中華料理店改装ガイド|費用相場・営業しながらの可否・中華レンジとガス容量の流用で失敗しない進め方

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「店が古くなってきた」「町中華から中華ダイニングに変えたい」「個室を増やして宴会を取りたい」——営業中の中華料理店を改装するとき、多くのオーナーがまず費用を調べます。ですが、すでに営業している中華料理店の改装は、ゼロから作る開業とは別物です。そして中華は、強火力中華レンジ(16号以上=全業態で最も高いガス火力)と、飲食最大級の油煙を処理する大型排気ダクトが核心で、厨房に手を入れる改装は火を止める=休業が前提になります。本記事は、既存の中華レンジ・大ダクト・ガス容量を流用するか/やり直すかという視点から、費用相場・営業しながらの可否・ガス容量・発注自由度・許認可までをまとめた発注者向けガイドです。中華レンジ・ガス配管・排気・円卓個室の席設計や採算の詳細は中華料理店の内装ガイド、工事区分はA/B/C工事区分ガイドもあわせてご覧ください。

この記事の要点

  • 中華改装は「内装の見た目」より先に、厨房(中華レンジ・大ダクト)に触れるか/触れないかで段取りを考える
  • 中華レンジ・ガス・大ダクト・グリストラップに手を入れる改装は、火を止めるため休業が前提(客席の意匠だけなら営業しながら可)
  • 既存の中華レンジ・大ダクト・ガス容量を「流用するか/やり直すか」で改装費の桁が変わる
  • 中華レンジは全業態で最も高いガス火力(16号以上)が要り、ガス容量が改装の最も厳しいボトルネック
  • 町中華⇔中華ダイニングの業態シフト改装は、厨房だけでなく席(円卓・個室)と世界観もまるごと変わる
⚠️ ご注意:本記事は一般的な情報提供を目的としており、正確性・完全性・最新性を保証するものではありません。費用は公開情報をもとにした目安であり、法令・許認可の要件は物件や自治体・管轄機関によって異なります。具体的な判断は、現地調査を踏まえた業者見積もりや、所管の保健所・消防署、専門家にご確認ください。

中華改装は「厨房に触れるか」が営業継続の分かれ目

営業中の中華料理店を改装するとき、最初に置くべき判断軸は「どんな内装にするか」ではありません。「厨房に触れる改装か、それとも触れない改装か」という段取りの設計です。中華の厨房は、強火力中華レンジ(16号以上=全業態で最も高いガス火力)と、飲食最大級の油煙を処理する大型排気ダクト・グリースフィルターが核心。中華レンジ・ガス配管・大型ダクト・グリストラップに手を入れる改装は、火を止めて配管・ダクトをやり直すため休業が前提になります。

中華レンジの火を止める=厨房改装は休業中華改装は”厨房に触れるか”が営業継続の分かれ目客席の意匠=営業しながら可壁・床・円卓・席定休日・営業時間外で厨房=休業が前提中華レンジ・ガス・大ダクト火を止める=休業中華レンジのガス火力は全業態で最大(16号以上)ガス容量・大ダクトの工事規模が大きくなりやすい

一方、壁・床・円卓・席といった客席の意匠だけなら、定休日や営業時間外に進められます。つまり中華改装は、内装の見た目を決める前に「厨房(中華レンジ・ガス・大ダクト)に触れるか触れないか」を最初に切り分けるのが正解です。ラーメンもスープ厨房が核心ですが、中華はガス火力が全業態で最も高いぶん、ガス容量・大ダクトの工事規模が大きくなりやすいのが特徴。これは、客席が核心のカフェや、全卓に火気がある焼肉店ともまた違う、中華ならではの分岐です。

厨房に触れるか
改装の最初の分岐
ガス火力最大
16号以上=全業態最大
客席のみ可
中華レンジに触れると休業
ポイント:「客席だけの改装」か「厨房(中華レンジ・大ダクト)に触れる改装」か。これを先に切り分けると、営業継続の可否・予算・工期がほぼ決まります。

中華料理店改装の費用相場・坪単価【物件・目的別】

公開されている各社の情報を整理すると、中華料理店改装の工事費は、物件の状態(居抜き/スケルトン)と厨房の仕様で大きく変わります。そして特徴的なのが、中華は厨房設備費が総工事費に占める割合が高いこと。高火力の中華レンジ・大型中華鍋に対応する業務用ガスの引き込み、飲食最大級の油煙を処理する排気フード・ダクト・グリースフィルター・給気設備は、いずれも飲食設備のなかでも高額な部類です。屋上排気のやり直しは200〜300万円規模、ダクトの排気口が1階上がるごとに+20万円ほど足場費も乗ります。

ここで開業との決定的な違いを押さえておきましょう。中華の改装費は「内装」と「厨房設備」の二本立てで、坪単価だけでは割り切れません。内装は壁・床・天井や円卓・席の造作ですが、これとは別に、中華レンジ・大型排気ダクト・グリースフィルター・耐熱防火といった厨房設備費が乗ります。さらに改装では既存の解体・撤去・原状回復が加わり、現況によって大きく振れます。

厨房設備(中華レンジ・大ダクト)の比率が高い坪単価だけでは出ない。中華レンジ・大ダクトが大きく積む坪単価×坪数内装の基本解体・撤去既存撤去大型排気ダクト大口径/屋上中華レンジ(別積み)ガス16号以上= 実際にかかる改装費中華レンジ・大型排気は内装と別の設備費。見積もりで要確認

内訳を読むときのコツは、項目を「①解体・原状回復」「②内装・造作」「③大型排気ダクト(屋上排気)」「④中華レンジなどの厨房設備」「⑤諸経費」に分けて見ることです。開業の見積もりと違い、改装では①が必ず乗り、③④が厨房をやり直すかどうかで大きく動きます。見積書を受け取ったら、まず③と④がどこまで含まれているかを確認すると、各社の金額差の理由が見えてきます。

なお、部分改装で内装材だけを張り替える場合の単価の目安(公開情報)は、壁紙(クロス)が1,000〜2,000円/㎡、床のクッションフロアが2,000〜5,000円/㎡、床タイルが3,000〜8,000円/㎡、天井クロスが1,500〜3,000円/㎡、壁の塗装が1,000〜3,000円/㎡ほどです。「客席の壁だけ」「床だけ」といった部分的な改装では、この㎡単価から概算できます。

部分改装(客席中心)

壁・床・円卓・席
主な対象客席の意匠・円卓
工期数日〜数週間
営業継続○ 区画・時間外で可
向く目的老朽更新・印象の刷新

全面・厨房やり直し

中華レンジ・大ダクト
主な対象中華レンジ・排気・ガス容量
工期数週間〜
営業継続× 休業が前提
向く目的厨房刷新・業態転換

費用の全体像は店舗内装の費用ガイド、中華レンジ・大型ダクト・坪単価の詳しい目安は中華料理店の内装ガイドでも扱っています。

注意:坪単価はあくまで目安です。独自に算出された坪単価をそのまま自店に当てはめず、現況を見た見積もりで確定してください。とくに中華は中華レンジ・大ダクト・ガス容量の現況差が大きく、早見表だけでは足りません。

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業態・広さ・立地・改装レベルに加えて、改装する部位や手を入れる設備(中華レンジ・ガス号数・大型排気ダクトなど)を選ぶと、あなたの状況に合わせて工事費の概算・内訳・想定休業・注意点までその場で変わります。中華の改装は中華レンジ・大ダクト・ガス容量の現況で大きく振れるため、予算の当たりをつけるための目安としてお使いください。

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営業しながら改装できる?客席はOK・中華レンジとダクトは休業

中華料理店でも、営業しながら改装できる範囲があります。壁・床・円卓・席といった客席の意匠であれば、区画を分けて・営業時間外に進めることで、営業を止めずに改装できることが多いです。古くなった内装の色やデザインを変えるだけなら、店を閉めずに少しずつ進められます。

営業しながら改装できる工事/できない工事客席の意匠なら営業しながら、中華レンジ・大ダクトは休業営業しながら可壁・床・円卓・席区画・営業時間外で休業が要る中華レンジ・ガス・大ダクト・グリストラップ火を止める休業期間と再開日を事前に告知常連・宴会予約を切らさない段取りが鍵

一方で、すべての改装が営業しながらできるわけではありません。前述のとおり、中華レンジ・ガス・大型排気ダクト・グリストラップに手を入れる厨房の改装は、火を止めて配管・ダクトをやり直すため休業が前提になります。強火力の中華レンジは安全確保のためにも稼働を止める必要があり、ダクトや給排気は店全体に及ぶためです。継続できる工事と、休業が要る工事の線引きを押さえておきましょう。

  • 【営業しながら可】壁・床・天井・照明の意匠、円卓・席の造作、サイン
  • 【営業しながら可】区画を分けて・営業時間外に進める範囲の客席工事
  • 【休業が前提】中華レンジ・ガス号数の増設・移設、厨房レイアウト変更
  • 【休業が前提】大型排気ダクト・屋上排気の新設、グリストラップの位置変更
  • 【休業が前提】ガス管の引き直し(16号以上)、耐熱防火工事、全面解体

そして見落とされがちなのが常連客・宴会予約への告知設計です。休業期間や、再開日を事前に告知し、予約客や常連に個別に伝えます。SNS・店頭・Googleビジネスプロフィールを更新し、「リニューアル予告」としてポジティブに発信すれば、休業の不便を期待感に変えられます。宴会需要のある中華は、予約客を切らさない段取りが特に重要です。

ポイント:中華レンジ・大ダクトに触れる改装を選んでいるのに「営業を続ける」を選ぶと、シミュレーターに注意が表示されます。客席の意匠だけに絞るか、休業してまとめて進める計画への切り替えを検討してください。

既存中華レンジ・大ダクトは流用する?やり直す?

改装費を最も大きく左右するのが、中華の心臓部——中華レンジ・大型排気ダクト・グリースフィルター・ガス容量——を残すか替えるかの判断です。これらは飲食設備のなかでも高額な部類で、ガス号数は中華の場合16号以上が必要になります。前も中華料理店の居抜きで、中華レンジ・大ダクト・ガス容量(16号以上)が流用できれば、客席の色やレイアウト変更だけで済み、大きく圧縮できることがあります。逆に、他業態(ラーメンや軽飲食)の居抜きや、火力を上げる改装では、ガス号数の引き直し(16号以上に増設)・大口径ダクト・耐熱防火がまるごと動いて費用の桁が変わります。

既存の中華レンジ・大ダクト:流用する?やり直す?前も中華料理店の居抜き?Yes:中華レンジ・大ダクト流用客席変更だけで大きく圧縮No・やり直し:ガス号数を確認16号以上の引き直し・大口径ダクト不足なら桁が変わる耐熱防火・屋上排気200〜300万※ガス号数(16号以上)の流用可否が、中華改装の費用を分ける

中華改装で確認すべきポイントを整理します。とくにガス容量は、全業態で最も厳しいボトルネックです。

  • ガス容量:中華は16号以上が必要。現況のガス号数が足りるか(6号→16号は引き直し)
  • 中華レンジ:既存の中華レンジの使用年数・火力・状態・台数を確認
  • 大型排気ダクト:ダクト口径・換気能力が、飲食最大級の油煙量に足りるか
  • グリースフィルター・グリストラップ:油煙・油脂を処理する設備の位置・容量
  • 耐熱・防火:強火力の中華レンジまわりの耐熱素材・防火対策が現行基準に合うか

判断のコツは、「使えるはずだから残す」ではなく、「現況のガス号数(16号以上か)・中華レンジ・大ダクトの容量と状態を見て、新しいメニュー・火力に足りるか」で決めることです。ガスは6号しかないのに16号必要、増設工事もできない——という事態を避けるため、現況のガス容量の確認が改装の出発点になります。中華レンジ・ガス配管・排気の詳細は中華料理店の内装ガイドで詳しく扱っています。

町中華⇔中華ダイニングの業態シフト改装

中華改装で相談が多いのが、町中華から中華ダイニング(または逆)への業態シフトです。中華は町中華の小箱(カウンター・少人数)から、コース・宴会の大箱(円卓・個室・座敷)まで、席設計の幅が飲食で最も広い業態。だから業態をシフトする改装は、見た目だけでなく中身がまるごと変わります。

町中華

カウンター・小テーブル
採算回転重視・客単価低め
世界観庶民的・実用的
厨房定食・一品の強火力

中華ダイニング

円卓・個室・座敷
採算宴会・コース単価
世界観本格・高級・モダン
厨房コース対応の設備増

業態シフトの改装は、厨房(火力・設備の増減)に加えて、席(円卓・個室の造作)・世界観(庶民的⇔本格・高級)・採算(回転⇔宴会単価)までまるごと再設計することになります。逆に、世界観と席だけを変えて中華レンジ・ダクトをそのまま使えるなら、営業しながら客席改装で完結できます。円卓・個室の席設計や採算・世界観の詳しい考え方は中華料理店の内装ガイドが参考になります。改装ヘッドは”業態シフトで厨房に触れるかどうか”を見極めるのが要点です。

あなたの店は業者を選べる?(発注自由度・屋上排気とガス)

意外に知られていませんが、改装で「業者を自由に選べるか」は店舗の立地条件で変わります。路面店や独立した建物は、排気・屋上排気・ガスの幹線まで自由に選べるため、複数社で相見積もりを取って価格と提案を比較できます。とくに中華は中華レンジ・大ダクトのやり直しの範囲が大きいぶん、相見積もりで各社の金額差が出やすく、比較する価値が大きい業態です。

立地で変わる発注自由度(屋上排気とガス16号)排気・ガスの幹線をどこまで自分で選べるか路面・独立C相当=自由排気・ガスまで自由相見積の差◎ビル・空中階排気・電気・ガス=B屋上排気の承認ガス16号引込容量中華の居抜き中華レンジ・大ダクト流用グリストラップ活用号数・口径を確認

一方、ビルや空中階のテナントは、意匠造作は自由でも、排気・電気・ガスの幹線がビル指定(B工事)になりがちで、さらに屋上排気の経路には所有者の承認が要り、ガスの引込容量(16号以上)にも制約があることが多いです。中華は油煙が多く屋上まで排気を上げる必要があるうえ、ガス火力が全業態で最も高いため、ビルの構造や規約・ガス容量に左右されます。中華の居抜きなら、既存の中華レンジ・大ダクト・グリストラップを流用して圧縮できる余地があります。工事区分A/B/Cの考え方はA/B/C工事区分ガイドで詳しく扱っています。

路面店・独立

工事区分C相当(自由)
業者選び自分で選べる
要点排気・ガスまで自由。相見積で比較

ビル・空中階

工事区分排気・電気・ガスB工事
業者選び一部は選べない
要点屋上排気の承認+ガス16号引込容量

もう一つ、改装ならではの落とし穴が原状回復義務の境界です。営業中ということは賃貸借契約の途中です。改装で中華レンジや大ダクト・造作を足すと、退去時に「もともと借りたときの状態」に戻す義務に加えて、自分が新たに足した厨房・ダクト・造作の分まで原状回復を負うことがあります。中華は油煙による油汚れも蓄積するため、原状回復の範囲が重くなりがちです。改装の契約段階で、どこまでを誰が戻すのかを切り分けておきましょう。原状回復の費用相場や契約の読み方は店舗の原状回復ガイドが参考になります。

改装で押さえる:ウェット床・耐熱防火と油はね対策

中華レンジや大ダクトといった「重い」改装だけでなく、中華ならではのウェット床・耐熱防火・油はね対策も、改装で必ず押さえたいポイントです。中華は水を流して洗うウェットキッチンで、強火力の火気と大量の油はねを扱う業態。日々の清掃を楽にし、スタッフの安全と清潔感を保つ素材選びが、改装の満足度を左右します。

  • ウェット床(厨房):水を流して洗うため、防水・防滑・排水勾配を確保した塗り床系を
  • 耐熱・防火:強火力の中華レンジまわりは耐熱素材・防火対策が必須(消防基準にも関わる)
  • 壁:飛散油を拭き取りやすく耐酸性のある素材。腰高まで不燃化粧板や磁器質タイル
  • 天井:耐油塗装と、油煙・においを逃がす十分な換気量
  • 客席の床:油やにおいが付きにくく、清掃しやすい素材を

これらは「清潔・安全・においが残らない」という中華料理店の体験を左右し、スタッフの働きやすさにも直結します。初期費を抑えるより、耐久性でトータルコストを下げる判断が賢明です。素材の選び方や厨房レイアウトの詳しい設計は中華料理店の内装ガイドで詳しく扱っていますので、あわせてご覧ください。

中華改装の目的別 進め方

改装で失敗する典型は、目的が曖昧なまま「とりあえずきれいにする」ことです。目的を一つに絞ると、予算・範囲・工期・営業継続の可否まで自然に決まります。中華改装でよくある目的を比べておきましょう。

① 老朽更新

狙い清潔感・安全・においの改善
範囲客席の意匠中心(部分)
費用読みやすい
継続

② 厨房刷新

狙い火力・能力・効率の更新
範囲中華レンジ・ダクト・ガス
費用
継続×(休業)

③ 業態シフト

狙い町中華⇔ダイニング・高単価化
範囲席・世界観・厨房
費用中〜大
継続厨房に触れれば×

注意したいのは、売上が好調なら、無理に大きく改装しない判断もあるということです。タイミングを誤ると、かえって常連客が離れることもあります。「今の店の何を、なぜ変えるのか」を先に言語化しましょう。改装で起こりがちな後悔とその回避は店舗改装の失敗防止ガイドも参考になります。なお、同じ改装でも業種が違えば核心も変わります。スープ厨房のラーメンはラーメン店改装ガイド、厨房と席ミックスの居酒屋は居酒屋改装ガイド、排気が核心の焼肉店は焼肉店改装ガイド、客席が中心のカフェはカフェ改装ガイドもどうぞ。別の物件へ移る場合は中華料理店の移転ガイドが参考になります。

改装の流れと工期・リニューアル

中華改装は、おおむね次の流れで進みます。改装は現況勝負のため、見積もりの前の現地調査(とくに中華レンジ・大ダクト・ガス容量の確認)がとりわけ重要です。

会社選定中華改装の実績で絞る
現地調査中華レンジ・大ダクト・ガス
見積・比較中華経験で相見積
契約・着工休業の段取り
竣工・再開リニューアル

工期の目安は、客席中心の部分改装で数日〜数週間、中華レンジ・大ダクトまで及ぶ全面改装で数週間以上を見ておくこともあります。厨房は解体・給排水・電気・ガス・排気ダクト新設がボトルネックになりやすいため、休業期間と家賃負担を見込んだ計画が必要です。再開時は、常連・宴会客への告知やリニューアルの発信をセットで計画すると立ち上がりがスムーズです。改装全体の進め方は店舗改装の流れガイドでも整理しています。

失敗しない業者の選び方(中華改装版)

中華改装で業者を選ぶときは、開業の内装業者選びとは少し見るべき点が違います。改装は現況に左右され、とくに中華は大火力・油煙排気の難度が高いため、次のような観点で確認しましょう。

  • 中華・重飲食の改装実績があるか(新装だけでなく改装の経験)
  • 現地調査が丁寧か、とくに中華レンジ・大ダクト・ガス容量を見てくれるか
  • 既存の中華レンジ・大ダクトの流用可否を提案できるか
  • 中華の油煙排気は難度が高い。大火力・特大排気の設計に慣れているか
  • 見積もりの内訳が明確か(中華レンジ・大型排気ダクト・原状回復まで含むか)

そして相見積もりは必須です。改装は現況依存で各社の見方が割れやすく、とくに中華は中華レンジ・大ダクト・ガス容量の判断で金額が大きく動くため、1社だけでは妥当かを判断できません。複数社を比べることで、適正価格と相性の良い会社が見えてきます。見積もりの読み方は店舗の見積もり比較ガイド、業者のタイプ別の選び方は店舗内装会社の選び方を参考にしてください。

改装の法令チェック(営業許可・消防・防火・グリストラップ)

改装では、開業時に済ませたはずの法令確認が再び必要になることがあります。中華でとくに見落としやすいのが、飲食店営業許可と消防・防火・排水に関わる手続きです。

飲食店営業許可の変更:厨房のレイアウトや設備(シンク・手洗い・区画など)を大きく変える改装では、保健所の飲食店営業許可の基準に関わり、変更の届出や再確認が必要になることがあります。着工前に所管の保健所へ確認しましょう。
消防・火気使用室・防火・グリストラップ:強火力の中華レンジを増やす・移す改装では、火気使用室の内装制限や消防設備の基準、防火対策が再びトリガーされることがあります。中華はガス火力が全業態で最も高いため、耐熱・防火の確認が欠かせません。また、油分を含む排水にはグリストラップ(油脂分離槽)の設置が義務づけられており、厨房レイアウト変更では位置・容量の見直しが要ります。
用途変更・既存不適格:他用途から中華料理店へ変える場合や対象規模に該当する場合、用途変更の確認申請が必要になることがあります。また、建てられた当時は適法でも現行基準に合っていない部分(既存不適格)があると、改装に合わせて適合工事が求められることがあります。

いずれも物件や自治体によって判断が分かれます。早い段階で、所管の保健所・消防署・特定行政庁や、専門家・施工会社に確認してください。飲食店営業許可・消防・内装制限の基礎は中華料理店の内装ガイドにも解説があります。

よくある質問(FAQ)

中華料理店は営業しながら改装できますか?
壁・床・円卓・席といった客席の意匠なら、区画を分けて・営業時間外に進めることで営業を止めずに改装できることが多いです。ただし、中華レンジ・ガス・大型排気ダクト・グリストラップに手を入れる厨房の改装は、火を止めて配管・ダクトをやり直すため休業が前提になります。中華はガス火力が全業態で最も高いため、厨房改装の工事規模が大きくなりやすい業態です。
中華料理店改装の費用はどれくらいですか?
物件の状態(居抜き/スケルトン)と厨房の仕様で大きく変わります。中華は厨房設備費の割合が高く、高火力の中華レンジ・大型排気ダクト・グリースフィルターは飲食設備のなかでも高額な部類です。屋上排気のやり直しは200〜300万円規模になることもあり、坪単価だけでは割り切れません。
既存の中華レンジや大ダクトはそのまま使えますか?
前も中華料理店の居抜きで、ガス容量(16号以上)・中華レンジ・大ダクトの口径が新しいメニュー・火力に合えば流用でき、客席変更だけで大きく圧縮できることがあります。一方、他業態の居抜きや火力を上げる改装では、ガス号数の引き直し(16号以上)・大口径ダクト・耐熱防火がまるごと動き、費用の桁が変わります。
中華はなぜガス容量が問題になりやすいのですか?
中華レンジは全業態で最も高いガス火力が必要で、ガス号数は規模に応じて16号以上が求められます(ラーメン16号・居酒屋10号・カフェ6号と比べても最大級)。現況のガスが6号しかないのに16号必要、しかも増設工事ができない、という事態になると改装が成り立たないため、現況のガス容量の確認が改装の出発点になります。
町中華から中華ダイニングへの業態シフトはできますか?
できます。ただし業態シフトは、厨房(火力・設備の増減)に加えて、席(カウンター⇔円卓・個室)・世界観(庶民的⇔本格・高級)・採算(回転⇔宴会単価)までまるごと再設計することになります。中華レンジ・ダクトをそのまま使えるなら営業しながら客席改装で済みますが、厨房に触れるなら休業が前提です。
ビルの2階以上でも中華料理店を改装できますか?
改装はできますが、排気・電気・ガスの幹線がビル指定(B工事)になりやすく、屋上排気の経路にはビル所有者の承認が必要になることが多いです。中華は油煙が多く屋上まで排気を上げる必要があるうえ、ガス火力が全業態で最も高いため、ビルの構造や規約・ガス引込容量(16号以上)に左右されます。工事区分とガス容量を事前に確認しましょう。
厨房レイアウトを変えると届出は必要ですか?
厨房のレイアウトや設備(シンク・手洗い・区画など)を大きく変える改装では、保健所の飲食店営業許可の基準に関わり、変更の届出や再確認が必要になることがあります。強火力の中華レンジを増やす場合は消防・防火、油分を含む排水にはグリストラップの見直しも要ります。着工前に所管の保健所・消防署へ確認しましょう。
中華改装で使える補助金はありますか?
省エネ設備や事業再構築、業態転換などに関する制度が、時期や自治体によって設けられることがあります。内容や有無は変わるため、最新情報は公式の窓口や専門家にご確認ください。

まとめ|まずは「厨房に触れるか」とガス容量の確認から

中華料理店改装は、内装の見た目より先に「厨房(中華レンジ・大ダクト)に触れるか」「既存の中華レンジ・大ダクト・ガス容量を流用するか/やり直すか」から考えるのが成功の近道です。中華は中華レンジの火を止められないため、厨房に手を入れる改装は休業が前提で、客席の意匠だけなら営業しながら進められます。とくにガス号数(16号以上)は全業態で最も厳しいボトルネックで、既存のガス容量を流用できれば費用は大きく圧縮でき、やり直すなら大口径ダクト・耐熱防火・屋上排気が連動して桁が変わります。町中華⇔中華ダイニングの業態シフトでは席・世界観もまるごと変わります。いずれも現況を見なければ判断できません。まずは「厨房に触れるか」を切り分け、中華レンジ・大ダクト・ガス容量まで見る現地調査を受け、中華経験のある複数社の見積もりを比較することから始めましょう。

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