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公開日:2026年8月 最終更新:2026年8月

店舗内装ドットコムに登録する内装会社7社が施工したオフィス20事例を、写真110枚で公開しています。「おしゃれ」の写真を並べるだけでは、自社の坪数でいくらになるかが分かりません。この事例集では各案件を執務/会議・応接/エントランス・受付/リフレッシュのゾーンと、〜30坪/30〜100坪/100坪〜の規模帯、そしてオフィスビル・商業ビル・スケルトン・居抜きの物件種で読み、「どこに費用が乗っている写真か」まで分解しています。坪数・工期・面積は各社の公式サイトに記載のあるものだけを載せ、記載がないものは「非公開」としました。
30秒でわかる結論——初めての方の3つの疑問に先に答えます
- 何坪でどんな空間がいくらか:借主側の内装工事(C工事)の目安は、ミニマム 坪10〜20万円/スタンダード 坪20〜40万円/ハイグレード 坪40〜70万円、セットアップ・居抜きなら坪0〜15万円(費用相場の解説より。什器・配線とビル側のB工事は別枠)。必要な広さは人数×3.5〜4坪が標準です。同じ坪数でも会議室を1室増やす・受付を造作にすると、間仕切り・建具・空調吹き出し・感知器がまとめて動くので、上のグレードの帯に入りやすくなります。
- 自社に近い事例はどれか:まず執務・会議・応接・エントランス・リフレッシュの中で「一番お金をかけたい場所」の章を開き、次に規模帯の章で自社の坪数に近いカードを見てください。迷う場合は30秒診断が近い事例3件を出します。
- 次に何をすればいいか:近い事例を2〜3件決めたら、その坪数とゾーン構成を伝えて複数社に見積もりを依頼するのが最短です。登録内装会社のオフィス事例は一覧(226件)から探せます。費用の器づくりは費用の目安とゾーン配分シミュレーターへ。
- この事例集の読み方——ゾーン×規模帯×物件種の3軸
- 【執務ゾーン】事例——席の密度と床・天井で印象と費用が決まる
- 【会議室・応接・Web会議ブース】事例——間仕切りにお金が乗る場所
- 【エントランス・受付】事例——採用と信頼への投資
- 【リフレッシュ・カフェ・多目的】事例——執務と分ける理由
- 【規模帯別】〜30坪/30〜100坪/100坪〜の見方
- 【物件種別】オフィスビル・商業ビル・スケルトン・居抜き/原状回復まで見た可逆造作
- 共通原則——ゾーン配分が坪単価を決める・B工事の壁と天井高
- 費用の目安とゾーン配分シミュレーター
- 30秒診断——近い事例3件へ
- 削り順と、移転日から逆算する工程
- よくある質問
- 関連ガイド・複数社見積もり
この事例集の読み方——ゾーン×規模帯×物件種の3軸
オフィスの内装は、店舗と違って「全部を見せる」空間ではありません。執務席は密度と機能、会議室は遮音と可動、エントランスは第一印象、リフレッシュは執務との距離——ゾーンごとに求められるものが違い、費用の乗り方も違います。だからこの事例集は、テイスト(北欧風・インダストリアル)ではなく、まずゾーンで章を分けました。各カードには次の情報を揃えています。
- ラベル=ゾーン|規模帯|物件種。自社と同じ帯のカードだけ拾えば足ります
- 坪数・面積・工期=施工会社の公式サイトに記載があるものだけ。推定は書きません(記載なし=非公開)
- 効いている一手=写真の印象を決めている要素を1文で。真似する箇所と、費用が乗る箇所が同じことが多い部分です
- タグ=A/B/C工事の目安と「戻し容易度」(退去時の原状回復のしやすさ)。公式に記載がある場合は事実、それ以外は編集部の見立てと明記しています
- 出典=施工会社の公式事例ページと、当サイトの事例投稿。写真は各社の許諾のもと自サイトに保存して掲載しています
掲載は店舗内装ドットコムの登録内装会社の施工事例のみで、掲載順はゾーンと規模帯の説明順であり優劣ではありません。ゾーンの呼び方と「スタイル」の語彙はオフィス内装の完全ガイドと揃えていますので、行き来しながら読めます。
【執務ゾーン】事例——席の密度と床・天井で印象と費用が決まる
執務ゾーンは面積の大半を占めるのに、写真では一番「地味」に見える場所です。ここで効くのは造作の量ではなく床(カーペットかフロアタイルか、OAフロアの有無)・天井(システム天井を残すかスケルトンにするか)・照明・席の密度の4点で、事例を見比べると、印象を変えているのはこの4点の組み合わせであることが分かります。費用の面では、床のOAフロアと天井まわりの配線・照明が「見えない半分」で、費用相場の解説で言うスタンダード帯(坪20〜40万円)の中身の多くはここです。以下、規模の大きい順に6件を並べます。自社の坪数に近いものから読んでください。
Thoth Pte.Ltd. 札幌オフィス

24時間稼働の開発センターとして、2フロアにまたがる165席を「運用稼働率」から設計した大規模オフィス。 公式事例によると、座席レイアウトで空間効率を上げながら、休憩所・ロッカールーム・会議室・役員室を同一線上に配置して動線を短くしています。私物の持ち込みを制限するため、従業員用ドアを入ってすぐにロッカールームを置く動線も特徴です。写真は、カラフルなカーペットにソファを置いたラウンジ、発光サインの受付、木目テーブルの会議室、レンガ壁のカフェコーナー、コート掛けの並ぶロッカー動線。執務席そのものは黒のワークチェアが整然と並ぶ密度の高い構成で、席の周りは飾らず、休憩とラウンジに色を集めています。
効いている一手開設までの期間と費用を圧縮するため、ビルオーナー指定の防災・空調換気設備(B工事)が極力不要になるよう管理会社・行政と協議して計画した点。大規模ほど、写真に写らない部分の判断が総額を決めます。
イオンモール羽生店 管理事務所

開業当初から使い続けた64坪超の管理事務所を、表装と家具の入れ替えだけで「明るい執務空間」に作り直したリニューアル。 壁・天井をいじる大工事ではなく、印象を最も左右する床材と家具に費用を集中させたのがこの案件の考え方です。公式事例では、通路に明るい木目調のフロアタイル、デスク周りに同系色のカーペットを貼り分け、「通路は明るく、執務は落ち着いて」と足元だけで役割を切り替えたと説明されています。清掃性(通路は水拭きできる塩ビ)と集中(執務は柔らかいカーペット)を素材で解いているのがポイント。写真は、白いデスクとグリーンのチェアが並ぶ執務席、木目テーブルの会議室、ネイビーの壁と黒いソファの応接コーナーです。
効いている一手床の貼り分けで動線と居場所を作ったこと。造作壁ゼロでもゾーニングは成立する——30〜100坪帯で予算を抑えたいときの基本形です。
座波商会マチナトハウジング オフィスリノベーション

別々のフロアにいた3企業を73坪の1エリアに集約し、共用の執務室・会議室・応接室・リラックススペースを持たせたリノベーション。 公式事例では、コーポレートアイデンティティの海をイメージしたブルーを基調に、波をモチーフにした波型ルーバーと造作壁で各社への来客動線が重ならないようレイアウトしたと説明されています。ルーバーや造作壁は将来の企業形態の変化に合わせて取り外し可能にし、リラックススペースの可動パーテーションは閉じれば会議室、開ければ大人数のミーティングルームになる二役。写真は、木の波型ルーバーの通路、白いデスクとグレーカーペットの執務席、ガラス越しの会議室です。
効いている一手仕切りを「取り外せる造作」にしたこと。複数社・人数変動のあるオフィスは、固定壁を減らすほど後の改変費と原状回復費が下がります。
株式会社ケイズコーポレーション 札幌オフィス

17階の眺望を「席の高さ」で活かした、開放感重視の執務空間。 公式事例によると、既存オフィスでも使われていたレンガ・モルタル・木質フローリングの要素を引き継ぎつつ、備品の背を低く抑えてどの席からも窓の景色が見えるようにしています。窓側には集中用のカウンターテーブル、フロアには業務後に談笑できるバースペースを設け、当初案にあったルーバーでの仕切りはやめて、仕切りを極力置かない自由度の高い机配置にしたとのこと。写真は、レンガ壁と黒いチェアの窓際席、木製の長テーブルが並ぶ執務、黒壁に大型モニターの会議室、丸柱に付いたロゴの発光サインです。
効いている一手「仕切らない」という判断。眺望・採光という物件の資産があるなら、間仕切りを減らすほど費用は下がり、写真は良くなります。
立川市のオフィス

居抜きの約60坪を約20日で、執務・会議室・ラウンジ・重厚なエントランスに組み替えた事例。 公式事例では、執務スペースは広めのレイアウトと十分な照明計画で開放感と作業効率を、会議室とラウンジで「集中とリラックスのメリハリ」を作り、全体を木目と落ち着いた色でまとめたと説明されています。写真は、グレーのカーペットに白いデスクが並ぶ執務席とその奥のラウンジ、ガラス張りの会議室、木床にグレーのソファを置いたラウンジ、そして石目の床に赤いオブジェを置いたエントランス。居抜きでも約20日で全ゾーンを揃えているのは、既存の区画と設備を活かしているからです。
効いている一手執務席は飾らず、印象づくりはエントランスとラウンジに集中させる配分。60坪前後で「全部おしゃれ」を狙うより総額が読みやすくなります。
Microsoft AI Co-Innovation Lab

白いオープン席、緑の壁面、折れ線を描くライン照明——「照明の形」で場所を分けている執務・多目的空間。 施工会社の公式ページは写真のみのため、ここでは写真から読める範囲で記します。広いフロアの天井に折れ線状のライン照明を走らせ、壁一面のグリーンとカラフルなアート壁が空間の目印になっています。オープンな白いチェアの執務・セミナー席、黒い壁と床のライン照明で締めた廊下、緑のカーペットにフレーム状の照明を吊った会議室と、ゾーンごとに照明の形を変えて境界を作る手法が一貫しています。造作壁を増やさずに場所を分けたいときの参考になる構成です。
効いている一手間仕切りではなく照明の形状で領域を示していること。天井の照明計画は電気工事の範囲で、壁を建てるより後から変えやすい要素です。
【会議室・応接・Web会議ブース】事例——間仕切りにお金が乗る場所
会議室は坪数あたりの費用が最も動くゾーンです。壁を1枚建てると、建具・ガラス・遮音・照明の増設に加えて、空調の吹き出し口や煙感知器の追加が連動し、これはビル指定の業者が行うB工事になることが少なくありません。だからここでは「何室つくるか」より「どこまで固定壁にし、どこを可動にするか」を先に決めるのが定石です。応接は素材で品格を出し、Web会議ブースは遮音の等級で価格が決まります。4件とも、間仕切りの選び方が写真の印象と費用の両方を決めている事例です。
H税理士事務所

黒を基調にした士業事務所。会議室のガラスパーテーションに黒いシートを貼り、「壁一面に書き込める」面を作った小規模事例。 公式事例によると、新設する部材の多くを黒にしてモノトーンの引き締まった印象にし、会議室の黒いパーテーションの一部はガラスに黒シートを貼った光沢面で、ホワイトボードを置かずに書き込みスペースにしています。入口からキッチンが見えないよう、エントランスと執務スペースを1枚ドアで隔て、動線上にあるキッチンには黒一色ではなく木目を入れてリラックスできる一角にしたとのこと。写真は、黒い扉が並ぶ会議室まわり、木目の会議テーブル、黒いキャビネットの執務席、木目のキッチンです。
効いている一手「間仕切りに機能を持たせる」発想。小規模オフィスは壁の枚数が限られるので、1枚の仕切りに書き込み面・目隠し・遮音のどれを担わせるかで満足度が変わります。
全琉警備保障株式会社 オフィスリノベーション

27.5坪の中央に「フクロウの巣」のカフェスペースを置き、会議室は可動式パーティションで普段は全開にする、若い人材を意識した警備会社のオフィス。 公式事例では、若年層の興味を引く会社環境づくりを目的に、オフィス中央にカフェスペースを設け、フクロウの「鋭い眼光」をタイルカーペットの柄で表現、小枝を集めたような自然素材のウッドパネルを壁面に使ったと説明されています。会議室のパーティションは可動式で、普段は全開にしてオフィス全体を広く使い、来客時だけ閉め切る運用です。写真は、天井を抜いたスケルトンに木の造作カウンター、三角形のパターンが走るカーペット、曲線の木製テーブルを囲む青緑の壁の会議コーナーです。
効いている一手27.5坪で会議室を「常設」にしない判断。〜30坪帯では固定の会議室1室が執務席を数席分食うので、可動間仕切りは費用と面積の両方に効きます。
北東商事株式会社

コの字に囲む大会議室と白いソファの応接——「見せる会議室」を持つ社屋の新装事例。 公式事例によると、家具や備品までトータルディレクションを行い、社員が選んだカラーを取り入れて活気ある空間にし、大型プロジェクター完備の会議室で機能性とホスピタリティを両立させたとのこと(施工2017年5月)。写真は、オレンジのチェアがコの字に並ぶ大会議室、額装アートと白いソファの応接、石目調の壁にロゴを浮かせたエントランス、そして外観です。来客と会議を同じフロアで完結させる社屋型のオフィスで、会議室に面積と設備を寄せた配分が分かります。
効いている一手社員が選んだ色をチェアで入れたこと。会議室・応接の「色」は什器で入れると、造作より安く、後から変えられます。
赤坂のオフィス

黒とダークブラウンで統一し、レンガ調の壁・本革風ソファ・間接照明で「打ち合わせや接客の場」を作った応接主体のオフィス。 公式事例では、シックなトーンで統一した重厚感のある空間デザインで、素材感にこだわることで落ち着きと品格を兼ね備え、間接照明が上質な印象を演出すると説明されています。写真は、石壁にロゴを浮かせた受付、チェスターフィールド型のレザーソファとシャンデリアのラウンジ、バーカウンター風の一角。執務席ではなく応接に面積と素材を寄せることで、来客の印象を最大化する構成です。
効いている一手仕上げ材を黒・ダークブラウン・レンガ調・レザーの数種類に絞ったこと。素材数を絞るほど、重厚感は出しやすく、見積もりも読みやすくなります。
【エントランス・受付】事例——採用と信頼への投資
エントランスは面積が小さいのに単価が高いゾーンです。理由は、写真に写る要素——サイン、造作カウンター、壁の仕上げ、間接照明——がすべて造作と電気工事の積み上げだから。逆に言えば、坪数の小さい会社ほど「ここだけ造る」判断が効きます。4件はいずれも受付を”顔”として設計した事例で、木目とサインの組み合わせが3件、ガラスと造作の低い仕切りが1件。素材数を絞ると印象が締まり、見積もりも読みやすくなるのは応接と同じです。工事区分(受付カウンターはC工事、ビル共用部に近い部分は管理会社確認)や費用の目安はエントランス・受付のデザイン完全ガイドにまとめています。
株式会社I-PRO 札幌オフィス

木目のルーバー壁に背面発光のロゴサインを浮かせた受付で、限られた面積のオフィスに「信頼感と高級感」を作った移転事例。 公式事例では、エントランスの背面発光サインや木目素材で企業の信頼感と高級感を演出し、限られたオフィス面積を最大限に活用してブランドイメージを高める受付デザインと、集中力を高める執務環境の構築を両立させたと説明されています。写真は、木目ルーバーの受付壁と発光サイン、白いテーブルとグリーンのチェアを置いたミーティングコーナー、システム天井のまま整えた執務席。受付以外は既存の天井・床を活かし、費用を”顔”に集中させた配分が読み取れます。
効いている一手サインを「背面発光」にしたこと。看板文字を光らせるより壁面全体の印象が上がり、造作壁1面+電気工事で完結するので、小規模オフィスのエントランス投資として費用対効果が高い手法です。
株式会社フィーリスト 札幌オフィス

受付から執務まで床一面を人工芝にした、「遊び心と居心地」を最優先にした移転事例。 公式事例によると、社長のこだわりを反映し、床一面の人工芝など従来のオフィス概念にとらわれない独創的な空間で、社員のモチベーションを高める設計としています。写真は、緑の床の上に浮かぶロゴサインの受付、白いデスクにカラフルなチェアの執務席、畳を敷いた小上がりの休憩コーナー、レンガ調の壁に木目テーブルの会議室。床材ひとつで「会社の性格」を入口から伝えているのがこの事例の要点で、造作サインと組み合わせると受付の印象は床で決まることが分かります。
効いている一手床材(人工芝)を受付から執務まで連続させたこと。エントランスだけ特別にせず床で世界観を通すと、造作の少なさを感じさせません。ただし人工芝はキャスター椅子・清掃との相性を事前に確認する必要があります。
AzureDaikanyamaBase

打ちっぱなしのコンクリート壁に、木の端材を張り合わせたような受付カウンターと植栽——素材のコントラストだけで受付を成立させている事例。 施工会社の公式ページは写真のみのため、写真から読める範囲で記します。受付は木質パネルを張り分けたカウンターとコンクリート壁、植栽の三点で構成され、その奥に白い丸テーブルと木の椅子を並べた多目的席、スクール形式に組める木のテーブル席、スケルトン天井の空間が続きます。外観には Microsoft のサインと鉄骨階段。受付・多目的・スケルトンという要素の組み合わせは、コミュニティ利用を想定したオフィスの典型で、可動の机と椅子で用途を変える前提の空間です。
効いている一手受付カウンターの木質パネルの「張り分け」。塗装やクロスではなく木の面で受付を作ると、コンクリート壁がそのまま背景になり、仕上げ工事の範囲を最小にできます。
有限会社大成不動産

入口の大きなガラス面から光を入れ、ガラス+木の造作ローパーテーションで「視線が抜ける」接客ゾーンを作った、不動産会社の店舗兼事務所。 公式事例では、初めて来店する人でも懐かしさと安心を感じる空間を目指し、造作ローパーテーションでゆるやかに仕切って明るく爽やかに広がる空間にしたこと、中央部分の天井高を変えてリズムを作ったこと、個室のような雰囲気のブース席、中央カウンターの椅子以外は地元の家具職人と打ち合わせて全て造作した家具(角を取って子どもの来店にも配慮)、事務室のドア2ヶ所と造作の小窓、将来の照明変更に備えたライティングレールなどが説明されています。写真は、ガラスと木の低い仕切りで区画した相談席、木のブース席、イエローとブルーのチェアを置いたカウンター、そして新築の外観です。
効いている一手仕切りを「腰高のガラス+木」にしたこと。受付・接客ゾーンは目隠しと開放感が両立しにくい場所ですが、低い仕切りなら採光を殺さず、区画としても成立します。
【リフレッシュ・カフェ・多目的】事例——執務と分ける理由
リフレッシュスペースは「あると良い場所」ではなく、執務ゾーンを静かに保つための場所です。雑談・電話・食事を吸収する場所を別に持つと、執務席は集中に振り切れます。事例を見ると、リフレッシュに費用と色を寄せる代わりに執務は飾らない、という配分が繰り返し出てきます。造作は植栽・カウンター・照明が中心で、壁を建てるより緩やかな仕切り(吊り植栽・段差・ルーバー)で分けるのが定石。ここでは休憩スペースの改装2件と、多目的に使うオープンな空間3件を並べます。
日鋪建設株式会社 関東南支店

エレベーターホール前の休憩スペースを吊り植栽と吊り照明で緩やかに二分し、旧役員室と旧喫煙室をロッカールームに作り替えた部分リニューアル。 公式事例によると、休憩スペースはよりリフレッシュできる空間になるよう植栽を豊富に取り入れ、パーティションで明確に区切ると圧迫感が出るため、内部に植栽を組み込んだ吊り照明や吊り植栽で境界の役割を持たせています。床置きの植栽は空間を狭めるため吊り植栽を織り交ぜて開放感を演出し、一部既存のクロス・床材・家具と調和させたとのこと。旧喫煙室を含む区画は従業員用のロッカールームに一新。写真は、木製フレームの吊り照明から下がるグリーン、オレンジやグリーンのチェア、ブラウンの壁、白いロッカーの並ぶ更衣スペース、木目壁のサインです。
効いている一手仕切りを「吊る」こと。天井から吊った照明と植栽で境界を示すと床は空いたままで、壁工事なしにゾーンが分かれます。既存仕上げを残す部分改装との相性も良い手法です。
エアロトヨタ株式会社(旧社名:朝日航洋株式会社)本社運航管理室

ヘリコプターが見える窓の前をコーヒーコーナーにし、天井をライトブルー、床を芝生柄にして「市役所的にならない」運航管理室にした改装。 公式事例では、海外のインテリアに詳しいパイロットが執務するため堅くなりすぎないバランスを目指し、天井はライトブルー、壁はベージュ、足元は公園を思わせる芝生風のカーペットにしたこと、外のヘリコプターが見える大きな窓の前をコーヒーコーナーとして照明選定にも配慮したこと、掲示物が多いためマグネットが付く鉄板下地の壁を用意したこと、格納庫内の騒音対策として片側の窓を塞いで壁にし気密性と室温も改善したこと、予算内で既存天井は部分補修にとどめ家具を新調してレイアウトを整理したことが説明されています。写真は、窓辺の木のハイカウンター席とペンダント照明、ライトブルーの天井とソファ、芝生柄カーペットに黒いデスクが並ぶ執務席、更衣スペースです。
効いている一手「一番いい窓」を執務席ではなくコーヒーコーナーに与えたこと。景色のある席を休憩に回すと、費用をかけずに空間の格が上がります。騒音対策で窓を1面壁にした判断も、快適性の実務として参考になります。
Microsoft Base OSAKA

黒い鉄骨階段でつないだ2層の空間に、木の受付、カフェ席、グリーンチェアのセミナー席、ミーティングコーナーを配した多目的型のベース。 施工会社の公式ページは写真のみのため、写真から読める範囲で記します。外観は黒い鉄骨の階段と大きなガラス面、内部は木の段差を持つ受付、木のテーブルを並べたカフェ席、グリーンのチェアが列をなすセミナー席、上階のミーティングコーナー。「座席の形」を場所ごとに変えることで、同じ床・同じ天井のまま用途を切り替えています。多目的に使うオフィスは、造作を階段・受付など少数に絞り、あとは什器で表情を作るのが費用面でも合理的です。
効いている一手2層を階段で"見せる"動線にしたこと。上下階の行き来が視界に入る構成は、コミュニティ利用の空間で活気を作ります。階段まわりは建築・法規の確認が要る部分なので、専門会社の領域です。
INFINITY OSAKA OFFICE(INFINITY 1F)

ヘリンボーンの床、白い長テーブル、抜いた天井——内装会社が自社オフィスで見せる「余白の使い方」。 施工会社の公式ページは写真主体のため、写真から読める範囲で記します。1階は階段沿いに白い長テーブルを通し、ヘリンボーン柄の木床とスケルトンの天井でオープンな打ち合わせ・作業の場に。奥には幾何学パターンの壁や折り紙のような照明を持つ個室があり、オープンな長テーブル+閉じた個室という二極の構成です。物を置かない余白そのものが見せ場になっており、什器を減らすほど造作の質が問われる例でもあります。
効いている一手テーブルを"家具"ではなく"造作"として通したこと。長い一枚のテーブルは動線と居場所を同時に決めるので、可動什器を減らしたい多目的空間で効きます。
アテックス

木床の打ち合わせ席、レンガ壁のソファ、そして人工芝に木の段差ベンチを置いたイベント対応スペース——1つのオフィスに3つの床。 施工会社の公式ページは写真主体のため、写真から読める範囲で記します。天井はスケルトンで統一し、床を木・カーペット・人工芝で貼り分けて、白いテーブルの執務・ミーティング席、ガラス間仕切りの会議室、レンガ壁とグリーンを背にしたソファ席、人工芝と木の階段状ベンチのスペースへと切り替えています。床の貼り分けで多目的空間を分けるという考え方は、羽生の管理事務所(執務ゾーン)と同じで、規模が違っても通用します。
効いている一手段差ベンチを「置いた」こと。造作でも人が座れる段差を作ると、席数の概念が変わり、セミナー・全体会議・撮影と用途が広がります。
【規模帯別】〜30坪/30〜100坪/100坪〜の見方
同じ「オフィス内装」でも、規模帯が変わると費用の乗る場所が変わります。〜30坪ではトイレ・給湯・受付という固定要素が少ない坪数に割り掛かるため坪単価が高めに出やすく、30〜100坪では会議室・受付を分けるゾーニングそのものが費用の主役になり、100坪〜ではB工事(ビル指定の空調・防災)と工程管理が総額を左右します(費用の目安は費用相場の解説の規模別モデル予算を参照)。ここでは各帯の代表事例と、その写真のどこに費用が乗っているかを整理します。
〜30坪:固定要素の割り掛かりをどう抑えるか
30〜100坪:ゾーニングが費用の主役
100坪〜:B工事と工程が総額を決める
〜30坪の現実——台形の1室を「使い切る」
仙台市青葉区のオフィス(ビル1室)

部屋の形が台形のビル1室を、白基調のシンプルな造りにし、給湯・トイレを最小にして執務面積を最大化した小規模事例。 公式事例では、シンプルだが部屋の形が台形のため見え方に注意して施工したこと、コンセプトは白基調のシンプルリッチ、限られたスペースに合わせた間仕切り、流し台やトイレなどの衛生機器の場所はできる限り小さくしてオフィススペースを最大限活用したこと、限られた間口を活かした寸法の機器を選んだことが説明されています。写真は施工者の記録写真で、完成した室内(白壁・ダークブラウンの床・ガラス入りの間仕切り・斜めに走る柱)、最小限のミニキッチン、手洗い、空調と照明、分電盤。華やかさはありませんが、〜30坪で見積もりに必ず出てくる「衛生・電気・空調」がそのまま写っているという意味で、この帯の実務そのものです。
効いている一手衛生機器を「小さく・間口に合わせて」選んだこと。小規模オフィスでは給湯・トイレの位置と寸法が執務席数を直接決めるので、設備の選定が内装の設計です。
【物件種別】オフィスビル・商業ビル・スケルトン・居抜き/原状回復まで見た可逆造作
同じ図面でも、物件の種類で工事の中身と退去時の費用が変わります。20事例を物件種で並べ直すと、次の4パターンに整理できます。ここで見ておきたいのが「可逆造作」——入居時に建てた壁・上げた床・造った天井は、退去時に原状回復として往復で費用がかかるという視点です。オフィスの原状回復は住宅と違って経年劣化も借主負担が原則で、坪2〜10万円級(ビルグレードで上下)が実務の目安(原状回復費用の解説)。入居時の写真から退去時の見積もりが読める、というのが本章の趣旨です。
オフィスビルテナント(新築/既存)
商業ビル・施設内の管理事務所
スケルトン天井・オープン構成
居抜き・自社社屋・部分改装
可逆造作——「戻しやすさ」を入居時に決める3つの見方
共通原則——ゾーン配分が坪単価を決める・B工事の壁と天井高
20事例を並べて見えてくる原則は3つです。どれも「おしゃれにする方法」ではなく、同じ予算で満足度を上げ、見積もりを読めるようにする方法です。
原則1:坪単価は「ゾーン配分」で決まる
「オフィス内装は坪20〜40万円」という相場は、執務席中心の構成を平均した数字です(費用相場の解説ではミニマム坪10〜20万円/スタンダード坪20〜40万円/ハイグレード坪40〜70万円と整理しています)。同じ坪数でも会議室を1室増やす、受付を造作にする、リフレッシュを囲うと、間仕切り・建具・空調吹き出し・感知器・照明が連動して増え、上のグレード帯に入りやすくなります。逆にケイズや羽生のように「仕切らない」「床で分ける」を選ぶと、同じ坪数で帯が一段下がります。だから見積もりを比べる前に、自社のゾーン配分(執務・会議・受付・リフレッシュの坪の割り振り)を決めておく——それが本章のシミュレーターの目的です。
原則2:造作は「戻す費用」まで含めて選ぶ
入居時に建てた壁・上げた床・造った天井は、退去時に原状回復として往復で費用がかかります(原状回復費用の解説)。座波商会の取り外し可能な造作、全琉警備保障とH税理士事務所の可動・機能付き間仕切り、日鋪建設の吊り植栽によるゾーニングは、いずれも「戻しやすさ」を先に考えた選択です。詳しくは物件種別の章を参照してください。
原則3:B工事の壁と天井高——「見えない半分」を先に確認する
写真に写る部分(間仕切り・仕上げ・造作・照明)は借主側のC工事ですが、空調の吹き出し口の増設・煙感知器の追加・防災設備はビル指定業者のB工事になることが多く、施主は業者を選べず、見積もりにも最初は載ってきません。Thothのように、管理会社・行政と協議して「B工事が極力不要な計画」にする判断が、大規模ほど総額を左右します。もうひとつが天井高。天井高が低い物件で開放感を出す最短ルートは天井を張らないスケルトン仕上げですが(Microsoft AI Co-Innovation Lab・アテックス・全琉警備保障)、退去時に天井を復旧する契約かどうかで費用が大きく変わります。図面確定前に、工事区分表と原状回復条項の2枚を管理会社に確認する——これが3原則の実務上の入口です。
- ゾーン配分を先に決める:執務/会議・応接/受付/リフレッシュの坪の割り振り→シミュレーターで器を作る
- 固定壁の枚数を減らす:可動・機能付き間仕切り、床の貼り分け、吊る仕切りを優先候補に
- 工事区分表と原状回復条項を先に確認:B工事の別枠と退去時の復旧範囲を総予算に積む
- 印象は受付・ラウンジに集中、執務は飾らない:20事例に共通する配分
費用の目安とゾーン配分シミュレーター
金額の器を先に作るための章です。坪単価の帯は費用相場の解説の6系統をそのまま使い、本章では「その器の中でゾーンにどう配分されるか」を出します。この試算は借主側の内装工事(C工事=間仕切り・仕上げ・OAフロア・電源LAN・造作)の目安で、什器・配線・ビル側のB工事・移転費・原状回復は別枠です。含む/含まないを揃えずに他サイトの数字と比べると、必ず食い違います。
ゾーン配分シミュレーター——坪数と人数から、ゾーン別の坪と費用の配分を出す
この試算に含まれるもの
- 借主側の内装工事(C工事):間仕切り・内装仕上げ・OAフロア・電源LAN・造作・照明
含まれないもの(別枠として下に表示)
- 什器・配線(1席7〜20万円)/ビル側のB工事(空調・防災)/移転費/原状回復の引当(坪2〜10万円級)
ゾーン配分の目安(JavaScriptが無効の場合)
- 執務:人数×1.6〜2.2坪
- 会議室:1室4〜8坪
- 受付:坪数の3〜5%(重視するなら8〜15%)
- リフレッシュ:坪数の5〜10%
- 通路・収納・給湯等:坪数の15〜20%
30秒診断——近い事例3件へ
5つ答えると、20事例の中から近いものを3つ出します。分類は各カードの「ゾーン|規模帯|物件」と、公式事例に書かれた工事内容に基づきます。
削り順と、移転日から逆算する工程
予算が合わないときの削り順——満足度を落とさず総額を下げる順番
20事例に共通する配分(印象は受付とラウンジへ、執務は飾らない)から逆算すると、削る順番も決まります。先に削るのは「後から足せるもの」、最後まで残すのは「後から変えられないもの」です。
移転日から逆算する工程——B工事協議を先に置く
内装の工程は「デザインを決めてから見積もり」ではなく、物件の工事区分と原状回復条件を先に確認してから設計に入るのが安全です。事例の公式記載では、居抜き約60坪で約20日(立川)、表装+家具の入れ替えで64坪超・約1ヵ月(羽生)、応接主体の内装で約1ヶ月(赤坂)といった工期が公開されていますが、これは工事そのものの期間で、設計・見積もり・B工事協議・什器手配は別に見込む必要があります。繁忙期(1〜3月・9〜10月)は見積もりが高く出やすい点も、移転日の設定に効きます(移転費用と工程の解説)。
よくある質問
借主側の内装工事(C工事)の一般的な目安で、ミニマム坪10〜20万円、スタンダード坪20〜40万円、ハイグレード坪40〜70万円です。セットアップ・居抜きなら坪0〜15万円まで下がります。什器・配線(1席7〜20万円)とビル側のB工事は別枠で見込んでください(費用相場の解説より)。
坪単価の帯×坪数が器になります。スタンダード帯なら20坪で工事400〜800万円、50坪で1,000〜2,000万円、100坪で2,000〜4,000万円が目安で、これに什器・配線とB工事、原状回復の引当を別枠で足します。会議室や受付を多く造るほど上の帯に入りやすいので、先にゾーン配分を決めるのが確実です。
上がるのは造作の量が増えたときで、色や素材の選び方そのものではありません。掲載事例では、床の貼り分け・照明の形・什器の色で印象を作り、執務席は飾らずに受付とラウンジへ費用を寄せている例が多く見られます。素材数を絞るほど重厚感は出しやすく、見積もりも読みやすくなります。
人数・来客頻度・Web会議の量で変わりますが、費用面では「何室」より「固定壁か可動か」の判断が先です。会議室は間仕切り1枚に空調吹き出し・感知器・遮音が連動し、B工事が絡むこともあります。〜30坪では常設1室が執務席を数席分食うため、可動間仕切りで兼用にした事例(全琉警備保障・座波商会・H税理士事務所)が参考になります。
ビル所有者が指定する業者が行う工事で、空調の増設・防災設備・共用部にかかわる部分が代表例です。借主が業者を選べず、内装会社の見積もり(C工事)とは別に管理会社経由で提示されるため、最初の見積書には載らないことが多いのです。図面確定前に工事区分表と概算を確認し、総予算に別枠で積んでください。
実務の目安は坪2〜10万円級で、ビルグレードが高いほど上がります。オフィスは住宅と異なり経年劣化分も借主負担が原則で、契約特約がすべてです。入居時に建てた壁・上げた床・造った天井は往復で費用がかかるため、可動間仕切りや床の貼り分けなど「戻しやすい造作」を選ぶと退去費用も下がります。
工事範囲と規模で数週間〜数ヶ月と幅があります。掲載事例の公式記載では、居抜き約60坪で約20日、表装と家具の入れ替えで64坪超・約1ヵ月、応接主体の内装で約1ヶ月といった例があります。設計・見積もり・B工事協議・什器納期は別に必要で、繁忙期(1〜3月・9〜10月)は見積もりが高く出やすいので、移転日から逆算して発注時期を決めてください。
できます。掲載事例はすべて店舗内装ドットコムの登録内装会社の施工事例です。近い事例を2〜3件選び、坪数・人数・ゾーン構成を添えて一括見積もりを依頼すると、同じ範囲で比較できます。発注者の利用は無料です。
関連ガイド・複数社見積もり
この事例集は「写真で見る」ための頁です。費用の本体・受付・移転・原状回復・会社選びは、それぞれの解説頁に委ねています。
























































































