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「店が古くなってきた」「世界観を変えて客層を広げたい」「薪窯を入れたい/ガス窯に替えたい」——営業中のイタリアンを改装するとき、多くのオーナーがまず費用を調べます。ですが、すでに営業しているイタリアンの改装は、ゼロから作る開業とは別物です。イタリアンの核心はピザ窯(薪窯/ガス窯)と、“おしゃれが選ばれる代表格”としての世界観・コンセプトの両輪。とくに薪窯は煙突・防火・重量が建物と一体で、厨房に手を入れる改装は休業が前提になります。本記事は、ピザ窯・厨房を流用するか/やり直すか(薪⇔ガス)、そして世界観をどこに寄せるかという視点から、費用相場・営業しながらの可否・発注自由度・許認可までをまとめた発注者向けガイドです。ピザ窯の種類別の違い・排煙・ワインセラー・世界観の詳細はイタリアンの内装ガイド、工事区分はA/B/C工事区分ガイドもあわせてご覧ください。
この記事の要点
- イタリアン改装は「ピザ窯(とくに薪窯)に触れるか」で営業継続の可否が決まる
- 薪窯は煙突・防火・重量が建物と一体=動かしにくい。ピザ窯・厨房・ダクトに触れる改装は休業が前提
- 既存のピザ窯・厨房・ダクトを「流用するか/やり直すか(薪⇔ガス)」で改装費の桁が変わる
- イタリアンは”おしゃれが選ばれる代表格”。世界観・コンセプトをどこに寄せるかで客層が変わる
- オープンキッチンでピザ窯を見せる演出が、ライブ感と本格感を伝える体験価値の核
目次
- イタリアン改装は「ピザ窯に触れるか」が営業継続の分かれ目
- イタリアン改装の費用相場・坪単価【物件・目的別】
- 【無料】イタリアン改装 費用シミュレーター
- 営業しながら改装できる?客席・世界観はOK・ピザ窯とダクトは休業
- 既存ピザ窯・厨房は流用する?やり直す?(薪⇔ガスの判断)
- 世界観・コンセプトをどこに寄せる?(おしゃれが選ばれる代表格)
- あなたの店は業者を選べる?(発注自由度・薪窯の煙突)
- 改装で押さえる:オイル・香りのダクトとウェット床
- イタリアン改装の目的別 進め方
- 改装の流れと工期・リニューアル
- 失敗しない業者の選び方(イタリアン改装版)
- 改装の法令チェック(営業許可・消防・防火・グリストラップ)
- よくある質問(FAQ)
イタリアン改装は「ピザ窯に触れるか」が営業継続の分かれ目
営業中のイタリアンを改装するとき、最初に置くべき判断軸は「どんな内装にするか」ではありません。「ピザ窯に触れる改装か、それとも触れない改装か」という段取りの設計です。イタリアンの厨房の核心はピザ窯で、薪窯(石窯)は重量があり、煙突・排煙・防火が建物と一体で、設置位置を動かすのが難しい設備。だからピザ窯・厨房・ダクトに手を入れる改装は、火と煙突・防火が連動するため休業が前提になります。
一方、ガス窯・電気窯は薪窯より動かしやすく、改装の自由度が変わります。壁・床・席・世界観といった客席の意匠だけなら、定休日や営業時間外に進められます。つまりイタリアン改装は、内装の見た目を決める前に「ピザ窯(とくに薪窯)に触れるか触れないか」を最初に切り分けるのが正解。ラーメンや中華も厨房が核心ですが、イタリアンは薪窯という”建物と一体の動かしにくい設備”がある点と、“おしゃれが選ばれる代表格”として世界観が集客に直結する点が固有です。
イタリアン改装の費用相場・坪単価【物件・目的別】
公開されている各社の情報を整理すると、イタリアン改装の工事費はおおむね次のレンジが目安として共通して示されています。イタリアン・レストランの坪単価は30〜50万円が一つの目安で、スケルトンで坪40〜80万円、居抜きで坪20〜50万円ほど、高級店では坪100万円を超えることもあります。そしてイタリアンで特徴的なのが、ピザ窯と厨房の比率が高いこと。ピザ釜は購入費だけで30〜40万円前後、薪窯のやり直しは煙突・排煙・防火・床補強まで絡むため費用が大きく振れます。
ここで開業との決定的な違いを押さえておきましょう。イタリアンの改装費は「内装」と「ピザ窯・厨房」の二本立てで、坪単価だけでは割り切れません。内装は壁・床・天井や席・世界観の造作ですが、これとは別に、ピザ窯・強火コンロ・オーブン・パスタ用茹で釜・大型排気ダクトといった厨房設備費が乗ります。さらに改装では既存の解体・撤去・原状回復が加わり、現況によって大きく振れます。
内訳を読むときのコツは、項目を「①解体・原状回復」「②内装・造作」「③大型排気ダクト」「④ピザ窯などの厨房設備」「⑤諸経費」に分けて見ることです。開業の見積もりと違い、改装では①が必ず乗り、③④がピザ窯をやり直すかどうかで大きく動きます。見積書を受け取ったら、まず③と④がどこまで含まれているかを確認すると、各社の金額差の理由が見えてきます。設計・設計監理費は総工費の5〜15%程度が目安とされます。
なお、部分改装で内装材だけを張り替える場合の単価の目安(公開情報)は、壁紙(クロス)が1,000〜2,000円/㎡、床のクッションフロアが2,000〜5,000円/㎡、床タイルが3,000〜8,000円/㎡、天井クロスが1,500〜3,000円/㎡、壁の塗装が1,000〜3,000円/㎡ほどです。「客席の壁だけ」「床だけ」といった部分的な改装では、この㎡単価から概算できます。
部分改装(客席・世界観)
全面・ピザ窯やり直し
費用の全体像は店舗内装の費用ガイド、ピザ窯の種類別・坪単価の詳しい目安はイタリアンの内装ガイドでも扱っています。
【無料】イタリアン改装 費用シミュレーター
業態・広さ・立地・改装レベルに加えて、改装する部位ややり直す設備(ピザ窯のやり直し・薪⇔ガス変更、大型排気ダクトなど)を選ぶと、あなたの状況に合わせて工事費の概算・内訳・想定休業・注意点までその場で変わります。イタリアンの改装はピザ窯・ダクトの現況で大きく振れるため、予算の当たりをつけるための目安としてお使いください。
営業しながら改装できる?客席・世界観はOK・ピザ窯とダクトは休業
イタリアンでも、営業しながら改装できる範囲があります。壁・床・席・照明・世界観といった客席の意匠であれば、区画を分けて・営業時間外に進めることで、営業を止めずに改装できることが多いです。世界観を変えるだけなら、店を閉めずに少しずつ進められます。
一方で、すべての改装が営業しながらできるわけではありません。前述のとおり、ピザ窯・強火厨房・大型排気ダクト・煙突に手を入れる改装は、火と煙突・防火が連動するため休業が前提になります。とくに薪窯は煙突や防火が建物と一体で、工事の影響が店全体に及ぶためです。継続できる工事と、休業が要る工事の線引きを押さえておきましょう。
- 【営業しながら可】壁・床・天井・照明の意匠、席・個室の造作、世界観の刷新
- 【営業しながら可】区画を分けて・営業時間外に進める範囲の客席工事
- 【休業が前提】ピザ窯のやり直し・移設・薪⇔ガスの変更、厨房レイアウト変更
- 【休業が前提】大型排気ダクト・煙突・屋上排気の新設
- 【休業が前提】窯の重量に伴う床補強、全面解体
そして見落とされがちなのが常連客・予約客への告知設計です。休業期間や再開日を事前に告知し、予約客や常連に個別に伝えます。SNS・店頭・Googleビジネスプロフィールを更新し、「リニューアル予告」としてポジティブに発信すれば、休業の不便を期待感に変えられます。長く通う常連を切らさない段取りが、イタリアン改装でも重要です。
既存ピザ窯・厨房は流用する?やり直す?(薪⇔ガスの判断)
改装費を最も大きく左右するのが、イタリアンの心臓部——ピザ窯・強火コンロ・オーブン・パスタ用茹で釜・大型排気ダクト——を残すか替えるかの判断です。前もイタリアンの居抜きで、ピザ窯・厨房・ダクトが流用できれば、客席の色や世界観の変更だけで済み、大きく圧縮できる。逆に、窯をやり直す・移す・種類を変える(薪窯⇔ガス窯)となれば、煙突・排煙・防火・床補強までまるごと動いて費用の桁が変わります。とくに薪窯への変更は煙突・防火が大掛かりで、窯の重量に伴う床補強も必要になることがあります。
イタリアン改装で確認すべきポイントを整理します。
- ピザ窯:今の窯の種類(薪/ガス/電気)・状態・設置位置・動線を活かせるか
- 排気ダクト:オイル・ニンニク・香りの強い料理に、ダクト口径・換気能力が足りるか
- 強火厨房:強火コンロ・オーブン・パスタ用茹で釜の状態・容量を確認
- 床荷重:薪窯(石窯)を新設・移設する場合、床が窯の重量に耐えられるか
- ガス・電気:窯・コンロの同時稼働に、ガス・受電の容量が足りるか
判断のコツは、「使えるはずだから残す」ではなく、「現況のピザ窯・ダクト・床荷重を見て、新しいメニュー・窯の種類に足りるか」で決めることです。薪窯への変更は煙突・防火・床補強が連動するため、天井裏・床下・屋上を見なければ判断できません。現地調査の精度がそのまま見積もりの精度になります。ピザ窯の種類別の違いや排煙の詳細はイタリアンの内装ガイドで詳しく扱っています。
世界観・コンセプトをどこに寄せる?(おしゃれが選ばれる代表格)
イタリアンは、おしゃれな雰囲気で選ばれるレストランの代表格です。だから改装のもう一つの軸は「世界観・コンセプトをどこに寄せるか」。南イタリアの陽気な食堂風・北イタリアの上質なトラットリア・モダンな隠れ家風——どのコンセプトに寄せるかで、客層・客単価・利用シーンが変わります。
今の客層を磨く
客層を入れ替える
世界観は内装だけでなく、料理・小物・家具・スタッフの装いまでトーンを揃えて初めて完成します。とくにオープンキッチンでピザ窯を見せる演出は、ライブ感と本格感を伝える体験価値の核。世界観を大きく変える改装は客層を入れ替える行為でもあるため、「今の客層を磨くのか・客層ごと変えるのか」を先に決めることが重要です。世界観・グレードの作り方や採算はイタリアンの内装ガイドが参考になります。
あなたの店は業者を選べる?(発注自由度・薪窯の煙突)
意外に知られていませんが、改装で「業者を自由に選べるか」は店舗の立地条件で変わります。路面店や独立した建物は、排気・煙突・ガスの幹線まで自由に選べるため、複数社で相見積もりを取って価格と提案を比較できます。とくにイタリアンは薪窯やり直しの範囲が大きいぶん、相見積もりで各社の金額差が出やすく、比較する価値が大きい業態です。
一方、ビルや空中階のテナントは、意匠造作は自由でも、排気・電気・ガスの幹線がビル指定(B工事)になりがちで、さらに薪窯の煙突・屋上排気の経路には所有者の承認が要り、窯の重量による床荷重も確認が必要なことが多いです。イタリアンは薪窯の煙突を屋上まで上げる必要があるうえ、石窯は重量があるため、ビルの構造や規約に左右されます。イタリアンの居抜きなら、既存のピザ窯・厨房・ダクトを流用して圧縮できる余地があります。工事区分A/B/Cの考え方はA/B/C工事区分ガイドで詳しく扱っています。
路面店・独立
ビル・空中階
もう一つ、改装ならではの落とし穴が原状回復義務の境界です。営業中ということは賃貸借契約の途中です。改装でピザ窯や煙突・ダクト・造作を足すと、退去時に「もともと借りたときの状態」に戻す義務に加えて、自分が新たに足した窯・煙突・ダクト・造作の分まで原状回復を負うことがあります。イタリアンは薪窯の煙突やオイルによる汚れも蓄積するため、原状回復の範囲が読みにくくなりがち。改装の契約段階で、どこまでを誰が戻すのかを切り分けておきましょう。原状回復の費用相場や契約の読み方は店舗の原状回復ガイドが参考になります。
改装で押さえる:オイル・香りのダクトとウェット床
ピザ窯のような大きな設備だけでなく、イタリアンならではのオイル・香りのダクトとウェット床も、改装で必ず押さえたいポイントです。イタリアンはオイル・ニンニク・香りの強い料理が多く、火と油を頻繁に使う業態。換気と床の素材選びが、清潔感とトラブル回避を左右します。
- ダクト・換気:オイル・ニンニク・香りに対応する大型フード・ダクト・換気の能力を確保
- においトラブル:換気が不十分だと煙やニオイが近隣トラブルに発展することも
- ウェット床(厨房):火と油を扱うため、防水・防滑・排水勾配を確保した塗り床系を
- グリストラップ:油分を含む排水には油脂分離槽の設置が条例で義務づけられた地域も
- 壁:飛散油を拭き取りやすい素材。腰高まで不燃化粧板や磁器質タイル
これらは「清潔・安全・においが残らない」というイタリアンの体験を左右し、近隣トラブルの回避にも直結します。初期費を抑えるより、耐久性と換気性能でトータルコストを下げる判断が賢明です。素材の選び方や厨房レイアウトの詳しい設計はイタリアンの内装ガイドで詳しく扱っていますので、あわせてご覧ください。
イタリアン改装の目的別 進め方
改装で失敗する典型は、目的が曖昧なまま「とりあえずきれいにする」ことです。目的を一つに絞ると、予算・範囲・工期・営業継続の可否まで自然に決まります。イタリアン改装でよくある目的を比べておきましょう。
① 老朽更新
② 厨房・窯の刷新
③ 世界観の刷新
注意したいのは、売上が好調なら、無理に大きく改装しない判断もあるということです。タイミングや方向性を誤ると、かえって常連客が離れることもあります。「今の店の何を、誰のために変えるのか」を先に言語化しましょう。改装で起こりがちな後悔とその回避は店舗改装の失敗防止ガイドも参考になります。なお、同じ改装でも業種が違えば核心も変わります。スープ厨房のラーメンはラーメン店改装ガイド、強火力の中華は中華料理店改装ガイド、カウンター中心のバーはバー改装ガイド、客席が中心のカフェはカフェ改装ガイドもどうぞ。別の物件へ移る場合はイタリアンレストランの移転ガイドが参考になります。
改装の流れと工期・リニューアル
イタリアン改装は、おおむね次の流れで進みます。改装は現況勝負のため、見積もりの前の現地調査(とくにピザ窯・ダクト・床荷重の確認)がとりわけ重要です。
工期の目安は、客席・世界観中心の部分改装で数日〜数週間、ピザ窯・大型ダクトまで及ぶ全面改装で数週間以上を見ておくこともあります。薪窯のやり直しは煙突・防火・床補強がボトルネックになりやすいため、休業期間と家賃負担を見込んだ計画が必要です。再開時は、常連・予約客への告知やリニューアルの発信をセットで計画すると立ち上がりがスムーズです。改装全体の進め方は店舗改装の流れガイドでも整理しています。
失敗しない業者の選び方(イタリアン改装版)
イタリアン改装で業者を選ぶときは、開業の内装業者選びとは少し見るべき点が違います。改装は現況に左右され、とくにイタリアンは薪窯の煙突・防火と世界観の設計力が問われるため、次のような観点で確認しましょう。
- イタリアン・レストランの改装実績があるか(新装だけでなく改装の経験)
- 現地調査が丁寧か、とくにピザ窯・ダクト・床荷重を見てくれるか
- 薪窯の煙突・防火・床補強の経験があるか
- 既存のピザ窯・ダクトの流用可否を提案できるか、世界観の設計力があるか
- 見積もりの内訳が明確か(ピザ窯・大型ダクト・原状回復まで含むか)
そして相見積もりは必須です。改装は現況依存で各社の見方が割れやすく、とくにイタリアンはピザ窯(薪⇔ガス)・ダクト・世界観の提案で金額も仕上がりも大きく変わるため、1社だけでは妥当かを判断できません。複数社を比べることで、適正価格と相性の良い会社が見えてきます。見積もりの読み方は店舗の見積もり比較ガイド、業者のタイプ別の選び方は店舗内装会社の選び方を参考にしてください。
改装の法令チェック(営業許可・消防・防火・グリストラップ)
改装では、開業時に済ませたはずの法令確認が再び必要になることがあります。イタリアンでとくに見落としやすいのが、飲食店営業許可と消防・防火・排水に関わる手続きです。
いずれも物件や自治体によって判断が分かれます。早い段階で、所管の保健所・消防署・特定行政庁や、専門家・施工会社に確認してください。飲食店営業許可・消防・内装制限の基礎はイタリアンの内装ガイドにも解説があります。
よくある質問(FAQ)
まとめ|まずは「ピザ窯に触れるか」と世界観の方向から
イタリアン改装は、内装の見た目より先に「ピザ窯(とくに薪窯)に触れるか」「世界観をどこに寄せるか」から考えるのが成功の近道です。薪窯は煙突・防火・重量が建物と一体で動かしにくいため、ピザ窯・厨房に手を入れる改装は休業が前提で、客席・世界観だけなら営業しながら進められます。既存のピザ窯・ダクトを流用できれば費用は大きく圧縮でき、薪⇔ガスを変えるなら煙突・防火・床補強が連動して桁が変わります。そしてイタリアンは”おしゃれが選ばれる代表格”——世界観・コンセプトをどこに寄せるかで客層が変わり、オープンキッチンで窯を見せる演出が体験価値を決めます。いずれも現況を見なければ判断できません。まずは「ピザ窯に触れるか」と「誰に向けるか」を切り分け、ピザ窯・ダクト・床荷重まで見る現地調査を受け、イタリアン経験のある複数社の見積もりを比較することから始めましょう。
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