串揚げ店のスケルトン開業ガイド|串揚げ鍋・カウンター・大型ダクトと業態別レイアウト

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このガイドの要点

  • 串揚げ店スケルトン開業の坪単価は標準55〜80万円・中位80〜115万円・高級115〜160万円が一般的
  • 串揚げ鍋・大型ダクト排気・カウンター・ソース壺・大型冷蔵庫が5大設備論点
  • 本格カウンター串揚げは各席対面型の油鍋(180〜200℃)と各席ダクト排気が必須
  • 業態(立ち食い串揚げ/町串揚げ/本格カウンター串揚げ/串カツ専門/串揚げ居酒屋/コース串揚げ)で席数・客単価が大きく変わる
  • 20坪・カウンター10席+テーブル10席規模で総事業費1,200〜3,500万円、工期4〜7ヶ月が標準的なレンジ
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串揚げ店スケルトン物件の全体像と居抜きとの違い

串揚げ店のスケルトン開業は、内装・設備が一切ない状態の物件から、厨房・串揚げ鍋・カウンター・客席・ソース壺・スタッフバックヤードを一からゼロベースで設計する開業手法です。居抜き開業(既存設備を流用)と比較して総投資額が増える反面、業態に応じた最適なレイアウトと動線を実現でき、長期的なオペレーション効率と差別化に直結します。本ガイドでは、坪単価60万円台の標準仕様から坪単価150万円台のフラッグシップ仕様まで、業態別の判断軸を実務目線で整理します。

🏗️ スケルトン開業

1,200〜4,000万円
  • 初期投資大きい
  • 工期4〜7ヶ月
  • 設計自由度完全自由
  • 業態適合最適化可能
  • 差別化意匠・コンセプト容易
  • 耐用年数10〜15年

🔄 居抜き開業

400〜1,500万円
  • 初期投資小さい
  • 工期1〜3ヶ月
  • 設計自由度制約あり
  • 業態適合前テナント次第
  • 差別化難易度高い
  • 残存リスク劣化設備の引継

スケルトンを選ぶべき判断軸

スケルトンを選ぶ典型的なシーンは、(1)業態が前テナントと大きく異なる場合、(2)ブランディング・意匠で差別化したい場合、(3)串揚げ鍋配置・カウンター・客席動線を業態に最適化したい場合、(4)10年以上の長期運用を前提にしている場合、(5)カウンター対面油鍋・ソース壺・座敷・個室など特殊レイアウトが必要な場合です。逆に、初期投資抑制と早期開業を優先するなら居抜きが合理的です。両者は対立する選択肢ではなく、自店舗の事業計画・資金計画・差別化戦略から逆算して選択する性質のものです。

居抜きとの併用検討:「セミ居抜き」も実務的選択肢

「躯体・配管・電気は活かしつつ、内装・什器は新調」というセミ居抜きパターンも実務上は有効です。スケルトンほどの自由度はないものの、給排水経路・電気容量・換気の基本骨格を流用することで、坪単価を20〜35%圧縮できるケースもあります。物件選定段階で、どの設備が引継可能かを設備士・内装会社と精査することが、最適な選択につながります。

串揚げ店でスケルトンを選ぶべき5つのケース

串揚げ店開業でスケルトン施工を選ぶべき典型的なケースは5パターンに集約されます。自店舗の状況に当てはまるケースが2つ以上あれば、スケルトン優位と判断できます。逆にいずれにも該当しないなら、居抜き・セミ居抜きでの早期開業も合理的な選択肢です。

ケース1 業態が前テナントと大きく異なる

カフェ・物販店・オフィス跡地に串揚げ店を開業する場合、排気ダクト・大容量GT・串揚げ鍋・床下排水がほぼ未整備で、スケルトン施工で全てを構築する必要があります。前テナントとの業態ギャップが大きいほど、新設の方がコスト効率が高いケースが多いです。

ケース2 ブランディング・意匠で差別化したい

立ち食い串揚げ、町串揚げ、本格カウンター串揚げ、串カツ専門、串揚げ居酒屋、コース串揚げ、テイクアウト串揚げ、串揚げバル、デリバリー特化といった意匠重視のコンセプトでは、内装・什器・照明・サインのすべてをブランディングの一環として設計する必要があります。スケルトンであれば、ブランドガイドラインに完全準拠した空間を構築できます。

ケース3 串揚げ鍋配置・カウンター・客席動線を最適化したい

立ち食い型はカウンター70%・厨房25%・バック5%、町串揚げ型は客席60%・厨房25%・カウンター10%・バック5%、本格カウンター型はカウンター50%・厨房25%・客席15%・バック10%と、業態により最適な面積配分が大きく異なります。居抜きのレイアウトを業態に合わせて改修すると、結局スケルトンに近い工事費になるケースもあり、最初から最適設計を組む方が長期的に効率的です。

ケース4 10年以上の長期運用を前提

10年以上の長期運用を前提にする場合、串揚げ鍋・カウンター・ダクト・配管の耐用年数(一般的に10〜15年)と減価償却の観点から、スケルトン施工の方が結果的にトータルコストが低くなることがあります。長期コミットメントの事業計画なら、最初から新設で耐用年数フルに使う方が合理的です。

ケース5 カウンター対面油鍋・ソース壺・座敷・個室への対応

本格カウンター串揚げ鍋(各席対面型・1台30〜80万円)、ソース壺(共用または各席)、各席対面型ダクト排気、座敷席(床下掘り下げ)、特注カウンター(厚70〜100mm)を導入する場合、間仕切り・床下加工・配管・換気の特殊対応が必要となります。一般的な飲食居抜き物件ではこれらの対応はほぼ不可能で、最初からスケルトン施工で組み込む方が安全かつ効率的です。

串揚げ店スケルトン適合度セルフチェック5項目

  • 前テナントが非飲食業種で、串揚げ鍋・大型ダクトが未整備が未整備である
  • 独自のブランディング・意匠コンセプトを持っている
  • 業態に応じた串揚げ鍋配置・カウンター・客席動線を求めている
  • 10年以上の長期運用を事業計画で前提にしている
  • カウンター対面油鍋・ソース壺・座敷・個室を予定している

食品衛生法・建築基準法・消防法に基づく串揚げ店の施設要件

串揚げ店のスケルトン開業では、関係法令の主要要点の5法令に基づく施設要件への適合が必須です。設計初期段階から所轄行政と事前協議し、施設構造設備基準・許可要件の論点を確定させることが、開業時期遅延と追加工事を防ぐ最大の打ち手となります。本セクションでは、5法令の主要要件を実務目線で整理します。

食品衛生法と串揚げ店の特殊扱い

串揚げ店は食品衛生法に基づく飲食店営業許可(保健所所轄)が必要です。施設要件は、(1)食品取扱区域の床・壁・天井の不浸透性・耐水性・清掃容易性、(2)手洗い設備、(3)2槽式シンク、(4)冷蔵冷凍設備、(5)鼠族・昆虫の侵入防止対策、(6)排水設備(大容量グリストラップ)の6点が中核です。本格カウンター串揚げ店では客席至近で180〜200℃の高温調理が行われるため、防火・換気の特殊要件があり、所轄保健所により細部の解釈が異なるため、図面確定前の事前協議が必須です。詳細は厚生労働省を参照してください。

建築基準法・用途地域・建物用途

串揚げ店は建築基準法上の用途地域による出店制限があります。物件契約前に必ず用途地域と建物の確認済証・検査済証を取得し、所轄行政の建築指導課で確認することが必須です。詳細は国土交通省 建築基準法関連情報を参照してください。

消防法と内装制限

串揚げ店は消防法施行令別表第一(3)項ロに分類される飲食店で、内装制限・排煙設備・自動火災報知設備・消火器・誘導灯の設置が必要です。延べ150㎡以上または地階・無窓階の場合は、内装の天井・壁を準不燃材料以上で仕上げる必要があります。串揚げ鍋(油温180〜200℃)の防火距離・客席との距離・大型排気が論点となります。所轄消防署と事前協議が必須です。詳細は消防庁 法令等を参照してください。

労働安全衛生法・その他

労働安全衛生法では、スタッフ更衣室・休憩室・トイレの設置、十分な換気・照度、調理人の作業姿勢が要件です。廃棄物処理法では、生ごみ・廃食用油の分別保管、廃食用油は産業廃棄物扱いで専門業者への委託契約が必要(串揚げ店は廃食用油発生量が多く、専用契約必須)です。

法令 主要要件 所管行政
食品衛生法 飲食店営業許可・施設構造設備基準・食品衛生責任者 所轄保健所
建築基準法 用途地域適合・確認済証・検査済証・防火地域 建築指導課
消防法 内装制限・排煙設備・自動火災報知・消火器・防火管理者 所轄消防署
廃棄物処理法 廃食用油・生ごみの分別・保管・処理委託 地域の廃棄物部署
労働安全衛生法 更衣室・休憩室・スタッフトイレ・換気・照度 労働基準監督署

5法令クリアの設計初期チェック10項目

  • 食品衛生法・建築基準法・消防法の施設要件を所轄と事前協議で確定済みか
  • 建築基準法の用途地域適合と確認済証・検査済証を取得済みか
  • 消防法の内装制限・排煙設備が反映されているか
  • 飲食特有の串揚げ鍋の防火距離・大型ダクトが組み込まれているか
  • ソース壺の衛生管理(二度漬け禁止)が設計に反映されているか
  • 労働安全衛生法の更衣室・休憩室・スタッフトイレが組み込まれているか
  • 排気・換気の設計が業態に応じた水準になっているか
  • 近隣への串揚げ油煙・ソース香の近隣拡散対策が設計に組み込まれているか
  • 搬入経路と什器サイズの整合が確認されているか
  • 原状回復範囲が賃貸借契約で明文化されているか

串揚げ店の坪単価相場とグレード別予算

串揚げ店のスケルトン施工坪単価は、内装グレード(標準/中位/高級)と業態の組合せで大きく変動します。標準グレードの立ち食い・町串揚げ型で坪55〜80万円、中位グレードの本格カウンター・串カツ専門で坪80〜115万円、高級グレードのコース串揚げ・串揚げバルで坪115〜160万円が相場です。15坪規模で825〜2,400万円、20坪規模で1,100〜3,200万円、30坪規模で1,650〜4,800万円が目安となります。本セクションでは、グレード別予算と業態適合性を整理します。

串揚げ店スケルトン施工の坪単価レンジ比較(業態×グレード)

立ち食い串揚げ・標準 55〜75万円/坪
町串揚げ・標準 60〜85万円/坪
串カツ専門・中位 80〜100万円/坪
本格カウンター・中位 90〜115万円/坪
コース串揚げ・高級 115〜140万円/坪
串揚げバル・高級 130〜160万円/坪

標準グレード(坪単価55〜80万円)

客単価
1,200〜2,500円
ランチ・ディナー両用
想定坪数
10〜20坪
小〜中規模
総予算
550〜1,600万円
10〜20坪×坪単価
坪単価
55〜80万円
塩ビ・既製

塩ビタイル床・ビニールクロス・既製カウンター・標準串揚げ鍋の構成。1日40〜80席規模、客単価1,200〜2,500円の立ち食い・町串揚げに適合。15坪で825〜1,200万円。

中位グレード(坪単価80〜115万円)

客単価
3,000〜5,500円
ディナー主軸
想定坪数
15〜30坪
中規模出店
総予算
1,200〜3,450万円
15〜30坪×坪単価
坪単価
80〜115万円
部分カウンター

フローリング・塗装壁・吸音天井・部分カウンター・本格串揚げ鍋の組合せ。客単価3,000〜5,500円の串カツ専門・本格カウンター串揚げに適合。20坪で1,600〜2,300万円。

高級グレード(坪単価115〜160万円)

客単価
6,000〜12,000円
コース・本格
想定坪数
20〜35坪
個室含む
総予算
2,300〜5,600万円
20〜35坪×坪単価
坪単価
115〜160万円
石材・特注

石材床・特注カウンター・大型ダクト・本格串揚げ鍋複数台の構成。客単価6,000〜12,000円のコース串揚げ・串揚げバルに適合。20坪で2,300〜3,200万円。

業態別予算配分の目安

業態 推奨坪数 客単価 坪単価レンジ 総事業費目安 差別化要素
立ち食い串揚げ 8〜15坪 1,200〜2,200円 10〜20席 駅前小型
町串揚げ 20〜30坪 2,000〜3,500円 20〜30席 座敷併設
串カツ専門 20〜30坪 1,800〜3,000円 20〜30席 大阪式
本格カウンター 20〜30坪 5,000〜8,000円 12〜20席 本格
コース串揚げ 25〜35坪 7,000〜12,000円 12〜20席 コース型
串揚げバル 20〜30坪 3,500〜6,000円 20〜30席 ワイン併設

坪単価には機器・什器・設計費・諸経費を含まないケースが多い

串揚げ店の坪単価は業態とグレードで大きく変動します。

工事費の内訳7区分と串揚げ店特有の論点

串揚げ店のスケルトン工事費は、大きく7区分に分けて見積もりを精査するのが定石です。各区分で串揚げ店特有の追加コスト要因が存在するため、相見積もり時の比較軸として理解しておくと、過不足の判断がつきやすくなります。

7区分の坪単価レンジ比較(中位グレード基準)

区分1 仮設・解体 5〜8%
区分2 間仕切り・建具 8〜12%
区分3 内装仕上げ 18〜25%
区分4 電気・通信 12〜18%
区分5 空調・換気 15〜25%
区分6 給排水・衛生 8〜15%
区分7 厨房・什器・看板 15〜25%

区分1 仮設・解体工事

坪単価
3〜10万円
中位グレード
期間
1〜3週
養生・足場含む
追加要因
150〜500万円
ダクト・GT新設
工期
1〜3週
規模で変動

新築スケルトンであれば解体費はほぼ発生しませんが、既存内装が残るスケルトン戻し物件では、解体・搬出・廃材処分費が坪3〜10万円程度発生します。前テナントが重飲食でない場合、串揚げ鍋用の床下排水補強・大型ダクト経路新設のために床下解体・配管経路新設が必要となるケースがあり、追加150〜500万円が発生します。

区分2 間仕切り・建具工事

坪単価
10〜25万円
個室・座敷込み
期間
2〜4週
個室・座敷含む
費用
+15〜30%
座敷加算
建具
20〜80万円
気密・自動

串揚げ店では、客席ゾーニング(カウンター・テーブル・座敷・個室)、厨房と客席の境界壁、トイレ・スタッフルーム・倉庫の間仕切り、入口風除室の設置が中心です。坪10〜25万円程度の予算配分が目安で、座敷・個室を増やすほど工事費が上振れします。

区分3 内装仕上げ工事

坪単価
18〜35万円
中位グレード
床材
6千〜2.5万円/㎡
防滑・耐熱
壁材
1.5千〜2万円/㎡
意匠・耐熱
天井
6千〜2万円/㎡
吸音・意匠

床・壁・天井の仕上げ材選定では、業態のブランディング・耐熱性・清掃容易性が評価軸です。標準は塩ビタイル・ビニールクロスで坪10〜18万円、中位はフローリング・塗装壁・吸音天井で坪18〜28万円、高級は石材・左官・特注天井で坪28〜45万円が相場です。串揚げ鍋周辺は耐熱・準不燃の特殊仕上げが必要となります。

区分4 電気・通信工事

坪単価
10〜22万円
中位グレード
契約電力
40〜70kVA
20坪規模
動力
三相200V
鍋・冷蔵・空調
追加要因
100〜400万円
幹線増設発生時

串揚げ店の契約電力は、15坪規模で30〜50kVA、20坪規模で40〜70kVA、30坪規模で60〜100kVAが目安。動力は串揚げ鍋(電気式)・大型冷蔵庫・空調で必要、ガス式串揚げ鍋はガス容量も大型対応が必要。ビル既存容量で不足する場合は幹線増設工事が発生します。

区分5 空調・換気工事

坪単価
18〜35万円
中位グレード
換気回数
毎時8〜40回
客席8/厨房25-40
熱負荷
通常の2.5倍
串揚げ鍋発熱
各席ダクト
必須
カウンター

串揚げ店で技術設計が最も問われる区分の一つです。客席は天井埋込カセット型エアコン、厨房は串揚げ鍋発熱対応の冷房強化と独立排気系統、本格カウンター型は各席対面型強化排気が必要です。換気回数は客席で毎時8〜12回、厨房で毎時25〜40回、各カウンター席で毎時20〜30回が推奨。

区分6 給排水・衛生工事

坪単価
12〜25万円
中位グレード
給湯能力
24〜40号
20〜30坪規模
GT容量
400L以上
標準の2倍
廃食用油
産業廃棄物
専門業者契約

串揚げ店では、厨房・洗い場・客席トイレ・スタッフトイレ・大容量グリストラップへの給排水配管が中心。給湯能力は厨房・洗い場で24〜40号、20坪規模で32号、30坪以上は40号以上が推奨。グリストラップは標準型より2倍の容量(油脂分離槽400L以上)が必須で、油脂・残飯対応が必要となります。

区分7 厨房・什器・看板・サイン工事

坪単価
15〜35万円
中位グレード
串揚げ鍋
30〜80万円/台
複数台
特注カウンター
60〜250万円
既製〜特注
看板
30〜180万円
業態で選定

串揚げ鍋(電気/ガス・1台30〜80万円・複数台)、特注カウンター(既製・部分・特注)、業務用大型冷蔵冷凍庫、ソース壺・小皿、客席什器(テーブル・椅子・座敷座卓)、看板・誘導サインが含まれます。本格カウンター型は特注カウンター60〜250万円、串揚げ鍋2〜4台で60〜320万円が目安です。

区分 主な内容 標準G坪単価 中位G坪単価 高級G坪単価 串揚げ店特有の追加要因
区分1 仮設・解体 3〜10万円 養生・廃材
区分2 間仕切り・建具 8〜20万円 ゾーニング
区分3 内装仕上げ 15〜35万円 床壁天井
区分4 電気・通信 10〜22万円 幹線・分電盤
区分5 空調・換気 15〜30万円 業態依存
区分6 給排水・衛生 12〜25万円 GT・配管
区分7 什器・看板 15〜35万円 造作・サイン

見積もり比較で確認すべき5論点

串揚げ店スケルトン施工では、空調・換気と串揚げ鍋・特注カウンターが高コスト要因です。

厨房・串揚げ鍋・カウンター・客席・ソース壺・スタッフバックヤードの設計要件

串揚げ店の設計の中核は、串揚げ店の設計核心は、(1)串揚げ鍋(防火距離・大型ダクト)、(2)カウンター(職人作業域・客席間隔)、(3)厨房動線、(4)客席ゾーニング(カウンター・テーブル・座敷)の4要素です。です。これらは業態と運用方針によって最適配置が大きく異なるため、内装設計の初期段階から業態を確定して織り込む必要があります。

設備別の投資配分目安

串揚げ鍋2〜4台 60〜320万円
特注カウンター 60〜250万円
大型ダクト・排気 200〜500万円
業務用冷蔵庫 80〜250万円
看板・暖簾 30〜180万円

串揚げ鍋エリア

鍋径
40〜70cm
業態で選定
容量
30〜80L
油量
油温
180〜200℃
高温管理
防火距離
50cm以上
耐熱仕上

電気串揚げ鍋(直径40〜70cm・容量30〜80L・1台30〜60万円)、ガス串揚げ鍋(同サイズ・1台40〜80万円)の2方式。本格カウンター型では各席対面型ダクトが必須、油温180〜200℃の高温調理のため周囲50cm以上の防火距離・耐熱仕上が要件。

カウンター(本格カウンター型)

カウンター厚
70〜100mm
本格
作業域
90cm以上
職人動作
客席間隔
70〜80cm
鍋幅含む
理想席数
8〜12席
品質維持

本格カウンターは厚70〜100mm・長さ2〜5m・職人作業域90cm以上・客席間隔70〜80cm(油鍋幅含む)が標準。本格カウンター型では8〜12席が理想、それ以上では職人の手が回らず品質が低下します。客側から見える串揚げ鍋配置が集客の核心。

客席(テーブル・座敷・個室)

テーブル
1.4〜1.8㎡/席
串揚げ専門
座敷
1.6〜2.2㎡/席
畳席
個室
2.0〜3.0㎡/席
差別化要素
通路幅
100cm以上
配膳動線

テーブル席は1席1.4〜1.8㎡(串揚げ専門は皿数多く広め)、座敷席は1席1.6〜2.2㎡、個室席は1席2.0〜3.0㎡が標準。町串揚げ型は4人卓6〜10台、本格カウンター型はカウンター8〜12席+テーブル4〜8卓、コース型はカウンター+個室3〜5室の構成が一般的。

ソース壺・廃食用油保管

ソース壺
30〜50L共用
または各席小壺
廃油発生
10〜30L/日
産業廃棄物
バック面積
8〜12%
20坪なら1.6〜2.4坪
更衣ロッカー
スタッフ+1
予備用

串揚げ店の特徴であるソース壺は、共用大型壺(容量30〜50L)または各席独立小壺(容量0.5〜1L)の2方式。共用大型壺は「二度漬け禁止」の衛生管理ルール明示が必須。廃食用油発生量は1日10〜30Lで、産業廃棄物専門業者への委託契約が必須。スタッフバックヤードは更衣・休憩・倉庫の3機能を全体面積の8〜12%に集約配置。

串揚げ店特有の設備設計チェック10項目

  • 串揚げ鍋の防火距離50cm以上・大型ダクト経路(屋上まで)が確定しているか
  • 本格カウンター型の各席対面型ダクトが組み込まれているか
  • 特注カウンターの厚・長さ・職人作業域90cm以上が業態に適合しているか
  • 客席の1席面積(業態別1.4〜3.0㎡)と通路幅100cm以上が確保されているか
  • 串揚げ鍋の電源・ガス容量が業態に適合しているか
  • GT容量400L以上(油脂分離槽)が組み込まれているか
  • 廃食用油の保管庫・産業廃棄物業者契約が組み込まれているか
  • ソース壺の衛生管理(二度漬け禁止)動線が設計に反映されているか
  • 搬入経路と特注カウンター・大型串揚げ鍋のサイズが整合しているか
  • 近隣(上階住居・隣接店舗)への串揚げ油煙・ソース香対策が組み込まれているか

業態別レイアウトの設計ポイント

串揚げ店は業態・コンセプトによって、必要な機器・客動線・特殊設備が大きく異なります。ここでは、開業時の代表的な7つの業態別に、レイアウトと設備の設計ポイントを整理します。自店舗の方針を明確にすると、坪数・予算配分・機器投資の優先順位が定まりやすくなります。

7業態別の総事業費レンジ比較

立ち食い
町串揚げ
串カツ専門
本格カウンター
コース串揚げ
串揚げバル

立ち食い串揚げ

客単価
1,200〜2,200円
串1本100〜300円
回転数
1日4〜6回転
高速
月商目安
200〜500万円
8〜15坪規模
カウンター
10〜15席
駅前小型

駅前・ビジネス街の高速回転型。カウンター70%・厨房25%・バック5%。客単価1,200〜2,200円、1日4〜6回転で月商200〜500万円。

町串揚げ

客単価
2,000〜3,500円
ランチ・ディナー両用
回転数
1日2.5〜3回転
ディナー主軸
月商目安
400〜800万円
20〜30坪規模
座敷
あり
8〜15席

地域密着型の大衆店。客席60%・厨房25%・カウンター10%・バック5%。客単価2,000〜3,500円、1日2.5〜3回転で月商400〜800万円。

串カツ専門

客単価
1,800〜3,000円
串カツ大阪式
回転数
1日3〜4回転
ランチ高回転
月商目安
400〜800万円
20〜30坪規模
ソース
共用大型壺
二度漬け禁止

大阪式串カツ専門店。客席60%・厨房25%・カウンター10%・バック5%。客単価1,800〜3,000円、1日3〜4回転で月商400〜800万円。

本格カウンター串揚げ

客単価
5,000〜8,000円
本格
回転数
1日1.5〜2回転
ディナー型
月商目安
600〜1,000万円
20〜30坪規模
カウンター
8〜12席
特注

特注カウンターで職人が揚げる本格店。カウンター50%・厨房25%・客席15%・バック10%。客単価5,000〜8,000円、1日1.5〜2回転で月商600〜1,000万円。

コース串揚げ

客単価
7,000〜12,000円
コース専門
回転数
1日1〜1.5回転
コース型
月商目安
600〜1,200万円
25〜35坪規模
個室
2〜4室
差別化

コース料理特化の本格店。カウンター40%・厨房25%・個室20%・バック15%。客単価7,000〜12,000円、1日1〜1.5回転で月商600〜1,200万円。

串揚げバル

客単価
3,500〜6,000円
串+ワイン
回転数
1日2回転
ディナー主軸
月商目安
500〜1,000万円
20〜30坪規模
ワイン
100〜300本
セラー

カジュアル串揚げ+ワインバー。客席55%・厨房25%・バー15%・バック5%。客単価3,500〜6,000円、1日2回転で月商500〜1,000万円。

業態別の総合比較表

業態 推奨坪数 面積比 客席 備考 総事業費レンジ
立ち食い串揚げ 70% 10〜20席 駅前型
町串揚げ 60% 20〜30席 座敷併設
串カツ専門 60% 20〜30席 大阪式
本格カウンター 50% 12〜20席 本格
コース串揚げ 40% 12〜20席 個室
串揚げバル 55% 20〜30席 ワイン併設

戦略選択:回転重視型 vs 客単価型

🔄 回転重視型

回転重視 客単価1,200〜3,500円
  • 業態立ち食い・町串揚げ・串カツ専門
  • 回転数2.5〜6/日
  • 立地駅前・住宅街
  • 内装標準仕様

💎 客単価型

客単価重視 客単価5,000〜12,000円
  • 業態本格カウンター・コース・バル
  • 回転数1〜2/日
  • 立地繁華街・銀座型
  • 内装本格・特注

業態選定の核心

串揚げ店の業態選定は、(1)立地(駅前→立ち食い・串カツ専門、繁華街→本格カウンター・コース・バル、住宅街→町串揚げ、銀座型→コース串揚げ)、(2)客単価戦略(高単価×低回転 or 低単価×高回転)、(3)カウンター主軸かテーブル主軸かの3軸で決定します。最初から業態を絞り込んでスケルトン設計に反映する方が、後の改装コストを抑えられます。

物件選定から開業までの4〜7ヶ月の工程

串揚げ店のスケルトン開業は、物件契約から内覧開業まで4〜7ヶ月を見込みます。串揚げ店のスケルトン開業工程は4〜7ヶ月が標準です。工程は(1)物件選定・契約、(2)基本設計、(3)行政事前協議、(4)実施設計、(5)建築確認・各種届出、(6)内装施工、(7)機器搬入・試運転・行政検査・引渡の7段階で組み立てます。

各段階の進行は、許認可スケジュールは設計段階での事前協議が中核です。の3法令に基づく行政手続きと並走します。

段階別の工程と所要期間

段階 所要期間 主な実務内容 並行タスク
1ヶ月 物件契約 用途地域・容量確認
2-3ヶ月 設計・許認可協議 保健所・消防・建築
4ヶ月 見積・契約 3〜5社相見積もり
5ヶ月 仮設・解体・間仕切り 養生・ゾーニング
6ヶ月 内装仕上げ・設備 床壁天井・電気空調
7ヶ月 什器・検査・調整 保健所・消防検査
8ヶ月 引渡し・開業 スタッフ研修

業態別のクリティカルパス管理

串揚げ店のクリティカルパスは串揚げ鍋ダクトと廃油処理体制の確定です。週次の3社(設計・内装会社・機器メーカー)合同進捗会議が、リスクの早期検知と意思決定の鍵になります。

1(‘物件選定・契約’, ‘1〜2ヶ月’, ‘用途地域・容量・経路確認’)
2(‘設計・許認可’, ‘2〜3ヶ月’, ‘保健所・消防・建築事前協議’)
3(‘見積比較・契約’, ‘1ヶ月’, ‘3〜5社相見積もり’)
4(‘仮設・解体’, ‘1〜2週’, ‘養生・足場・廃材搬出’)
5(‘間仕切り・建具’, ‘2〜4週’, ‘ゾーニング・個室造作’)
6(‘内装仕上げ’, ‘3〜6週’, ‘床壁天井・什器造作’)
7(‘設備工事’, ‘3〜6週’, ‘電気・空調・給排水’)
8(‘検査・調整’, ‘1〜2週’, ‘消防・保健所検査・試運転’)
9(‘引渡し・開業準備’, ‘1週’, ‘スタッフ研修・最終調整’)

工程短縮のための実務ポイント

工期短縮のための実務的な打ち手は、(1)機器発注・施工発注・採用活動の3トラック並行管理、(2)行政事前協議を物件契約と同時に開始、(3)機器メーカーの事前選定と基本設計段階での図面合意、(4)解体・躯体補強・配管・内装仕上・機器据付の工程順序を逆算で組む、(5)内覧会・SNS発信・予約受付を施工後半と並走、の5点に集約されます。

機器メーカー・設計事務所・内装会社の三者連携が肝

串揚げ店開業では、機器メーカー・設計事務所・内装会社の三者が、機器仕様書・電源計画・施工図面を相互に擦り合わせる必要があります。三者連携が早期に成立しないプロジェクトは、図面の差し戻しが3〜5回発生し、結果として工期が1〜2ヶ月遅延するケースが多く見られる構造的リスクです。

串揚げ店スケルトン施工のコストダウン3つの考え方

串揚げ店のスケルトン開業は、機器投資が総事業費の20〜35%を占めるため、内装工事費だけでなく機器投資・運転資金まで含めた総コスト最適化の視点が不可欠です。コストダウンの3つの軸は、(1)機能優先・意匠標準化、(2)機器の段階導入、(3)4〜5社の相見積もりによる適正価格の見極め、です。3つの軸を組み合わせれば、過剰投資型と最適化型で総事業費に大きな差が生まれます。

軸1 機能優先・意匠の標準化

意匠の標準化と機能優先設計。本格カウンター・コース型では特注カウンターの独自性が集客を左右しますが、立ち食い・町串揚げ型ではブランディングを「客単価帯と立地への適合」に絞り、内装は標準仕様(塩ビタイル・既製カウンター)を採用することで坪単価を15〜25%圧縮できます。

軸2 機器の段階導入

カウンター・串揚げ鍋の段階導入。本格特注カウンター(150〜250万円)を初期投資せず、開業時は部分カウンター(60〜100万円)でスタートし、客数安定後に置き換える戦略があります。同様に大型串揚げ鍋、業務用大型冷蔵庫も、開業1〜2年後の事業計画に組み込むことで初期投資を抑制できます。

軸3 相見積もりの取り方

3〜5社の相見積もりと串揚げ鍋直接調達。串揚げ専門の内装会社・厨房機器商社から3〜5社の相見積もりを取り、各区分単価で比較することで、同じ仕様でも10〜25%の価格差が出ます。串揚げ鍋・カウンター材は内装会社経由ではなく直接調達(機器商社・木材問屋)の方が15〜30%安く入手できます。

⚠️ 過剰投資型

串揚げ店 過剰投資型 総事業費 6,000〜8,000万円
  • 内装グレード高級・特注什器
  • 機器全て新品最高位
  • 広告費開業時に集中投下
  • 人員オープン時から完全配置

✅ 最適化型

串揚げ店 最適化型 総事業費 3,500〜5,000万円
  • 内装グレード標準仕様+ポイント造作
  • 機器中古活用・段階導入
  • 広告費段階投下・自然集客
  • 人員コア人員からスタート

「やりすぎ仕様」の典型と回避策

串揚げ鍋の大型ダクト経路見落としを予防するため、契約前にビル管理会社からのダクト経路・近隣協議書面を必ず取得してください。

串揚げ店の内装会社・業者選び方

串揚げ店のスケルトン施工では、串揚げ店特有の技術要件に対応できる内装会社を選定する必要があります。一般物販店の内装会社では、串揚げ店特有の設計・申請対応に対応できないため、串揚げ店業界の施工実績が過去5年で20件以上ある会社を最低条件に置くのが安全な判断軸です。複数社から相見積もりを取り、内訳の整合性・実績・対応スピード・アフター体制の4軸で総合評価することが、施工品質と費用最適化の両立につながります。

内装会社の評価軸6つ

評価軸 確認事項 判断の目安
価格 ★★★ 総額・支払条件・追加費用ルール
技術 ★★★ 排気・電気・床荷重の業態経験
許認可 ★★★ 保健所・消防・建築の同行協議
施工管理 ★★ 工程管理・現場監督・品質
アフター ★★ 保守・年次点検・24時間連絡
契約条件 ★★ 保証期間・瑕疵対応・支払サイト

避けるべき内装会社の特徴

(1)串揚げ店実績が過去5年で5件未満、(2)業界特有の設計を外注前提でしか提示できない、(3)行政の同行協議に難色を示す、(4)見積もり内訳が「内装一式」「設備一式」など粗い区分で提示される、(5)アフター保守が3年未満・年次点検が含まれない、(6)機器メーカーとの連携経験を施工事例で示せない、のいずれかに該当する会社は、施工開始後にトラブルが多発しやすい構造です。串揚げ店は「やり直しの効かない」工事が多いため、施工力よりも「業界特有の技術リテラシー」を重視する選定が、長期的なリスク低減につながります。

内装会社選定で必ず確認したい12項目

  • 飲食業態の同規模物件で実績10件以上
  • 保健所・消防・建築確認の同行協議実績
  • 見積もり内訳が区分単価で詳細に提示される
  • 3〜5社の相見積もりを正面から受け入れる姿勢
  • 24時間連絡網と年次点検が標準パッケージ
  • 保証期間(1〜2年)と瑕疵対応が契約書に明記

失敗を避ける5つのチェックポイント

串揚げ店のスケルトン開業では、串揚げ鍋ダクト・廃食用油・近隣環境(油煙)といった、業界特有の論点で失敗パターンが散見されます。失敗の多くは「物件契約後に判明する」パターンで、契約前の事前確認の徹底が予防策の核心です。本セクションでは、頻出する失敗パターン5つを抽出し、それぞれの予防策を整理します。物件選定段階で本チェックリストを使い、契約前に9割の論点を潰しておくことが、開業後の追加投資・スケジュール遅延・トラブルを抑制する最大の防衛線となります。

失敗パターン1 串揚げ鍋の大型ダクト経路の見落とし

串揚げ店で最も多い失敗が、串揚げ鍋の大型ダクト(吸引能力5,000〜15,000m³/h・屋上貫通)の経路確認不足です。テナントビルでは大型ダクトを建物外に通す経路が物理的に確保できないケース、確保できても近隣からの反対で工事不可となるケースがあります。予防策は、契約前にビル管理会社からダクト経路図を取得し、近隣協議の見通しを確認することです。

失敗パターン2 廃食用油の処理体制不備

串揚げ店は廃食用油発生量が多く(1日10〜30L)、産業廃棄物扱いで専門業者への委託契約が必須です。委託先未確保のまま開業すると、保管庫満杯による営業停止、追加保管庫工事(30〜100万円)、近隣からの臭気クレームが発生する事例があります。予防策は、開業前に廃食用油処理業者との委託契約を書面確定することです。

失敗パターン3 串揚げ油煙による近隣トラブル

串揚げ油煙は近隣店舗・住居への重大なトラブル要因で、開業後にクレームが発生して営業時間制限や追加脱臭工事(200〜500万円)が発生する事例があります。原因の多くは、ダクトの最終放出位置(屋上の高さ・吹出方向)、深夜営業時の排気時間帯です。予防策は、契約前に近隣店舗・上階用途の確認、ダクトの最終放出位置を屋上最高点・上方吹出に確定することです。

失敗パターン4 GT容量・床下排水の不足

串揚げ店はGT(油脂分離槽)標準型200Lでは油脂溢れが発生し追加工事(100〜400万円)の対象となります。400L以上の大容量GTが安全圏。床下排水も配管径(VP100mm以上)と勾配確保が必要。前テナントが軽飲食の場合、整備が必要となります。予防策は、契約段階で内装会社・GT業者と容量・経路を書面確定することです。

失敗パターン5 ソース壺の衛生管理不備

大阪式串カツ専門・町串揚げ店では共用大型ソース壺(30〜50L)が定番ですが、「二度漬け禁止」のルール明示と動線確保が不備の場合、保健所指導の対象となるケースがあります。各席小皿への小分け対応も検討対象。予防策は、契約段階で内装会社・保健所と動線・衛生管理ルールを書面確定することです。

失敗パターン別の損失額目安

ダクト経路追加 200〜500万円
廃油処理対応 30〜100万円
脱臭・排気追加 200〜500万円
GT・床下排水追加 100〜400万円
ソース壺衛生対応 50〜200万円

物件契約前の「9項目チェックリスト」が最大の防衛線

(1)串揚げ鍋の大型ダクト経路(屋上まで)、(2)廃食用油の保管・産業廃棄物業者契約、(3)GT容量400L以上・床下排水、(4)電気容量・ガス容量、(5)ソース壺の衛生管理動線、(6)空調・換気の串揚げ対応、(7)避難経路、(8)近隣環境(串揚げ油煙・営業時間)、(9)搬入経路の9項目を、物件契約の前に内装会社・厨房機器メーカー・廃油業者・ビル管理会社の四者で書面確認することが、開業後の追加投資を防ぐ最大の打ち手です。

FAQ よくある質問

Q. 串揚げ店のスケルトンと居抜き、どちらを選ぶべきですか?
業態が前テナントと大きく異なる場合、独自ブランディングを重視する場合、10年以上の長期運用を前提にする場合、特注カウンター・本格串揚げ鍋・座敷など特殊レイアウトが必要な場合は、スケルトンが優位です。スケルトンの初期投資は1,200〜4,000万円・工期4〜7ヶ月、居抜きは400〜1,500万円・1〜3ヶ月が目安です。
Q. 串揚げ店のスケルトン坪単価の相場はいくらですか?
標準グレード(立ち食い・町串揚げ)で坪55〜80万円、中位グレード(串カツ専門・本格カウンター)で坪80〜115万円、高級グレード(コース串揚げ・串揚げバル)で坪115〜160万円が一般的な相場です。20坪規模で1,100〜3,200万円、機器・什器を含めた総事業費は1,200〜3,500万円のレンジです。
Q. 串揚げ鍋は電気とガスどちらがよいですか?
電気串揚げ鍋(30〜60万円・温度安定・煙突不要・電気容量大)は都市型・テナントビル向け、ガス串揚げ鍋(40〜80万円・火力強・煙突必要・温度立上げ早)は本格店・路面店向けが標準です。本格カウンター型では各席対面型ダクトが必須で、立地のダクト経路確保可否で方式を選定します。
Q. 串揚げ店の開業までの工期はどれくらいですか?
物件契約から内覧開業まで4〜7ヶ月が標準です。立ち食い・町串揚げ・串カツ専門は4〜5ヶ月、本格カウンター・コース串揚げ・串揚げバルは5〜7ヶ月(特注カウンター・本格鍋・大型ダクト工事の期間を含む)が目安となります。
Q. ソース壺は共用と各席どちらがよいですか?
大阪式串カツ専門・町串揚げでは共用大型壺(30〜50L)が定番で、「二度漬け禁止」のルール明示が必須。本格カウンター・コース串揚げでは各席小皿への小分け対応で衛生面・差別化に有利。業態のブランディングと客単価で選択します。
Q. 物件契約前に確認すべき重要項目は何ですか?
串揚げ鍋の大型ダクト経路、廃食用油の処理体制、GT容量400L以上・床下排水、電気容量と三相200V・ガス容量、ソース壺の衛生管理動線、空調容量、避難経路、近隣協議見通し、搬入経路の9項目を契約前に書面確認することが、開業後の追加投資を防ぐ最大の打ち手です。
Q. 串揚げ店の油煙対策はどうすべきですか?
串揚げ油煙は近隣トラブルの主要因です。対策は、(1)大型ダクト(吸引能力5,000〜15,000m³/h)、(2)ダクト最終放出位置(屋上最高点・上方吹出)、(3)ダクトの脱臭装置(活性炭フィルタ・電気集塵装置)、(4)各席対面型ダクト(本格カウンター型)、(5)契約前の近隣協議です。
Q. 串揚げ店開業の資金調達はどうすればよいですか?
串揚げ店開業の資金構成は、自己資金30〜40%、日本政策金融公庫・信用保証協会経由の融資60〜70%が標準です。2,500万円規模の総事業費なら、自己資金750〜1,000万円、融資1,500〜1,750万円が目安。創業融資は無担保・無保証人で最大3,000万円が利用可能なケースがあります。
Q. 開業後の損益分岐点はどう計算すればよいですか?
標準的な串揚げ店の損益分岐点は、固定費(家賃・人件費・減価償却)月額150〜400万円、変動費率35〜45%(食材・油原価)の前提で、月商300〜800万円が目安です。20坪・客席20席・客単価3,500円・1日2.5回転なら月商525万円のレンジで、健全な経営圏に入ります。
Q. 撤退時の原状回復費用はどれくらいかかりますか?
スケルトン契約の物件では、退去時にスケルトン状態への原状回復が義務付けられるのが一般的です。原状回復費用は、内装工事費の30〜50%が相場で、20坪規模で500〜2,000万円の費用が発生します。特注カウンター・串揚げ鍋・大型ダクト・GTの撤去が論点で、賃貸借契約時に原状回復範囲を明文化することが重要です。

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