オフィス移転の費用 完全ガイド|総額は「5つの箱」で決まる——内訳・シミュレーター・勘定科目まで【2026年】

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「オフィス移転の費用は、結局いくらかかるのか」——検索すると、総額は坪20〜40万円という記事もあれば、内装10〜30万円/坪・原状回復3〜10万円/坪と費目別に並べる記事もあり、数字がバラバラです。混乱の理由ははっきりしています。オフィス移転の総額は単一の相場では語れず、5つの箱の合計で決まるからです——① 新オフィスの入居初期費、② 新オフィスの内装、③ 旧オフィスの原状回復、④ 引越し、そして多くの記事が落とす ⑤ 重複賃料。しかも②は入居形態の3択(セットアップ・居抜き・スケルトン)で10倍近く変わる——「総額の坪単価」を先に探すから、答えが割れて見えるのです。

本記事は、この5つの箱の構造から移転費用を解きます。規模別の早見表、坪数を動かすだけの移転総額シミュレーター、敷金・礼金・内装・原状回復の勘定科目と会計処理、そして費用を「値切る」のではなく「構造で下げる」順番まで。5箱のうち変動の大きい②内装と③原状回復は、当サイトの専門ガイドで深掘りできます。特定の会社にも誘導しません——ゴールは、自社の移転予算を自分の手で概算でき、見積もりを正しく比較できる状態です。

この記事の要点

  • 移転総額=5つの箱の合計:①入居初期費(賃料の6〜12ヶ月分)+②新オフィス内装(3択で0〜85万円/坪)+③原状回復(4〜12万円/坪)+④引越し(1人2〜5万円)+⑤重複賃料(1〜2ヶ月)。「総額坪単価」が割れるのは、②の3択と①の賃料水準で総額が数倍動くから
  • 最大の変動要因は②の入居形態:セットアップ(0〜15万円/坪)か、居抜き(10〜35万円/坪)か、スケルトン(30〜85万円/坪)か——この選択が、値引き交渉のどれよりも総額を動かす
  • 経理処理まで一気に:敷金は資産(差入保証金)、内装は「建物」で資産計上(賃借期間を耐用年数にできる)、原状回復は修繕費——勘定科目の型を押さえれば、決算も税務も迷わない

総額は「5つの箱」で決まる|相場が割れる理由の解体

まず全体像を1枚で。オフィス移転の費用は、時系列で発生する5つの箱に分解できます。

移転総額=5つの箱の合計|前提を明示しない「総額坪単価」は比較不能① 入居初期費賃料の約6〜12ヶ月分敷金6〜12ヶ月+礼金+仲介+保険賃料水準で倍以上変わる② 新オフィス内装0〜85万円/坪セットアップ0〜15/居抜き10〜35スケルトン30〜85最大の変動要因=3択の選択③ 旧オフィス原状回復坪4〜12万円ビルのグレードで階層あり指定業者制で競争が働きにくい減額には正攻法がある④ 引越し1人あたり2〜5万円繁忙期(2〜4月)で上振れ⑤ 重複賃料1〜2ヶ月分の二重家賃多くの試算から漏れる箱総額が割れて見えるのは、②の3択と①の賃料で数倍動くから前提(入居形態×賃料水準)を決めてから、箱ごとに見積もる——それが正しい順番

「総額は坪20〜40万円」という相場記事が割れて見える理由が、この図で分かります。②新オフィス内装は、セットアップオフィス(内装済み・0〜15万円/坪)を選ぶか、スケルトン(30〜85万円/坪)を選ぶかで、同じ50坪でも1,000万円単位で変わる。①入居初期費も、賃料坪1.5万円の地方都市と3万円超の都心一等地では倍以上違う。つまり、前提(入居形態と賃料水準)を明示しない総額坪単価は、そもそも比較に使えないのです。以下の早見表は、前提を明示した概算です——月額賃料坪2万円・中規模ビル・敷金8ヶ月の標準的な条件で、3つの入居形態別に総額帯を並べました。

規模 セットアップ入居 居抜き入居 スケルトン入居
30坪(約10名) 約1,100〜1,500万円 約1,400〜1,900万円 約2,300〜3,100万円
50坪(約17名) 約1,700〜2,300万円 約2,400〜3,200万円 約3,800〜5,100万円
100坪(約35名) 約3,500〜4,700万円 約4,300〜5,700万円 約6,700〜8,900万円
前提:月額賃料坪2万円・敷金8ヶ月+礼金・仲介各1ヶ月・原状回復坪4〜12万円・引越し1人2〜5万円・重複賃料1〜2ヶ月を含む概算。賃料水準・ビルグレード・工事範囲で大きく変動します。

移転総額シミュレーター|坪数を動かすだけ

自社の条件に近づけるなら、こちらで。坪数・入居形態・賃料水準の3つを選ぶと、5つの箱の内訳と総額帯を概算します。

新オフィスの広さ:50(想定 約17名)

入居形態は?

新オフィスの賃料水準は?


5つの箱の中身と相場|内装と原状回復は専門ガイドへ

① 入居初期費(賃料の約6〜12ヶ月分)——敷金・保証金(オフィスは6〜12ヶ月分が相場。住宅と桁が違います)、礼金(0〜2ヶ月)、仲介手数料(1ヶ月)、保証会社・火災保険。ここは「相場より契約交渉」の世界で、フリーレント(賃料無料期間)が付けば⑤の重複賃料も同時に軽くなります。② 新オフィスの内装——最大の変動費目。セットアップ0〜15万円/坪、居抜き10〜35万円/坪、スケルトン30〜85万円/坪。相場が割れる仕組みと広さ別の詳細・内装シミュレーターはオフィスの内装工事費用ガイドに、3つの入居形態の選び方そのものは居抜き・スケルトン・セットアップの3択比較にまとめています。③ 旧オフィスの原状回復(坪4〜12万円)——ビルのグレードで階層があり、ハイグレードビルでは坪10万円台も。指定業者制(B工事)ゆえに競争が働きにくい費目で、減額には正攻法があります——法律と交渉の全体像はオフィス原状回復費用ガイドへ。④ 引越し(1人あたり2〜5万円)——什器の量と養生条件、繁忙期(2〜4月・9月)かどうかで変動。⑤ 重複賃料(1〜2ヶ月分)——旧オフィスの解約予告(3〜6ヶ月前)と新オフィスの工事期間が重なる間、家賃を二重に払う期間が必ず生まれます。多くの試算から漏れる箱ですが、50坪なら100〜200万円級——予算表に最初から1行立ててください。

勘定科目と会計処理|敷金・礼金・内装・原状回復

移転費用は「払って終わり」ではなく、経理処理で決算と税務に効きます。実務の型を費目別に。

費目 勘定科目の型 ポイント
敷金・保証金(返還あり) 差入保証金(資産) 費用ではなく資産。返還されない部分が契約で決まっていれば別処理
礼金・返還されない保証金 20万円未満=費用/20万円以上=長期前払費用 20万円以上は繰延資産として償却(目安:契約期間または5年)
仲介手数料 支払手数料 支払時の費用
新オフィスの内装工事 建物・建物附属設備(資産計上) 賃借物件は賃借期間を耐用年数にできる場合あり。附属設備と区分すると早期償却
原状回復工事 修繕費 敷金から相殺される場合は「修繕費/差入保証金」の仕訳が定石
引越し・書類再作成・名刺 雑費・支払手数料など 支払時の費用

補足を3つ。① 内装のうち10万円未満の資産は消耗品として一括費用化でき、中小企業者等には30万円未満・年間300万円までの少額減価償却資産の特例があります。② 内装を「建物」と「建物附属設備」(電気・空調・給排水)に正しく区分すると、耐用年数の短い部分を早く償却でき、資金繰りに効きます——見積もりの明細を工事種別で分けてもらうのが第一歩。③ 上場企業や大きな会社では、退去時の原状回復義務を資産除去債務として入居時から計上する論点もあります。ここに挙げた型は一般的な実務の整理で、金額・契約条件で扱いが変わるため、最終判断は必ず顧問税理士と——この一文ごと税理士に見せていただいて構いません。

費用を下げる順番|値切りでなく、構造で下げる

削減は、効果の大きい順に構造から。第1位:②の入居形態を選び直す——スケルトン前提をセットアップや居抜きに変えるだけで、50坪なら1,000万円単位が動きます。デザインの自由度との交換条件を3択比較ガイドで確認を。第2位:③原状回復の減額正攻法——見積もりの範囲精査(通常損耗・経年劣化の扱い、専有部の範囲)で1〜3割動くことがある費目。感情的な値切りではなく、根拠を揃えた協議が正解です(原状回復ガイドの手順で)。第3位:①⑤をフリーレント交渉でまとめて軽くする——新オフィス側に1〜2ヶ月のフリーレントが付けば、重複賃料は実質相殺できます。空室が多い市況・長期契約の提示が交渉材料。第4位:④引越しの時期ずらしと相見積もり——繁忙期(2〜4月)を外し、2〜3社で比較。やってはいけないのが、②の工事品質を一律に削ること——配線・空調・会議室の遮音は、削ると数年内に働きにくさと追加工事で返ってきます。

段取りと相見積もり|誰に・いつ頼むか

移転の時計は「旧オフィスの解約予告」から動きます。解約予告(3〜6ヶ月前が一般的)→物件確定→内装の設計・見積もり→工事→引越し→原状回復工事→明け渡し。この工程で会社選びが要るのは②内装と④引越しで、②を誰に頼むか——大手系・設計事務所系・施工系の違いはオフィス内装会社の選び方(全国版)に、地域の実情と検証済みの会社は東京版はじめ地域別ガイド(大阪・神奈川・埼玉・千葉・京都・兵庫)にまとめています。相見積もりは2〜3社で、5つの箱の要件1枚(坪数・入居形態・希望時期・予算帯)を同じ条件で渡すこと——条件が揃って初めて、価格は比較になります。

当サイトの事例データベースでは、全国のオフィス内装事例を公開しています。目指す空間の目線を作ったら、条件を一度入力するだけで、複数の内装会社から見積もりを取れます——紹介は運営が個別に確認したうえで行うため、営業電話が乱れ飛ぶ形式ではありません。

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よくある質問

「総額は坪20〜40万円」という相場を見ました。本当ですか?

前提次第で正しくも誤りにもなります。セットアップ入居なら坪20万円台に収まる規模帯もあれば、都心スケルトンなら坪80万円を超えることもある——入居形態と賃料水準を明示しない総額坪単価は、自社の予算根拠には使えません。本記事の早見表(前提明示)とシミュレーターで、自社の条件に合わせて概算してください。

敷金はいくら戻ってきますか?

原状回復費用を差し引いた残額が返還されるのが基本形です。つまり戻る額は③の原状回復をどれだけ適正化できるかに直結します。見積もりの範囲精査(通常損耗の扱い・専有部の範囲)と根拠ある協議で1〜3割動くことがある費目なので、原状回復ガイドの正攻法を退去の6ヶ月前から進めてください。返還時期(明け渡し後1〜3ヶ月が多い)も資金繰りに織り込みを。

移転費用は経費になりますか?資産になりますか?

費目で分かれます。引越し・仲介手数料・原状回復は基本的に支払時の費用、敷金は資産(差入保証金)、内装工事は「建物」等で資産計上して減価償却——賃借物件なら賃借期間を耐用年数にできる場合があります。20万円・10万円・30万円(中小特例)の金額ラインでも扱いが変わるため、本記事の仕訳表を持って顧問税理士に確認するのが確実です。

いちばん費用を削れるのはどこですか?

②新オフィス内装の「入居形態の選択」です。スケルトンからセットアップ・居抜きへ切り替えるだけで、50坪なら1,000万円単位が動き、どんな値引き交渉より効きます。次いで③原状回復の範囲精査、①⑤のフリーレント交渉、④引越しの時期ずらし——の順。逆に、工事品質の一律カットは数年内に働きにくさで返ってくるため最後の手段に。

見積もりは何社に、いつ頼むのがいいですか?

内装は2〜3社、引越しも2〜3社が現実的です。時計は旧オフィスの解約予告(3〜6ヶ月前)から逆算し、内装の見積もりは物件確定と同時に着手を。5つの箱の要件1枚(坪数・入居形態・希望時期・予算帯)を同じ条件で各社に渡すと、価格が初めて比較可能になります。会社の系統別の選び方は全国版・地域別ガイドをどうぞ。

オフィス移転の費用は、正体の分からない大きな塊ではなく、5つの箱の足し算です。箱ごとに相場の幅と動かし方があり、最大の箱(内装)はあなたの選択で決まる——この構造さえ手にすれば、予算立ても、見積もりの比較も、税理士との会話も、すべて自分の言葉で進められます。本記事のシミュレーターと仕訳表を、移転プロジェクトの最初の道具としてご活用ください。

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