトンからの施工と比較すると、約200万円のコスト削減が見込める計算です。
大阪・北新地エリア/15坪ウイスキーバー/スケルトン全面改装で坪65万円
オーセンティックバーとして開業するため、天然大理石のカウンター天板(120万円)・本格バックバー造作(80万円)・調光付き照明計画(90万円)に全予算の55%以上を投下。防音も標準防音仕様で施工(70万円追加)。内装への集中投資で「客単価8,000円以上の客層」を狙う設計です。高級仕様への投資が客単価に直結しやすい、オーセンティックバーの典型パターンといえます。
より多くのバー内装の施工事例や費用・写真を確認したい場合は、バー内装の施工事例を見るをご覧ください。7,000件超の施工事例から予算帯・坪数・業態で絞り込んで比較できます。
目安をつかんだら、実際の金額は複数社の見積もりで確かめるのが確実です。
バー内装費用についてよくある質問(FAQ)
Q. バーの照明はどこまで暗くできますか?
A. 客席10ルクス以下は風営法の「低照度飲食店」(許可制)の世界です。深夜0時以降に酒類を出すなら深夜酒類提供届が必要で、客席20ルクス以上を維持できる構造(調光器は原則NG)が要件になります。
Q. カウンターだけで費用はどれくらい変わりますか?
A. 標準(集成材)6〜9万円/m、無垢12〜20万円/m、特注(銘木・石・R形状)25〜40万円/mが公開情報の目安です。10席・約6mなら標準40〜55万円に対し特注150〜240万円と、仕様だけで100万円単位の差になります。
Q. ダーツを置くと許可が必要になりますか?
A. 遊技設備が客席面積の10%(立ち位置・観戦スペース込み)を超えると風営4号・5号該当のおそれがあります。ダーツ1レーンの実効面積は3〜3.5㎡が目安で、客席50㎡なら1レーンが上限の感覚です。
接待を伴う業態(キャバクラ・ラウンジ)は、深夜届出でなく風営法1号許可の世界になり、客室面積・見通し・照度(5ルクス基準)という構造基準が図面を縛ります。キャバクラの内装費用相場(風営法の基準とVIP個室・照明のつくり方)で詳述しています。
自分の業種の数字がつかめたら、他業種との比較で相場感を立体化できます。店舗内装費用の相場一覧(60業種の坪単価比較・シミュレーター付き)で横断できます。
▶ 総合版:バーの内装ガイド(費用相場・デザイン・風営法・業者選び)
バー開業の内装費用を把握したら次にすること
バーの内装費用の全体像を理解したら、次のステップに進みましょう。費用の相場感を把握→施工事例でイメージを固める→複数社への相見積もりという流れが、コストと品質を両立させるための最短ルートです。
- 見積もり比較ガイド:複数社の見積書を正しく比較する方法
- 内装会社の選び方:バー内装に強い施工会社の見つけ方
- 店舗開業費用の全体像:内装費以外のコスト(物件費・設備費・運転資金)の整理
- 店舗内装コストダウンのコツ:削れる箇所を具体的に把握する
- 店舗照明設計ガイド:バーの雰囲気を決める照明計画の基本
- 居抜き物件のメリット・デメリット:居抜きを最大限活用する判断基準
相場感をつかむ → 事例でイメージを固める → 複数社の見積もりを比較
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