オフィス・事務所の内装工事費用相場|坪単価・1席単価×人数の総額とOAフロア・間仕切りの内訳【シミュレーター付き】

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最終更新:2026年8月(内装会社の施工写真・図解・工事項目別の単価表・入退去3年トータルの章を追加し全面改訂)

オフィス・事務所の内装費用を調べると「坪10〜40万円」という広い答えが返ってきます。20坪なら200万円なのか800万円なのか——この幅では予算が組めません。幅の正体は3つあります。ひとつは、相場記事が「どこまでを数えた数字か」(C工事のみか・什器やB工事込みか)を揃えずに書かれていること。ふたつめは、費用の半分が床下(OAフロア・配線)と天井裏(空調・防災)という見えない場所に埋まっていること。みっつめは、オフィスの費用が本当は坪ではなく「1席」あたりで動くことです。

同じ20坪のオフィスが「どこまで数えるか」で4つの数字になる(スタンダード帯の一般的な目安)

同じ20坪・スタンダード帯でも、数える範囲でこう変わる(一般的な目安)① C工事のみ400〜800万円② +什器・配線(5〜6席)435〜920万円③ +B工事(ビル指定)+α(物件次第)④ +原状回復の引当(坪2〜10万)+40〜200万相場記事の「坪10〜20万」「坪40〜90万」は嘘ではなく、①〜④のどこまでを数えたかが違う。本記事の基準は①(C工事のみ)。他サイトの数字と見積もりは、この範囲を揃えてから比べる。出典:本記事の6系統坪単価(ミニマム10〜20/スタンダード20〜40/ハイグレード40〜70万円)と什器・配線1席7〜20万円、原状回復坪2〜10万円級の一般的な目安。

図解①:同じ20坪でも「数える範囲」で4つの数字になる。本記事の基準はC工事のみ(①)。

本ページは、この3つを最初に揃えたうえで、1席単価×人数の読み方、見えない半分の内訳、工事項目別の単価表、間仕切りの値段表、A・B・C工事と原状回復まで含めた入居から退去までの3年トータル、規模別(10〜100坪)のモデル予算までを1ページに通しました。金額はすべて一般的な目安レンジで、実際の金額はビル条件・工事区分・仕様で変動します。写真は当サイト掲載の内装会社が施工した実際のオフィスで、詳しくはオフィス内装デザイン事例20選で見比べられます。

30秒でわかる結論

  • いくらか:借主側の内装工事(C工事)はミニマム坪10〜20万円・スタンダード坪20〜40万円・ハイグレード坪40〜70万円。セットアップ/居抜きなら坪0〜15万円。必要な広さは人数×3.5〜4坪(公開調査の中央値3.8坪/人)で、10人なら35〜40坪。什器5〜15万円+配線2〜5万円を足した1席42〜180万円で読むと見積もりの漏れが浮きます
  • なぜ幅があるのか:①どこまで数えた数字か(C工事のみ/什器込み/B工事込み)②物件の状態(居抜き⇄スケルトン)③会議室・受付をどこまで造るか、の3つで同じ坪数が数倍動きます。費用の約半分は床下(OAフロア坪1〜2万円・LAN電源)と天井裏(空調・防災移設)に埋まり、防災・空調はB工事(ビル指定業者)になりやすく割高です
  • 次に何をするか:下のシミュレーターで器(総額と1席単価)を作り、単価表間仕切りの値段表で中身を確認、工事区分表と原状回復条項を契約前に取り寄せる。退去時の原状回復は坪2〜10万円級で契約特約がすべて——入居前に出口も確定を。金額の最終精度は、範囲を揃えた複数社の見積もりでしか出ません。範囲を揃える依頼テンプレ10項目と、オフィス対応の内装会社12社(法人名確認済・施工写真12枚)への一括依頼はオフィス内装の見積もり主頁にまとめています

目的別の入口|このページの役割は、オフィス内装の費用相場と工事項目別の単価表=「金額の物差し」です。 目的が違う場合は次のページへ。

【早見表】オフィス内装の費用──グレード×タイプ別の坪単価と総額

最初に結論の数字です。以下は借主側で行う内装工事費(C工事=間仕切り・仕上げ・OAフロア・電源LAN・造作。什器とビル側のB工事は別枠=後述)の一般的な目安で、各カードの下段は20坪の場合の工事費目安です。

オフィス内装の施工写真:Thoth Pte.Ltd. 札幌オフィスのラウンジ・執務(北海道)施工:カエル・デザイン・プロジェクト株式会社
写真:Thoth Pte.Ltd. 札幌オフィス(北海道・165席・2フロア)施工:カエル・デザイン・プロジェクト株式会社。スタンダード〜ハイグレード帯の構成例|この事例の詳細(事例集)

ミニマム(機能重視)

坪10〜20万
  • 内容既存活用+最小間仕切り
  • 20坪目安200〜400万円

スタンダード

坪20〜40万
  • 内容会議室造作+OA床+意匠
  • 20坪目安400〜800万円

ハイグレード

坪40〜70万
  • 内容デザイン設計+造作多め
  • 20坪目安800〜1,400万円

セットアップ・居抜き

坪0〜15万
  • 内容内装済み区画+微調整
  • 20坪目安0〜300万円

小規模(10坪台)

坪15〜45万
  • 内容固定費が割り掛かり高め
  • 15坪目安225〜675万円

什器・配線(別枠)

1席7〜20万
  • 内容デスク椅子5〜15万+配線2〜5万
  • 10席目安70〜200万円

この表の読み方

「坪10〜40万円」という世間の相場は、このグレード帯とタイプの違いをひとつのレンジに潰した数字です。自社がどのカードかを決めるだけで、幅は一気に半分以下に絞れます。さらに絞るのが次章の1席単価の読み方です。金額はいずれも一般的な目安で、ビル条件・工事区分で変動します。

目安をつかんだら、実際の金額は複数社の見積もりで確かめるのが確実です。

オフィスの内装事例を見る(226件)複数社の見積もりを取る(無料)

相場記事の数字を「範囲」で読み替える翻訳表

オフィス内装の相場記事は媒体によって「坪10〜20万」から「坪40〜90万」までバラバラです。これは誤りではなく「どこまでを数えているか」の会計範囲が違うだけ。他サイトの数字と見積もりを照合するときは、次の翻訳表で範囲を揃えてから比べてください。

坪10〜20万円

数えている範囲居抜き・一部内装済みのC工事のみ
読み方既存活用前提の最小値

坪20〜40万円

数えている範囲スケルトン等のC工事一式(本記事の基準)
読み方間仕切り・仕上げ・OA・電源LAN込み

坪40〜90万円

数えている範囲ハイグレード仕様、またはB工事・什器・設計費まで込み
読み方「何が入っているか」の確認が必須

1席20〜80万円

数えている範囲什器・配線込みを人数で割った1席単価
読み方本記事のシミュレーターと同じ物差し
もうひとつの変数=時期——資材・労務単価は上昇が続いており、数年前の記事の下限は実務的に消えていることがあります。相場記事は本文より先に更新日を確認し、「いつの・どの物件状態の・何を含む・どのデザイン度の数字か」の4点で読むと、坪10万円の記事と坪80万円の記事は矛盾なく1本の線に乗ります。

費用シミュレーター──人数・坪数・グレード・会議室数から総額と1席単価

「うちの会社ならいくらか」を最初につかみましょう。人数を入れると必要坪数を自動換算(1人あたり3.8坪・手入力で上書き可)し、グレード・物件の状態・会議室数・受付造作・地域を選ぶと、内装工事費に什器・配線まで合算した総額と1席あたり単価、見えない半分(OAフロア・配線)の目安、別枠(B工事・原状回復引当)を表示し、規模と構成が近い施工写真へ案内します。ゾーン別の坪配分(執務・会議・受付・リフレッシュ)を先に決めたい場合は、事例集のゾーン配分シミュレーターと併用してください。

この試算に含まれるもの

  • 内装工事(C工事):間仕切り・仕上げ・OAフロア・電源LAN・造作・照明(グレード×物件状態×地域係数)+会議室(1室あたりスチールパーティション換算60〜120万円)+受付造作(50〜150万円)
  • 什器・配線:1席7〜20万円(デスク・チェア5〜15万+配線2〜5万)

含まれないもの(別枠として表示)

  • ビル側のB工事(空調・防災の増移設)/原状回復の引当(坪2〜10万円級)/移転費・通信機器・OA機器・敷金等

JavaScriptが無効の場合の目安

  • 必要坪数=人数×3.8坪
  • 内装工事=坪数×(ミニマム10〜20/スタンダード20〜40/ハイグレード40〜70万円)×物件係数(セットアップ0.3/一部内装済0.7/スケルトン1.0)
  • 什器・配線=人数×7〜20万円/原状回復引当=坪数×2〜10万円

1席単価×人数で読む──公開データを物差しにする

オフィスの見積もりを「坪いくら」で眺めても、妥当性は判定できません。坪単価はグレードと工事範囲で3倍動くからです。実務で効くのは、1席(1人)あたりに全費用を集約する読み方です。

オフィスの内装費は「1席単価×人数」で読む必要な広さ = 人数 × 3.5〜4坪公開調査では在籍1人あたりオフィス面積の中央値3.8坪(執務+会議室+共用含む)1席に乗る費用の内訳(一般的な目安):・内装工事(席の持ち分)… 席あたり35〜160万円・デスク・チェア・収納 … 席あたり5〜15万円・電源・LAN配線(3〜4口/席)… 席あたり2〜5万円例:10人のオフィス ≒ 35〜40坪 = 総額420万〜1,800万円幅の正体はグレードと「床下・天井裏」(次章)。1席単価なら見積もりの漏れが浮く法定下限:事務所衛生基準規則により1人あたり気積10m3以上(床面積換算で約1.2坪が物理的な底)

ステップ①:人数から広さを決める

ザイマックス不動産総合研究所の「1人あたりオフィス面積調査」(直近調査・東京23区)では、在籍1人あたりオフィス面積の中央値は3.8坪——これは執務席だけでなく会議室・受付・共用部を含んだ実際の賃借面積の実測値で、大阪市もほぼ同水準です(出典:ザイマックス総研「1人あたりオフィス面積調査」)。つまり10人の会社なら35〜40坪が世の中の標準帯。テレワーク併用でフリーアドレスにするなら在籍×出社率で席数を絞る設計もあり得ますが、出社回帰で手狭になる企業が増えているのも同調査が示す実態です。なお法定の下限として、事務所衛生基準規則は労働者1人あたり気積10m³以上(天井高2.5mなら床約4m²=約1.2坪)を求めており、これを下回る詰め込みはそもそも違法です。

ステップ②:1席に費用を集約する

内装工事費を席数で割った「工事の持ち分」に、デスク・チェア・収納(1席5〜15万円)と電源・LAN配線(1席あたりコンセント3〜4口が実務目安で2〜5万円)を足すと、1席あたり総投資42〜180万円というレンジに収まります。ミニマム構成なら1席40〜60万円、スタンダードで1席70〜110万円、ハイグレードで1席120万円超——この物差しを持つと、「20坪500万円」という見積もりが10人分の席として妥当か(1席50万円=ミニマム帯として妥当)を、その場で判定できます。

1席単価が見積もりの「漏れ」を炙り出す

相見積もりでA社だけ妙に安いとき、1席単価に直すと原因が見えます。1席30万円を切る見積もりは、OAフロアか配線かB工事調整費のどれかが「別途」に逃げていることがほとんどです。安い理由を説明できない見積もりは、安いのではなくまだ全部書かれていないだけ——次章の「見えない半分」がその正体です。

フリーアドレスなら「席数」を設計する──縮めすぎ注意

テレワーク併用でフリーアドレスにする場合、席数は在籍人数×出社率×余裕係数(1.1〜1.2)で設計します。公開調査では企業の出社率は平均65%前後で安定しており、在籍20人なら 20×0.65×1.15≒15席+打合せ・集中席が現実解です。ただし同じ調査シリーズで、出社1人あたりの面積は近年縮小を続けて過去最少水準(4.7坪)となっており、出社回帰で「オフィスが手狭」に転じる企業が増えているのも実態(出典:ザイマックス総研「1人あたりオフィス面積調査」)。席数を出社率ぴったりに縮めると、採用1〜2名で作り直しになります。2年後の人数で設計するのが、結局いちばん安い設計です。

費用の半分は床下と天井裏──見えない内訳を開く

オフィス内装費用の断面図──天井裏・見える内装・床下の3層と費用の乗り方(一般的な目安)

費用の約半分は「床下」と「天井裏」に埋まっている(断面)天井裏(写真に写らない)空調ダクト・吹出口の移設/感知器・スプリンクラー/照明配線 = 多くがB工事見える内装(写真に写る)壁・床仕上げ/間仕切り・建具/サイン・造作 = 費用の約半分「安い見積もり」は意匠を削った額ではなく、上下の書き漏らしのことが多い床下(写真に写らない)OAフロア 坪1〜2万円/電源・LAN幹線/配線ルート(1席2〜5万円)B工事:ビル指定業者競争が効かず割高になりやすいC工事:借主が業者を選べる相見積もりが効く範囲OAフロア・配線レイアウト確定後に設計するのが鉄則出典:本記事の一般的な目安(OAフロア坪1〜2万円・配線1席2〜5万円)。B/C工事の区分はビルの工事区分表が正。

図解②:オフィス内装の断面。写真に写る「見える内装」は費用の約半分で、上下(天井裏・床下)に残り半分が埋まる。

オフィス内装の見積もりで、壁紙や床材といった「見える意匠」は実は半分程度です。残り半分は、床下と天井裏に埋まっています。

費用の半分は「床下」と「天井裏」に埋まっている天井裏:空調ダクト・吹出口の移設/感知器・スプリンクラー(B工事)/照明配線見える内装(壁・床仕上げ・建具・意匠)= 費用の約半分床下:OAフロア(二重床)坪1〜2万円/電源・LAN幹線/床下配線ルート安すぎる見積もり=意匠を削った額ではなく、床下・天井裏の書き漏らしであることが多い

床下:OAフロアと配線の幹線

OAフロア(フリーアクセスフロア)は床を二重にして配線を通す下地で、材工坪1〜2万円程度が一般的な目安です。既設のビルも多い一方、老朽ビルや住宅系物件をオフィス化する場合は新設になります。その上を走る電源・LANの配線工事が1席2〜5万円(前章)。デスクのレイアウトを後から変えるほど配線のやり直しが発生するため、レイアウト確定→配線設計の順番を守ることが、実は最大の配線コスト対策です。

天井裏:空調・防災という「動かすと高い」設備

間仕切りで部屋を作ると、天井裏では空調の吹出口・還気のバランスが崩れ、吹出口の移設・増設が発生します。さらに火災感知器・スプリンクラー・非常照明は間仕切りの位置に応じて増移設が必要で、これらは多くのビルでB工事(ビル指定業者・借主負担)に区分されます(詳細はs6)。「会議室を1部屋足すだけ」の見積もりに、パーティション代しか載っていなかったら要注意——天井裏の分が後から乗ります。

この構造を知っていれば、冒頭の言葉に戻れます。安すぎる見積もりは、意匠を削った額ではなく、床下・天井裏の書き漏らしであることが多い。1席単価と本章の項目名で、見積書を照合してください。

スケルトン天井のオフィス施工写真:アテックス(大阪府)施工:インフィニティ株式会社──天井を張らないと空調ダクト・配管・照明配線が「見える仕上げ」になる
写真:アテックス(大阪府)施工:インフィニティ株式会社。天井を張らないスケルトン仕上げでは、天井裏に埋まる設備がそのまま見える。退去時に天井を復旧する契約かどうかで費用が変わる|この事例の詳細(事例集)

工事項目別の単価表──10カテゴリと「見えない半分/B工事」マーク

相見積もりは、各社バラバラの項目を次の10カテゴリへ仕分けし直すと横並びになります。各カテゴリに、一般的な単価の目安と、見えない半分(床下・天井裏)B工事になりやすい相見積もりが効くのマークを付けました。オフィスで特徴的なのは、間仕切り+配線系で過半を占め、水回りがほぼゼロという構成です。単価は地域・ビル条件・仕様で動くレンジで、数量(㎡・m・台数)は図面から拾います。

① 仮設・養生

相見積もりが効く
単価の目安工事費の3〜8%程度(規模・ビル条件で)
見どころ搬入経路・共用部養生・仮設電源。ビル規約で範囲が決まる

② 軽鉄・間仕切り

相見積もりが効く見えない半分
単価の目安アルミ m1.5〜3万/スチール m3〜6万/造作壁 m2〜4万/ガラス m8〜15万
見どころ会議室1室(6人用)30〜250万円。欄間の扱いで天井裏コストが連動

③ 内装仕上(床・壁・天井)

相見積もりが効く
単価の目安床タイルカーペット ㎡4,000〜8,000円/壁クロス ㎡1,000〜2,000円/天井 ㎡2,000〜5,000円
見どころ写真に写る「見える内装」。素材のグレードで倍動く

④ OAフロア(二重床)

見えない半分
単価の目安材工 坪1〜2万円(既設なら0)
見どころ見えない半分の代表。老朽ビル・住宅系物件のオフィス化は新設

⑤ 電気・照明

見えない半分相見積もりが効く
単価の目安配線 1席2〜5万円/照明器具 1台1〜3万円/コンセント増設 1箇所1〜2万円
見どころ1席3〜4口の口数計画とレイアウト図の一致を確認

⑥ LAN・電話配線

見えない半分相見積もりが効く
単価の目安1席3〜4口の口数計画/Wi-Fi機器 1台2〜10万円
見どころ回線の申込みは1〜2ヶ月前。OAフロア下・天井裏の配線はプロへ

⑦ 空調・換気(移設・増設)

見えない半分B工事になりやすい
単価の目安個別機 1台10〜30万円/天井カセット 1台30〜100万円(新設時)
見どころ吹き出し口の増移設は多くのビルでB工事=競争が効かず割高

⑧ 防災・消防

見えない半分B工事になりやすい
単価の目安感知器・非常照明・誘導灯の増移設(B工事)+所轄への届出
見どころ天井まで届く間仕切りを立てた瞬間に発生する義務

⑨ 建具・ガラス・サイン

相見積もりが効く
単価の目安ロゴサイン10〜40万円/受付造作15〜60万円/ブランドウォール20〜150万円/防音・防火ドア1枚10〜30万円
見どころ面積のわりに単価が高い「攻め」のゾーン

⑩ 什器・備品(別枠明記)

相見積もりが効く
単価の目安デスク・チェア・収納 1席5〜15万円(中古は3〜5割)
見どころ見積書に「別枠」と明記されているかを確認
読み方——単価はいずれも公開されている一般的な目安レンジで、地域・ビル条件・仕様・数量で変動します。「一式」が多い見積もりは単価×数量の明細を求め、B工事のマークが付く項目は管理会社経由の概算を別枠で積んでください。10カテゴリの合計を1席単価(42〜180万円)に直すと、極端に安い見積もりの原因(OAフロア・配線の書き漏らし)が浮きます。

間仕切りの値段表──会議室1室いくらか

オフィス内装の主役工事は間仕切りです。「会議室を2つ、応接を1つ」という要望が、そのまま見積もりの骨格になります。種類ごとの単価と、6人用会議室1室あたりの目安を開きます。

間仕切りの値段表──会議室1室(6人用)でいくらかアルミパーティションm単価1.5〜3万円→ 会議室1室 30〜60万円(軽量・移設容易・遮音は控えめ)スチールパーティションm単価3〜6万円→ 会議室1室 60〜120万円(遮音・不燃・オフィスの標準)造作壁(LGS+ボード)m単価2〜4万円→ 会議室1室 50〜100万円(自由な意匠・移設不可・原状回復増)ガラスパーティションm単価8〜15万円→ 会議室1室 120〜250万円(開放感・高級感・視線は通る)見積もりを動かす分岐:「欄間(らんま)」を塞ぐか天井まで塞ぐ=遮音は上がるが、感知器・空調の増移設(天井裏コスト)が発生。欄間オープン=天井裏コストを回避できるが、会話は聞こえる。用途で使い分ける

選び方の軸は3つです。①遮音——人事・商談・Web会議が多いならスチール以上、雑談ゾーンの緩い仕切りならアルミで十分 ②可変性——組織が伸び縮みする会社はパーティション(移設可能)、レイアウトを固定できる会社は造作壁で意匠に投資 ③採光——窓から遠い席に光を届けたいならガラスか欄間オープン。そして図中の通り、欄間(天井までの隙間)を塞ぐかどうかが天井裏コスト(感知器・空調の増移設=多くはB工事)を左右する分岐です。全室を天井到達で作ると防災工事が膨らむため、「遮音が本当に要る部屋だけ天井まで、他は欄間オープン」というメリハリが、費用設計の定石です。

商業施設・テナントビル全般に共通する工事区分と館コストの読み方は商業施設テナントの内装費用相場(A/B/C工事区分の読み方)で詳述しています。

黒いパーテーションの会議室:H税理士事務所(東京都)施工:カエル・デザイン・プロジェクト株式会社──ガラスパーテーションに黒シートを貼って書き込める面にした例
写真:H税理士事務所(東京都)施工:カエル・デザイン・プロジェクト株式会社。会議室のガラスパーテーションに黒シートを貼り「書き込める壁」にした機能付き間仕切り|この事例の詳細(事例集)
可動式パーティションの会議コーナー:全琉警備保障株式会社(沖縄県・27.5坪)施工:株式会社コンセプション──普段は全開、来客時だけ閉める運用
写真:全琉警備保障株式会社(沖縄県・27.5坪)施工:株式会社コンセプション。可動式パーティションで会議室を常設にせず、面積と費用の両方を節約した例|この事例の詳細(事例集)

工事区分(A・B・C)と原状回復──範囲を揃える相見積もりの実務

オフィスビルには、店舗以上に厳格な工事区分のルールがあります。ここを知らずに相見積もりをすると、「安い見積もり」を選んだのに総額が膨らむ——という定番の事故が起きます。

工事区分(A・B・C)──「誰が選び、誰が払うか」A工事躯体・共用部業者:ビル指定費用:貸主負担→ 気にしなくてよいB工事防災・空調・給排水業者:ビル指定費用:借主負担→ 競争が効かず割高C工事内装・電源LAN・什器業者:借主が選べる費用:借主負担→ 相見積もりが効く入退去トータルで読む入居時:内装工事(C)+ B工事調整費退去時:原状回復 坪2〜10万円級(指定業者・特約次第)オフィスは住宅用の原状回復ガイドラインの対象外が原則=契約特約がすべて。入居前に「出口の値段」まで確認するのがプロの読み方

B工事が「見積もりの外」に潜む

防災設備(感知器・スプリンクラー・非常照明)、空調の移設、給排水——これらは借主の都合で行うのにビル指定業者が施工し、借主が払う「B工事」に区分されるのが一般的です。指定業者には競争が働かないため、同じ工事でも相場の1.5〜2倍の提示は珍しくありません。対策は2つ。①図面確定前に管理会社へ工事区分表を確認し、B工事の概算を先に取る ②内装会社の見積もりに「B工事は別途・ビル見積もりによる」と明記されているかを確認し、総予算にはB工事枠(規模により数十万〜数百万円)を最初から積んでおくことです。

原状回復──オフィスは「ガイドラインの外」が原則

住宅の賃貸では国土交通省の原状回復ガイドラインが通常損耗を貸主負担としますが、オフィス・事業用賃貸はこのガイドラインの主対象外が原則で、通常損耗まで借主負担とする特約も広く有効に扱われています。つまり契約書の原状回復条項がすべてです。実務の相場は坪2〜10万円級(ビルグレードが上がるほど高く、指定業者施工)。入居時に「内装にいくらかけるか」だけでなく、退去時に「いくらで戻すか」まで含めた入退去トータルで物件を比較してください。契約書の確認ポイントは賃貸契約ガイドにまとめています(契約判断は物件ごとに異なるため、重要案件は宅建士・弁護士等の専門家確認をおすすめします)。

オフィスの内装費は「往復切符」──入居で払い、退去でもう一度払う入居時C工事+B工事坪10〜70万+B枠使用期間内部造作の償却原状回復の引当を積む退去時原状回復 坪2〜12万指定業者=競争が働かない経年劣化も借主負担が原則予算は片道で組まない。「入居費+退去引当」の往復で読み、契約前に原状回復特約と工事区分表を確認する時期の裏技: 繁忙期(1〜3月・9〜10月)は2〜3割高。5〜7月の閑散期発注が定石
入居で払い、退去でもう一度払う。予算は往復で組む

そして退去側にも入居のB工事と同じ構造問題があります。多くのビルは原状回復を指定業者に限定しており、競争が働かないため初回見積が高く出やすい——業界団体の公開データでは、指定業者の初回見積(中央値で坪10万円前後)が適正査定を経て2〜3割下がった事例が報告されています。しかもオフィスの原状回復は住宅と違い経年劣化・自然損耗も借主負担が原則。相場は小・中規模で坪2〜5万円、大規模5〜10万円、ハイグレードビルは坪10万円超も珍しくありません。冒頭のシミュレーターはこの退去引当まで別枠で自動計算します。

最後に、意外と大きいのが発注時期の値段です。オフィス工事は期末の移転集中で1〜3月と9〜10月が繁忙期となり、同じ工事でも見積が2〜3割高く出やすい——逆に5〜7月の閑散期発注は、公開解説で50坪規模なら百万円級の節約と語られる定石です。移転日は「賃料発生日」だけでなく「工事の季節」からも逆算してください。

入居時の内装費と退去時の原状回復費は、別々の出費ではなく「同じ契約から生まれるひとつの総額」です。造作を増やすほど退去時の撤去費も増えるため、見積段階から2枚をセットで読むと判断を誤りません。退去側の実額と交渉の考え方はオフィス・事務所の原状回復費用、移転全体の総額はオフィス移転費用の内訳で詳しく解説しています。

相見積もりは「金額比較の前に範囲を揃える」──4ステップ

落とし穴はB工事です。指定業者ゆえ競争が働かず、同じ内容で市場相場の1.5〜2倍になることは珍しくありません。契約前に工事区分表を取り寄せ、B工事の概算とあわせて「C工事に切り替えられる項目(LAN配線・照明など)がないか」を交渉するのが定石です(区分の基礎はA工事・B工事・C工事の違い完全ガイド)。そのうえで、各社の見積書は工事範囲の取り方がバラバラなので、そのまま総額を並べても安い・高いは判定できません。

1範囲を仕分ける各社の見積もりからB工事・什器・設計費を分離
2C工事だけを並べる同じ範囲同士で初めて比較になる(10カテゴリへ仕分け)
3粒度を確認「一式」が多い見積もりは単価×数量の明細を求める
4減額案の質を見る仕様の工夫か、単なるグレードダウンか

100坪超の大規模案件では、設計施工一括だけでなく、設計事務所に設計・監理を任せて施工を入札で競わせる設計施工分離や、発注者側に立つCM(コンストラクションマネジメント)方式も現実的な選択肢になります。B工事の査定や減額案の質を第三者の目で管理できるのが分離方式の価値で、規模が大きいほど効きます。

オフィスの見積書チェックリスト

  • B工事(防災・空調移設)が「別途」と明記され、総予算に枠を積んであるか
  • 1席単価に直して42〜180万円のレンジ内か──極端に安い場合はOAフロア・配線の漏れを疑う
  • 間仕切りの仕様(アルミ/スチール/ガラス・欄間の扱い)が部屋ごとに書かれているか
  • 感知器・非常照明の増移設の要否を、間仕切り図と突き合わせたか
  • 電源・LANの口数(1席3〜4口)とレイアウト図が一致しているか
  • 原状回復の範囲・概算を契約前に確認したか(入退去トータル)
  • ビルの工事申請・作業時間制限(夜間指定等)が工期と費用に織り込まれているか

見積書が手元に届いたら、オフィス内装の見積書の読み方(判定ツール・3社比較シート・減額交渉の順番)で、範囲を揃えて高いか安いかを判定してください。本記事は「これから見積を取る人」のための総額の器、あちらは「見積を受け取った人」のための読み解きです。

入居から退去まで3年トータル──居抜き・セットアップ・スケルトンの中立比較

初期の内装費だけで3タイプを比べると、判断を誤ります。オフィスのコストは「入居時の内装費」「入居中の賃料」「退去時の原状回復費」の3点セットで動くからです。スケルトンは初期の内装費と退去時の原状回復費が重い代わりに、空間の自由度が最も高い。居抜きはその中間。セットアップオフィスは初期がほぼゼロで身軽な一方、内装・什器のコストは月額賃料への上乗せという形で払い続けるのが一般的で、数年借りればその累積は数百万円規模になり得ます。

入居から退去まで3年で比べる──スケルトン・セットアップ・居抜きの費用構造(30坪・一般的な目安)

入居〜退去(3年)で比べる:3タイプの費用構造(30坪・一般的な目安)スケルトン+C工事フル初期 900〜1,800万原状回復 180〜300万居抜き初期 300〜600万+譲渡0〜200万原状回復 0〜300万(引継条件次第)セットアップ0〜300万賃料上乗せ 約320〜650万(36ヶ月)50〜150万3年合計の目安:スケルトン 約1,080〜2,100万円/居抜き 約300〜1,100万円/セットアップ 約370〜1,100万円(いずれも一般的な目安)初期の内装(C工事)入居中:内装・什器分の賃料上乗せ(セットアップ)退去時:原状回復等初期が軽い=総額が安い、ではない。在籍予定期間が長いほど、賃料上乗せの累積とスケルトンの自由度が効いてくる。正解は企業のフェーズで変わる:創業期・変動期=セットアップ/腰を据える成長期=スケルトン/バランス=居抜き。出典:本記事の一般的な目安(賃料上乗せは坪3,000〜6,000円/月×36ヶ月)。B工事・移転費・什器は3タイプ共通の別枠。実額は物件・契約で変動する。

図解③:30坪・スタンダード帯の一般的な目安で、入居〜退去(3年)の費用構造を3タイプで並べたもの。実額は物件・契約で変動する。

スケルトン

入居時内装費 大(坪20〜40万円帯)
入居中賃料(基準)
退去時原状回復 大(坪2〜10万円級)
向く企業腰を据える成長期・空間をブランドとして使う

居抜き

入居時内装費 中(坪0〜15万円帯+造作譲渡料)
入居中賃料(基準)
退去時中(引き継いだ造作の原状回復義務は契約で明記)
向く企業コストと自由度のバランス

セットアップ

入居時内装費 小
入居中賃料+内装・什器分の上乗せ(同ビルのスケルトン区画より1〜2割高が一般的)
退去時小※(原状回復・備品の条件は契約次第)
向く企業人数変動が読めない創業期・変動期

近年急増しているのが、貸主があらかじめ内装・会議室を作り込んだセットアップオフィスと、前テナントの内装を引き継ぐ居抜きオフィスです。内装工事費は坪0〜15万円まで圧縮でき、入居も速い——ただし「安い」ではなく「支払い方が違う」と理解するのが正確です。

セットアップ=内装費を賃料で分割払いしている

セットアップ区画の賃料は、同ビルのスケルトン区画より1〜2割高く設定されるのが一般的です。つまり初期の内装費を月額に転嫁した構造で、実効コスト=初期費用+(賃料差×入居予定月数)+退去費で比べる必要があります。2〜3年の短期利用や、資金を事業に温存したいスタートアップには合理的。5年超の長期利用なら、自前で作るほうが総額で逆転することも多い——在籍予定期間が判断軸です。

居抜きオフィス=原状回復義務ごと引き継ぐ

居抜きの注意点は店舗と同じで、①造作譲渡料の妥当性(残存価値)②原状回復義務の範囲を誰が引き継ぐかの契約明記 ③引き継ぐ間仕切りが自社レイアウトと合うか、の3点です。特に②は、前テナントの造作まで含めた回復義務を負わされると、退去時に想定外の請求になります。会議室の位置が合えば、居抜きは間仕切り工事(本記事の主役コスト)を丸ごと省ける強力な選択肢です。

「3年トータル」で比べると答えが変わる

初期費用だけで比べると、入居後の賃料プレミアムと退去時の原状回復費で逆転が起きます。30坪・3年利用の全国目安で並べると次の通りです。

スケルトン+C工事フル(30坪・3年)

初期(内装)900〜1,800万円

期間中の上乗せ
退去時180〜300万円
3年合計の目安約1,080〜2,100万円

セットアップオフィス(30坪・3年)

初期(内装)0〜300万円
期間中の上乗せ賃料プレミアム 約320〜650万円(坪3,000〜6,000円/月×36ヶ月)
退去時50〜150万円
3年合計の目安約370〜1,100万円

居抜きオフィス(30坪・3年)

初期(内装)300〜600万円+造作譲渡0〜200万円
期間中の上乗せ
退去時0〜300万円(引継条件次第)
3年合計の目安約300〜1,100万円

坪単価と賃料の公開レンジからの試算例です。3年未満の短期利用ではセットアップ・居抜きが逆転しやすく、5年超ならC工事フルの自由度と減価が効いてきます。なお発注時期も総額に効きます。繁忙期(1〜3月・9〜10月)を避けた閑散期発注で、50坪級では100〜200万円の差が出るという実務情報も公開されています。

つまり正解は企業のフェーズで変わります。人数変動が読めない創業期・拡大期は初期を軽くするセットアップが合理、空間をブランドとして使う成長期はスケルトン、コストと自由度のバランスなら居抜き。3タイプの構造と退去時条件まで含めた詳しい比較は居抜き・スケルトン・セットアップの違いと選び方で、原状回復の相場と減額の考え方はオフィスの原状回復費用で解説しています。

オフィス居抜きの執務室:立川市のオフィス(東京都・約60坪・工期約20日)施工:株式会社S plus Design's
写真:立川市のオフィス(東京都・約60坪・オフィス居抜き・工期約20日=公式記載)施工:株式会社S plus Design's。既存の区画と設備を活かした居抜き改装の例|この事例の詳細(事例集)

規模別モデル予算──10坪・20坪・30坪・50坪・100坪

規模別に、人数の目安(1人3.8坪換算)とスタンダード帯の工事費・総額モデルを整理します(100坪は2フロア・分割工事の判断が入る帯として追加)。小規模ほど坪単価が高く出るのは、トイレ・給湯・エントランスという固定要素が少ない坪数に割り掛かるためです。

10坪(2〜3人)

150〜450万
  • 1席総投資60〜160万円
  • 向き士業・SOHO・サテライト

20坪(5〜6人)

400〜800万
  • 1席総投資75〜150万円
  • 向き会議室1〜2室の標準構成

30坪(8〜10人)

600〜1,200万
  • 1席総投資70〜140万円
  • 向き受付+会議室2室が可能

50坪(13〜15人)

1,000〜2,000万
  • 1席総投資75〜145万円
  • 向きゾーニング設計の効果大

100坪(26〜28人)

2,000〜4,000万
  • 1席総投資80〜175万円
  • 向きB工事・工程管理が総額を決める。2フロア・分割工事も

各レンジはスタンダード帯(坪20〜40万円)+什器・配線を含む三点の目安です。ミニマム構成なら下限をさらに3割下げられ、ハイグレードなら上限が5割伸びます。「事務所 内装」で調べている2〜5人規模の方は10坪カードが該当し、この規模ではセットアップオフィスや既存内装の活用が最有力候補になります。坪単価という指標の扱いは坪単価ガイドで詳述しています。

小規模オフィスの施工写真:仙台市青葉区のオフィス(宮城県・80㎡=約24坪)施工:株式会社仙杜工務店──衛生機器を最小化して執務面積を確保
写真:仙台市青葉区のオフィス(宮城県・80㎡=約24坪換算・公式記載)施工:株式会社仙杜工務店。〜30坪帯では給湯・トイレなど固定要素の寸法が執務席数を直接決める|この事例の詳細(事例集)
大規模オフィスの会議室:Thoth Pte.Ltd. 札幌オフィス(北海道・165席・2フロア)施工:カエル・デザイン・プロジェクト株式会社
写真:Thoth Pte.Ltd. 札幌オフィス(北海道・165席・2フロア)施工:カエル・デザイン・プロジェクト株式会社。100坪超はB工事を極力不要にする計画と工程が総額を左右する(公式記載)|この事例の詳細(事例集)

エントランスは採用投資──受付・サインの費用

執務席が「守り」の投資なら、エントランスは唯一の「攻め」の投資です。来客と採用候補者が会社を評価する最初の3秒がここで決まるため、近年はエントランスに予算を寄せる設計が主流になっています。

費用の目安は、ロゴサイン(切文字・箱文字)10〜40万円、受付カウンターまたは無人受付端末まわりの造作15〜60万円、ブランドウォール(意匠壁+照明)20〜150万円——一式で50〜300万円の幅です。面積のわりに単価が高いゾーンですが、写真に写るのはここと会議室だけ、という現実を踏まえると、採用ページ・SNSに載る「絵」への投資として回収筋が読めます。執務ゾーンをミニマムに絞り、浮いた分をエントランスと会議室に集中させる——これがオフィス版の「見せ場集中」です。

エントランスの決め方・スタイル・サインの視認距離則・工事区分の地雷まで、作り方の全体はオフィスエントランス・受付のデザイン完全ガイド(費用シミュレーター付き)で詳しく解説しています。

受付・発光サインの施工写真:株式会社I-PRO 札幌オフィス(北海道)施工:タカハシアートプランニング株式会社
写真:株式会社I-PRO 札幌オフィス(北海道)施工:タカハシアートプランニング株式会社。木目の受付壁に背面発光サイン——造作壁1面+電気工事で完結する「顔」の作り方|この事例の詳細(事例集)

会議室・防音・Web会議ブース

Web会議が標準になった今、オフィスの音問題は「隣の会議室の声」から「執務席の通話音」に移りました。対策は段階制で考えます。

吸音——会議室内の反響を抑える吸音パネルは1枚数千円〜数万円で、Web会議の音質改善としては最もコスパの良い投資です。②遮音——隣室に漏らさないには、スチールパーティション+欄間クローズ+(必要なら)間仕切り内へのグラスウール充填で、アルミ比+2〜5割の費用感。人事面談室・商談室はここまでやる価値があります。③個室ブース——1人用のWeb会議ブース(既製品)は1台100万円台〜が目安で、リース・レンタルの選択肢も豊富。造作で電話室を作るより、移転時に持っていける既製ブースが主流になりつつあります。音を「どの部屋に閉じ込めるか」を最初に決めると、全室高遮音という過剰投資を避けられます。

ガラス張りの会議室:立川市のオフィス(東京都・約60坪)施工:株式会社S plus Design's
写真:立川市のオフィス(東京都・約60坪)施工:株式会社S plus Design's。ガラスパーティションの会議室——開放感と引き換えに遮音は控えめ、視線は通る|この事例の詳細(事例集)

間仕切り・会議室の構成は、実際の施工写真で見比べるのが早道です。会議室・応接・Web会議ブースの施工事例(事例集)では、可動間仕切り・機能付き間仕切り・応接主体の4件を写真と工事内容で並べています。

法規と管理規約──消防・衛生基準・ビルのルール

消防──間仕切りを立てた瞬間に発生する義務

天井まで届く間仕切りで部屋を作ると、その部屋にも火災感知器・非常照明・誘導灯が必要になり、増設・移設は多くのビルでB工事です。また、間仕切り変更を伴う工事では所轄消防署への届出(防火対象物工事等計画の届出など・自治体運用)が求められる場合があり、カーペット・カーテン類は防炎物品の指定が一般的です。「パーティションを立てるだけだから届出不要」と思い込まず、工事会社と管理会社に消防手続きの要否を必ず確認してください(出典:消防法。運用は自治体・所轄で異なります)。

衛生基準──「詰め込み」と「暗さ」の法定ライン

事務所衛生基準規則は、労働者1人あたりの気積10m³以上(おおむね床1.2坪が物理下限)と、作業面の照度として一般的な事務作業300ルクス以上(付随的な事務作業150ルクス以上)を義務づけています。なお快適性の設計目安としてはJISの照明基準(JIS Z 9110)が事務室でおおむね750ルクス級を推奨しており、法の最低ラインと設計の推奨値は別物——コスト削減で照明を間引く際も、300ルクスは下回れない床として覚えておいてください(出典:事務所衛生基準規則、JIS Z 9110)。

ビル管理規約──もうひとつの「法律」

工事申請の期限、作業可能時間(夜間・休日指定)、養生ルート、搬入エレベーターの予約——ビルごとの管理規約は、法律と同じ強さで工期と費用を縛ります。特に作業時間が夜間に限定されるビルでは人件費が1〜2割上がるため、見積もり前に工事会社へ規約を渡すことが、後出し増額を防ぐ最短ルートです。

コストダウンの正攻法──順番と現実解

正攻法:順番を間違えない

効果が大きい順に、①間仕切りを減らすレイアウト——壁の代わりに収納什器・グリーンでゾーニングすれば、間仕切り費と天井裏コストが同時に消えます ②欄間オープンの使い分け——遮音が要る部屋だけ天井到達に ③セットアップ・居抜きの検討中古オフィス家具——オフィス什器は中古市場が最も厚い分野で、新品の3〜5割で状態の良いデスク・チェアが流通します ⑤退去時は造作譲渡——次のテナントに内装を引き継げれば、原状回復費を相殺できます。

4つの現実解──発注時期・同業種居抜き・B工事のC工事化・範囲を揃える

発注時期を選ぶ——内装業界の繁忙期(1〜3月・9〜12月)を避け、4〜6月の閑散期に発注すると価格交渉も職人の確保も通りやすくなります。②同業種の居抜きを狙う——前テナントがオフィス、それもレイアウト思想が近い会社なら、OAフロアやLAN配管を流用でき改装費を大きく圧縮できます。③B工事のC工事化を交渉する——LAN配線や照明交換など、ビル側と交渉してC工事に切り替えられる項目を一つずつ確認します。④範囲を揃えた相見積もりを取る——C工事は業者間で数十%の価格差が出る領域です。値引き交渉より先に、範囲を揃えて比較できる状態をつくることが結果的に最大の減額になります(相見積もりの4ステップ)。

DIYの線引き

やってよい:壁の塗装、家具の組立・配置、吸音パネルの貼付、装飾。資格・プロが必須:電源コンセントの増設・移設(電気工事士の独占業務)、天井裏・床下に入る作業、消防設備に関わる一切。なおLANケーブルの配線自体は無資格でも可能ですが、OAフロア下や天井裏を通す施工は断線・将来のメンテ性の観点からプロに任せるのが実務の定石です。電気の素人工事は法令違反かつ火災リスク——ここだけは絶対に越えないでください。

工期とスケジュール

オフィス開設・移転の流れと工期の目安① 物件選定(工事区分表・原状回復条項を契約前に確認)② レイアウト設計・相見積もり(2〜3社)+B工事概算 1〜1.5ヶ月③ ビル側承認・B工事見積もり・消防手続き 2〜4週間(先行必須)④ 施工:居抜き/セットアップ2〜4週間/20〜30坪 1〜1.5ヶ月⑤ 什器搬入・LAN開通・引越し → 業務開始旧オフィスの解約予告(一般に6ヶ月前)と原状回復期間が全体工程の上限を決める。回線工事(インターネット)は申込みから1〜2ヶ月かかることがあり、最初に手配

施工そのものは居抜き・セットアップで2〜4週間、20〜30坪のスタンダードで1〜1.5ヶ月、50坪超や設計込みで2〜3ヶ月が目安です。オフィス特有のボトルネックは施工の前後にあります。前——ビル側の図面承認とB工事見積もり(2〜4週間)は着工の前提条件で、ここを並行で進めないと工期が丸ごと後ろへずれます。後——インターネット回線の開通は申込みから1〜2ヶ月かかる場合があり、「内装は完成したのにネットがない」は移転の定番事故です。そして全体の上限を決めるのは、旧オフィスの解約予告(事業用は6ヶ月前が一般的)と原状回復期間。移転は「新オフィスの工程」と「旧オフィスの出口」の2本立てで管理してください。

旧オフィス側の標準工程は、解約予告(6ヶ月前)→原状回復の指定業者見積もり(2〜4週間)→回復工事(2〜4週間)→明け渡し検査。新旧の賃料が二重にかかる期間を1〜2ヶ月に収める工程設計が、実は内装の値引き交渉より大きな金額を動かします。

いまの発注環境で確認すべき2点

建設資材の価格と職人の手配状況は動きが続いているため、①受け取った見積書の有効期限(30〜60日が一般的)と、②繁忙期(年度末・年末)は工期が通常より延びる前提の2点を最初に確認してください。有効期限切れの見積で発注すると再見積で単価が変わることがあり、繁忙期の入居逆算では予備期間を2〜3週間多めに取るのが安全です。

内装業者の選び方と施工事例の見方

オフィスの内装は「レイアウト設計と配線設計の一体提案」「B工事・管理会社との調整経験」「会議室・OAフロアの施工品質」で会社の実力差が出ます。

会社選定の確認ポイント

  • オフィスの施工実績があるか──会議室・エントランス・OAフロアの写真で確認(店舗専門とは勘所が違う)
  • レイアウト図と一緒に電源・LANの口数計画まで出してくるか(1席3〜4口の設計)
  • ビル管理会社・B工事業者との調整を代行した経験があるか
  • 1席単価・入退去トータルという言葉で会話が成立するか
  • 解体・開口後の追加費用の扱い(単価表・報告ルール)を契約前に明文化できるか

実際の空気感は写真が一番速い判断材料です。当サイトに掲載の内装会社が施工したオフィス20事例を、執務・会議室・エントランス・リフレッシュ別に写真と工事内容で並べたオフィス内装デザイン事例20選を先に見ると、要望を「近い事例2〜3件」で伝えられます。たとえば兵庫県のオフィスの内装デザイン事例大阪府のオフィスの内装デザイン事例のように、公開されている施工事例で間仕切り・エントランス・執務ゾーンの作り方を見比べてから相談に進むと、要望が具体的に伝わります。地域の相場感とコスト圧縮の具体策は東京の店舗・オフィス内装を安くする方法大阪の店舗・オフィス内装を安くする方法も参照してください。

見積もりは同一要件で2〜3社が基本です。要件書には、坪数と人数・グレード帯・会議室の数と遮音要否・物件の工事区分(B工事範囲)・入居希望日を明記して前提をそろえてください。前提がそろって初めて、金額差は「会社の実力差」として読めます。

実際の施工事例から会社を探す

当サイト掲載のオフィス・事務所の内装事例です。所在地・工事内容・手がけた会社を写真つきで確認できます。

休憩スペースの施工写真:日鋪建設株式会社 関東南支店(東京都)施工:カエル・デザイン・プロジェクト株式会社──吊り植栽と吊り照明で仕切る
写真:日鋪建設株式会社 関東南支店(東京都)施工:カエル・デザイン・プロジェクト株式会社。壁を建てず吊り植栽・吊り照明で休憩スペースを緩やかに仕切った部分改装|この事例の詳細(事例集)

見積もりを取る段階に進むなら

本ページで器(総額・1席単価)と中身(単価表・工事区分)をつかんだら、次は同じ条件で3社に依頼する段階です。オフィス内装の見積もり主頁には、条件を揃える依頼テンプレ10項目・見積書が届いたら見る7点・隠れコスト6つと、オフィス対応の内装会社12社(法人名を公式サイトで確認)の施工写真12枚をまとめています。業者タイプの見分け方はオフィス内装業者の選び方(4タイプ・15項目チェック)へ。

よくある質問

オフィスの内装費用は坪いくらですか?

借主側の内装工事(C工事)の一般的な目安で、ミニマム坪10〜20万円、スタンダード坪20〜40万円、ハイグレード坪40〜70万円です。セットアップ・居抜きなら坪0〜15万円まで下がります。別枠で什器1席5〜15万円・配線1席2〜5万円、ビル側のB工事費を見込んでください。

20坪のオフィスの内装費用の総額はいくらですか?

スタンダード帯で工事400〜800万円、什器・配線まで含めて450〜900万円前後が一般的な目安です。5〜6人規模に相当し、会議室1〜2室を含む構成が可能です。ミニマム構成なら下限を3割ほど下げられ、ハイグレードなら上限が5割ほど伸びます。

50坪・100坪だと総額はどのくらいですか?

スタンダード帯の工事費で50坪は1,000〜2,000万円、100坪は2,000〜4,000万円が目安で、これに什器・配線(1席7〜20万円)とB工事、原状回復の引当を別枠で足します。100坪超はB工事の範囲と工程が総額を左右するため、契約前に工事区分表とB工事概算の確認が欠かせません。

相場が坪10万円から80万円まで割れているのはなぜですか?

どこまでを数えた数字か(C工事のみ/什器込み/B工事・設計費込み)、物件の状態(居抜き⇄スケルトン)、会議室や受付をどこまで造作するか、そして記事の時期(資材・労務単価の上昇)で同じ坪数の数字が数倍動くためです。本記事はC工事のみを基準にし、他サイトの数字は翻訳表で範囲を揃えてから比べることを勧めています。

会議室1室はいくらかかりますか?

6人用の会議室1室で、アルミパーティション30〜60万円、スチール60〜120万円、造作壁50〜100万円、ガラス120〜250万円が一般的な目安です。天井まで塞ぐと感知器・空調の増移設(多くはB工事)が連動するため、欄間の扱いで総額が変わります。

B工事とは何ですか?なぜ最初の見積もりに入っていないのですか?

ビル所有者が指定する業者が行う工事で、防災設備・空調の移設・給排水幹線などが代表例です。借主が業者を選べず、内装会社の見積もり(C工事)とは別に管理会社経由で提示されるため、最初の見積書には載らないことが多いのです。契約前に工事区分表と概算を確認し、C工事に切り替えられる項目がないかも交渉してください。

退去時の原状回復費はいくらかかりますか?

目安は小・中規模オフィスで坪2〜5万円、大規模で5〜10万円、ハイグレードビルでは坪10万円超もあります。オフィスは住宅と違い経年劣化分も借主負担が原則で、指定業者制度により初回見積が高く出やすい構造です。明細形式の見積で内容を精査し、入居前に契約特約で範囲を確認してください。

セットアップオフィスと自前で作るのはどちらが得ですか?

入居から退去までの総額で比べます。セットアップは初期がほぼゼロの代わりに、内装・什器分が賃料に上乗せ(同ビルのスケルトン区画より1〜2割高が一般的)され、数年で数百万円規模になり得ます。在籍予定が2〜3年の短期や人数変動が読めない時期はセットアップ、5年超の長期や空間をブランドとして使うならスケルトンが総額で逆転しやすい、というのが一般的な判断軸です。

工期はどのくらいかかりますか?

施工そのものは居抜き・セットアップで2〜4週間、20〜30坪のスタンダードで1〜1.5ヶ月、50坪超や設計込みで2〜3ヶ月が目安です。前段のビル側承認・B工事見積もり・消防手続きに2〜4週間、インターネット回線の申込みに1〜2ヶ月かかることがあるため、移転日から逆算して先に手配してください。

いつ発注すると安くなりますか?

1〜3月・9〜10月の繁忙期は見積もりが2〜3割高く出やすく、5〜7月の閑散期が定石です。移転日は工事の季節からも逆算し、繁忙期をまたぐ場合は早めに発注時期を固定するのが実務的です。

フリーアドレスと固定席で内装費用は変わりますか?

フリーアドレスは共有デスクでデスク数と間仕切りが少なく、配線を共有スペースに集約できるため、什器・配線・間仕切りの費用を抑えやすい構成です。固定席は個別デスクと収納、各席への配線が必要になり総額が上がりやすくなります。ただし個人ロッカーの追加や働き方との相性があるため、席数ではなく1席単価と運用で判断してください。

掲載されている内装会社に相談できますか?

できます。本記事と事例集に掲載しているのは店舗内装ドットコムの内装会社の施工事例で、要件(坪数・人数・グレード・会議室数・物件の工事区分・入居希望日)を添えて一括見積もりを依頼すると同じ範囲で比較できます。発注者の利用は無料です。

まとめ──数字の骨格をつかんだら、相見積もりへ

オフィスの内装費用は、①人数×3.8坪で広さを決め、②1席単価(42〜180万円)で見積もりの妥当性と漏れを判定し、③床下・天井裏とB工事という「見えない半分」を最初から予算に積み、④原状回復まで含めた入退去トータルで物件と工事を選ぶ——この4段で、「坪10〜40万円」という霧の中から自社の数字が取り出せます。

最後の精度を出すのは、現地とビル規約を見た複数社の見積もりだけです。同一要件・2〜3社・10カテゴリ仕分けで比較すれば、金額の妥当性は自分で判定できます。

届いた見積書の判定手順(C工事への戻し方・坪単価と1席単価の換算・減額交渉の順番)はオフィス内装の見積書の読み方にまとめています。

気積10m³/人・CO2管理を含む換気の法定横断と、全熱交換機(ロスナイ等)の採用判断は店舗の24時間換気・給排気設計完全ガイドで詳述しています。

自分の業種の数字がつかめたら、他業種との比較で相場感を立体化できます。店舗内装費用の相場一覧(60業種の坪単価比較・シミュレーター付き)で横断できます。

関連ガイド

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この記事について(運営者情報)

本記事は、店舗内装ドットコム(株式会社BPBコンサルティング運営)が、当サイトに公開されている施工事例と、公的資料・規格(ザイマックス不動産総合研究所「1人あたりオフィス面積調査」、事務所衛生基準規則、消防法、JIS Z 9110 照明基準総則)を整理して作成・更新しています。記載の金額はいずれも一般的な目安であり、正確な費用はビルの工事区分・管理規約と現地調査を経た見積もりでのみ確定します。契約・法規の運用は物件・自治体ごとに異なるため、重要な判断は専門家への確認をおすすめします。

作成・検証の方法:記載レンジは、公開されている複数の施工会社・専門メディアの提示額を横断照合し、重なり合う帯を採用したうえで、公的調査・法令の数値(1人あたり面積・気積・照度基準)と突合して作成しています。制度・相場の変化にあわせて定期的に見直します。掲載写真は当サイト掲載の内装会社が施工したオフィスの実物で、各社の許諾のもと自サイトに保存して掲載し、施工法人名を明記しています(詳細は事例集)。写真の事例と本文の金額レンジは対応しておらず、個別事例の工事費は公表していません。2026年8月の改訂:数える範囲の図解、工事項目別の単価表、入居から退去まで3年トータルの章、施工写真、シミュレーターの会議室数・受付造作対応を追加しました。

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